11
C 8306-1996
10.7 定格負荷試験 定格負荷試験は,試験品の定格電圧及び定格周波数で表5によって試験電流を開閉
し,接触子の甚だしい劣化,開閉機構の故障,使用上有害な部品取付部の緩み,その他の故障の有無を調
べる。
(1) 定格電流を表示したものは,表5の(a)(d)のいずれかによって行う。
(2) 電動機定格を表示したものは,表5の(e)又は(f)のいずれかによって行う。
表5 定格負荷試験条件
適用範囲 定格負荷試験 電流 力率 開閉の割合 開閉回数
の種類 回/分 回
定格電流 定格負荷試験(a)定格電流に等しい電流。 約1 20 個別規格
を表示す による。
るもの 定格負荷試験(b)定格電流に等しい電流。0.550.65 5 000
(遅れ)
定格負荷試験(c)定格電流に等しい電流。 0.70.8 20 個別規格
(遅れ) による。
定格負荷試験(d)定格電流に等しい電流。0.550.65 10 000
(遅れ)
電動機定 定格負荷試験(e) 0.60.7
定格電流に相当する規約電 10 個別規格
格を表示 (遅れ)
流(表4)に等しい電流。 による。
するも 定格負荷試験(f) 0.30.4
閉路は定格容量に相当する 6 個別規格
の (遅れ)
規約電流の5倍の電流。開 による。
路は定格電流に等しい電(閉路)
流。 0.60.7
(遅れ)
(開路)
備考 定格負荷試験(b)の定格電流15Aを超えるものは,1回ごとに通電,無通電を交互に繰り返して行う。
(3) 開閉の割合は,操作部又はプラグの開及び閉の操作で1回と数え,開閉回数は,開閉で1回と数える。
ただし,多段切換スイッチでは,最初の開の位置からすべての切換接点を通り再び開に至るまで(1
サイクル)を1回と数える。
(4) 10.6(3)(6)及び(8)はこの試験に適用する。
10.8 試験中,開閉の動作が不安定になったときは,その試験品についての試験は中止する。
11. 短絡試験
11.1 試験後の調査 開閉試験を行った試験品について,定格短絡遮断電流を通じ,試験品のヒューズ(包
装ヒューズを除く。)によって遮断させた後,次の事項を調べる。
(1) ヒューズの確実な動作
(2) 発生アークによる極間短絡又は地絡(試験用ヒューズの溶断)
(3) 開口部に置いたさらしかなきんにアークによる点火
(4) ふた又はカバーの開放
(5) 器具の破損その他使用上有害な故障の有無
11.2 試験回路条件 試験回路条件は,次による。
――――― [JIS C 8306 pdf 11] ―――――
12
C 8306-1996
(1) 電源は,周波数50Hz又は60Hzのほぼ正弦波形の交流で,試験電圧(無負荷電圧)は,試験品の定格
電圧とする。
なお,試験品に定格周波数を表示したものは,その周波数とする。
(2) 回復電圧は,試験電圧の100%以上とする。
(3) 試験電流は,試験品の定格短絡遮断電流とし,図3に示す回路においてS1及びS2を閉じたときに流
れる電流をオシログラフ又は同等以上の性能をもつものによって測定し,三相回路では各相の交流分
の実効値の平均値,単相回路では引き続き3回測定した21サイクルにおける交流分の実効値の平均値
を採るものとする。
図3 短絡試験の回路接続
備考1. 図の記号は,次のとおりである。
R : 抵抗器
X : 空心リアクトル(抵抗器Rと直列に接続する。)
S1 : 試験回路投入スイッチ
S2 : 試験用短絡スイッチ
S3 : 切換スイッチ
F0 : 検査用ヒューズ( 長さ50mm裸銅線)
R0 : 保護抵抗(100V当たり1.5 地
2. 図の太線で示した試験品の接続線とS2の接続線とは同じ種類で,太さ及び
長さが等しいもの
を用いる。
――――― [JIS C 8306 pdf 12] ―――――
13
C 8306-1996
3. 試験品の接地される非充電金属部及び人が触れるおそれがある非充電金
属部のないものは,S3,F0及びR0を接続しない。
(4) 力率は,試験電流の大きさに従い,表6に示す値とする。
なお,力率は原則として(3)のオシログラフから次によって求める。
図4において電流の包絡線AA'及びBB'の間の縦軸に平行な距離の2等分線CC'を引き,短絡の瞬時
OにおけるOCをとり,その0.368倍の値まで減衰した瞬時をJとし,OJの時間をT(電流の直流分
の減衰時定数)とする。このときcos (tan−12 ‰
また,力率が0.5以上の場合は,定常短絡電流と電圧との位相角から求めてもよい。
表6 短絡試験の力率
試験電流 1 500を超え3 000を超え 6 000を超え
4 500を超え 10 000を超え 50 000を
20 000を超え
A 1 500以下3 000以下 4 500以下 6 000以下 10 000以下 20 000以下 50 000以下 超えるもの
力率 0.9 以上 0.85以上 0.75以上 0.65以上 0.45以上 0.25以上 0.20以上 0.15以上
(遅れ) 0.95以下 0.90以下 0.80以下 0.70以下 0.50以下 0.30以下 0.25以下 0.20以下
