JIS C 9910:2011 電気・電子製品の環境配慮設計 | ページ 4

14
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
ルの全ての段階で生成されるアウトプットに関連している。サービスという種類の製品である場合は,輸
送用資源,スペア部品の使用及びサービス時のエネルギー消費を含む。環境影響は,主に,製品を使用す
る組織及び個人の行動によって影響される。図B.1は,製品のライフサイクルに関連する可能性がある環
境影響の一部を示している。
インプット 製品のライフサイクル アウトプット
− 材料(購入部品及び 原材料の採取及び生産 − 製品
構成部品を含む。)
輸送
− 半製品
− エネルギー 製造
− 不合格品
− その他の資源 輸送
− 大気への排出
こん包及び流通
・温室効果ガス
輸送 ・オゾン層破壊物質
・その他
据付け/使用,保守及び
アップグレード − 水中及び土壌への
排出
輸送
使用済段階
− 廃棄物
製品・部品の再使用,材料のリサ
− 騒音及び振動のよ
イクル,材料・エネルギーの回収
うな物理的影響
輸送
− その他の排出
適切な処理/最終処分
環境影響
− 資源の枯渇
− オゾン層の破壊
− スモッグ発生
− 富栄養化
− 気候変動/地球温暖化
− 生態系の変化
− 酸性化
− 生物的多様性の減少
− 大気,水質及び土壌の汚染
− その他
図B.1−製品のライフサイクル段階におけるインプット,アウトプット及び環境影響の例

――――― [JIS C 9910 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
B.3.2 製品のライフサイクルにおける著しい環境側面及び環境影響を特定するためのツール
ライフサイクル思考に基づいた製品の環境側面及び環境影響の評価に対して,一般に使用されるツール
はライフサイクルアセスメント(LCA)であり,それは影響の定量的情報を生成する。分析用の事前設定
パラメータに基づいて結果を生成し,それらのパラメータを組織が定性的に評価できるようにする,定性
的情報を生成するツールもある。
表B.2は,製品のライフサイクル段階を通じて著しい環境側面を特定する,ライフサイクル思考のアプ
ローチの例を示している。
著しい環境側面の特定は,組織が必ずしも自ら実施する必要がある作業ではない。例えば,そのような
情報は,業界団体及び他の信頼できる情報源を通じて,製品カテゴリごとに入手することもできる。

