JIS C 62282-4-102:2021 燃料電池技術―第4-102部:移動体推進用燃料電池発電システム―電気式産業車両に用いる燃料電池発電システムの性能試験方法

JIS C 62282-4-102:2021 規格概要

この規格 C62282-4-102は、定格出力が直流150 V以下の屋内及び屋外用途の,燃料容器を車両内又は燃料電池発電システム内に恒久的に固定し,燃料として気体水素又はメタノールを改質せずに使用する電気式産業車両用燃料電池発電システムの性能試験方法について規定。

JISC62282-4-102 規格全文情報

規格番号
JIS C62282-4-102 
規格名称
燃料電池技術―第4-102部 : 移動体推進用燃料電池発電システム―電気式産業車両に用いる燃料電池発電システムの性能試験方法
規格名称英語訳
Fuel cell technologies -- Part 4-102:Fuel cell power systems for electrically powered industrial trucks -- Performance test methods
制定年月日
2021年3月22日
最新改正日
2021年3月22日
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対応国際規格

ISO

IEC 62282-4-102:2017(MOD)
国際規格分類

ICS

27.070
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2021-03-22 制定
ページ
JIS C 62282-4-102:2021 PDF [31]
                                                                             C 62282-4-102 : 2021

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[3]
  •  4 記号・・・・[5]
  •  5 標準状態・・・・[6]
  •  6 発熱量基準・・・・[6]
  •  7 試験の準備・・・・[6]
  •  7.1 一般・・・・[6]
  •  7.2 データ取得計画・・・・[7]
  •  8 試験のセッティング・・・・[7]
  •  9 測定機器及び測定方法・・・・[9]
  •  9.1 一般・・・・[9]
  •  9.2 測定機器・・・・[9]
  •  9.3 測定点・・・・[9]
  •  9.4 系統的測定不確かさの要求限度値・・・・[10]
  •  10 試験条件・・・・[10]
  •  10.1 試験室の条件・・・・[10]
  •  10.2 燃料電池発電システムの設置及び運転条件・・・・[10]
  •  10.3 蓄電池の表示・・・・[10]
  •  10.4 試験燃料の品質・・・・[11]
  •  11 燃料消費量試験・・・・[11]
  •  11.1 水素燃料消費量試験・・・・[11]
  •  11.2 メタノール燃料消費量試験・・・・[13]
  •  12 電力出力試験・・・・[14]
  •  12.1 一般・・・・[14]
  •  12.2 試験方法・・・・[14]
  •  12.3 平均電力出力の計算・・・・[14]
  •  12.4 発電効率の計算・・・・[14]
  •  13 運転性能形式試験・・・・[15]
  •  13.1 最大出力試験・・・・[15]
  •  13.2 電気負荷出力サイクル試験・・・・[15]
  •  13.3 誘導性負荷による電圧ノイズ試験・・・・[16]
  •  14 運転中の出力安定性・・・・[16]
  •  14.1 一般・・・・[16]

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           C 62282-4-102 : 2021

pdf 目次

ページ

  •  14.2 給電量・・・・[16]
  •  14.3 回生電力・・・・[17]
  •  15 環境性能形式試験・・・・[17]
  •  15.1 一般・・・・[17]
  •  15.2 騒音試験・・・・[17]
  •  15.3 排気ガス試験・・・・[19]
  •  15.4 排水試験・・・・[22]
  •  16 試験報告書・・・・[22]
  •  16.1 一般・・・・[22]
  •  16.2 表題ページ・・・・[23]
  •  16.3 目次・・・・[23]
  •  16.4 概要報告書・・・・[23]
  •  附属書A(参考)標準状態における水素及びメタノールの発熱量・・・・[24]
  •  附属書B(参考)詳細報告書及び全体報告書の内容に関する指針・・・・[25]
  •  参考文献・・・・[26]
  •  附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[27]

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                                                                            C 62282-4-102 : 2021

