JIS C 9910:2011 電気・電子製品の環境配慮設計 | ページ 5

                                                                                             19
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
環境配慮設計に寄与する活動
計 製品に関連する法的及び利害関係者の要求事項を特定する。
画 著しい環境側面を特定し,優先順位を決定する。
優先順位が付けられた著しい環境側面を基準に,環境パラメータを定義す
る。
概念設計 環境パラメータの評価の基準を定義する。
設 環境改善の可能性を特定し,定量化する(現行製品又はベンチマーク製品と
計 比較することによって可能)。


開 設計仕様 環境パラメータの改善に対して目標を設定し,これらの環境目標を反映して
発 製品設計仕様を確立する。
環境目標を満たす技術的解決方法を案出する。機能性,品質,経済性パラメ
ータのような他の要因に対して,その解決方法による影響をアセスメントす
詳細設計
る。製品の全体の性能を改善するため,適切なツール(例えば,チェックリ
スト又はコンピューター支援ECDツール)を選択して活用する。
設計仕様によって設定される環境目標に対して詳細設計をチェックする。
試験/試作品 製品の環境性能を文書化する(最適な使用及び使用済製品の廃棄済処理に関
する情報を含む。)。
製造への
移行
図B.2−設計及び開発プロセスへの環境側面の統合の例
B.5 レビュー及び継続的改善(5.5)
組織による製品設計は,主要な設計段階の完了時又は著しい環境側面に変更が生じたとき,レビューの
対象となる。レビューは,パフォーマンスを評価し,目標の達成度を確認及び評価し,改善の機会を特定
する。
目標に対する評価及びアセスメントは,定性的又は定量的に実施できる。実施の例は次のとおりである。
− 有害な環境影響の防止又は低減
− 基準となる製品又は製品カテゴリと比較した環境パラメータの改善
− 費用対効果及び利点
設計及び開発についてのレビューの結果,及びその後の製品の環境パフォーマンスを継続的に改善して
いく活動について,記録して保持することを推奨する。
B.6 環境配慮設計のための情報共有(5.6)
国際的に調和された環境配慮設計プロセスは,そのプロセスにおける情報又は要求事項の共通の理解を

――――― [JIS C 9910 pdf 21] ―――――

20
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
促進させる。これによって,製品のサプライチェーンにおける様々な利害関係者間の協力を支援し,ライ
フサイクル全体を対象とした環境側面の分析のための情報共有が図れる。さらに,この情報の共有は,様々
な組織が,環境への影響を最小化するという一つの目標をもって協力する場合に,解決方法の作成を促進
する(図B.3参照)。
製品のライフサイクル情報の共有及び協力
アウト イン アウト イン アウト イン
プット プット プット プット プット プット
環境配慮設計 環境配慮設計 環境配慮設計



内部プロセス 内部プロセス 内部プロセス
材料生産者 部品生産者 製品生産者
サプライチェーン
図B.3−環境配慮設計プロセスに対するサプライチェーンに基づいた情報の共有及び協力

――――― [JIS C 9910 pdf 22] ―――――

                                                                                             21
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
附属書C
(参考)
環境配慮設計ツール
C.1 概要
環境配慮設計プロセスでは,多くの共通した製品の設計及び開発ツールが利用できる。特定のツールの
特徴を表C.1にまとめており,その詳細をC.2で説明している。この規格では,組織がどのツールを使用
すべきかについての推奨はしていない。
ここに提示されているツールは,次の基準に沿って選択されている。
a) 幅広く入手可能で,一般に認識されている。
b) 設計及び開発を実施する組織によって使用されることが意図されている。
c) 国際的に広く理解され,受け入れられている(一部の地域だけで使われているものではない。)。
d) 活用範囲が,環境側面の検討に当たって適切である。
表C.1は,環境配慮設計プロセスの各段階における環境配慮設計ツールの活用について,その関係を例
示したものであり,網羅的なものではない。
表C.1−環境配慮設計に活用できる環境配慮設計ツールa) の概要
目的
法的及び利害 環境側面及び関 設計及び開発 レビュー及び 環境配慮設計
関係者の要求 係する環境影響 継続的改善 の情報共有
環境配慮設計ツールa) の例
事項の分析 の特定及び評価
5.2 5.3 5.4 5.5 5.6
ECDベンチマーキング レ レ レ レ
環境QFD レ レ レ
ECDチェックリスト レ レ レ レ レ
LCTアセスメントツール レ レ レ レ
設計開発支援ツール レ レ
注記 レは目的に対するツールの関連性を表す。
注a) “環境配慮設計ツール”は,この規格の基礎として用いた国際規格では,単に"tool"と記載されている。
C.2 環境配慮設計ツールの例
C.2.1 ECDベンチマーキング
ECDベンチマーキングは,ある製品の環境特性について,競合他社の同様の製品又は業界平均と比較す
る場合に使用する。
ECDベンチマーキングは,法的及び利害関係者の要求事項の分析から始まり,環境側面及び関係する環
境影響の特定及び評価,レビュー及び継続的改善,環境配慮設計の情報共有へと進む環境配慮設計プロセ
スの各段階に活用できる。ECDベンチマーキングの結果を表すための共通の形式には,表,グラフ,レー
ダーチャートなどがある。
C.2.2 環境QFD
環境QFDは,利害関係者の環境要求事項を製品の環境パラメータに体系的に関連付けする場合に活用す

