この規格ページの目次
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C 8712 : 2015
リチウム系において,単電池製造業者が指定する上限充電電圧及び最大充電電流で充電できる単電池表
面の温度領域。
3.19B
下限試験温度(lower limit test temperature)
リチウム系において,標準温度域の下限で行う試験に用いる周囲温度。
注記 下限試験温度は,表4に規定されている。
3.19C
上限試験温度(upper limit test temperature)
リチウム系において,標準温度域の上限で行う試験に用いる周囲温度。
注記 上限試験温度は,表4に規定されている。
3.19D
下限充電温度(lower limit charging temperature)
リチウム系において,安全性の見地から,単電池製造業者が指定する充電が許容可能な単電池表面温度
の下限値。
3.19E
上限充電温度(upper limit charging temperature)
リチウム系において,安全性の見地から,単電池製造業者が指定する充電が許容可能な単電池表面温度
の上限値。
3.19F
低温度域(low temperature range)
リチウム系において,安全性の見地から,最大充電電流及び/又は上限充電電圧を変えることによって
充電が許容可能な単電池表面の温度領域で,上限は標準温度域に隣接し,下限は下限充電温度で規定する
領域。
3.19G
高温度域(high temperature range)
リチウム系において,安全性の見地から,最大充電電流及び/又は上限充電電圧を変えることによって
充電が許容可能な単電池表面の温度領域で,下限は標準温度域に隣接し,上限は上限充電温度で規定する
領域。
3.19H
モデル
リチウム系において,材料,部品,それらの使用量,寸法,配置などが同じように設計された製品の一
群。
3.19I
電池ブロック
リチウム系の組電池内において,並列接続された複数個の単電池の集まり。
3.19J
保護素子
PTC素子,ヒューズなどの電流制御(遮断)素子。この素子は,電池が異常な高温となった場合に通電
を阻止し,電池の破裂又は発火を防止する。
――――― [JIS C 8712 pdf 6] ―――――
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3.19K
保護回路
過充電時の過電圧を,検出し充放電を停止する機能,過放電による低電圧時の放電を停止する機能,過
大電流の充放電を防止する機能,温度を検知して動作を制御する機能などをもつ電子回路。
3.19L
特殊な構造の組電池
はんだ付けその他の接合方法によって,容易に取り外すことができない状態で機器に固定して用いられ
る組電池,端子配置が固定されていない組電池,又は部品を保持できる十分な強度をもった電池容器をも
たない組電池。これらの組電池は,使用者(消費者)が交換できるように設計されていない。
4 パラメータの測定許容差
規定又は実測するパラメータに対する制御値又は測定値の精度は,次に示す許容差範囲になければなら
ない。
a) 電圧 : ±1 %
b) 電流 : ±1 %
c) 容量1) : ±1 %
d) 温度 : ±2 ℃
e) 時間 : ±0.1 %
f) 寸法 : ±0.1 mm
注1) 容量は,電流と時間との積で表す。
これらの許容差は,測定器具,使用する測定技術及び試験の手順における,その他全ての誤差の発生源
によって生じる総合的な精度である。
測定器具類を選択するとき,アナログ器具ではJIS C 1102-2に規定する器具を用い,デジタル器具では,
アナログ器具と同等の精度をもつ器具を用いる。
試験結果の報告にも,使用した器具類の詳細を記載する。
4A 測定器具
試験に用いる測定器具は,測定値の大きさに応じて選択する。次に規定する精度を確保するために,器
具を定期的に校正しなければならない。
使用した測定器具類の詳細は,試験結果報告に記載する。
a) 電圧の測定 電圧の測定に用いる器具は,アナログ器具ではJIS C 1102-2に規定する階級0.5級又は
これと同等以上の精度をもつ電圧計でなければならない。デジタル器具の場合は,アナログ器具と同
等の精度をもつ電圧計とする。
電圧計の抵抗値は,10 kΩ以上とする。
b) 電流の測定 電流の測定に用いる器具は,アナログ器具ではJIS C 1102-2に規定する階級0.5級又は
これと同等以上の精度をもつ電流計でなければならない。デジタル器具の場合は,アナログ器具と同
等の精度をもつ電流計でなければならない。この精度は,電流計,シャント抵抗及び導線を組み立て
たものについて維持しなければならない。
c) 温度の測定 温度の測定に用いる器具は,JIS B 7411-1に規定する許容差±1 ℃若しくはこれと同等
以上の精度をもつ一般ガラス棒状温度計,又は最小読取値が1 ℃以下のデジタル式温度計でなければ
――――― [JIS C 8712 pdf 7] ―――――
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ならない。
