JIS C 9213:1988 電気ポット

JIS C 9213:1988 規格概要

この規格 C9213は、定格消費電力1.5kW以下の容器と発熱体とを一体にした,主として家庭用の電気ポットについて規定。ただし,電熱線露出形及び電極式は除く。

JISC9213 規格全文情報

規格番号
JIS C9213 
規格名称
電気ポット
規格名称英語訳
Electric pots
制定年月日
1972年6月1日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 60335-2-15:1986(NEQ), IEC 60530:1975(NEQ)
国際規格分類

ICS

97.040.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1972-06-01 制定日, 1976-11-01 改正日, 1980-02-01 確認日, 1985-06-01 確認日, 1988-12-01 改正日, 1993-10-01 確認日, 1999-05-20 確認日, 2005-02-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS C 9213:1988 PDF [20]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 9213-1988

電気ポット

Electric Pots

1. 適用範囲 この規格は,定格消費電力1.5kW以下の容器と発熱体とを一体にした,主として家庭用の
電気ポット(以下,ポットという。)について規定する。ただし,電熱線露出形及び電極式は除く。
備考 この規格の中で{}を付けて示してある数値及び単位は,従来単位によるものであって,参
考値として併記したものである。
2. 用語の意味 この規格に用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1) 器 体 本体及びふたの総称。
(2) 本 体 ふたを除く部分。
(3) 容 器 本体の一部で水を入れる部分。
(4) ふた(上ふた) 本体に附属し,外装の一部を開閉する機能をもつ部分。
(5) 中 せ ん 容器の開口部を閉止する機能をもつ部分。
(6) 注水機構 本体を持ち上げず,また,傾けずに容器の中の湯や水を空気圧などを利用して注ぐことが
できる機能をもつ部分。
3. 種 類 種類は,表1のとおりとする。
引用規格,対応国際規格 : 1920ページに示す。

――――― [JIS C 9213 pdf 1] ―――――

2
C 9213-1988
表1 種類
種類 形式 注水方式 備考
取っ手を備え,これを持って器体を傾け
一般式 水温を一定温度(沸騰点に達しない温
普通形電 て注水する。
度)で持続的に維持することができな
気ポット 容器の下部に止水栓などを設け,これを
落下式 いもの。
開閉し,自然落下によって注水する。
1水温を一定温度(沸騰点に達しない
取っ手を備え,これを持って器体を傾け
一般式
て注水する。 温度)で持続的に維持することができ
るもの。
容器の下部に止水栓などを設け,これを
落下式
2調節温度が固定のものと可変のもの
開閉し,自然落下によって注水する。
自動形電 空気圧利用式(手 がある。
手動式注水機構によって注水する。
気ポット 動)(1)
ポン 空気圧利用式(電
電動式注水機構によって注水する。
プ式 動)(2)
揚水ポンプ利用
電動式揚水ポンプによって注水する。
式(電動)(3)
注(1) 空気圧を利用した注水機構をもつもので,プッシュプレート又はレバーを手で操作することによってベローズ
内の圧縮空気が水面を押して注水するもの。
(2) 空気圧を利用した注水機構をもつもので,押しボタン(スイッチ)を押し,電動機などによってベローズを伸
縮させ,ベローズ内の圧縮空気で水面を押して注水するもの。
(3) 電動式揚水ポンプを利用するもので,押しボタン(スイッチ)を押し,電動機などによって揚水ポンプを動作
させ,水をくみ上げて注水するもの。
4. 定格電圧 単相交流100Vとする。
5. 性 能
5.1 電圧変動特性 8.2の方法によって試験を行ったとき,実用上支障のないものでなければならない。
5.2 消費電力 8.3の方法によって試験を行ったとき,消費電力と定格消費電力との差が,表2の値以内
でなければならない。ただし,電動機を備え,かつ,8.3の試験中に電動機を動作させることができるもの
にあっては,8.3の測定は電動機を動作させた状態で行うこと。
表2 消費電力の許容差
単位 %
定格消費電力 許容差
1kW以下 ±10
1kWを超えるもの ±5
5.3 絶縁性能
5.3.1 絶縁抵抗 8.4.1の方法によって試験を行ったとき,その値が1M 坎 上でなければならない。
5.3.2 耐 電 圧 8.4.2の方法によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。
5.3.3 いっ(溢)水時の絶縁抵抗 次の各項に適合しなければならない。
(1) 8.4.3(1)の方法によって試験を行ったとき,その値が0.3M 坎 上でなければならない。
(2) 8.4.3(2)の方法によって試験を行ったとき,その値が1M 坎 上でなければならない。
5.4 温度
5.4.1 平常温度 8.5.1の方法によって試験を行ったとき,各部の温度は,表3の値以下でなければなら
ない。