まえがき

  この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
産業規格である。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
  JIS C 62282規格群(燃料電池技術)は,次に示す部で構成する。
    JIS C 62282-3-100 第3-100部 : 定置用燃料電池発電システム−安全性
    JIS C 62282-3-200 第3-200部 : 定置用燃料電池発電システム−性能試験方法
    JIS C 62282-3-201 第3-201部 : 定置用燃料電池発電システム−小形定置用燃料電池発電システムの
        性能試験方法
    JIS C 62282-3-300 第3-300部 : 定置用燃料電池発電システム−設置要件
    JIS C 62282-4-101 第4-101部 : 移動体推進用燃料電池発電システム−電気式産業車両に用いる燃料
        電池発電システムの安全性
    JIS C 62282-4-102 第4-102部 : 移動体推進用燃料電池発電システム−電気式産業車両に用いる燃料
       電池発電システムの性能試験方法
    JIS C 62282-5-100 第5-100部 : 可搬形燃料電池発電システム−安全性
    JIS C 62282-6-200 第6-200部 : マイクロ燃料電池発電システム−性能試験方法

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――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 3] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                   C 62282-4-102 : 2021

燃料電池技術−第4-102部 : 移動体推進用燃料電池発電システム−電気式産業車両に用いる燃料電池発電システムの性能試験方法

Fuel cell technologies-Part 4-102: Fuel cell power systems for electrically powered industrial trucks-Performance test methods

序文

 この規格は,2017年に第1版として発行されたIEC 62282-4-102を基とし,我が国の実情に合わせるた
め,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
  なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
技術的差異の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

1 適用範囲

  この規格は,定格出力が直流150 V以下の屋内及び屋外用途の,燃料容器を車両内又は燃料電池発電シ
ステム内に恒久的に固定し,燃料として気体水素又はメタノールを改質せずに使用する電気式産業車両用
燃料電池発電システム(以下,燃料電池発電システムという。)の性能試験方法について規定する。
  この規格は,次のような電気式産業車両(以下,産業車両という。)に用いる燃料電池発電システムに適
用する。
− フォークリフトトラック
− ローリフトトラック
− けん引車
− 構内運搬車
  この規格は,内部の再充電用蓄電池,外部電源によって再充電する蓄電池などのエネルギー貯蔵システ
ムを内蔵するシステムにも適用可能である。
  この規格が規定する燃料電池発電システムの構成例を,図1に示す。
  この規格は,次には適用しない。
− 取外し可能な燃料容器
− 内燃機関を搭載するハイブリッド式産業車両
− 改質器付き燃料電池発電システム
− 発火性又は爆発性環境の中で用いることを意図した燃料電池発電システム

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           2
C 62282-4-102 : 2021
− 液体水素を用いる燃料貯蔵システム
記号説明
  EMD :  電磁妨害(electromagnetic disturbance)
  EMI :  電磁障害(electromagnetic interference)
     :  サブシステムを含む燃料電池発電システム。インタフェースは,電力ユニットのようなハードウェアではな
        く,概念的又は機能的なインタフェースとして示されている。
     :  サブシステム(燃料電池モジュール,燃料処理装置など)。サブシステムの構成は,燃料の種類,燃料電池
        又はシステムの種類によって異なる場合がある。
     :  データ計算のため,計測を行う境界上のポイント
  注記 燃料電池発電システムは,上記コンポーネントの全てを含む場合又はそれらの一部である場合がある。
                         図1−産業車両用の燃料電池発電システムの構成例
  注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
        IEC 62282-4-102:2017,Fuel cell technologies−Part 4-102: Fuel cell power systems for industrial electric
            trucks−Performance test methods(MOD)
          なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こと
        を示す。

2 引用規格

  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格のうち,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その
後の改正版(追補を含む。)は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)
を適用する。
    JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部 : 仕様
      注記 対応国際規格における引用規格 : IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1:
            Specifications
    JIS C 8800 燃料電池発電用語
    JIS C 62282-3-201 燃料電池技術−第3-201部 : 定置用燃料電池発電システム−小形定置用燃料電池
        発電システムの性能試験方法