――――― [JIS C 9910 pdf 17] ―――――

16
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
表B.2−製品の著しいライフサイクル段階及び環境側面を特定するための例
環境側面 原材料調達 製造 こん包,輸送 据付け及び 使用 使用済段階
及び流通 保守
材料/エ −どのような −製造に補助 −輸送にこん −使用に材
−開こん(梱), −使用済製品の
ネルギー 種類の材料・エ的な材料・エネ包を必要とす セットアップ, 再使用及びリサ
料・エネルギー
消費 ネルギーを必 ルギーを必要 るか。 清掃又は修理 が必要か。 イクル,最終処
要とするか。 とするか。 −どのような に,材料・エネ−どのような 分する場合に材
−どの程度(量−どのような 手段を使い,輸ルギーが必要 種類のものが 料・エネルギー
的に)必要か。種類のものが 送距離はどの か。 が必要か。
どの程度(量的
どの程度(量的程度(長さ)か。
−どのような に)必要か。 −どのような種
に)必要か。 種類のものが 類のものがどの
どの程度(量的 程度(量的に)
に)必要か。 必要か。
排出物 −生成される −製造中に生 −輸送中に生 −据付け及び −使用中に生 −使用済製品の
何らかの排出 成される何ら 成される何ら 保守中に生成 成される何ら 再使用及びリサ
物はあるか。 かの排出物は かの排出物は される何らか かの排出物は イクル,最終処
−排出物の種 あるか。 あるか。 の排出物はあ あるか。 分する場合に生
類は何か。 −排出物の種 −排出物の種 るか。 −排出物の種 成される何らか
−どこへ/ど 類は何か。 類は何か。 −排出物の種 類は何か。 の排出物はある
の程度(量的 −どこへ/ど −どこへ/ど 類は何か。 −どこへ/ど か。
に)排出されるの程度(量的 の程度(量的 −どこへ/ど の程度(量的 −排出物の種類
か。 に)排出されるに)排出されるの程度(量的 は何か。
に)排出される
か。 か。 に)排出されるか。 −どこへ/どの
か。 程度(量的に)
排出されるか。
物理的影 −関連する何 −製造中に関 −輸送中に関 −据付け/保 −使用中に関 −使用済製品の
響(例 らかの物理的 連する何らか 連する何らか 守中に関連す 連する何らか 再使用及びリサ
騒音,電 影響はあるか。の物理的影響 の物理的影響 る何らかの物 の物理的影響 イクル,最終処
磁又は電 はあるか。 はあるか。 理的影響はあ はあるか。 分する場合に関
離放射 るか。 連する何らかの
線) 物理的影響はあ
るか。
廃棄物の −どの種類の −製造中にど −こん包,輸 −据付け/保 −使用中にど −使用済製品の
生成 廃棄物が生成 の種類の廃棄 送,流通の間に守中にどの種 の種類の廃棄 最終処分する場
されるか。 物が生成され どの種類の廃 類の廃棄物が 物が生成され 合にどの種類の
−どのくらい るか。 棄物が生成さ 生成されるか。るか。 廃棄物が生成さ
生成されるか。−副産物はあ れるか。 −どのくらい −どのくらい れるか。
るか。 −どのくらい 生成されるか。生成されるか。
−どのくらい生
−どのくらい 生成されるか。 成されるか。
生成されるか。
再使用, −材料/エネ −不合格品の −こん包の再 −必要なサー −使用されて −容易に分解で
リサイク ルギーの再生 部品又は構成 使用又はリサ ビスを容易に いる材料/使 きるか。
ル又は再 が可能か。 要素の再使用 イクルが可能 受けられるか。用するための −部品/構成要
生の可能 が可能か。 か。 −部品又は構 エネルギーに 素の再使用が可
性 −製造中に材 成要素の再使 能か。又は,使
ついて,再生が
料/エネルギ 用が可能か。 可能か。 用済製品からの
ーの再生が可 −製品のセッ 材料のリサイク
能か。 トアップ又は ルが可能か。
保守に使用さ −廃棄物からエ
れている材料 ネルギーの再生
/エネルギー が可能か。
の再生が可能
か。

