JIS C 9910:2011 電気・電子製品の環境配慮設計 | ページ 3

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C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
な変更ができるかを検討する。
c) 使用済段階の検討 組織は,製品のライフサイクルを検討するとき,使用済段階の側面(製品寿命,
廃棄の理由,回収率,処分される重要な構成部品など),及び回収される可能性がある二次原料(“ゆ
りかご”から“ゆりかご”まで)を含める必要がある。
d) 将来の開発 組織は,実行可能な限り,差し迫った法的要求事項の影響,関連する製品ファミリーへ
の変更及び技術の進歩,又は競合する機能があるデバイスの活用に関する見通し[例えば,ブラウン
管(CRT)と液晶ディスプレイ(LCD)との交換など]を考慮する。
e) 実施のための戦略 組織は,有害な環境影響と,健康,安全,機能,パフォーマンス,市場性及びコ
ストのような他の関連要素とのバランスを考慮する。活用可能なライフサイクル段階で,環境配慮設
計によって実現できる目標(保守,アップグレード及び使用済管理の選択肢を含む。)を設定する。
A.3 法的及び利害関係者の要求事項(4.3)
環境配慮設計は,法的及び利害関係者の要求事項,技術の変化,市場の動向及び組織の方針及び手順に
基づいて実施する。
これらの要求事項は,サプライチェーンにおいて,直接組織の影響下にはないが,製品に影響を及ぼし
得る可能性がある場合には,検討することを求める場合がある。
組織は,定期的に内部及び外部の要求事項をレビューし,環境配慮設計プロセスに関連性のあるものを
組み込むことが望ましい。
A.4 マネジメントシステムへの統合(4.4)
経営者によって行われる判断は,環境配慮設計プログラムの枠組み及び目標,その活動が受ける支援の
水準(財源,人的資源及び活動に割り当てられる時間を含む。),並びにプログラムが達成しようとしてい
る有害な環境影響の最小化の度合いを決定する。内部及び外部の全ての利害関係者に対するトップマネジ
メントの支援が,組織の製品設計及び開発活動に著しい効果をもたらす上で必要となる。
環境配慮設計プロセス及びその手順の有効な実施には,環境配慮設計を既存の品質又は環境マネジメン
トシステムのような組織のマネジメントシステムに統合することが最善である。組織に,製品設計及び開
発機能を含むマネジメントシステムがある場合,4.4では,環境配慮設計プロセスをそのマネジメントシス
テムに統合することを要求している。環境配慮設計プロセスをマネジメントシステムへ統合することは,
次のことをもたらす。
− 既存のマネジメントシステムの一般的要素を活用する(例えば,システムのレビュー,コミュニケー
ションなど)
− 高いレベルの目標及び方針を含めて,組織の基礎的な枠組みへの整合性を確保する
環境側面を組織内の製品設計及び開発へ成功裏に統合することは,その作業を設計及び開発だけに限る
よりも,関連する全ての分野及びその強みを積極的に関わらせることによって促進される。そのねらいは,
関連する全ての業務部門が,設計及び開発プロセスの早い段階で,環境改善に貢献及びコミットメントを
するようにし,市場での発売から製品のレビュー時までのプロセス全体にわたって,その関与を維持でき
るようにすることにある。
リスクアセスメントは,製品のライフサイクル段階において,有害な環境影響又は特定の法的若しくは
利害関係者の要求事項を満たさない可能性がある段階を特定するのに役立つ場合がある。リスクアセスメ
ントによるそのような対応は,環境配慮設計プロセスの改善をもたらし得る。リスクアセスメントの実施

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C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
例には,環境側面に焦点を当てた故障モード影響解析(FMEA)がある。一般的に,組織によってあらか
じめ定義されたレベルを超える環境リスクが発生した場合には,組織は,組織内でのリスクマネジメント
の対策又は設計改善作業のいずれかを実施する。

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附属書B
(参考)
環境配慮設計プロセス
注記 附属書Bは,箇条5に関連した情報を提供する。
B.1 環境配慮プロセスの概要(5.1)
B.1.1 設計及び開発プロセスへの環境側面の統合
表B.1は,設計及び開発プロセスに環境側面を統合するための一般的な手順の例を提供する。
表B.1−環境配慮設計プロセスの例
5.1の 環境配慮設計ツール
段階 作業 考慮事項(質問)
a) d) の例(附属書C)
1. 製品の各ライフサイクル段階に関製品の関連ライフサイク
a) 連する様々な環境パラメータを特ル段階にわたって,著しい
製 定し,一覧表にする。 環境影響は何か。

企 法的及び市場の要求事項並びに顧
画 客及びその他の利害関係者のニー利害関係者は誰で,製品の
a) ズを特定し,これらを製品のライ環境属性から何を期待し ECDチェックリスト
フサイクル全体にわたり,環境側ているか。
面に関連付ける。
ECDベンチマーキン

競合他社の製品又は現行機種に対これらの製品の環境上の
a)
してベンチマークする。 強み及び弱みは何か。 環境調和型品質機能
展開(以下,環境QFD
という。)
ライフサイクル段階及び
サプライチェーンの各部門から情関連する環境側面につい
報を入手する。機密情報の場合,てどのような情報が必要
b)
組織は,機密保持の条件に合意すか(例 材料の成分,構成
る。 部品のエネルギー消費
量)。
著しい環境側面及び関連パラメー
製品の環境属性を改善す
タを特定する。
るためにどのような機会 ECDベンチマーキン
・製品のライフサイクル段階及び,
があるか。 グ
その各々の段階において,著し
い環境側面の活用を策定する。
b) 顧客のニーズ,ベンチマー環境QFD
・製品のライフサイクルを考慮し,
キングの結果及び環境評
予測できる環境への影響を分析
価の結果を,組織においてLCTアセスメントツ
及び評価する。
共通の製品改善作業にど ール
・分析及び評価の結果並びに利害
のように反映するか。
関係者の要求事項をまとめる。

