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ノックアウトがある場合には,ノックアウトの一つを開ける。
相対湿度9195 %に維持した空気を含む恒湿槽内で湿度処理を実施する。試験品を置くことができるあ
らゆる場所の空気の温度を2030 ℃の適切な値t±1 ℃に維持する。
恒湿槽に入れる前に,試験品をt±4 ℃の温度にする。
試験品を次のように恒湿槽へ入れる。
− 水の有害な浸入に対して保護しないケーブルリールは,2日間(48時間)
− IPX4以上のIP等級をもつケーブルリールは,7日間(168時間)
注記1 ほとんどの場合,湿度処理前に4時間以上,試験品を規定温度で保持することによって,試
験品を規定温度にすることができる。
注記2 9195 %の相対湿度は,空気との十分な接触面をもつ硫酸ナトリウム(Na2SO4)又は硝酸カ
リウム(KNO3)の飽和水溶液を恒湿槽に入れることによって,得ることができる。
注記3 恒湿槽内に規定条件を実現するためには,内部の空気を絶えず循環させ,通常,断熱した槽
を使用する。
この処理の直後に,ケーブルリールは,17.1及び17.2に規定する絶縁抵抗及び耐電圧試験に適合しなけ
ればならない。ケーブルリールは,この規格に不適合となるような損傷を受けてはならない。
17 絶縁抵抗及び耐電圧
ケーブルリールの絶縁抵抗及び耐電圧は,適切でなければならない。
適否は,17.1及び17.2に規定する試験によって判定する。これらの試験は,箇条16の試験の直後に恒
湿槽内で,又は試験品を規定の温度にした室内で,取り外した部分がある場合,その再組立後に行う。ケ
ーブルリールは,試験を行う前にケーブルを引き出す。
17.1 約500 Vの直流電圧を印加して絶縁抵抗を測定する。測定は,電圧を印加してから1分後に行う。
絶縁抵抗は,5 MΩ以上でなければならず,次の箇所で続けて測定する。
a) 一緒に接続した全ての極とボディとの間。
b) 順次,各極と他の全ての極との間。他の極は,ボディに接続する。
c) 金属外郭とその絶縁物の裏打ち(ある場合)の内面に接触した金属はくとの間。
この試験は,絶縁するために絶縁物の裏打ちが必要となる場合にだけ行う。
d) 可搬形ケーブルリールの場合,締付ねじを含むケーブル止めの可触金属部と接地用端子又は接地極(あ
る場合)との間。
e) 可搬形ケーブルリールの場合,ケーブル止めの可触金属部とその場所に差し込まれる可とうケーブル
の最大径の金属棒との間。
“ボディ”という用語は,全ての可触金属部,ハンドル,ノブ,グリップ,これに類するもの及び絶縁
故障の場合に充電部となるシャフト並びに絶縁物製の全ての可触面に接触した金属はくを含む。この用語
には,非可触金属部は含まない。
ケーブル非交換形ケーブルリールについては,測定c),d)及びe)は行わない。
金属はくを絶縁物製部分の外面に巻き付けるか又はその内面に接触させて,図1に示す標準試験指と同
一寸法の無関節の試験指を使用し,著しい力を加えることなく,金属はくを穴又は溝に押し付ける。
17.2 ケーブルリールの絶縁物に対し,周波数50 Hz又は60 Hzのほぼ正弦波形の電圧を1分間印加する。
最初は規定電圧の半分以下の電圧を印加し,その後電圧を急速に規定電圧値まで引き上げる。印加する箇
所は,17.1に規定する箇所とする。
――――― [JIS C 8284 pdf 21] ―――――
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試験電圧は,次による。
− 定格電圧130 V以下のケーブルリールの場合,1 250 V
− 定格電圧130 V超のケーブルリールの場合,2 000 V
接地していない可触金属部の場合,それらの部分と充電部との間に印加する試験電圧は,4 000 Vとする。
試験中にフラッシュオーバ又は破壊が生じてはならない。
注記1 4 000 Vの改訂は,検討中。
注記2 電圧降下のないグロー放電は,無視する。
注記3 試験に使用する高電圧変圧器は,出力電圧を適切な試験電圧に調整した後に出力端子を短絡
すると,出力電流が200 mA以上となるような設計である。
出力電流が100 mA未満のときに過電流継電器は,トリップしないほうがよい。
