JIS C 61000-4-2:2012 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験 | ページ 2

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C 61000-4-2 : 2012 (IEC 61000-4-2 : 2008)
3.17
立上り時間(rise time)
規定した下限値にパルスが到達し,その後,規定した上限値に到達するまでの時間間隔。
注記1 他に規定がなければ,パルス振幅の下限値及び上限値は,それぞれ10 %及び90 %である。
注記2 この定義は,JIS C 60050-161の02-05で規定する定義を変更している。
3.18
立証(verification)
試験装置システム(例えば,発生器と相互接続しているケーブル)を確認し,この試験システムの機能
を証明する一連の作業。
注記1 立証の方法は,校正の方法と異なってもよい。
注記2 この定義は,IEV 311-01-13(IEC 60050-311)で規定する定義と異なっている。

4 一般事項

  この規格は,環境及び設置条件が原因となって発生するESDの影響を受ける装置,システム,サブシス
テム及び周辺装置を対象とする。この環境及び設置条件には,例えば,低い相対湿度,低い導電率の合成
繊維のカーペット,ビニル製の衣類などがある。このような環境は,電気・電子装置に関する規格の中で
分類される全ての場所に存在する可能性がある(詳細についてはA.1を参照)。

5 試験レベル

  ESDに対する試験レベルを,表1に示す。
優先する試験方法は接触放電法であり,気中放電法は接触放電法が適用できない場合に用いる。
各試験方法での試験電圧を表1に示す。表のレベルごとの電圧値は,各々の試験方法によって異なるが,
同じレベルの試験の厳しさは,試験方法間で等価であることを意味していない。
人体に帯電する電圧レベルに影響する種々のパラメータについては,A.2を参照する。また,環境(設
置)クラスに関連した試験レベルの適用例を参考としてA.4に示す。
気中放電試験では,指定の試験レベル及び表1に示したその試験レベルを含む,全ての下位レベルの試
験を行う。
更なる情報は,A.3A.5を参照。
表1−試験レベル
単位 kV
レベル 接触放電 気中放電
試験電圧 試験電圧
1 2 2
2 4 4
3 6 8
4 8 15
X a) 特殊 特殊
注a) “X”は,任意のレベルで,ほかのレベルより高い若しくは低い,又
は間とすることができる。このレベルは装置仕様書で指定する。ここ
に規定するレベル4を超える電圧を指定する場合は,特別な試験装置
が必要となる場合がある。

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6 ESD発生器

6.1 一般事項

  ESD発生器の主要な要素は,次による。
− 充電抵抗Rc
− エネルギー蓄積コンデンサCs
− 分布容量Cd
− 放電抵抗Rd
− 電圧表示器
− 放電スイッチ
− 充電スイッチ
− 交換可能な放電電極の先端(図3参照)
− 放電リターンケーブル
− 直流高圧電源
ESD発生器の基本構成図を図1に示す。
Cd : ESD発生器とその周囲との間に存在する分布容量
Cs+Cdの代表値 : 150 pF
Rdの代表値 : 330 Ω
図1−ESD発生器の基本構成図
ESD発生器は,附属書Bに規定する方法に従って測定し,6.2の要求事項に適合しなければならない。
このため,図1の回路図及び素子の特性値は詳細に規定していない。

6.2 ESD発生器の特性及び性能

  ESD発生器は,附属書Bに規定する方法に従って測定し,表2及び表3の仕様に適合しなければならな
い。表3で規定する理想的な電流波形及び測定点を,図2に示す。

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表2−ESD発生器の仕様
項目 仕様
出力電圧,接触放電モードa) 1 kV8 kV(公称)
出力電圧,気中放電モードa) 2 kV15 kV(公称)c)
出力電圧の許容範囲 ±5 %
出力電圧の極性 正及び負
保持時間 5秒以上
放電動作モード 単発b)
注a) SD発生器の放電電極で測定する開放回路電圧。
b) 予備試験では,ESD発生器は,1秒に20回以上の放電繰返し率で放電できること
が望ましい。
c) 使用する最大試験電圧が15 kVより低い場合には,気中放電電圧15 kVの能力を
もつESD発生器を使用する必要はない。
表3−接触放電電流波形の仕様
レベル 試験電圧 最初の放電ピーク 立上り時間tr a) 30 nsでの 60 nsでの
電流Ip (±25 %) 電流I30 電流I60
(±15 %) (±30 %) (±30 %)
kV A ns A A
1 2 7.5 0.8 4 2
2 4 15 0.8 8 4
3 6 22.5 0.8 12 6
4 8 30 0.8 16 8
30 ns及び60 nsを規定する時間軸の基準点は,電流が最初に放電電流の最初のピーク(Ip)の10 %に達
する瞬間である(図2参照)。
注a) 立上り時間trは,最初のピーク電流値の10 %と90 %との間の間隔である。
図中の記号は表3を参照する。
図2−試験電圧4 kVの場合の理想的な接触放電の電流波形