図4 短絡電流オシログラフ
11.3 試験品の取付方法 試験品は,次の方法で適切な試験台に取り付け,図3に示すように試験回路に
接続する。
(1) 通常の使用状態にして,電源側端子を電源に接続し,負荷側端子をインピーダンスのなるべく少ない
電線で短絡する。
(2) ヒューズは,試験品の定格電流に等しい定格電流(適用電動機容量だけを表示するものは,その容量
に適応した定格電流)のもので可溶体が鉛のものを取り付ける。
なお,配線用ヒューズの場合は,JIS C 8352の規定に適合するものを用いる。
(3) 試験品の開口部(アークの吹き出すおそれがある部分)には,さらしかなきん[平織,番手(縦30,
横36),密度(25.4mmにつき縦72本,横69本),密度の許容差±5%,のり付けしないもの。]をア
ークの吹き出しに影響を与えないように置く。
11.4 試験手順 試験手順は,次によって行う(図3参照)。
(1) 試験品を閉路状態とし,試験回路の投入スイッチS1を閉じ,ヒューズで回路を遮断した後,0.1秒以
上経過したときS1を開く。
(2) 同一試験品について行う試験の回路は,次による。
(a) 単極のものは,図3(a)の回路で2回行う。
(b) 2極のもの[(d)に規定するものを除く。]は,図3(a)の回路で2回行う。
(c) 3極のもの[(d)に規定するものを除く。]は,図3(c)の回路で切換スイッチS3をa,b及びcの位置
に置いてそれぞれ1回,計3回行う。ただし,S3,F0及びR0を接続しない場合は,2回とする。
(d) 単相3線式回路用の表示をした2極及び3極のものは,図3(b)の回路で1回,続いて図3(a)の回路
――――― [JIS C 8306 pdf 13] ―――――
14
C 8306-1996
(試験電圧は電圧線と中性線間電圧とする。)でヒューズを取り付けた1極と中性線間につきそれぞ
れ1回,計3回行う。
(3) 試験回路の投入スイッチS1の投入は,試験回路の突入電流がほぼ最大となるようにする。
(4) 最後の遮断試験の直後から約15分経過したとき,7.によって絶縁抵抗を測定した後,各部を調べる。
11.5 試験の際,図3の検査用ヒューズ (F0) が溶断しないものは,非充電金属部にアークが達しないもの
とみなす。
12. 耐過電流試験 耐過電流試験は,試験品を通常の使用状態で個別規格に規定された長さ1.5m以内の
電線を接続(負荷側接続線は短絡してもよい。)し,閉路の状態として,試験回路電圧(無負荷電圧を試験
電圧とする。)において,個別規格に規定された試験電流を0.02秒(60Hzの場合は1/60秒)間通じた後,
各部を点検する。この場合,単極及び2極のものは単相回路,3極のものは三相回路で試験するものとし,
試験回路条件は,11.2によるものとする。
13. 機械的強度試験
13.1 端子部の強度試験
13.1.1 ねじ端子の強度試験 ねじ端子の強度試験は,次によって行う。
(1) トルク強度試験 端子ねじのトルク強度試験は,次によって行う。
(a) 試験品の端子に接続される最小及び最大太さ(呼び)の電線[又はコード。以下,(1)において同じ。]
を正しく接続し,表7に示す値のトルクを加えて締め付け,端子又は端子ねじの破損などの異常の
有無を調べる。
圧着端子を使用できる構造のものは,使用できる最小の圧着端子を,また,ヒューズ端子におい
てはJIS C 8313の甲形のつめをねじ首下又はナットの下に挟んで表7に示す値のトルクを加えて締
め付け,端子又は端子ねじの破損などの異常の有無を調べる。
表7 締付けトルク及び引張荷重
M3
端子ねじの太さ(呼び) M3.5 M4 M4.5 M5 M6 M8 M10
N・m
締付けトルク 0.5 0.8 1.2 1.5 2.0 2.5 5.5 7.5
引張荷重 N 40 50 50 50 60 80 90 100
備考 端子ねじの呼びが,M10を超えるものの締付けトルク及び引張荷重の
値は,個別規格に規定するものとする。
(b) 一つの端子に2本の電線を接続できる構造のものは,端子に接続される最小及び最大太さ(呼び)
の電線を時に端子に正しく接続し,表7に示す値のトルクを加えて締め付け,端子又は端子ねじの
破損などの異常の有無を調べる。
(c) トルクを加えるトルクドライバ及びトルクスパナは,試験品の端子ねじの頭径に適応する形状・寸
法のものを用いる。
(d) 試験は,試験品の各端子ねじごとに1回行う。
(2) 電線保持力試験 電線を差し込んで接続するものの電線保持力試験は,次によって行う。
(a) 試験品の端子に接続される最小及び最大太さ(呼び)の電線[又はコード。以下,(2)において同じ。]
を正しく接続し,表7に示す値の32のトルクを加えて締め付けた後,電線を引き抜く方向に電線と
器具との間に引張荷重を徐々に加え,表7に示す値に達したときから1分間その値に保持する。
(b) 一つの端子に2本の電線を接続できる構造のものは,端子に接続される最小及び最大太さ(呼び)