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                                                                                             3
                                                                             C 62282-4-102 : 2021
      注記 対応国際規格における引用規格 : IEC 62282-3-201,Fuel cell technologies−Part 3-201: Stationary
             fuel cell power systems−Performance test methods for small fuel cell power systems
    JIS Q 9000(シリーズ) 品質マネジメントシステム
      注記 対応国際規格における引用規格 : ISO 9000,Quality management systems−Fundamentals and
             vocabulary
    IEC 62282-6-300:2012,Fuel cell technologies−Part 6-300: Micro fuel cell power systems−Fuel cartridge
        interchangeability
    ISO 14687,Hydrogen fuel quality−Product specification
      注記1 対応国際規格における引用規格 : ISO 14687-2,Hydrogen fuel−Product specification−Part 2 : 
              Proton exchange membrane (PEM)   uel cell applications for road vehicles
      注記2 ISO 14687-2が廃止されたため,ISO 14687に置き換えた。対応国際規格は,次回改訂時に
              修正される予定であるため先取りした。

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS C 8800による。
3.1
騒音レベル(noise level)
  所定の距離及び運転モードで測定された燃料電池発電システムが発生する音圧レベル
  注釈1 デシベル(dB)で表示し,15.2によって測定する。
3.2
暗騒音レベル(background noise level)
  測定点における周囲騒音の音圧レベル
  注釈1 この測定は,燃料電池発電システムが停止状態において,15.2によって測定する。
3.3
蓄電池(battery)
  電気エネルギー出力を提供する,及び/又は燃料電池発電システムを運転するために必要な補助機械及
び補助装置にエネルギーを供給する,電気化学的エネルギー貯蔵装置
  注釈1 制御ソフトウェアのメモリ及びその他アプリケーションのためのバックアップ電池は含まない。
3.4
停止状態(cold state)
  電力の入力も出力もなく,雰囲気温度近くにある燃料電池発電システムの起動可能な状態
  (出典 : IEC 60050-485:2020の485-21-01を参照)
3.5(削除)
3.6
排水(discharge water)
  廃水及び/又は結露を含んだ,燃料電池発電システムから放出される水
  注釈1 排水は,熱回収システムを構成するものではない。
  (出典 : IEC/TS 62282-1:2013の2.2を参照し,注釈を追加)

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           4
C 62282-4-102 : 2021
3.7
(燃料電池発電システムの)発電効率(fuel cell system electrical efficiency)
  燃料電池発電システムに供給される燃料の平均発熱量入力に対する,燃料電池発電システムの平均電力
出力の比
3.8
燃料電池発電システム(fuel cell power system)
  燃料電池モジュールを1個以上用いて,電力及び熱を発生する発電システム
  注釈1 燃料電池発電システムの構成例は,図1を参照。
  注釈2 産業車両に用いる燃料電池発電システムは,JIS C 62282-4-101の3.9又は3.10に定義されてい
          る形式のいずれかである。
  (出典 : IEC 60050-485:2020の485-09-01を参照)
3.9
燃料供給量(fuel input)
  燃料電池発電システムに供給する水素又はメタノールの量
3.10(削除)
3.11
燃料消費量(fuel consumption)
  指定された運転条件において,燃料電池発電システムが消費する燃料の体積又は質量
3.12
最小電力出力(minimum electric power output)
  燃料電池発電システムが安定な状態で連続運転ができる最小の電力出力
3.13
定格電力出力(rated power)
  燃料電池発電システムの製造業者が指定する通常運転条件において,連続で発電可能な最大電力出力
  (出典 : IEC 60050-485:2020の485-14-04を参照し,注釈を削除)
3.14
補機負荷(auxiliary load)
  燃料電池発電システムの運転に必要な周辺機器(BOP)のような補機が消費する電力
  注釈1 この用語は,この規格では使用されない。
3.15
保管停止状態(storage state)
  運転されていないが,コンポーネントの劣化を防ぐための熱エネルギー若しくは電気エネルギーの入
力,及び/又は制御システムへの通電など,製造業者が指定する条件下にある燃料電池発電システムの状
態
  (出典 : IEC 60050-485:2020の485-21-06を参照し,一部を修正)
3.16
試験時間(test duration)
  試験結果の解析に必要なデータが記録される時間

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                                                                                             5
                                                                             C 62282-4-102 : 2021

