JIS C 6122-4-1:2013 光増幅器―測定方法―第4-1部:過渡パラメータ―二波長法を用いた利得パラメータ測定 | ページ 3

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C 6122-4-1 : 2013 (IEC 61290-4-1 : 2011)

8 測定結果

  一般的な測定条件におけるCバンドEDFAの典型的な測定条件及び過渡応答測定の典型的な結果の例を,
表2に示す。この測定条件には,利得,残存チャネルの波長,入力光パワー,過渡事象の種類(3 dBのチ
ャネル減設,1 dBのチャネル増設など)及び種々の過渡パラメータを含む。供試OFAの過渡応答特性を
評価するために,使用者は,供試OFAのダイナミックレンジ特性に適する測定条件を選択する。
過渡パラメータの典型的な値を,表2の最終行に記載する。
表2−CバンドEDFAの過渡応答測定の典型的な結果(及び書式)の例
増幅器の利得 dB 既存又は残存チャネル波長 nm
入力 ネット過渡利得 過渡利得応答 利得
ネット過渡利得
過渡事象 光パワー アンダシュート 時定数 オフセット
オーバシュートdB
dBm dB μs dB
3 dBのチャネル
−4 0.5 0.2 10 −0.2
増設又は減設
x dBのチャネル
増設又は減設
典型的な値 1未満 0.5未満 100未満 0.5未満

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C 6122-4-1 : 2013 (IEC 61290-4-1 : 2011)
附属書A
(参考)
光増幅器における過渡応答現象
光パワーの過度応答は,ネットワークの光パワーレベルをサブミリ秒の時間スケールで変動させる。こ
れは,チャネル数の変化,受動損失変動及びネットワーク保護スイッチの切替えなどで起こる。動的なネ
ットワーク環境においては,サービス品質の劣化を防ぐために,このような光パワー変動を光増幅器で補
償する必要がある。例えば,ネットワークを再構成する場合,EDFA入力におけるDWDMチャネル数が突
然減少すると,マイクロ秒の時間スケールで光増幅器の反転分布が増加し,利得が増大する。この利得変
化は,ネットワークサービス業者(NSP)にとっては有害である。すなわち,NSPのネットワークに最適
化された利得レベルで運用することができなくなり,潜在的にサービス品質に影響を与えるからである。
サービス品質の劣化は,典型的にはビット誤り率(BER)の増大として現れる。チャネルパワーの減少は
光信号対雑音比(OSNR)を減少させる。一方,光パワーの増大は,伝送に用いる光ファイバの非線形効
果を引き起こし,増幅された入力信号のショット雑音による信号ショット雑音係数Fshot,sigの増大をもたら
すため,劣化の影響が大きくなる。
入力光パワー,励起光パワー及び光増幅器の反転レベルなどの要素が,EDFAの利得を決定する。EDFA
の反転レベルは,入力信号光にエネルギーを与えるエルビウム原子の割合,すなわち光利得に寄与するエ
ルビウム原子の割合で決まる。一般的に,励起光パワーが増加すると反転レベルは上昇し,入力光パワー
が増加すると反転レベルは低下する。EDFAへ入力するチャネルを増設するとEDFAへ入力する光パワー
が増加するので,反転分布のレベルを維持するために励起光パワーを増加させてチャネル当たりの利得を
維持する必要がある。光ネットワークのパフォーマンスを最適化するために,チャネル当たりの利得を一
定に保つことが重要である。同様に,EDFAへ入力するチャネルを減設した場合,残存チャネルごとの利
得を一定に維持するために励起光パワーを速やかに低減する必要がある。
励起光源電流を調整することで,EDFAの利得を制御することができる。励起光源制御の基本的な構成
を,図A.1に示す。この構成には,信号タップ及びモニタフォトダイオードによるEDFAの入力及び出力
光パワーの測定を含む。EDFAにおける自然放出光寿命程度の時間スケールで行う励起光源制御が初期に
報告されている。低周波数制御ループを用いて,低周波数のフィードフォワード補償を行う研究結果があ
る。エルビウムの自然放出光寿命よりはる(遙)かに短い時間スケールで励起光パワーを制御することで,
残存チャネルの光パワー変動を抑制できることを,図A.1に示す。減設チャネルを遮断した後の遅延時間
の関数として残存チャネルの光パワーを計測し,必要な応答時間を求めている。その後,残存チャネルの
利得を一定に保つために,第2段目の増幅器の励起光パワーを適切に減少させる。信号光パワー及び励起
光パワーがそれぞれ変化する時間スケールは同程度であり,信号光パワーの変動から励起光パワーを減少
させるまでの遅延時間が十分に短い場合は,残存チャネルの光パワー変動を任意に制限することができる
ということを,実験で明らかにしている。例えば,数マイクロ秒の遅延で励起光パワーを制御すれば,出
力光パワー変動は無視できる程度になるということが,図A.1の右下の図に示されている。これは,標準
的な励起状態において,励起光パワーの調整を短時間で決定することができれば,残存チャネルの変動を
抑制するのに十分な速度で励起光パワーを低減できるということを示している。このような測定結果は,
チャネルを減設した場合,残存チャネルの光パワー変動を最小にする励起光パワー制御における制御系の
応答速度は数十マイクロ秒より速くなければならないことを示している。

