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C 61800-5-1 : 2016 (IEC 61800-5-1 : 2007)
導体又は導電性部分。
3.18
低電圧PDS(low-voltage PDS)
入力側の変換器電圧(線間電圧)が交流1 000 V以下で,周波数が50 Hz又は60 HzのPDS。
注記 これらの製品は,IEC 61800-1又はIEC 61800-2の適用対象である。
3.19
開放形(製品)[open type (product)]
アクセスに対する保護を施しているきょう体又はアセンブリに組み込むことを意図した構造(の製品)。
3.20
駆動システム,PDS(power drive system, PDS)
電動機の速度制御を目的とするシステム。CDM及び電動機を含み,被駆動装置を含まない(図1及び
図1A参照)。
3.21
保護特別低電圧回路,PELV回路[protective ELV (PELV) ircuit]
次の特性をもった電気回路。
・ 単一故障が起きても正常状態と同様に電圧が継続してELVを超えることがない。
・ PELV又はSELV以外のほかの回路から保護分離されている。
・ PELV回路若しくは接近可能な導電性部分又はその両方が接地されている。
3.22
推定短絡電流(prospective short-circuit current)
回路に接続する電源導体を,PDS,CDM又はBDMの電源端子の直近で,インピーダンスが十分小さい
導体で短絡したときに流れる電流。
3.23
保護ボンディング(protective bonding)
安全の目的のための導電性部分の電気的接続。
3.24
保護クラス0(protective class 0)
感電に対する保護を基礎絶縁だけで行うクラス。
注記 このクラスの装置は,基礎絶縁が損なわれたときに危険となる。
3.25
保護クラスI(protective class I)
基礎絶縁が故障したときに,接近可能な導電性部分が課電しないよう,接近可能な導電性部分を設備内
の保護導体又は保護接地導体に固定配線で接続して,基礎絶縁だけでなく追加の安全対策を加えて感電保
護を行うクラス。
3.26
保護クラスII(protective class II)
基礎絶縁だけでなく,付加絶縁又は強化絶縁のような安全対策を追加して感電保護を行い,保護接地又
は据付状態に依存した対策を必要としないクラス。
3.27
保護クラスIII(protective class III)
――――― [JIS C 61800-5-1 pdf 11] ―――――
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C 61800-5-1 : 2016 (IEC 61800-5-1 : 2007)
電源をELVで供給することによって感電保護が行われ,内部でELVを超える電圧の発生がなく,保護
接地する必要がないクラス(JIS C 0365の7.4参照)。
3.28
保護接地(PE)[protective earthing (PE)]
故障時に感電から保護するための,システム又は装置内の1か所での接地。
3.29
保護接地導体(protective earthing conductor)
保護接地を行うための導体。
[IEV 195-02-11]
3.30
保護インピーダンス(protective impedance)
正常状態及び発生する可能性がある故障状態において,流れる電流を安全な値に制限し,装置の寿命に
達するまでその信頼性が維持される,充電部と接近可能な導電性部分との間に接続するインピーダンス。
3.31
保護遮蔽(protective screening)
保護接地導体に接続した導電性遮蔽物を用いた,危険な充電部からの回路の分離。
3.32
保護分離(protective separation)
基礎保護と付加保護とによる(基礎絶縁に付加絶縁又は保護遮蔽を追加した)回路間の分離,又は同等
の保護手段(例えば,強化絶縁)による回路間の分離。
3.33
強化絶縁(reinforced insulation)
二重絶縁と同等な感電防止の保護レベルをもつ,危険な充電部の絶縁。
3.34
ルーチン試験(routine test)
ある基準への適合を確認するために,製造中又は製造後に個々の機器に対して行う試験。
3.35
安全特別低電圧回路,SELV回路[safety ELV (SELV) ircuit]
次の特性をもった電気回路。
・ 電圧はELVを超えない。
・ SELV又はPELV以外の回路から保護分離されている。
・ SELV回路又はその接近可能な導電性部分を接地していない。
・ SELV回路と大地及びPELV回路との間に基礎絶縁が施されている。