注記4 印加する試験電圧の実効値は,±3 %で測定する。
18 平常動作
18.1 ケーブルリールは,過度の摩耗又は他の有害な影響なしに,通常の使用で生じる機械的,電気的及
び熱的応力に耐えなければならない。
適否は,18.218.4の試験によって判定する。
18.2 固定部と可動部とを接続することを意図する,スリップリングのような接点を組み込んだケーブル
リールの場合,無負荷電圧12 V以下の交流電源を用い,11.1の最小断面積に関係した電流を,各相導体,
中性導体及び接地用導体に流す。
接触を行う部材の近くで電圧降下を測定する。
この測定は,定格負荷下のケーブルリールが定常状態となった直後に行う。
抵抗は,0.05 Ω以下でなければならない。
ケーブルリールについて18.3に規定する通常動作に関する試験及び18.4の耐電圧試験を行った後にこの
試験を繰り返す。
抵抗の増加が50 %以下で,相導体及び中性導体については0.075 Ω以下,接地用導体については0.05 Ω
以下でなければならない。
18.3 可とうケーブルを通常の使用で最も起こり得る方向に最大速度0.5 m/sで通常の使用の場合と同様に
ケーブルリールから引き出してケーブルリールに巻き戻す。
18.3.118.3.3によって試験を行う。
18.3.1 可動接点(スリップリング又はこれに類するもの)を組み込んでいない手動ケーブルリールの場合
− 可とうケーブルの全長を引き出す。
− 操作サイクル数は,100回とする。
18.3.2 可動接点を組み込んだ手動ケーブルリールの場合
− リールの回転部が少なくとも約2回転し,2巻き以上の可とうケーブルがリールに残るように,可と
うケーブルを引き出す。
− 巻戻し中,可とうケーブルの導体の総断面積に対し,10 N/mm2の張力を加えた状態とする。
− 操作サイクル数は,10 000回とする。
18.3.3 自動ケーブルリールの場合
− リールの回転部が少なくとも約2回転し,2巻き以上の可とうケーブルがリールに残るように,可と
うケーブルを引き出す。
――――― [JIS C 8284 pdf 22] ―――――
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− 巻戻し中,可とうケーブルをケーブルリールの巻取力に見合った張力を加えた状態とする。
− 操作サイクル数は,10 000回とする。
− 自動巻戻し機構を組み込んだリールのケーブルは,組み込んだ自動装置を使用して100回,完全に引
き出して妨害なしに巻き戻す。
18.3.1,18.3.2及び18.3.3の試験の後,ケーブルリールは,安全性を損なう損傷,及びその後の使用を損
なうような損傷を受けてはならない。
特に,ケーブルリールは,次の状態を示してはならない。
− 電気的接続部の緩み
− 機械的部分又は接続部の緩み
− 可とうケーブルのシース又は絶縁物の損傷
18.4 18.3の試験の直後に,ケーブルリールは,試験電圧を500 V引き下げて行う17.2の耐電圧試験に耐
えなければならない。この試験は,事前に湿度処理を行わずに行う。
試験中にフラッシュオーバ又は破壊が生じてはならない。
さらに,電気的接続部又は導体の破損があってはならない。
19 通常使用時の温度上昇
19.1 ケーブルリールは,通常の使用で人又は周囲に対する危険を引き起こすような過度の温度になって
はならない。
19.2 適否は,次の条件で各部の温度上昇を測定して判定する。
可搬形ケーブルリールは,通常の使用位置にして,できる限りテストコーナの壁に近づけて置く。テス
トコーナは,床及び直角を成す二つの壁からなり,全てが厚さ約20 mmのつや消し黒塗装の合板製とする。
固定形ケーブルリールは,できる限りテストコーナの天井及び壁に近い,壁又は天井に取り付ける。テ
ストコーナは,天井及び直角をなす二つの壁からなり,全てが厚さ約20 mmのつや消し黒塗装の合板製と
する。
供試部分の温度への影響が最小限になるように選択及び配置した細い線の熱電対で温度上昇を測定する。
壁,天井及び床の表面の温度上昇の測定に使用する熱電対は,表面に埋め込むか又は直径15 mm,厚さ
1 mmとで表面から突出しない黒く塗った銅又は黄銅の表面と同じ高さに埋め込んだ小形円板の裏に取り