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C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
表B.1−環境配慮設計プロセスの例(続き)
5.1の 環境配慮設計ツール
段階 作業 考慮事項(質問)
a) d) の例(附属書C参照)
2. 概念設計 設計仕様において製品に対する環環境パフォーマンス目標
(製品の c) 境目標(パフォーマンス目標)及を充足するための目標の
製 び要求事項を確立する。 仕様はどうすべきか。
品 機能及び
設 ソリュー 製品の意図されている機能を分析何が製品の中核となる機
計 ションの し,必要な場合,製品の環境目標能か。
c)
特定) を達成するために修正できるよう何が製品に可能な新しい
にする。 機能か。
設計の中で,製品に必要な機能を
達成するための(新しい技術を含様々な製品コンセプトを
c)
む。)ソリューションを組み立てどのように生成するか。
る。
経済的,技術的,社会的,及び環 環境QFD
境的な基準に対して様々な選択肢最適な製品コンセプトを
を評価する。 どのように選択するか。 ECDチェックリスト
c)
環境パフォーマンス目標に対し 環境パフォーマンス目標
て,モデルソリューションを選択は満たされているか。 LCTアセスメントツ
及び評価する。 ール
詳細設計 製品の環境性能の要求事項を満た
(製品の c) すように製品の設計を詳細に実施 設計支援ツール
構造,構 し,最適化する。
成部品及 様々なライフサイクルプロセスを
び材料の 考慮することによって,詳細な製
c)
特定) 品設計を実施し,最適化する(例
こん包及び輸送)。
評価 ECDベンチマーキン
(製品が グ
製品は,仕様として定めら
環境及び 製品のライフサイクル全体にわた ECDチェックリス
d) れた環境性能を満たして
その他の って環境影響の評価を実施する。 ト,環境QFD
いるか。
仕様を満 LCTアセスメントツ
たしてい ール
ることを 経済,技術,社会及び環境の各基
確認) d) 準に対して,試作品を評価及び試
験する。
3. 環境配慮設計に関連して
どのような附属文書及び

指示文書を準備している
造 使用済段階を含めて,ライフサイ
へ か(例えば,使用者マニュ
の d) クル全体を対象とする利害関係者
アル,分解指示書,製品環
移 向けの製品情報を準備する。
行 境宣言など)。
附属文書に含める環境関
連のデータは何か。
必要に応じて,結果及びフィード製品の環境性能は達成さ
d)
バックをレビューし,点検する。れたか。

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B.1.2 環境配慮設計プロセスの文書化−知識マネジメント
製品が,設定されている要求事項を満たしていることを確認するための手順及び記録は,次のとおりで
ある。
− 活用される規格,ガイドライン及び法的な規制の要求事項の特定
− 有害な環境影響を低減するために採用される顕著な設計及び開発要素の詳細,並びに生産プロセスで
の様々な選択肢を管理するために使用される手順の詳細
− 製品のライフサイクル全体を通じての製品アセスメントの結果(環境パラメータの評価),経済,技術,
社会及び環境の各基準に対する様々な選択肢の評価,試験及び試作品の製作
組織は,関連する法的及び利害関係者の要求事項の特定を確認するのに適した知識マネジメントシステ
ムを確立するために,既存のマネジメントシステムを活用してもよい。
B.2 法的及び利害関係者の環境要求事項の分析(5.2)
製品企画,設計及び開発に影響を与える法的及び利害関係者の環境への要求事項の情報源の例は,次の
とおりである。
a) 製品,プロセス,又は国際貿易に影響する国内及び国際規制
b) 国内及び国際的な技術標準並びに自主的な協定
c) 顧客からの要求仕様
d) 競合製品のベンチマークレポート
e) エコラベル及びグリーン調達スキーム
f) 素材又は部品などの供給者からの技術文書
g) 市場分析及び市場動向レポート
h) 社会,投資家及びメディアの期待に関する研究
組織が,環境への法的及び利害関係者の要求事項の特定及び分析の手順を確立するときに検討すべき事
項の例は,次のとおりである。
1) スタッフの知識及び専門性
2) 対象となる要求事項の範囲(例 技術的及び地理的範囲など)
3) 組織の事業範囲において,更なる調査を必要とする製品カテゴリ
4) 変更の頻度及びその頻度に合わせた監視作業
5) 生産戦略及び組織の構造
6) 内部及び外部の資源,適切な専門サービスの利用可能性
7) 素材,部品などの供給者との協力,又は同業の団体(業界団体)との協力,及びそれらの能力
8) 作業に利用可能な財源及び人的資源
組織は,利用可能な専門能力,経験及びリスクアセスメントに基づいて,特定された要求事項に適切に
対応するために必要な措置を判断することができる。
B.3 環境側面及び対応する環境影響の特定及び評価(5.3)
B.3.1 製品のライフサイクルに関連した環境影響の例
製品には,環境影響(例 大気,水,土壌の汚染,気候変動など)の要因となる,様々な環境側面(例
消費される資源,生成される排出物など)が存在する可能性がある。
製品の環境影響は,主に,使用及び消費されるインプット,採用されるプロセス,製品のライフサイク

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  • IEC 62430:2009(IDT)

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