3.36
抜取試験(sample test)
一つのロットから無作為に抜き取られた幾つかの機器に行う試験。
3.37
付加絶縁(supplementary insulation)
基礎絶縁の不良に対する感電保護のために基礎絶縁に付加して用いる絶縁。
注記 基礎絶縁及び付加絶縁は,感電に対してそれぞれが基礎的な保護を行うように分離して設計す
――――― [JIS C 61800-5-1 pdf 12] ―――――
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C 61800-5-1 : 2016 (IEC 61800-5-1 : 2007)
る。
3.38
システム電圧(system voltage)
絶縁要求事項を決めるために用いる電圧。
注記 システム電圧の詳細は,4.3.6.2.1を参照。
3.39
短時間過電圧(temporary overvoltage)
比較的持続時間が長い商用周波の過電圧。
3.40
接触電流(touch current)
電気設備又は電気装置の1か所以上の接近可能な部分に接触した場合,人体又は動物の体に流れる電流。
3.41
形式試験(type test)
ある仕様に設計が適合しているか確認するため,1台以上の機器に対して行う試験。
3.42
使用者用端子(user terminal)
PDS,CDM又はBDMの外部接続用の端子。
3.43
動作電圧(working voltage)
定格電圧(許容変動は含まない。)を印加している状態で,かつ,通常使用時に最悪の動作条件において,
回路内又は絶縁部に生じる電圧。
注記 動作電圧は,直流又は交流の可能性がある。実効値及び繰返しピーク電圧の両方を用いる。
3.44
等電位ボンディング区域(zone of equipotential bonding)
同時に接近可能な導電性部分を全て電気的に接続することで,それらの間に危険な電圧が生じないよう
にした区域。
注記 等電位ボンディングにおいて,各部分を接地する必要はない。
4 感電,熱及びエネルギー危険源(ハザード)に対する保護
4.1 一般事項
この箇条では,PDSの据付け,通常の動作条件及び期待寿命内での保守における安全を確保するための,
PDSの設計及び組立に対する最小要求事項を規定する。通常予想される誤使用に起因する危険を最小化す
るための検討も含む。
BDM,CDM又はPDSにおける,この箇条の要求事項は,表2による。
――――― [JIS C 61800-5-1 pdf 13] ―――――
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表2−PDS/CDM/BDMに対する要求事項
箇条 題名 PDS a) CDM/
BDM
4.2 (感電,熱及びエネルギー危険源に対する保護)−故障状態 A A
4.3.1 判定電圧の分類 A A
4.3.2 保護分離 A A
4.3.3 直接接触に対する保護 A C
4.3.4 直接接触の可能性がある場合の保護 A C
4.3.5.1(間接接触に対する保護)−一般事項 A A
4.3.5.2充電部と接近可能な導電性部分との間の絶縁 A C
4.3.5.3保護ボンディング回路 A C
4.3.5.4保護接地導体 A A
4.3.5.5保護接地導体の接続方法 A A
4.3.5.6保護クラスIIの装置の特記事項 A C
4.3.6 絶縁 A A
4.3.7 きょう体 A C
4.3.8 配線及び接続 A A
4.3.9 出力短絡に対する要求事項 A A
4.3.10 漏電遮断器(RCD)又は漏電監視機器(RCM)の適合性確認 A C
4.3.11 コンデンサ放電 A A
4.3.12 高電圧PDSに対する接近条件 A C
4.4 熱的危険源に対する保護 A A
4.4.3 きょう体材料の燃焼性 A C
4.4.5 液体冷却PDSに対する要求事項 A A
4.5 エネルギー危険源に対する保護 A A
4.5.2 機械エネルギーに起因する危険源 A C
4.6 環境ストレスに対する保護 A A
注記 A : 常に関連する要求事項
C : CDM又はBDMに関連する要求事項。ただし,要求する保護を備えたアセンブリに
組み込んだCDM又はBDMを除く。
注a) 一体形PDSはPDSに対する要求事項を満たさなければならない。
4.2 故障状態
PDSは,危険を防止するために設備に特別の対策がとられていない限り,危険を生じる故障状態,又は
コンポーネントの故障を引き起こす,動作モード又はシーケンスを避けなければならない。
単一故障状態においては,熱的危険及び感電に対する保護を正常時と同様に維持しなければならない。
その故障が熱的又は感電の危険を引き起こすコンポーネント(絶縁システムを含む。)を特定するために
