JIS C 8374:1991 漏電継電器 | ページ 2

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7. 構造
7.1 構造一般 継電器は,経年変化の少ない良質の材料を用いて丈夫に作り,操作が円滑に行われ,電
気的接触が完全で電線の接続が容易にでき,かつ,次の各項に適合しなければならない。
(1) 外箱は,内部にじんあいの入りにくい構造であること。
(2) 外箱が金属製であるときは,外箱に接地用端子を設けること。
(3) 継電器の復帰は,手動式,自動式又は電気式であること。
(4) 定格感度電流を切換式とする場合は,タップ切換式など,確実に切り換えられる構造とすること。
(5) 定格感度電流の切換えは,高感度と高感度以外の感度とを切り換えられるものでないこと。
(6) 継電器の動作を確認するテスト機構が設けられていること。
(7) 主回路の端子部を除く端子部は,太さ2mm2以下の電線を容易,かつ,確実に接続できること。
(8) 零相変流器の二次回路が,開放によって危険を生じるおそれがあるときは,これを防止する装置を設
けること。
(9) 端子接続式のものにあっては,電線などが容易,かつ,確実に接続できる構造であること。
7.2 端子記号 各端子には,誤接続のおそれがないように,記号などで明りょうに回路表示をしなけれ
ばならない。
8. 試験方法
8.1 試験条件 試験は,性能調査のため特に変化させる場合を除き,次の標準試験条件の下で行うもの
とする。
(1) 周囲温度 535℃
(2) 相対湿度 4585%
(3) 外部磁界 80A/m以下(定格周波数)
(4) 取付角度 正規位置±5°
(5) 周波数 定格周波数±2%
(6) 波形ひずみ率 5%以内
(7) 貫通式継電器の試験 貫通式のものにあっては,2.(8)に示す定格電流の標準値を定格電流として読み
換え,試験電流として試験する。
なお,貫通させる電線は,片側直線部分を20cm以上として試験する。
8.2 構造試験 構造,材料,仕上げ,接触,端子記号,表示事項などを点検し,いずれも7.及び11.に適
合し,かつ,仕上げが良好で,傷などの有無を調べる。
8.3 漏電動作試験
8.3.1 感度電流試験 制御電源端子に定格電圧を加え,零相変流器の一次側に負荷電流を通じない状態に
おいて,端子接続式のものにあっては一次側の1極に,貫通式のものにあっては任意の1線(以下,一次
側の1極という。)に電流を通じ,この電流を徐々に増加させて動作したときの感度電流値を測定する。
8.3.2 漏電動作時間試験 制御電源端子に定格電圧を加え,負荷電流を通じない状態及び零相変流器の一
次側に定格電流を通じた状態のそれぞれにおいて,零相変流器の一次側の1極にそれぞれ表9の値の電流
を急に加えたときの動作時間を測定する。

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表9 動作時間試験電流
種類 試験電流
高速形 定格感度電流
時延形
反限時形 定格感度電流
定格感度電流の1.4倍
定格感度電流の4.4倍
8.3.3 慣性不動作試験 制御電源端子に定格電圧を加え,負荷電流を通じない状態及び定格電流を通じた
状態のそれぞれにおいて,零相変流器の一次側の1極に10A又は定格感度電流の20倍のいずれか大きい
値の電流を急に加え,慣性不動作時間(最小0.1秒間)通電する。
8.4 周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する感度電流試験 負荷電流を通じない状態で,周囲温度
−10℃,20℃及び50℃の3点において,各々の電源電圧が定格電圧の80%,100%及び110%のそれぞれに
ついて8.3.1の試験を行い,感度電流が最大となる周囲温度と電源電圧の組合せ条件を求め,その条件にお
いて負荷電流を通じない状態及び定格電流に等しい負荷電流を通じた状態で8.3.1の試験を行う。ただし,
低感度形のものにあっては,負荷電流を通じての試験の場合には常温で行ってもよい。
8.5 周囲温度の変化及び電源電圧の変動に対する不動作試験 負荷電流を通じない状態で,8.4と同様に
して感度電流が最小となる周囲温度と電源電圧の組合せ条件を求め,その条件において負荷電流を通じな
い状態及び定格電流に等しい負荷電流を通じた状態で,零相変流器の一次側の1極に定格不動作電流を急
に加える。ただし,低感度形のものにあっては,負荷電流を通じての試験の場合には常温で行ってもよい。
8.6 平衡試験 制御電源端子に定格電圧を加え,零相変流器の一次側に表10の試験電流を約10秒間隔
で約1秒間(時延形継電器で,動作時間が1秒以上のものにあっては,その動作時間。)3回通電する。
三相3線式のものは三相平衡電流を通じる。ただし,設備の都合上単相電源で試験を行う場合は,2線
ずつ組み合わせて行い,それぞれの組合せについて2回通電する。
三相4線式のものにあっては,電圧線の1極ずつを中性線と組み合わせ,それぞれの組合せについて単
相回路で2回通電し,さらに,電圧線3線について三相3線式のものと同様に試験を行う。
表10 平衡試験電流
単位 A
種類 定格電流 試験電流
単相用 600以下 定格電流の6倍(最小150)
600を超えるもの 定格電流から600を引いた値の2倍に3 600を加えた値
三相用 50以下 定格電流の8倍(最小150)
50を超え 600以下 定格電流の6倍
600を超えるもの 定格電流から600を引いた値の2倍に3 600を加えた値
8.7 テスト機構の試験 制御電源端子に定格電圧の80%の電圧を加え,負荷電流を通じない状態でテス
ト機構のボタンを押して動作させる試験を,次のそれぞれの場合について,いずれも10秒間隔で10回繰
り返して行う。
(1) 地絡電流を通じない状態。
(2) 零相変流器の一次側の1極に定格不動作電流を通じた場合。
なお,(2)の場合において,通じる定格不動作電流の位相が,テスト機構の回路の電流と特定の位相関係
にある場合(電源が同一である場合。)は,通じる定格不動作電流の向きを変えた場合についても試験を行
う。この試験の後,8.3.1の試験を行う。

