JIS C 61000-4-5:2018 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験 | ページ 2

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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
3.1.8
持続時間(duration)
3.1.8.1
持続時間(サージ電圧の場合),Td(duration)
サージ電圧の瞬時値が,最初にピーク値の50 %に達してから,次のピーク値の50 %に達するまでの時
間間隔(図2及び図A.2のTwと等しい値)。
3.1.8.2
持続時間(8/20 sサージ電流の場合),Td(duration)
サージ電流の瞬時値が,最初にピーク値の50 %に達してから,次のピーク値の50 %に達するまでの時
間間隔に1.18を乗じた仮想パラメータ(図3のTwに1.18を乗じた値)。
3.1.8.3
持続時間(5/320 sサージ電流の場合),Td(duration)
サージ電流の瞬時値が,最初にピーク値の50 %に達してから,次のピーク値の50 %に達するまでの時
間間隔(図A.3のTwに等しい値)。
3.1.9
実効出力インピーダンス(effective output impedance)
サージ発生器の同じ出力ポートでのピーク短絡電流に対するピーク開回路電圧の比。
3.1.10
(削除)
注記 対応国際規格で定義する“電気設備(electrical installation)”は,この規格では用いていないた
め不採用とした。
3.1.11
フロントタイム(front time)
3.1.11.1
フロントタイム(サージ電圧の場合),Tf(front time)
サージ電圧がピーク値の30 %における時間と90 %における時間との時間間隔Tに1.67を乗じた仮想パ
ラメータ(図2及び図A.2のTに1.67を乗じた値)。
3.1.11.2
フロントタイム(サージ電流の場合),Tf(front time)
サージ電流がピーク値の10 %と90 %とになるときの時間間隔Trに1.25を乗じた仮想パラメータ(図3
及び図A.3のTrに1.25を乗じた値)。
3.1.12
高速通信線(high-speed communication lines)
100 kHzを超える伝送周波数で動作する入出力線。
3.1.13
イミュニティ(immunity)
電磁妨害が存在する環境で,機器,装置又はシステムが性能低下せずに動作することができる能力。
[JIS C 60050-161-01-20]
3.1.14
相互接続線(interconnection lines)

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 6] ―――――

4
C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
I/O線(入出力線),通信線,及び/又は低電圧直流入出力線(60 V以下)。ここで,低電圧直流入出力
線とは,二次回路(交流電源から分離されている。)に,過渡的な過大電圧の影響を受けないもの(例えば,
確実に接地接続されている,リプルの振幅が直流成分の10 %未満の容量性フィルタをもつ直流二次回路な
ど)との接続線をいう。
3.1.15
電源ポート(power port)
装置の動作(機能)又は関連する装置を接続するために必要な一次電源を伝達する導体又はケーブルの
ポート。
3.1.16
一次保護(primary protection)
強力なエネルギーの大半が,特定のインタフェースを越えて伝わることを防止する手段。
3.1.17
基準グラウンド(reference ground)
あらゆる接地接続の影響も受けない,通常ゼロ電位で,かつ,導電性がある大地の一部。
[IEC 60050-195:1998,195-01-01]
3.1.18
立ち上がり時間,Tr(rise time)
サージの瞬時値が最初にピーク値の10 %に到達し,その後,90 %に到達するまでの時間間隔(図3及び
図A.3参照)。
[JIS C 60050-161-02-05,修正]
3.1.19
二次保護(secondary protection)
一次保護を通過したエネルギーを抑制する手段。
注記 二次保護は,特別のデバイス又はEUT固有の特性の場合がある。
3.1.20
サージ(surge)
急激な上昇の後に緩やかに減少する特徴をもったライン又は回路を伝達する電流,電圧又は電力の過渡
的波形。
[JIS C 60050-161-08-11,修正]
3.1.21
対称線(symmetrical lines)
ディファレンシャルモードからコモンモードへの変換損失が20 dBを超える,対称的に駆動する一対の
導体。
3.1.22
システム(system)
指定する機能を行うことによって,与えられた目的を達成するために構成する相互依存する要素のセッ
ト。
注記 システムは,環境及びほかの外部システムとの結合を分離する仮想の境界によって,環境及び
ほかの外部システムから切り離して考えている。これらの結合を通じて,システムは,環境に
よって影響を受けるか,外部システムによって影響されるか,又はシステム自身が環境若しく

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 7] ―――――

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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
は外部システムに影響を与える。
3.1.23
過渡現象(transient)
対象とする時間スケールに比べて短い時間間隔で,二つの連続する定常状態の間を変化する現象若しく
は量に関係するもの,又はその呼称。
[JIS C 60050-161-02-01]
3.1.24
検証(verification)
試験装置システム(例えば,試験発生器及びその相互接続しているケーブル)を確認し,この試験シス
テムが機能することを証明する一連の作業。
注記1 検証の方法は,校正の方法と異なってもよい。
注記2 この定義は,IEC 60050-311(IEV 311-01-13)に規定する定義と異なっている。
3.2 略語
AE 補助装置(Auxiliary equipment)
CD 結合デバイス(Coupling device)
CDN 結合・減結合回路網(Coupling/decoupling network)
CLD クランプ素子(Clamping device)
CN 結合回路網(Coupling network)
CWG コンビネーション波形発生器(Combination wave generator)
DN 減結合回路網(Decoupling network)
EFT/B 電気的ファストトランジェント/バースト(Electrical fast transient/burst)
EMC 電磁両立性(Electromagnetic compatibility)
ESD 静電気放電(Electrostatic discharge)
EUT 供試装置(Equipment under test)
GDT ガス入り放電管(Gas discharge tube)
MU 測定不確かさ(Measurement uncertainty)
PE 保護接地(Protective earth)
SPD サージ保護デバイス(Surge protective device)

