JIS C 6802:2014 レーザ製品の安全基準 | ページ 22

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場合,400 nm700 nmの波長範囲の放射に対しては,偶発的に眺めることで生じる瞬間的な(0.25秒以内)
被ばくは,危険ではないと考えられる。ただし,レーザビームは,意図的に人体に向けないほうがよい。
クラス1M,クラス2M及びクラス3Rのレーザ製品に対して光学的観察器具(例えば,双眼鏡)を用いる
ことは,目に対する危険性が増大するおそれがある。そのために,JA.3.6.2の記載による追加予防策が必
要である。
JA.3.5.2 クラス1Cレーザ製品
皮膚又は体くう(腔)内など眼部以外の人体組織にレーザ光を直接照射することを意図したレーザ製品
である。典型的なクラス1Cレーザ製品は,家庭用の製品を含み,脱毛,皮膚のしわとり,及び/又はに
きびの縮小を意図した製品である。クラス1Cレーザ製品の出力するレーザ放射は,クラス3R,クラス3B
又はクラス4のレベルであるが,これらの目への露光を防止する一つ以上の技術的手段をもつ必要がある。
クラス1Cレーザ製品のアプリケータ(レーザ出射部)が皮膚又は体内組織に接触する(又は非常に近接
する)場合にだけ,クラス1のAELを超えるレーザ放射が出力できるという操作モードで使用する。クラ
ス1Cは目への危険性はない(クラス1と同様)と考えられる。ただし,不適切に使用する場合,皮膚の
傷害が生じることがある。皮膚に対する露光レベルは用途に依存する。クラス1Cレーザ製品には説明ラ
ベル“製品の取扱い説明書に従うこと”を貼付する(7.3参照)。また,まぶた(瞼)のような安全でない
皮膚の部分には,クラス1Cレーザ製品を使用しないよう使用者に警告する必要がある[8.1 l)参照]。
注記 日本では,クラス1Cレーザ製品を用いて,医師免許を有しない者が脱毛などを業として行え
ば,医師法第17条に違反する。
JA.3.5.3 クラス3Bレーザ製品
クラス3Bレーザは,直接ビーム又は鏡面反射光を裸眼で観察したとき(ビーム内観察状態),極めて大
きな危険性がある。直接ビームの観察を避け,かつ,鏡面反射を管理するために,次の安全予防策を講じ
ることが望ましい。
a) レーザは,管理区域内だけで運転することが望ましい。
b) 意図していない鏡面反射を防ぐため,注意を払うことが望ましい。
c) レーザビームは,拡散性をもち,かつ,反射による危険性を最小に保ったままビーム位置合わせを行
うことが可能な色及び反射特性をもつ材料によって,その有効光路の末端の可能な場所で,終端する
ことが望ましい。
注記 クラス3Bの可視光レーザにおける拡散反射の安全な観察条件は,拡散面と角膜との最短観
察距離が13 cmで,最大観察時間が10秒である。その他の観察条件の場合は,拡散反射露光
とMPEとの比較が必要である。
d) 直接ビーム若しくは鏡面反射ビームを観察するか,又はc)の条件に合致しない拡散反射を観察する可
能性がある場合には,目の保護具が必要である。
e) 当該区域の入口には,適切なレーザ警告標識を掲示することが望ましい。
JA.3.5.4 クラス4レーザ製品
クラス4レーザ製品は,直接ビーム又はその鏡面反射に加えて,拡散反射によっても傷害を引き起こす
能力がある。また,これらは,潜在的に火災の危険性がある。これらの危険性を最小にするため,JA.3.5.3
に記載するものに加えて,次の管理を行うことが望ましい。
a) ビーム光路は,できる限り囲うことが望ましい。レーザ運転中,レーザ周辺への立入りは,適切なレ
ーザ保護めがね及び保護着衣を着けた者に限定することが望ましい。
ビーム光路は,できるだけ作業区域を避けることが望ましい。また,長いビームチューブは,熱膨