4 記号

  記号及びその説明を,電気出力性能及び回収熱出力性能については表1に,環境性能については表2に,
適切な単位と併せて規定する。
                  表1−電気出力性能及び回収熱出力性能に関する記号及びその説明
         記号                            記号説明                              単位
        M, m                          モル質量,質量
         Mf     燃料モル質量                                                  kg/mol
          mf    試験時間中の燃料の積算質量                                      kg
          p                                圧力
          ps    標準圧力[101.325 kPa(abs)]                              kPa(abs)
          pf    平均燃料圧力                                                kPa(abs)
          P                                電力
          Pn    平均電力出力                                                   kW
         Pfin   燃料の平均発熱量入力量                                         kJ/s
          E                           供給エネルギー
         Emf    燃料の単位質量当たりの供給エネルギー量                         kJ/kg
         Evf    燃料の単位体積当たりの供給エネルギー量                         kJ/L
         Efin   燃料の積算供給エネルギー量                                      kJ
         qm                              質量流量
         qmf    試験条件における燃料の平均質量流量                             kg/s
         qV                              体積流量
         qVf    試験条件における燃料の平均体積流量                            L/min
         qVfs   標準状態における燃料の平均体積流量                            L/min
          H                               発熱量
         Hfs    標準状態における燃料のモル発熱量                              kJ/mol
         Hfl    メタノールの発熱量                                             kJ/kg
          t                                時間
          Δt   試験時間                                                    s又はmin
          T                                温度
          Ts    標準温度(273.15 K)                                            K
          Tf    平均燃料温度                                                    K
        V, Vm                         体積,モル体積
          Vf    試験時間中の燃料の積算体積                                      L
         Vms                                                                   L/mol
                 理想ガスの標準モル体積(標準温度Ts=273.15 K,標準圧力ps=101.325
                 kPaにおいて22.414 L/mol)
          W                           電気エネルギー
         Wout   電力出力量                                                     kWh
          η                               効率
         ηel   発電効率                                                        %
         ηth   熱回収効率                                                      %
         ηtotal 総エネルギー効率                                                %

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 8] ―――――

           6
C 62282-4-102 : 2021
                             表2−環境性能に関する記号及びその説明
         記号                            記号説明                              単位
          φ                             体積分率
        φB,meas 成分Bの体積分率の測定値                                   vol %又はmL/m3
        φB,corr 成分Bの体積分率の補正値                                   vol %又はmL/m3
        φat(O2) 乾燥状態の空気取入れ口雰囲気における酸素の体積分率の測定値    vol %
        φex(O2) 乾燥排気ガス中における酸素の体積分率の測定値                  vol %
      φex,corr(CO)
                 乾燥排気ガス中における一酸化炭素の体積分率の補正値            mL/m3
      φex,corr(THC)
                 乾燥排気ガス中における全炭化水素の体積分率の補正値(炭素当量) mL/m3
          γ                             質量濃度
        γex(CO) 乾燥排気ガス中における一酸化炭素の質量濃度                    mg/m3
       γex(THC) 乾燥排気ガス中における全炭化水素の質量濃度                    mg/m3
          ε                             排出質量
        ε(CO)  供給燃料の単位エネルギー当たりの一酸化炭素排出質量           mg/kWh
        ε(THC) 供給燃料の単位エネルギー当たりの全炭化水素排出質量           mg/kWh
           愀                             原子比
         愀 THC) 排気ガス中における全炭化水素の炭素原子に対する水素原子の比率    −
          ω                             質量分率
         ωB    メタノールの質量分率                                            −

5 標準状態

  標準状態は,次による。
− 標準温度 : Ts=273.15 K(0 ℃)
− 標準圧力 : ps=101.325 kPa(abs)(1 atm)

6 発熱量基準

  特に規定がない限り,燃料の発熱量は,低位発熱量(LHV)又はこれに類するものとする。
  注記 水素及びメタノールの発熱量(LHV及びHHV)は,附属書Aを参照。
  LHVをエネルギー効率の計算に適用する場合は,次のように,略語LHVを付す必要はない。
                        ηel,ηth又はηtotal=XX %
  高位発熱量(HHV)を適用する場合は,次のように,エネルギー効率の値に略語HHVを付す。
                        ηel,ηth又はηtotal=XX %(HHV)