4 一般

4.1 電力系統の開閉過渡現象

  電力系統における開閉の過渡現象は,その関連する過渡現象によって次のように分類できる。
a) コンデンサバンクの開閉のような,主電源系の開閉妨害。
b) 配電系統における,小さな局所的開閉動作又は負荷変動。
c) サイリスタ,トランジスタなどの半導体デバイスに起因する共振。
d) 設備の接地系統に対する短絡及び放電故障のような,各種のシステム故障。

4.2 雷の過渡現象

  雷がサージ電圧を発生する主なメカニズムは,次による。
a) 外部(屋外)回路への直撃雷によって,接地抵抗又は外部回路のインピーダンスのいずれかに大電流
が流れることで電圧が誘起する。

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 8] ―――――

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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
b) 間接的な雷撃(雲と雲との間,雲の内部,又は近くの物体への雷撃によって発生する電磁界)によっ
て,建物の外側及び/又は内側の導体に,電圧又は電流を誘起する(誘導雷)。
c) 近くの大地へ直接放電する雷によって,大地電流が設備の接地系統の共通接地経路に流れ込む。
雷保護デバイスが作動するときに発生する電圧及び電流の流れの急激な変化は,隣接した装置に電磁妨
害を誘起することがある。

4.3 過渡現象のシミュレーション

  試験発生器は,できるだけ正確に4.1及び4.2に記載した現象を模擬する。
妨害源が同一回路内,例えば,電源供給回路内にある場合(直接結合),発生器は,EUTのポートにお
いて低インピーダンス源を模擬する。
妨害源が同一回路内にない場合(間接結合),発生器は,高インピーダンス源を模擬する。

5 試験レベル

  推奨する試験レベルは,表1による。
表1−試験レベル
レベル 開回路試験電圧
kV
ライン−ライン間 ライン−グラウンド間b)
1 − 0.5
2 0.5 1.0
3 1.0 2.0
4 2.0 4.0
X a) 特殊 特殊
注a) は任意のレベルで,ほかのレベルよりも高い若しくは低い,又はレベル間
とすることができる。このレベルは,装置仕様に明確に記載する。
b) 対称的な相互接続線は,グラウンド(すなわち,ライン−グラウンド間)に
対して,同時に複数のラインに試験できる。
試験レベルは,設置条件に従って選択する。その設置条件の分類は,附属書Cに示す。
試験は,選択した試験レベル,及び表1に規定する下位の全ての試験レベルで行う(8.3参照)。
各種のインタフェースに対する試験レベルは,附属書Bを参照して選択する。

6 試験装置

6.1 一般

  この規格では,2種類のCWGを規定する。それぞれの発生器は,試験ポートの種類に応じて適用する。
10/700 s CWGは,屋外用の対称通信線へ接続することを意図する試験ポートに用いる(附属書A参照)。
1.2/50 s CWGは,ほかの全ての場合に用いる。
6.2 1.2/50 s CWG
6.2.1 一般
このCWGは,出力波形がEUTに印加する箇所で仕様を満たすことを意図している。これらの波形は,
開回路電圧及び短絡電流として規定し,EUTを接続せずに測定する。EUTの交流又は直流電源線にサージ
を印加する場合,電源線に印加するCDNの出力波形は,表4,表5及び表6を満足させる。CWG出力端

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 9] ―――――

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C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
子から直接サージを印加する場合,出力波形は,EUTを接続しない状態で,表2を満足させる。これらの
波形は,EUTだけに印加する場合であり,CWG出力及びCDNの出力を同時に満足することは意図してい
ない。
CWGは,次のサージを発生することを意図している。
− 開回路電圧のフロントタイム : 1.2 s
− 開回路電圧の持続時間 : 50 s
− 短絡電流のフロントタイム : 8 s
− 短絡電流の持続時間 : 20 s
CWGの簡易回路図を,図1に示す。各種の構成部品Rs1,Rs2,Rm,Lr及びCcの値は,CWGが1.2/50 s
開回路電圧サージ及び8/20 s短絡電流サージを出力するように選択する。
Rc S Rm Lr
U Cc Rs1 Rs2
U : 高電圧源
Rc : 充電抵抗
Cc : エネルギー蓄積コンデンサ
Rs1,Rs2 : サージ幅形成抵抗
Rm : インピーダンス整合抵抗
Lr : 立ち上がり時間形成インダクタ
S : 放電スイッチ
図1−CWGの簡易回路図
CWGの同じ出力ポートのピーク開回路出力電圧とピーク短絡電流との比は,実効出力インピーダンス
とみなす。このCWGでは,実効出力インピーダンスは,2 Ωとなる。
CWGの出力をEUTに接続している場合,電圧及び電流の波形は,EUTの入力インピーダンスの影響を
受ける。サージをEUTに印加している間,この入力インピーダンスは,次のような場合に変化することが
ある。
a) 取り付けた保護デバイスが正常に動作した場合。
b) 保護デバイスがない又は動作しない状態で,次のいずれかが発生した場合。
− フラッシュオーバ
− EUTの部品破壊
したがって,負荷によって決まる1.2/50 s電圧波形及び8/20 s電流波形は,一つの発生器(CWG)で
出力する。
6.2.2 CWGの性能特性
CWGの性能特性は,次による。
− 極性 正及び負

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 10] ―――――

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JIS C 61000-4-5:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61000-4-5:2014(IDT)

JIS C 61000-4-5:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 61000-4-5:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC60050-161:1997
EMCに関するIEV用語