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残存チャネルの相対光パワー(dB)
利得制御オフ
1スパン,制御オフ
エルビウム添加 2スパン,制御オフ
光ファイバ 3スパン,制御オフ
4スパン,制御オフ
時間(ms)
残存チャネルの相対光パワー(dB)
利得制御オン
利得制御回路
時間(ms)
4スパン,320 km伝送後の残存チャネルの光パワー
注記 半分のチャネルを周期的に増設又は減設している。全てのEDFAにおいて励起制御した場合,及び励起制御し
ない場合について,残存チャネルの相対光パワーを右の図に示す。
図A.1−五つのEDFAを四つの光ファイバスパンで接続した場合のEDFA励起制御
光伝送システムに用いる場合は,EDFAは飽和モードで動作する。EDFAにおける利得飽和は波長に対
して極めて均一である。これは,複数チャネルのWDMシステムでは,一旦,チャネルの一つの利得が分
かれば,他のチャネルの利得は直接計算できることを意味する。この結果は,EDFAモデルの均一性から
得られる。EDFAの利得スペクトルは非常に均一であるが,僅かの不均一性が観察されている。不均一広
がりが,光増幅器の利得スペクトルにスペクトルホールバーニング(SHB)を引き起こす。厳密な差分測
定技術を用いることで,EDFAにおけるSHBを室温で測定している。異なる飽和レベルにおけるSHBの
測定結果を,図A.2に示す。この図は,FWHM(半値全幅)8 nmのスペクトルホールの存在を示している。
小信号利得に対する利得圧縮が1 dB増加するごとに,0.027 dBの割合で比例してホールの深さが増えてい
る。10 dBの利得圧縮に対しては,SHBによって利得スペクトルに0.28 dBの落ち込みを観察している。
SHBは波長依存性が強く,波長1 532 nmでは波長1 551 nmの4倍の大きさであることが示されている。
飽和が生じる波長に対するスペクトルホール幅の依存性を,図A.3に示す。飽和する波長が長いほど,ス
ペクトルホールの半値全幅は増大する。

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C 6122-4-1 : 2013 (IEC 61290-4-1 : 2011)
利得圧縮
波長(nm)
図A.2−様々な利得圧縮におけるEDFAスペクトルホールの深さ
1dB/
利 得差 (0. 目盛 )
波長(nm)
図A.3−異なる波長におけるEDFAスペクトルホールの深さ
SHB効果は,長距離光伝送システムの利得形状に影響を与える。この効果は,システムの各WDMチャ
ネルが,スペクトルホールの帯域内に含まれる近隣チャネルの利得を減少させるが,離れたチャネルには
大きな影響を与えない。したがって,利得スペクトルを評価する場合は,チャネル間隔がスペクトルホー
ルの帯域幅より狭い多波長入力信号を用いることが重要である。一つの光増幅器におけるSHBの影響は

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C 6122-4-1 : 2013 (IEC 61290-4-1 : 2011)
0.2 dBから0.3 dB程度と小さいが,長距離又は海底伝送システムのように光増幅器を多数個直列に接続し
た場合は,互いに足し合わさり,スペクトル全体で相当目立つ変化を引き起こす可能性がある。9 300 km
を超える長距離伝送では,SHBの効果を十分に考慮しなければならない。SHBはチャネルパワーの発散を
軽減する効果があり,WDMシステムに良い意味で影響を与えており,そのため,システム設計に含める
必要がある。
注記 SHBが発生する波長域では信号の利得が減少するので,SHBが発生していない波長域に存在す
る信号に対して利得の偏差が増大する。そのため,SHBは抑圧しなければならない効果と考え
るのが一般的である。
しかし,多数のEDFAを直列に接続する長距離伝送システムにおいてWDM伝送を考えた場
合,直列に接続するEDFAの利得リップルの波長依存性が同じだと,EDFAの利得リップルが
段数ごとに加算される。その結果,利得リップルが発生する波長域ではチャネル当たりの光パ
ワーが平均出力から逸脱する。この場合,利得リップルが正の方向で加算される波長における
利得は,SHBの効果によって,段数分の増幅器の利得リップルを加算して与えられる利得より
も減少する。一方,光パワーに比例してSHBのホールの深さが大きくなるため,利得リップル
が正の方向で加算される波長におけるSHBによる利得低下と比較して,利得リップルが負の方
向で加算される波長においてはSHBによる利得低下は小さくなる。結果として,SHBの効果
がない場合の利得の重ね合わせよりも,SHBが加わった方が,利得リップルによる利得偏差が
圧縮される。

――――― [JIS C 6122-4-1 pdf 15] ―――――

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JIS C 6122-4-1:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61290-4-1:2011(IDT)

JIS C 6122-4-1:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6122-4-1:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC6121:2010
光増幅器―通則