付ける。
ケーブルリールは,できる限り,最高温度に達しそうな部分がこの板に触れるように配置する。
ハンドル,ノブ,グリップ及びこれに類するものの温度上昇を決定するときには,通常の使用で握る全
ての部分,及び絶縁物製の場合は熱い金属と接触した部分を測定する。
電気的絶縁物の温度上昇は,故障すると短絡したり,充電部と可触金属部との間が接触したり,沿面距
離又は空間距離の箇条24に規定する数値未満になるおそれのある部分を測定する。
完全巻取状態及び引出状態のケーブルリールについて試験を行う。ケーブルリールには,それぞれ巻取
状態及び引出状態の表示に対応する定格電力を加える。定常状態が確立するまでケーブルリールを動作さ
せる。
試験電流の力率は,cos 替 100.05 とする。
−
――――― [JIS C 8284 pdf 23] ―――――
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表6−最大通常温度上昇
部分 温度上昇
K
内外配線及び可とうケーブルのゴム絶縁 35
内外配線及び可とうケーブルの塩化ビニル絶縁 45
付加絶縁として使用するケーブルシース 35
内部配線及び可とうケーブルのシリコンゴム絶縁 145
内外配線及び可とうケーブルのその他の絶縁材 55
又は関連規格の中で規定する
数値のいずれか低い方
劣化すると安全性に影響するおそれのあるガスケット又は他の部
分に使用するゴム :
− 付加絶縁又は強化絶縁として使用するとき 40
− 他の場合 50
電線以外の絶縁として使用する材料 :
− 次の成形品 :
・ セルロース充剤入りフェノールフォルムアルデヒド 85
・ ミネラル充剤入りフェノールフォルムアルデヒド 100
・ メラミンフォルムアルデヒド 75
・ ユリアフォルムアルデヒド 65
− グラスファイバ強化ポリエステル 110
− シリコンゴム 145
− ポリテトラフルオロエチレン 265
− 当該製品が付加絶縁又は強化絶縁として使用するときの純マイ
カ及び緊密焼結セラミック材 400
a)
− 熱可塑性材
テストコーナの支持物,壁,天井及び床 60
スライド接点 65
通常の使用で手で触れるハンドル及び同種の部分 :
− 金属製 40
− 絶縁物製 50
外部導体の接地用端子を含む端子 60
ランプソケットE26 :
− 金属又はセラミック形 160
− セラミック以外の絶縁形 120
ランプソケットE14,B15,B22 :
− 金属又はセラミック形 130
− セラミック以外の絶縁形 90
− T表示付き T−25
注a) 熱可塑性絶縁材は数が多いので,それらの材料の許容温度上昇を想定するのは不可能である。
暫定的に,22.3のボールプレッシャ試験を行わなければならない。
試験中,温度過昇防止装置,電流遮断装置又は故意に作った弱い部分は,動作してはならない。
この試験の後,ケーブルリールは,この規格に不適合となるような変形又は損傷を受けてはならない。
この試験中に,13.2及び22.3の試験で必要な温度上昇が決定する。
注記 経験によると,可とうケーブルの絶縁物で最も熱くなるのは,慎重に巻き戻したときのケーブ
ルリールの第2層と第3層との間の中心部である。
この試験は,20±2 ℃の周囲温度で実施する。
――――― [JIS C 8284 pdf 24] ―――――
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20 過負荷状態時の温度上昇
ケーブルリールは,異常な電気的負荷を接続した後も感電又は火災のおそれがない構造でなければなら
ない。
適否は,20.1及び20.2の試験によって確認する。
これらの試験は,20±2 ℃の周囲温度で実施する。
20.1 ケーブルリールは,箇条19に規定する条件の下で,ケーブルの完全巻取状態及び引出状態で,温度
過昇防止装置,電流遮断装置又は故意に作った弱い部分が作動しない範囲で可能な最大電流を,定常状態
が確立するまで,又は4時間のいずれか短い時間流す。
動作不能にすることなしに保護手段の遮断ポイントを確認することができない場合,回路の電流を0.5 A
ずつ増加させ,増加させるたびに温度が安定するまで待つ。
温度過昇防止装置が動作するか,又は温度が規定値を超えるか,いずれかが最初に起こるまでこの方法