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8.8 温度試験 零相変流器の一次側の各端子ごとに,表11に示す長さ1.5mの電線又は銅帯を表12に示
す締付トルクで接続し,制御電源端子に定格電圧を加え,テストボタン又はその他の方法によって動作状
態とし,主回路には定格電流を,継電器の出力回路には出力接点の最小定格電圧に対応する負荷電流を,
それぞれ各部の温度が一定となるまで通じたときの各部の温度を測定する。
なお,試験設備の都合上,制御電源は別電源とし,主回路電流は単相でもよい。
表11 温度試験電線
定格電流 600Vビニル絶縁電線の太さ
定格電流600Vビニル絶縁電線の太さ
A mm2 A mm2
30 5.5 600 200×2本
50 14 800 電流密度が1.51.8A/mm2の
1 000 銅帯を接続して試験するこ
100 38 1 200 と(6)(7)。
225 125 1 600
2 000
400 100×2本 2 500
注(6) 銅帯2本の場合は,継電器の端子を挟んで2本接続するものとする。
(7) 8.8の試験で使用した接続銅帯の断面積及び接続状態を試験成績書に明
示すること。
表12 温度試験締付トルク
単位N・m [{kgf・cm}]
端子ねじの呼び M3 M3.5 M4 M5 M6 M8 M10以上
締付トルク 0.39 [{4}] 0.59 [{6}] 0.78 [{8}] 1.47 [{15}] 1.96 [{20}] 3.63 [{37}] 4.90 [{50}]
8.9 動作耐久試験 制御電源端子に定格電圧を加え,零相変流器の一次側に負荷電流を通じない状態に
おいて,継電器の出力端子に,出力接点の最大定格電圧に対応する負荷を接続して,テストボタンによる
動作を毎分6回の割合で1 000回行う。この操作の後,8.3.1の試験を行う。
8.10 温度湿度耐久試験 定格電圧を印加し,定格電流を通電して,図1に示す温度湿度サイクルを1サ
イクルとし,これを14サイクル繰り返し,その後電圧及び電流を切り,常温常湿に4時間以上放置する。
ただし,この場合定格電流が225Aを超えるものは,定格電圧の印加だけで試験することができる。引き
続いて定格電圧を印加して,周囲温度−10℃の下で16時間保持し,その後電圧を切り,常温に4時間放置
した直後8.3.1の試験を行う。この試験終了後8.14及び8.15の試験を行う。