デジタル器具の場合は,アナログ器具と同等の精度をもつ温度計でなければならない。
d) 時間の測定 時間の測定器具は,許容差が1時間で±1秒又はこれと同等以上の精度をもたなければ
ならない。
e) 寸法の測定 寸法の測定に用いる器具は,JIS B 7507に規定する0.05 mm目盛のノギス,又はこれと
同等以上の精度をもつ器具でなければならない。
5 安全性に関する一般事項
5.1 一般
単電池又は組電池の安全性に関して,次の適用条件を想定する必要がある。
− 通常使用
− 予見可能な誤使用
単電池及び組電池を,通常使用及び予見可能な誤使用の双方の場合に安全であるように設計し,製造し
なければならない。単電池又は組電池は,予見可能な誤使用の後に機能を失う場合があるが,その際,次
に示すような潜在的危険に対し,7.3及び8.3に規定する要求事項を満たさなければならない。また,単電
池又は組電池が通常使用される場合は,安全で,かつ,機能を継続しなければならない。
a) 発火
b) 破裂
c) 漏液
d) 弁作動
e) 外部加熱による発火
f) 内容物が露出するような組電池容器の開裂
5.25.7に合致しているかどうかは,ニッケル系は箇条7の試験,リチウム系は箇条8の試験,更にJIS
Z 8051によって確認する。
5.2 絶縁及び配線
正極端子と組電池外部に露出した金属表面(電気的接触面を除く。)との間の絶縁抵抗は,直流500 Vを
60秒間印加後に5 MΩ以上とする。
内部配線及びその絶縁は,予想される最大の電流,電圧及び温度に関する要求事項に耐えなければなら
ない。配線には,各々の接続器の間に適切な間隙と沿面距離とを保つものを用いなければならない。また,
内部接続の機械的強度は,通常使用に対して対応できなければならない。
5.3 弁作動
組電池の容器及び単電池には,内部圧力を低下する機構を設けるか,又は内部圧力が破裂又は発火を予
防するために設けた数値又は割合に至ったときに,過剰な内部圧力を低下するように設計しなければなら
ない。外側容器の内部において単電池が支持材で固定されている場合,支持材の種類及び支持の方法は,
組電池が通常の作動において過熱を引き起こすものであってはならず,また,圧力低下を妨害するもので
あってはならない。
5.4 温度,電圧及び電流の管理
5.4.1 ニッケル系
ニッケル系の組電池は,異常な温度上昇が発生しないように設計しなければならない。組電池製造業者
は,機器製造業者に対して組電池の仕様及び充電条件を提供しなければならない。
――――― [JIS C 8712 pdf 8] ―――――
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5.4.2 リチウム系
リチウム系の組電池は,異常な温度上昇が発生しないように設計しなければならない。また,組電池は,
電流制限装置が作動して安全なレベルに制限する対策を備えなければならない。ただし,機器などに電流
制限装置が作動して安全なレベルに制限する対策を備えている場合,組電池に備えなくてもよい。
さらに,単電池業者は,組電池製造業者に温度,電圧及び電流の制限値を提供しなければならない。組
電池製造業者は,機器製造業者に温度,電圧及び電流の制限値を提供しなければならない。
5.5 端子接続部
端子には,組電池の外部表面にプラス(+)及びマイナス(−)を明示しなければならない。端子接続
部は,接続部で予想される最大電流を確実に流すことができる寸法及び形状でなければならない。外部の
端子接続面は,良好な機械的強度及び耐腐食性を備えた導電材料によって構成する。端子接続部は,短絡
の危険性を最小限にしなければならない。
注記 例外 : 外部連結器(コネクタ)が逆接続防止を担う場合,組電池は極性表示を付ける必要はな
い。
5.6 組電池への単電池組込み
5.6.1 一般
組電池内に用いる単電池は,ほぼ同等の容量をもち,同一の型式,同一の品種及び同一の銘柄(製造業
者,製品)のもので構成するのが望ましい。組電池は制御機能及び保護機能をもたなければならない。た
だし,充電器などがそれらの機能をもつ場合は,適用しない。単電池製造業者は,組電池製造業者及び組
電池設計者が適切な設計及び組立ができるように,電流,電圧及び温度の制限値を示さなければならない。
直列に接続された単電池の一部を選択して放電するよう設計した組電池は,不均等放電によって単電池の
転極が起こらないようにしなければならない。保護回路の部品は機器にあってもよい。組電池を試験する
ときは,組電池製造業者がこの規格に従って,適合性を確認する試験報告書を作成しなければならない。
適合性は,この規格の組電池の試験によって判定する。
5.6.2 リチウム系の組電池に関する設計上の留意事項
組電池を構成する各単電池又は各電池ブロックの電圧は,表4に規定する上限充電電圧を超えてはなら
ない。ただし,上限充電電圧を超えない機能が機器側にある場合には,機器側で上限充電電圧を超えてい
ないことを確認しなければならない。
次に示すことを組電池設計時に考慮しなければならない。
a) 電池ブロックからなる組電池は,単電池の充電電圧が表4に規定する充電電圧の上限値を超えてはな
らない。
b) 直列接続された複数の単電池,又は直列接続された複数の電池ブロックからなる組電池は,全ての単