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張,振動及びチューブ内の他の可動源が光学系を形成する部品のアライメントに重大な影響がないよ
うに取り付けることが望ましい。
b) クラス4レーザは,実行できる場合は遠隔制御によって運転することが望ましい。これによって,人
がレーザ環境に物理的に存在する必要性がなくなる。
c) レーザ保護めがねを装着する場所では,良好な室内照明が大切である。明るい色彩をもつ拡散性の壁
面は,この条件を満たすのに有益である。
d) 火災,光学部品に熱的に誘発された光学ひずみ,又はレーザビームを阻止するように設計した固体タ
ーゲットの溶融若しくは蒸発は,クラス4レーザの放射によって引き起こされ,全て潜在的に危険で
ある。適切なビーム終端器は,十分冷却した金属,グラファイトターゲットなどの形態で備え付ける
ことが望ましい。非常に高いパワー密度に対しては,反射パワーが広い面積にわたって分散するよう
に入射光線に対して傾けた反射面によって多数回反射させて,放射光を散乱吸収することで処理する
ことができる。
e) 遠赤外レーザ放射に対しては,不可視波長域にある望ましくない反射を防止するために,特別の注意
が必要である。ビーム及びターゲットの設置区域は,レーザ波長に対して不透明な物質で覆うことが
望ましい(光沢のない金属表面でも,波長10.6 μmのCO2レーザでは高い反射特性をもつ場合がある。)。
反射光の広がり範囲を軽減するため,実行できる場合は,局部的スクリーンを用いることが望まし
い。
f) クラス4レーザでは,ビーム光路内の光学部品のアライメントは,初期及び定期的に点検することが
望ましい。
JA.3.6 屋外及び工事用レーザ装置
JA.3.6.1 クラス2レーザ製品
実行上問題のない場合,ビームは,その有効光路の末端で終端することが望ましい。また,レーザを人
体に(頭の高さで)向けないほうがよい。
JA.3.6.2 測量用,アライメント用及び水準用に用いるクラス1M,クラス2M及びクラス3Rレーザ製品
測量用,アライメント用及び水準用に用いるクラス1M,クラス2M及びクラス3Rレーザ製品は,次の
管理を行うことが望ましい。
a) レーザ安全管理者によって認定された資格をもち,かつ,訓練された者だけが,レーザ機器を据付け,
調整及び運転することが望ましい。
b) これらのレーザを用いる区域には,適切なレーザ警告標識を掲示することが望ましい。
c) 実行できる場合は,レーザのアライメントの補助手段として,機械的又は電気的手段を用いることが
望ましい。
d) 人が直接ビームをのぞき込まないように確実な予防策を講じることが望ましい。長時間のビーム内観
察は,危険である。経緯儀など望遠光学系を通してビームを直接観察することも,また,特に,表10
の測定条件1を満たすことができないクラス1M及びクラス2Mレーザの場合には危険であり,レー
ザ安全管理者が特別に認める場合以外は許可しないほうがよい。
e) レーザビームは,その有効ビーム光路の末端で終端することが望ましい。危険となり得るビーム光路
(NOHDまで)が,管理区域を超えて広がるような場合には,どんな場合でも終端することが望まし
い。
f) レーザビーム光路は,実行できる場合は,目のレベルよりも十分上方又は下方に位置するようにする
ことが望ましい。