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図1 温度湿度サイクル試験条件
備考 斜線部は,温度又は湿度の保持範囲を示す。
8.11 アンモニアガス耐久試験 次によって試験を行う。
(1) 端子接続式の継電器は,各端子ごとに表11に示す長さ10cmの電線を表13に示す締付トルクで接続
し,端子カバーのあるものはそれを取り外したままで,試験液1lを底部に入れた内容積10lのデシケ
ータの中に,試験品が試験液に接しない状態でテストボタンの取付面を液面側として入れ,72時間保
持する。ただし,試験の都合上,試験条件が同等とみなされる場合は,黄銅製部材だけで試験を行っ
てもよい。その後,試験品を取り出し,JIS C 8306の13.1(端子部の強度試験)の試験を行う。
(2) 貫通式の継電器では,そのままの状態で,試験液1lを底部に入れた内容積10lのデシケータの中に,
試験品が試験液に接しない状態でテストボタンの取付面を液面側として入れ,72時間保持する。ただ
し,試験の都合上,試験条件が同等とみなされる場合は,黄銅製部材だけで試験を行ってもよい。そ
の後,試験品を取り出し,JIS C 8306の13.1の試験を行う。
(3) 上記試験の試験液は,JIS K 8116に規定する特級塩化アンモニウム107gを約700mlの蒸留水に溶解し,
その溶液にJIS K 8576に規定する特級水酸化ナトリウム5070gを約250mlの蒸留水に溶解させた液
を加え,水素イオン濃度 (pH) が10になったとき,全量が約1lになるように調整する。
表13 アンモニアガス耐久締付トルク
単位N・m [{kgf・cm}]
端子ねじの呼び M3 M3.5 M4 M5 M6 M8 M10以上
締付トルク 0.49 [{5}] 0.78 [{8}] 1.18 [{12}] 1.96 [{20}] 2.45 [{25}] 5.39 [{55}] 7.35 [{75}]
8.12 振動耐久試験 継電器を正規の使用状態に取り付け,上下,左右,前後のそれぞれの方向に,JIS C
0911で規定する方法によって表14に示す条件で振動を加えた後,8.3.1の試験を行う。
表14 振動試験条件
試験の種類 振動条件 電圧印加条件
複振幅 mm 振動数 Hz 時間 min
無電圧試験 4 16.7 60 −
電圧印加試験 4 16.7 30 制御電源端子へ定格周波数の定格電圧を印加する。

――――― [JIS C 8374 pdf 9] ―――――

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8.13 衝撃加速度耐久試験 継電器を正規の使用状態に取り付け,制御電源端子に定格電圧を印加し,上
下方向及び正面が上向きとなる方向に,JIS C 0912で規定する方法によって,最大加速度98m/s2の衝撃を
それぞれ2回加えた後,8.3.1の試験を行う。
8.14 絶縁抵抗試験 500Vの絶縁抵抗計を用いて,8.15の耐電圧試験電圧の印加箇所の絶縁抵抗を測定す
る。
8.15 耐電圧試験 表15に示す各部に,所定の試験電圧の21以下の電圧を加え,それから所定の試験電圧
まで,そのときどきの電圧が表示され得る範囲で,できるだけ早く上昇させ,試験電圧に達した後1分間
印加する。
1分間印加した後は,できるだけ速やかに電圧を降下させる。その後,8.3.1の試験を行う。ただし,受
渡検査などで数多くの製品について検査を行う場合には,試験電圧2 500V以下のものでは試験電圧の
120%の電圧を1秒間印加してこれに代えることができる。
表15 耐電圧試験条件
単位V
電圧印加箇所 試験電圧
一次導体と外箱間及び一次導体相互間(8) 2E+1 000
ただし,Eは主回路の定格電圧。
制御回路導電部(9)と外箱間(10)及び制御回路導電部(9)
2E+1 000
相互間(11) ただし,Eは制御回路の最大定格電圧。
一次導体一括と制御回路導電部一括間(8) 2E+1 000
ただし,Eは主回路又は制御回路のいずれか高い方の定格電圧。
同一制御回路の開極接点間 1 000(100V,200V接点)
1 500(400V接点)
注(8) 制御回路用電源を主回路からとっているものにあっては,制御回路と主回路の接続を取り外して行う。
(9) 制御回路には,出力接点回路も含む。
(10) 制御回路(電子回路)の接地側が外箱に接続されているものは除く。
なお,外箱が絶縁物である場合は,取付用金属版を外箱とみなして行う。
(11) 制御回路用変圧器巻線及び表示灯が接続されているものは,これらの接続を取り外して行う。ただし,整流回
路など,接続を取り外すことが困難なものにあっては,この試験は,異なる制御回路相互間だけについて行う。
8.16 重地絡動作試験 定格電圧の1.1倍(単相3線式又は三相4線式の中性線に接続する極をもつものに
あっては中性極と他の極との間の電圧の1.1倍)の電圧を印加し,表16に示す条件で1極に試験電流を通
じて動作させる試験を各極について行う。この試験終了後,8.3.1の試験を行う。
表16 重地絡動作試験条件
試験電流 A 回数 定格電流 A 休止時間 秒
定格電流の10倍 各極ごとに2 100以下 10
100を超えるもの 30
備考 力率は,試験電流の値に応じて表17に示す値とする。

――――― [JIS C 8374 pdf 10] ―――――

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