回路解析を行う。その解析には,コンポーネントの短絡及び開放状態の影響を含める。短絡試験中に同等
の試験が行われるパワー半導体デバイス,及びPDSの期待寿命の間に故障するおそれがないと判断したコ
ンポーネントは,解析に含む必要はない。試験については,5.2.3.6.4による。
注記 解析の結果,危険に至るコンポーネントが見付からないことがある。この場合,コンポーネン
トの故障試験は不要である。
電動機の回転部,並びに変圧器及びコンデンサの油の可燃性のような,PDSの主要コンポーネントに付
随する潜在的な危険に対しても検討する。
――――― [JIS C 61800-5-1 pdf 14] ―――――
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C 61800-5-1 : 2016 (IEC 61800-5-1 : 2007)
4.3 感電に対する保護
4.3.1 判定電圧の分類
4.3.1.1 判定電圧階級(DVC)の使用
感電に対する保護方法は,表3に示す判定電圧の分類に従って決まり,判定電圧階級(DVC)は回路内
の動作電圧の限度値で決まる。すなわち,DVCは,回路に対する保護の最低の要求限度を決める。
4.3.1.2 DVCの限度値
表3−判定電圧階級の限度値
DVC 動作電圧の限度値 箇条
(V)
交流電圧(実効値) 交流電圧(ピーク値) 直流電圧(平均値)
UACL UACPL UDCL
A a) 25 35.4 60 4.3.4.2,4.3.4.4
B 50 71 120 4.3.5.3.1 a), b)
C 1000 4500 b) 1500
D 1000 超え 4500 超え 1500 超え
注a) 単一のDVC A回路だけで構成する装置に対する動作電圧の限度値は,交流電圧(実効値)を30 V,
交流電圧(ピーク値)を42.4 Vとする。
b) 全ての低電圧PDSは,4 500 V(反射として3×2×1 000 V=4 242 Vを考慮したピーク限度値)に
よって表7が適用できる。
4.3.1.3 保護に対する要求事項
対象回路及び近接回路のDVCに応じた,基礎絶縁又は保護分離の適用に対する要求事項は,表4によ
る。
表4−対象回路の保護要求事項
対象回路の 直接接触に 接地された部分 接地されていない接近可能DVCの近接回路に対する絶縁
DVC 対する保護 に対する絶縁 導電性部分に対する絶縁 A B C D
A 不要 a* a f* b p‡ p
B 要 b p − b p‡ p
C 要 b p − − b p
D 要 b p − − − b
a : 安全のための絶縁は必要ではないが,機能上の理由で必要となることがある。
f : より高い電圧の回路に対する機能絶縁
b : より高い電圧の回路に対する基礎絶縁
p : より高い電圧の回路に対する保護分離
注 * 対象回路がSELV回路の場合は,大地及びPELV回路に対する基礎絶縁が必要である。
‡ 対象回路への直接接触に対する保護が,より高い電圧の回路に対する基礎絶縁又は付加絶縁によってなさ
れている場合,より高い電圧の回路に対する基礎絶縁を適用してもよい。
4.3.1.4 回路評価
4.3.1.4.1 一般事項
対象とする回路のDVCは,電圧波形を3種類に分けて,次に示す方法で評価する。
4.3.1.4.2 交流動作電圧
交流動作電圧は,図2による。
――――― [JIS C 61800-5-1 pdf 15] ―――――
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JIS C 61800-5-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61800-5-1:2007(IDT)
JIS C 61800-5-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.130 : 開閉装置及び制御装置
JIS C 61800-5-1:2016の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
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- 耐火性試験―電気・電子―第2-10部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―グローワイヤ試験装置及び一般試験方法
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- 耐火性試験―電気・電子―第2-13部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―材料に対するグローワイヤ着火温度指数(GWIT)