――――― [JIS C 9213 pdf 2] ―――――

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C 9213-1988
表3 温度限度
単位 ℃
測定箇所 温度
持ち運び用の取っ手 金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 65
その他のもの 80
スイッチなどのつま 金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 60
み及び押しボタン その他のもの 75
使用中に人が操作す 金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 55
る取っ手 その他のもの 70
試験品を置く木台の表面 95
整流体 シリコン製のもの 135
A種絶縁のもの 100
E種絶縁のもの 115
巻線 B種絶縁のもの 125
F種絶縁のもの 150
H種絶縁のもの 170
ビニル混合物(耐熱性があるものを除く。)及び天然ゴム混合物 60
ビニル混合物(耐熱性があるものに限る)。スチレンブタジエンゴム混合物及びクロロ
75
コ ー ド プレンゴム混合物
けい素ゴム混合物,エチレンプロピレンゴム混合物及びクロロスルホン化ポリエチレン
90
ゴム混合物
備考 基準周囲温度は30℃とする。
5.4.2 異常温度 8.5.2の方法によって試験を行ったとき,ポット又は木台が燃焼するおそれがなく,か
つ,直流500V絶縁抵抗計によって測定した充電部と地絡するおそれのある非充電部との間の絶縁抵抗は,
0.1M 坎 上でなければならない。
5.5 自動スイッチ 8.6の方法によって試験を行ったとき,各部に異常がなく,8.6(1)の試験前において
行う8.6(2)の試験で開路したときの温度の平均値が設定温度に対して±10℃であり,8.6(1)の試験後におい
て行う8.6(2)の試験で開路したときの温度の平均値が試験前に測定した値に対して,設定温度が100℃未満
のものは±5℃,100℃以上のものは±5%でなければならない。
5.6 自動温度調節器及び自己復帰形温度過昇防止器の性能 8.7の方法によって試験を行ったとき,次の
各項に適合しなければならない。
(1) 開閉性能 各部に異常がないこと。
(2) 動作温度 表4に適合すること。
表4 動作温度の許容範囲
種別 許容範囲
開 開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平均値が,その設定温度
閉 自動温度調節器 に対して設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上200℃以下のものは±5%, 200℃を

験 超えるものは±10℃

自己復帰形温度過昇防止器 開路したときの温度の平均値が,設定温度に対して±15℃
開 開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平均値が,開閉試験前に
閉 自動温度調節器
測定したその値に対して設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上のものは±5%

験 自己復帰形温度過昇防止器 開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に測定したその値に対して設定温度が100℃未

満のものは±5℃,100℃以上のものは±5%
5.7 非自己復帰形温度過昇防止器性能 8.8の方法によって試験を行ったとき,次の各号に適合しなけれ
ばならない。

――――― [JIS C 9213 pdf 3] ―――――

4
C 9213-1988
(1) 開閉性能 各部に異常がないこと。
(2) 動作温度 表5に適合すること。
表5 動作温度の許容範囲
種別 許容範囲
開閉試験前 開路したときの温度の平均値が設定温度に対して±15℃
開閉試験後 開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に設定したその値に対して設定温度が100℃未満のものは
±5℃,100℃以上のものは±5%
5.8 温度ヒューズ 8.9の方法によって試験を行ったとき,定格動作温度が,200℃未満のものは±7℃,
200℃以上のものは±10℃でなければならない。
5.9 水温の温度保証 8.10の方法によって試験を行ったとき,その測定値は85℃以上で,かつ,最低値
をもつものにあっては,その値が80℃以上でなければならない。
5.10 効 率 8.11の方法によって試験を行ったとき,その値が75%以上でなければならない。
5.11 転倒流水 自動形電気ポットのポンプ式のものは,8.12の方法によって試験を行ったとき,横方向
及び後方向ともその値が50ml以下でなければならない。
5.12 湯沸し用電熱線の耐久性 8.13の方法によって試験を行ったとき,断線してはならない。
5.13 容器の耐久性 8.14の方法によって試験を行ったとき,水漏れするような穴あきがあってはならな
い。
5.14 コード接続部の折曲げ
(1) 器体とコード接続部は,コードリール機構のないものについて,8.15(1)の方法で試験を行ったとき,
コード素線の断線率は20%以下であり,かつ,短絡を生じてはならない。
(2) コード付き一体成形の差込プラグのコード接続部は,8.15(2)の方法で試験を行ったとき,コード素線
の断線率は20%以下であり,かつ,短絡を生じてはならない。
5.15 耐落下衝撃性 8.16の方法によって試験を行った直後において,次の各項に適合しなければならな
い。ただし,器体の質量が4kg以上のものについては,この試験は行わない。
(1) 充電部が露出しないこと。ただし,付図に示す試験指で試験したとき,試験指に触れない程度の充電
部の露出は,この限りでない。
(2) 器具を電源に接続したときに短絡しないこと。
(3) 直流500V絶縁抵抗計によって測定したとき充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間の絶
縁抵抗は,0.1M 坎 上であること。
5.16 保温材及び断熱材の難燃性 電装部近傍に充てんする保温材及び断熱材は,8.17の方法によって試
験を行ったとき,炎を取り去った後も燃え尽きることなく,消炎時間は10秒以下でなければならない。た
だし,保温材,断熱材が燃焼した場合において感電,火災などの危険が生じるおそれがないものは,この
限りでない。
6. 構 造
6.1 構造一般 次の各項に適合しなければならない。
(1) 通常の使用状態において危険が生じるおそれがなく,十分な耐久性をもち,形状が正しく,組立てが
良好で,動作が円滑であること。
(2) 金属製のふた又は本体のうち,スイッチが開閉したときアークが達するおそれがある部分には,耐ア
ーク性の電気絶縁物を施してあること。