電池又は全ての電池ブロックの電圧を監視し,単電池又は電池ブロックの電圧が表4に規定する充電
電圧の上限値を超えてはならない。
c) 直列接続された複数の単電池,又は直列接続された複数の電池ブロックからなる組電池は,全ての単
電池又は全ての電池ブロックの電圧を測定し,単電池又は電池ブロックが充電電圧の上限値を超えた
ときに充電が停止しなければならない。
5.7 品質計画
単電池製造業者及び組電池製造業者は,単電池又は組電池の型式ごとの生産工程内に,材料,構成要素,
並びに単電池及び組電池の検査手順を規定する品質計画を策定し,実施しなければならない。単電池製造
業者及び組電池製造業者は,自社の工程能力を把握し,製品の安全性に関連する必要な工程管理をするこ
――――― [JIS C 8712 pdf 9] ―――――
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とが望ましい。
6 試験項目及び試験数量
試験は,ニッケル系に対しては表1,リチウム系に対しては表2にそれぞれ規定する個数の単電池又は
組電池に対し行う。この単電池又は組電池は,製造してから6か月以内のものとする。特に指定がない限
り,試験は周囲温度20±5 ℃で行う。
注記 製造から6か月以内の単電池又は組電池を使用するのは,試験の再現性を高めるために制限し
たもので,6か月を過ぎると電池の安全性が低下することを意味するものではない。
表1−試験項目及び試験数量(ニッケル系)
試験項目 試験数量(個) 適用箇条
単電池 組電池
連続低率充電 5 − 7.2.1
振動 5 5 7.2.2
高温下での組電池容器の変形 − 3 7.2.3
温度サイクル 5 5 7.2.4
単電池の誤った接続 4個を5セット − 7.3.1
外部短絡 試験温度ごとに5 試験温度ごとに5 7.3.2
自然落下 3 3 7.3.3
衝撃 5 5 7.3.4
加熱 5 − 7.3.5
圧壊 円筒形5 − 7.3.6
角形10
低圧 3 − 7.3.7
過充電 5 5 7.3.8
強制放電 5 − 7.3.9
表2−試験項目及び試験数量(リチウム系)
試験項目 試験数量(個) 適用
単電池 組電池 箇条
充電温度 試験時の 試験 充電温度 試験時の 試験
周囲温度 数量 周囲温度 数量
連続定電圧充電 20±5 ℃ 上限試験温度 5 − − − 8.2.1
高温下での組電池 − − − 20±5 ℃ 70±5 ℃ 3 8.2.2
容器の変形
振動 20±5 ℃ 20±5 ℃ 5 20±5 ℃ 20±5 ℃ 5 8.2.2A
温度サイクル 20±5 ℃ − 5 20±5 ℃ − 5 8.2.2B
外部短絡 上限試験温度 55±5 ℃ 5 − − − 8.3.1
下限試験温度 55±5 ℃ 5 − − −
− − − 上限試験温度 20±5 ℃ 5 8.3.2
− − − 下限試験温度 20±5 ℃ 5
自然落下 20±5 ℃ 20±5 ℃ 3 20±5 ℃ 20±5 ℃ 3 8.3.3
加熱 上限試験温度 130±2 ℃ 5 − − − 8.3.4
下限試験温度 130±2 ℃ 5 − − −
――――― [JIS C 8712 pdf 10] ―――――
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JIS C 8712:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62133:2012(MOD)
JIS C 8712:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.220 : 電池及び蓄電池 > 29.220.30 : アルカリ二次電池(アルカリ蓄電池)
JIS C 8712:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7411-1:2014
- 一般用ガラス製温度計―第1部:一般計量器
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISC1102-2:1997
- 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
- JISC6065:2016
- オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器―安全性要求事項
- JISC6950-1:2016
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- ポータブル機器用密閉型ニッケル・カドミウム蓄電池(単電池及び組電池)
- JISC8708:2019
- ポータブル機器用密閉型ニッケル・水素蓄電池(単電池及び組電池)
- JISC8711:2019
- ポータブル機器用リチウム二次電池
- JISK6253-3:2012
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方―第3部:デュロメータ硬さ
- JISZ8051:2015
- 安全側面―規格への導入指針