――――― [JIS C 9910 pdf 18] ―――――

                                                                                             17
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
組織は,製品の各ライフサイクル段階及び環境側面について,環境に著しい影響を起こす原因になる製
品の材料及び/又はプロセスを特定する必要がある。そのように特定された材料及び/又はプロセスは,
顕著な環境パラメータになる。同時に,環境配慮設計プロセスの中で,この特定を行うプロセスは,どの
ライフサイクル段階が最も顕著であるかを強調する。
B.4 設計及び開発(5.4)
製品の設計及び開発プロセスは,製品の機能の設定から始まる。製品設計用の環境パラメータは,特定
され,優先順位が付けられた著しい環境側面に基づいて定義される。
組織は,製品の全てのライフサイクルを通じて,製品によって起こり得る有害な環境影響を低減する目
的で,様々な設計及び開発アプローチを評価することが望ましい。次に示す製品の設計及び開発のために
考慮すべき検討事項の例は,この点で役立つ可能性がある。
a) 機能性 複数の機能,モジュール方式,自動化された制御及び最適化の機会を検討し,製品の特定の
用途のための性能及び環境性能を比較する。
b) 材料効率 材料の最小限の使用,環境への影響の低い材料及び/又は再生された材料の使用などによ
って,環境影響を低減することができるかどうかを確認する。
c) エネルギー効率 製品の(使用段階を含む。)ライフサイクル全体を通じた総エネルギー消費量を検討
する。環境影響を低減できるかどうか,例えば,エネルギー消費の削減,環境への影響の低いエネル
ギー源の使用などについて検討する。
d) 材料組成 購入部品及び材料を含め,製品に含まれている物質を特定し,潜在的に有害性を伴う可能
性のある危険な物質を製品に使用することについて,低減又は使用の回避を検討する。
e) 耐久性 製品寿命及びサービス性を検討し,新しい技術から生まれる環境改善を検討する。
f) クリーナープロダクション及びその使用 クリーナープロダクション技術を使用し,危険な消耗品及
び補助材料の使用を回避する。
g) こん包 こん包用の材料は,材料の効率的使用及び回収システムの観点から検討する。
h) 輸送 製品の容量及び質量の効率化に関する判断を含めて,製品の製造及び流通中の輸送距離を検討
する。
i) 再使用,再生及びリサイクル 使用する材料の種類を減らし,資源の回収及び材料のリサイクルを容
易にし,部分組立品及び構成部品を再使用する機会を検討する。
j) 使用済製品の管理 使用済みで回収した製品から,再生可能な資源の価値,廃棄処理プロセス及び要
求事項,組織に対するそれらの経済的影響を検討する。
組織は,上記の設計及びビジネス面での検討事項に基づいて環境への影響を低減するための戦略を作成
し,指定されている著しい環境パラメータの性能を改善することが望ましい。
次に,その戦略に基づく環境目標を作成する。目標の例としては,排出物削減x %,エネルギー効率改
善y %,質量削減z kgなどがある。
環境目標その他の機能性などの検討事項を,技術的解決法につながる製品の仕様に反映する。
製品仕様を満たす技術的解決方法を,次の段階の設計及び開発プロセスで特定する。
組織は,機能性,品質,コスト,市場性のような他の製品パラメータに対する技術的解決法の影響を検
討し,最適な解決法をみつけるためにトレードオフの判断を行う。特定の属性が,規制(例 健康及び安
全,電磁両立性など)を満たすのに必要な場合,環境への影響を最小化する方法でそれらの要求事項を満
たすことを目標にすることが望ましい。こうした反復の手順が,徐々に詳しい設計解決法を導く。環境配

――――― [JIS C 9910 pdf 19] ―――――

18
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
慮設計ツール及び標準規格の使用が,この段階で役立ち得る。
トレードオフについて,組織が検討する場合に,製品の設計及び開発に環境側面を含めた視点が有効で
ある。設計する場合の判断で起こり得るトレードオフの可能性を次に示す。
1) 様々な環境側面の間のトレードオフ 例えば,製品の質量を削減して最適化することは,リサイクル
可能性についてマイナスの影響を及ぼす。各選択肢に関連する潜在的な環境影響を比較することが,
意志決定者の最適な解決方法の発見に役立つ。
2) 環境,経済的及び社会的利点の間のトレードオフ これらは,有形(例 低コスト,廃棄物の削減),
無形(例 利便性)及び感性(例 イメージ)の場合がある。例えば,製品をより頑強にすることで
製品寿命を延ばすことは,結果として長期間の資源使用量を減らし,生成される廃棄物の量を低減す
ることから環境面ではよいことになるが,開発の初期コストは増加する。これは,経済的及び社会的
側面に影響を与える可能性がある。
3) 環境,技術及び/又は品質の間のトレードオフ 例えば,特定の材料の使用に関する設計判断は,た
とえその材料が環境面では良くても,製品の信頼性及び耐久性の面でマイナスに影響する場合がある。
製品設計及び開発プロセスは,製品及び組織によって異なる。図B.2は,環境側面を製品設計及び開発
プロセスに統合する場合の典型的な手順及びそのモデルを示している。環境側面を製品設計及び開発プロ
セスに統合するには様々な手法があり,多くの組織は,その手法とツールとの組合せを採用している。

――――― [JIS C 9910 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS C 9910:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62430:2009(IDT)

JIS C 9910:2011の国際規格 ICS 分類一覧