――――― [JIS C 9213 pdf 4] ―――――

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C 9213-1988
(3) 吸湿することによって部品の燃焼,充電部の露出などの危険が生じるおそれがある部分には,防湿処
理を施してあること。
(4) 温度上昇によって危険を生じるおそれがあるものは,温度過昇防止装置を取り付けてあり,通常の使
用状態において動作しないこと。
(5) 器体とコードとの接続に接続器を用いる場合は,この操作が容易で,確実に,かつ,安全にできるこ
と。
(6) スイッチをもつものは,スイッチの開閉操作又は開閉状態を文字,記号,色又は光によって見やすい
箇所に表示すること。ただし,表示することが困難なものは,この限りでない。
(7) 合成樹脂製の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの及び機能上可とう性,機械的強度などを必要
とするものを除く。)をもつものは,その外郭の外面の9cm2以上の正方形の平面部分(外郭に9cm2
以上の正方形の平面部分をもたないものは,原厚のまま一辺の長さが3cmの正方形に切り取った試験
片。)を水平面に対して約45°に傾斜させたものの中央部に,ノズル内径が0.5mmのガスバーナの空
気口を閉じた状態で燃焼させた長さ約20mmのガス〔JIS K 2240[液化石油ガス(LPガス)]に規定
する1種1号〕の炎の先端を,垂直下から5秒間当てて炎を取り去ったとき,燃焼しないものである
こと。
(8) 通常の使用状態で,転倒するおそれがあるものは,水平面に対して10度の角度で傾斜させたとき,い
ずれの方向に置いても転倒しないこと。
(9) 器体の内部から湿気などを生じるものは,器体に附属するスイッチ,接続器,コードなどに,通常の
使用状態において湯気などによって生じるしずくが掛かるおそれがない構造であること。ただし,そ
れらの部分が防水構造その他感電,火災などの危険が生じるおそれがない構造のものは,この限りで
ない。
(10) 発生する雑音の強さは,次に適合すること。
(10.1) 雑音電力は,吸収クランプで測定したとき,周波数が30MHz以上300MHz以下の範囲において55dB
以下であること。この場合において,dBは1pWを0dBとして算出した値とする。
(10.2) 雑音端子電圧は,1線対地間を測定したとき,次に適合すること。
(a) 連続性雑音端子電圧は,表6の左欄に掲げる周波数範囲ごとに同表の右欄に掲げる値以下であるこ
と。この場合において,dBは1 地侮地 下,(b)も同じ。]。
表6 連続性雑音端子電圧
単位 dB
周波数範囲 連続性雑音端子電圧
526.5kHz以上5MHz以下 56
5MHzを超え30MHz以下 60
(b) 不連続性雑音端子電圧は,表6に掲げる値に,表7に掲げる補正値を加えた値以下であること。
表7 補正値
単位 dB
クリック率 補正値
0.2未満 44
30
0.2以上 30以下 20 log 10
n
備考 n=クリック率
(11) 定格容量の目盛を容器などに付けてあること。
(12) 定格容量の水を入れたとき,使用中に湯が吹きこぼれない構造であること。

――――― [JIS C 9213 pdf 5] ―――――

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