7 試験の準備

7.1 一般

  この箇条では,試験を実施する前に考慮すべき一般的な事項を規定する。各試験について,高精度の機
器を選定し,詳細にわたって慎重に試験を計画することによって,測定の不確かさを最小限にするように
努めなければならない。試験関係者は,この規格を基本として用いて,詳細な試験計画を準備しなければ
ならない。

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 9] ―――――

                                                                                             7
                                                                             C 62282-4-102 : 2021
  試験計画には,次の事項を考慮する。
1) 目的
2) 試験の仕様
3) 試験担当者の資格
4) 品質保証規格(JIS Q 9000シリーズ又はこれと同等の規格)
5) 目標不確かさ
6) 測定機器の説明(箇条9参照)
7) 試験パラメータの推定範囲
8) データ取得計画

7.2 データ取得計画

  目標不確かさを達成するため,試験を行う前に適切な試験時間及びデータ読取り頻度を決定し,これに
基づいて,データ記録装置を準備する。
  パーソナルコンピュータなどを用いたデータの自動取得が望ましい。

8 試験のセッティング

  水素燃料又はメタノール燃料を使用した燃料電池発電システムについて試験を実施するための試験のセ
ッティング例は,図2及び図3による。燃料電池発電システムには,電力負荷を接続する。
  注記 図2及び図3は,燃料電池発電システムの電気特性を測定するものである。図3の図記号の意味
        は,図2の図記号と同じである。

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 10] ―――――

           8
C 62282-4-102 : 2021
     記号説明
       A : 電流計
       V : 電圧計
       T : 温度計
       p : 圧力計
       q : 流量計
       F : 積算流量計
       Pin : 入力電力用の電力計
       Win : 入力電力用の積算電力計(電力量計)
       Pout : 出力電力用の電力計
       Wout : 出力電力用の積算電力計(電力量計)
       注a) 排水の体積(又は質量),pH,BOD(生物学的酸素要求量)及びCOD(化学的酸素要求量)を測定
            するデータ取得装置へ
       注b) 排気ガスの組成分析を行うデータ取得装置へ
                図2−水素燃料を用いる燃料電池発電システムの試験のセッティング例
     注a) 排水の体積(又は質量),pH,BOD及びCODを測定するデータ取得装置へ
    注b) 排気ガスの組成分析を行うデータ取得装置へ
             図3−メタノール燃料を用いる燃料電池発電システムの試験のセッティング例

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 11] ―――――

                                                                                             9
                                                                             C 62282-4-102 : 2021

9 測定機器及び測定方法

9.1 一般

  測定機器及び測定方法は,関連するJIS又はIEC規格に適合していなければならない。また,製造業者
が指定する測定範囲及び要求する測定精度を満足するように選定する。

9.2 測定機器

  次の該当する測定機器を準備する。
a) 電圧ノイズの測定器 : オシロスコープ,高周波分析器など
b) 電力の入出力及び電気エネルギーの入出力の測定器 : 電力計,電力量計,電圧計など
c) 燃料供給量の測定器 : 流量計,積算流量計,質量計,圧力計,温度計など
d) 雰囲気条件の測定器 : 気圧計,湿度計,温度計など
e) 騒音レベルの測定器 : JIS C 1509-1で規定する騒音計又はこれと同等以上の精度の機器
f) 排気ガス成分の濃度の測定器 : 
  − 酸素分析器(例えば,常磁性体系,電気化学系,酸化ジルコン系のセンサなど)
  − 二酸化炭素分析器(例えば,GC-MS又は赤外線吸収センサによるもの)
  − 一酸化炭素分析器(例えば,非分散形赤外線センサ又は電気化学センサによるもの)
g) 排水を測定する機器 : (体積測定用)メスシリンダ,温度計,pH計,BODプローブなど
  注記 BODは生物学的酸素要求量,CODは化学的酸素要求量,THCは全炭化水素である。