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C 61000-4-2 : 2012 (IEC 61000-4-2 : 2008)
図2に示す理想的な波形I(t)の式を,次に示す。
n n
t t
I1 1 t I2 3 t
It n exp n exp
k1 t 2 k2 t 4
1 1
1 3
ここに,
/1 n
1 n 2
k1 exp
2 1
/1 n
3 n 4
k2 exp
4 3
1.1 ns 2 ns 12 ns 37 ns
I1=16.6 A(4 kVのとき) I2=9.3 A(4 kVのとき)
n=1.8
k1,k2 : 式I(t)への代数
立上り時間,立下り時間を決定する変数
I1,I2 : ピーク電流を決定する変数
n : 係数
ESD発生器は,EUT及び補助試験装置を妨害しないように,パルス又は連続的な妨害を含む,意図しな
い放射又は伝導妨害を防ぐ手段を備えていることが望ましい(附属書D参照)。
放電電極は,図3に示す形状及び寸法に適合しなければならない。放電電極は絶縁被覆で覆ってもよい
が,放電電流波形仕様を満足しなければならない。
単位 mm
a) 接触放電のための放電電極
図3−ESD発生器の放電電極

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C 61000-4-2 : 2012 (IEC 61000-4-2 : 2008)
単位 mm
b) 気中放電のための放電電極
図3−ESD発生器の放電電極(続き)
接触放電試験及び気中放電試験(以下,ESD試験という。)には,同じESD発生器を用いる。接触放電
試験では,図1の放電スイッチは,放電するときに閉じる。気中放電の試験では,図1の放電スイッチは
閉じた状態を維持できなければならない。
接触放電の場合,図3 a) に示す先端がとが(尖)った放電電極を取り付ける。気中放電の場合,ESD発
生器は,図3 b) に示す先端が丸い放電電極を取り付ける。これ以外に接触放電試験と気中放電試験との仕
様に相違点はない。
ESD発生器の放電リターンケーブルは,長さ(2±0.05)mとし,ESD発生器の波形特性及び性能を満
足しなければならない。放電リターンケーブルの長さは,ESD発生器のきょう体から接続点の端の位置で
測定する。放電リターンケーブルは,ESD試験の間,終端部分を除いて,試験者又は導電性の表面への放
電電流の漏えいを防ぐために,十分に絶縁する。
試験に使用する放電リターンケーブルは,校正に使用したケーブルと同種又は同一でなければならない。
背の高いEUTを試験する場合など,放電リターンケーブルの長さが2 mでは足らない場合には,放電リ
ターンケーブルの長さを3 m以下としてもよい。試験に用いるケーブルは,波形仕様を満たさなければな
らない。

6.3 ESD試験セットアップの立証

  立証の目的は,次のESD試験セットアップが機能していることを保証することである。
− ESD発生器
− 放電リターンケーブル
− 抵抗器,470 kΩ
− 基準グラウンド面
− 放電経路を形成する接続の全て
卓上形装置のESD試験セットアップの例を図4に,床置形装置のESD試験セットアップの例を図5に
示す。試験セットアップが適切であることを確認するため,立証方法として,低電圧設定において結合板
に対する気中放電中に小さなスパークが生じること,及び高電圧設定において大きなスパークが生じるこ
とによって確認してもよい。この立証に先立って,各装置の配置を確認することが重要である。
注記 ESD発生器の波形は,通常は変化しない(例えば,波形の立上り時間及び持続時間はドリフト
しない。)ため,ESD発生器のほとんどの故障は,電圧が放電電極に発生しない,又は電圧制

――――― [JIS C 61000-4-2 pdf 10] ―――――

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規格番号
規格名称
JISC60050-161:1997
EMCに関するIEV用語