で電流を増加し続ける。
注記 温度変化が1 K/h以下のとき,定常状態に達している。
表6に規定するケーブルリールの部品の温度上昇は,表中の関連数値に25 Kを加えた値以下でなければ
ならない。
この試験の後,次の条件を満たさなければならない。
a) ケーブルリールの感電に対する保護に影響する変形があってはならない。
b) ケーブルリールの絶縁物又は可とうケーブルに短絡又は損傷があってはならず,かつ,ケーブルリー
ルがその後の使用を損なってはならない。
a)及びb)の適否は,目視検査,温度上昇試験の直後に行う図1に示す標準試験指による試験,及び試験
電圧を500 V引き下げて行う17.2に規定する耐電圧試験によって判定する。
耐電圧試験前に湿度処理は繰り返さない。
c) 温度過昇防止装置及び/又は電流遮断装置が変形又は破損してはならない。また,設定値が変化して
はならない。
適否は,目視検査及び20.1の試験を受けていないケーブルリールに取り付けた温度過昇防止装置又は電
流遮断装置についての遮断する温度を比較する比較リリース試験によって判定する。
d) 故意に作った弱い部分の設定値は増大してはならない。
適否は,目視検査及び20.1の試験を受けていないケーブルリールに取り付けた故意に作った弱い部分に
ついての遮断する温度を比較する比較リリース試験によって判定する。
e) 接地接続が損なわれてはならない。
適否は,9.7に規定する試験によって判定する。
20.2 ケーブルリールは,箇条19に規定する条件の下で,完全巻取状態で,定格電圧でケーブルリールの
プラグを差し込むことができるコンセントの定格電流の1.5倍,又は固定形ケーブルリールの場合には保
護装置の定格電流の1.5倍に相当する試験負荷を使用して試験する。
定常状態に達するまで,又は温度過昇防止装置,電流遮断装置若しくは故意に作った弱い部分が作動す
るまで負荷をかける。
この試験は,新しい試験品に対して行う。
試験の後は,次による。
a) ケーブルリールが感電に対する保護に影響する変形を示してはならない。
適否は,目視検査及び図1の標準試験指による試験によって判定する。標準試験指で充電部に触れるこ
――――― [JIS C 8284 pdf 25] ―――――
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JIS C 8284:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61242:1995(MOD)
- IEC 61242:1995/Amendment 1:2008(MOD)
- IEC 61242:1995/Amendment 2:2015(MOD)
JIS C 8284:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.99 : その他の電気付属部品
- 29 : 電気工学 > 29.060 : 電線及びケーブル > 29.060.01 : 電線及びケーブル一般
JIS C 8284:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC60695-2-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第2-10部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―グローワイヤ試験装置及び一般試験方法
- JISC60695-2-11:2016
- 耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
- JISC8282-1:2019
- 家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
- JISC9730-2-9:2010
- 家庭用及びこれに類する用途の自動電気制御装置―第2-9部:温度検出制御装置の個別要求事項
- JISH8610:1999
- 電気亜鉛めっき
- JISH8617:1999
- ニッケルめっき及びニッケル-クロムめっき
- JISH8619:1999
- 電気すずめっき