9.3 測定点

  各種試験項目に対する測定点は,次による。
a) 水素燃料流量 燃料電池発電システムへの燃料供給ライン上に燃料の流量計を設置して,燃料の流量
    を測定する。
b) 積算水素燃料供給量 燃料電池発電システムへの燃料供給ライン上に燃料の積算流量計を設置して,
    燃料供給量を測定する。積算流量計は,燃料流量を測定する流量計を備えたものとする。
c) メタノール燃料供給質量 質量計の上に燃料タンクを設置して,燃料及びタンクの質量を一緒に測定
    する。メタノール燃料供給質量は,試験前の質量から試験後の質量を減ずることで測定する。
d) 燃料温度 燃料流量計の下流側直近に温度計又は熱電対を接続する。
e) 燃料圧力 燃料流量計の下流側直近に圧力計を設置し,燃料のゲージ圧を測定する。
f) 電力出力 燃料電池発電システムの電力出力端子の近傍に電力計を接続する。
g) 電気エネルギー出力 燃料電池発電システムの電力出力端子の近傍に電力量計を接続する。電力量計
    は,電力出力を表示する電力計を内蔵しているものとする。
h) 燃料組成 試験中に使用する燃料は,試料採取を行い,その成分を分析する。
i) 雰囲気圧 絶対圧力計を,燃料電池発電システムの換気,吸気及び排気による悪影響を受けないとこ
    ろで,燃料電池発電システムに近接して設置する。
j) 雰囲気温度 温度計を,燃料電池発電システムの換気,吸気及び排気による悪影響を受けないところ
    で,燃料電池発電システムに近接して設置する。
k) 雰囲気湿度 湿度計を,燃料電池発電システムの換気,吸気及び排気による悪影響を受けないところ

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 12] ―――――

           10
C 62282-4-102 : 2021
    で,燃料電池発電システムに近接して設置する。
l) 騒音レベル 15.2による。
m) 排気ガス 排気ガス出口の排気流中に,温度計の付いた排気ガス採取用のプローブを一つ以上設置す
    る(図2及び図3を参照)。
n) 排水 排水出口に温度計を付けた排水槽を設置する。

9.4 系統的測定不確かさの要求限度値

  測定機器の系統的な測定不確かさは,次を推奨する。測定不確かさの限度値は,測定値又は計算値の百
分率か,又は絶対値とする。
− 電力 : ±1 %
− 電気エネルギー : ±1 %
− 気体燃料流量 : ±1 %
− 気体燃料の積算流量 : ±1 %
− 時間 : ±0.5 %
− 液体燃料質量 : JIS C 62282-3-201に規定するように質量の(風袋の質量を含めずに)±1 %
− 相対湿度 : ±5 %
− 絶対圧 : ±1 %
− 気体燃料及び排水の温度 : ±1 K
− 排気ガス温度 : ±4 K.

10 試験条件

10.1 試験室の条件

  別に指定がない限り,性能は,次に規定する環境において試験する。
− 温度 : 20 °C±5 °C
− 湿度 : 相対湿度65 %±20 %
− 圧力 : 91 kPa(abs)106 kPa(abs)
  試験ごとに,試験室の条件を試験中に測定する。空気の品質は,燃料電池発電システムの性能に影響を
与えることから,試験室内の空気の成分量(CO2,CO,SO2など)を試験結果と併せて報告する。

10.2 燃料電池発電システムの設置及び運転条件

  燃料電池発電システムは,試験開始前に,製造業者の設置指示書に従って組立を行い運転する。

10.3 蓄電池の表示

  蓄電池を備えた燃料電池発電システムの場合,蓄電池の公称充電状態は,試験の開始時と終了時とにお
いて,一定でなければならない。

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 13] ―――――

                                                                                            11
                                                                             C 62282-4-102 : 2021

10.4 試験燃料の品質

10.4.1 水素
  試験に使用する水素燃料は,ISO 14687のgrade Dに規定する品質でなければならない。
10.4.2 メタノール溶液
  試験に使用するメタノール溶液を作製するメタノールは,IEC 62282-6-300:2012の5.5.2による。
  メタノールに混合する水は,導電性が1 μS/cm未満のイオン交換水とする。
  メタノール溶液のメタノール濃度は,製造業者の指定による。