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g) レーザビームを偶然にミラー状の表面(鏡面。最も重要なのは,平面又は凹面ミラー状の表面である。)
に向けないように確実な予防策を講じることが望ましい。
h) レーザ製品は,用いないときには,許可されていない者が出入りできない場所に保管することが望ま
しい。
JA.3.6.3 クラス3B及びクラス4レーザ製品
屋外及び同様な環境におけるクラス3B及びクラス4レーザは,それらを用いる場合には,十分訓練し,
かつ,レーザ安全管理者が認可した者だけで運転することが望ましい。危険の可能性を最小限にするため,
JA.3.6.2に記載するものに加えて,次の予防策を講じることが望ましい。
a) 適切な保護めがね及び保護着衣を身に付けない場合は,ビームの放射照度又は放射露光がMPEを超
えるような場所では,人をビーム光路から隔離することが望ましい。物理的障壁,ビームの横及び縦
移動を制限するインタロックなどの技術的制御手段は,できる限り,運用管理を強化するために用い
ることが望ましい。
代替の解決方法は,迷走ビームからの露光を保護し,周囲の見通しをよくするような局部囲いの中
に運転者を置くことである。
b) 非標的の車両又は航空機に対する意図的な追跡は,NOHD内では,禁止することが望ましい。
c) ビーム光路は,実行できる場合は,潜在的危険性のある意図しない反射を生じるような全ての面から
離す,又は危険区域を適切に拡張することが望ましい。
d) クラス3Bレーザに対して,直接のビーム内観察は通常危険であるが,ビームは,次の条件下の拡散
反射体を介すれば,全ての場合に安全に観察できる。
− 拡散用スクリーンと角膜との間の最小観察距離 13 cm
− 最大観察時間 10 s
これらの条件のいずれか一方を満たさない場合には,危険性に関する注意深い評価が必要である。
JA.3.6.4 測量用,アライメント用及び水準用レーザ
測量用,アライメント用及び水準用としては,できる限りクラス1又はクラス2レーザを用いることが
望ましい。ただし,作業環境の光レベルが高い場合には,高出力レーザを用いる必要がある場合がある。
クラス1M,クラス2及びクラス3Rレーザを用いる場合には,JA.3.6.2の要求事項に従うことが望ましい。
例外的にクラス3Bレーザが必要な場合には,JA.3.6.3の要求事項に従うことが望ましい。更に,5×10−3 W
を超える放射パワーをもった400 nm700 nmの波長範囲のレーザ放射に3.8×10−4秒の放出持続時間を超
えて人体が被ばく状態になることを許さないほうがよい。また,他のいかなる放出持続時間と波長範囲と
の組合せでもクラス1のAELを超えるレーザ放射に人体が被ばく状態になることを許さないほうがよい。

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参考文献
JIS B 9700:2013 機械類の安全性−設計のための一般原則−リスクアセスメント及びリスク低減
注記 対応国際規格 : ISO 12100:2010,Safety of machinery−General principles for design−Risk assessment
and risk reduction(IDT)
JIS C 0508規格群 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全
注記 対応国際規格 : IEC 61508 (all parts),Functional safety of electrical/electronic/programmable
electronic safety-related systems(IDT)
JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部 : 一般
注記 対応国際規格 : ISO 80000-1,Quantities and units−Part 1: General(MOD)
ISO 11146-1,Lasers and laser-related equipment−Test methods for laser beam widths, divergence angles and
beam propagation ratios−Part 1: Stigmatic and simple astigmatic beams
ISO 11553-1,Safety of machinery−Laser processing machines−Part 1: General safety requirements
ISO 13694,Optics and optical instruments−Lasers and laser-related equipment−Test methods for laser beam
power (energy) ensity distribution
ISO 13849 (all parts),Safety of machinery−Safety-related parts of control systems
IEC 60027-1,Letter symbols to be used in electrical technology−Part 1: General
IEC 60079 (all parts),Explosive atmospheres
IEC 60079-0:2011,Explosive atmospheres−Part 0: Equipment−General requirements
IEC 60204-1,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1: General requirements
IEC/TR 60825-3,Safety of laser products−Part 3:Guidance for laser displays and shows
IEC/TR 60825-5,Safety of laser products−Part 5: Manufacturers checklist for IEC 60825-1
IEC/TR 60825-8,Safety of laser products−Part 8: Guidelines for the safe use of laser beams on humans
IEC/TR 60825-13,Safety of laser products−Part 13: Measurements for classification of laser products
IEC/TR 60825-14,Safety of laser products−Part 14: A users guide
IEC 62368-1,Audio/video, information and communication technology equipment−Part 1: Safety requirements

JIS C 6802:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60825-1:2014(IDT)

JIS C 6802:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6802:2014の関連規格と引用規格一覧