――――― [JIS C 8306 pdf 14] ―――――
15
C 8306-1996
の電線を同時に端子に正しく接続し,表7に示す値の32のトルクを加えて締め付けた後,それぞれ
の電線に個々に電線を引き抜く方向に電線と器具との間に引張荷重を徐々に加え,表7に示す値に
達したときから1分間その値に保持したとき,端子又は端子ねじの破損,電線の脱出などの異常の
有無を調べる。
(c) 試験は,試験品の各端子ねじごとに1回行う。
(3) ねん(捻)回試験 ねん回試験は,試験品の端子に接続される最大太さ(呼び)の電線[又はコード。
以下,(3)において同じ。]を正しく接続し,表7に示す締付けトルクで締め付けた後,図5に示すよ
うに5秒に1回の割合で2回転させる。試験中表7に示す引張荷重値を加えておく。
試験中に電線のずれ,抜けがないことを確認する。
図5 ねん回試験
13.1.2 ねじなし端子の強度試験 ねじなし端子の強度試験は,次によって行う。
(1) 引張試験 引張試験は,次によって行う。ただし,二つ以上の太さの電線を接続できる端子は,最小
太さ(呼び)及び最大太さ(呼び)についてそれぞれ行う。
なお,試験に使用する電線は,JIS C 3307に規定する軟銅単線のものとする。
(a) 再用形端子の場合 長さ約15cmの電線の一端の被覆を器具に指示された長さにはぎ取り,その導
体部を端子に差し込み,電線が止まるまで押し込み,正しく接続する。引き続いて指示された方法
で電線を抜き取る。この操作を4回(毎回電線は新しいものに取り替える。)行った後,4回目に使
用した電線はそのままで5回目の接続を行い,その状態において電線を引き出す方向に引張力を
徐々に加え,100Nに達した後1分間その値に保持する。試験中電線の脱出,端子部の破損その他使
用上有害な故障を生じることなく,かつ,試験後電線を取り外すことが可能か否かを調べる。ただ
し,最大の太さ(呼び)で試験した端子は,さらに1回最小太さ(呼び)の電線を接続し,100Nの
引張力で1分間試験し故障の有無を調べる。
(b) 非再用形端子の場合 長さ約15cmの電線の一端の被覆を器具に指示された長さにはぎ取り,その
導体部を端子に差し込み,電線が止まるまで押し込み,正しく接続した後,電線の差込方向と反対
方向に引張力を徐々に加え,100Nに達した後1分間その値に保持する。試験中及び試験終了後,電
線の脱出,端子部の破損その他使用上有害な故障の有無を調べる。
(c) 同一の端子へ2本以上の電線を接続できる構造のものは,全部の電線を接続した状態及び1本を接
続した状態で,それぞれ(a)又は(b)の試験を行う。
備考 電線の太さ(呼び)が二つ以上の端子では,張力を加える電線が最小のもののときは,他の電
――――― [JIS C 8306 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS C 8306:1996の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 8306:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB1501:2009
- 転がり軸受―鋼球
- JISB7411:1997
- 一般用ガラス製棒状温度計
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1102:1981
- 指示電気計器
- JISC1302:2018
- 絶縁抵抗計
- JISC1601:1983
- 指示熱電温度計
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISC2805:2010
- 銅線用圧着端子
- JISC3301:2000
- ゴムコード
- JISC3306:2000
- ビニルコード
- JISC3307:2000
- 600Vビニル絶縁電線(IV)
- JISC3312:2000
- 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
- JISC3327:2000
- 600Vゴムキャブタイヤケーブル
- JISC7501:2011
- 一般照明用白熱電球
- JISC7709:1989
- 電球類の口金及び受金
- JISC8313:2016
- 配線用つめ付きヒューズ
- JISC8316:1996
- フラッシプレート
- JISC8336:1991
- 埋込配管用の附属品(電線管用)
- JISC8352:2015
- 配線用ヒューズ通則
- JISK6301:1995
- 加硫ゴム物理試験方法
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISZ2371:2015
- 塩水噴霧試験方法
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態
- JISZ8704:1993
- 温度測定方法―電気的方法