11 燃料消費量試験

11.1 水素燃料消費量試験

11.1.1 一般
  この試験は,定格電力出力における水素燃料供給量を測定する。
  この試験は,箇条12の電力出力試験と同時に実施する。
11.1.2 試験方法
  試験方法は,次による。
1) 試験開始前に30分間以上,定格電力出力で燃料電池発電システムを運転する。
      注記 燃料電池発電システム内のエネルギー貯蔵は,運転30分後に安定状態に到達する。
2) 蓄電池を備えた燃料電池発電システムの場合,試験開始前に,定格電力出力で30分間以上かつ蓄電池
    の公称充電状態に到達するまで運転する。
3) 定格電力出力で運転している状態で試験を開始する。
4) 燃料温度,燃料圧力及び積算燃料供給流量(体積又は質量)を測定する。各測定は60分間以上行う。
11.1.3 結果の計算
11.1.3.1 平均水素燃料供給量の計算
  平均水素燃料供給量は,標準状態における燃料の平均体積流量qVfs,又は燃料の平均質量流量qmfのいず
れかで表す。次の手順に従って計算を行う。
1) 体積流量を用いる場合は,次による。
  a) 試験条件における燃料の平均体積流量qVfは,試験時間中の積算体積を試験時間で除して,式(1)に
      よって算出する。
                             Vf
                         qVf               (1)
                              t
                       ここで,  qVf :  試験条件における燃料の平均体積流量(L/min)
                                   Vf :  試験時間中の燃料の積算体積(L)
                                   Δt :  試験時間(min)

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 14] ―――――

           12
C 62282-4-102 : 2021
  b) 標準状態における燃料の平均体積流量qVfsは,式(2)によって算出する。算出する場合,試験時間中
      の燃料の温度及び圧力の平均値を使用する。
                                  Ts pf
                         qVfs qVf         (2)
                                  Tf ps
                       ここで, qVfs :  標準状態における燃料の平均体積流量(L/min)
                                  qVf :  試験条件における燃料の平均体積流量(L/min)
                                  Ts :  標準温度(273.15 K)
                                   ps :  標準圧力[101.325 kPa (abs)]
                                  Tf :  試験時間中の平均燃料温度(K)
                                   pf :  試験時間中の平均燃料圧力[kPa (abs)]
2) 質量流量を用いる場合は,次による。
      試験条件における燃料の平均質量流量qmfは,試験時間中の燃料の積算質量を試験時間で除して,
    式(3)によって算出する。
                             mf
                         qmf               (3)
                              t
                       ここで,  qmf :  試験条件における燃料の平均質量流量(kg/s)
                                   mf :  試験時間中の燃料の積算質量(kg)
                                   Δt :  試験時間(s)
11.1.3.2 水素燃料の平均発熱量入力量の計算
  水素燃料の平均発熱量入力量Pfinを,次の手順に従って,体積流量又は質量流量のいずれかを用いて計
算する。試験時間中に得られた燃料の温度及び圧力の平均値を使用する。
1) 体積流量を用いる場合は,次による。
  a) 標準状態における燃料の単位体積当たりの供給エネルギー量Evfは,式(4)によって算出する。
                             Hfs
                         Evf      (4)
                             Vms
                       ここで,  Evf :  標準状態における燃料の単位体積当たりの供給エネルギー
                                         量(kJ/L)
                                  Hfs :  標準状態における水素燃料のモル発熱量(241.56 kJ/mol)
                                  Vms :  理想ガスの標準モル体積(22.4 L/mol)(標準温度において
                                         Ts=273.15 K)
        注記1 一般に,燃料の消費エネルギー及び発熱量は,低位発熱量基準である(LHV)。
  b) 燃料の平均発熱量入力量Pfinは,式(5)によって算出する。
                             qvfsEvf
                         Pfin         (5)
                                60
                       ここで, Pfin :  燃料の平均発熱量入力量(kJ/s)
                                 qvfs :  標準状態における燃料の平均体積流量(L/min)
                                  Evf :  標準状態における燃料の単位体積当たりの供給エネルギー
                                        量(kJ/L)
        注記2 水素燃料の比エンタルピー及び圧力エネルギーは,JIS C 62282-3-200において燃料消費
                エネルギーの計算に算入されているが,低温かつ低圧で運転する産業車両用の燃料電池
                発電システムでは無視できる値であるため,上記の燃料消費エネルギー計算では除外し
                ている。
2) 質量流量を用いる場合は,次による。

――――― [JIS C 62282-4-102 pdf 15] ―――――

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