――――― [JIS C 9910 pdf 23] ―――――

22
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
るツールである。
それは環境配慮設計プロセスの各段階に活用できる。例えば,顧客からの環境要求事項を製品設計のパ
ラメータ及び長期にわたる製品環境改善の目標値の設定に変換し,製品のライフサイクル全体を通じた環
境側面及びそれに関連する環境影響の特定及び評価を行うことについて,効果的に活用できる。
C.2.3 ECDチェックリスト
ECDチェックリストは,製品の各ライフサイクル段階で,環境パフォーマンスへの要求事項又はその影
響を評価し,記録するための簡易ツールである。
例えば,様々なチェックリストを,使用する材料消費の最小化,エネルギー消費の低減,構成部品及び
組立部品の再使用及び/又は改修などのより広い活用を検討することに利用できる。チェックリストは環
境配慮設計プロセスのどの段階でも活用できるが,一般に,様々なトレードオフ問題への対応を考慮する
上で,環境配慮設計プロセスの初期段階での活用が最も効果的である。ECDチェックリストは,環境配慮
設計プロセスの手順が実施されていることを確認する場合にも活用できる。
C.2.4 LCTアセスメントツール
C.2.4.1 環境影響の簡易評価方法
設計の初期段階における製品の環境影響評価は,簡易LCTアセスメントツールを活用して推定できる。
この評価プロセスにおいては,著しい環境側面だけを用いてアセスメントを実施する。
C.2.4.2 環境影響の詳細評価方法
製品によって引き起こされる環境影響の詳細評価は,JIS Q 14040シリーズ(ライフサイクルアセスメン
ト)で説明されている原則に従って実施される。
LCTアセスメントを実施した結果は,採用されている仮定及び評価方法によって大きく変化するので,
実際には大きなばらつきがでやすい。したがって,製品が様々な人物又は組織によって評価される場合,
結果の比較をする場合には,採用された仮定及び選択された評価又は分析方法の検討を含めて実施する必
要がある。単純化の手法及び使われた数値が確実に特定されていることが,一貫性を保つことを容易にす
る。LCTアセスメントの結果は,環境側面及び関連する環境影響の特定及び評価,レビュー及び継続的改
善,並びにサプライチェーンに沿った環境情報の共有に活用できる。
C.2.5 設計開発支援ツール
設計開発支援ツールには,材料及び生産プロセスの選択を容易にするツール並びに選択肢の環境影響を
分析するためのツールなどがある。
C.2.5.1 分解性及びリサイクル性アセスメントツール
分解及びリサイクルが容易な製品の設計及び開発は,環境配慮設計プロセスにおいて環境側面の特定及
び評価による結果から生じる環境改善目標の一つとなり得る。製品のリサイクルが容易になるような設計
を行うために,分解性及びリサイクル性アセスメントツールを活用することが有効である。このツールは,
分解時間,リサイクル率,リサイクル費用などを推定し,材料,質量,分解作業及びリサイクル作業に関
する情報を使用することによって,製品のリサイクルが容易か困難かを定量的に評価する。このツールを
活用することによって,材料及び表面処理の方法,再使用及びリサイクル容易性のような設計及び開発に
おける様々な選択肢について,容易に評価に組み込むことができる。
C.2.5.2 材料選択支援ツール
材料選択は,環境配慮設計プロセスにおける重要な段階である。開発コストを抑制し,製品の機能を落
とさずに環境に配慮された材料を選択することは,コスト,資源効率性及び機能性能だけでなく,材料の
環境影響を評価するツールによって支援できる。

――――― [JIS C 9910 pdf 24] ―――――

                                                                                             23
C 9910 : 2011 (IEC 62430 : 2009)
参考文献
JIS Q 9000:2006 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格 : ISO 9000,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)
JIS Q 9001:2000 品質マネジメントシステム−要求事項
注記 対応国際規格 : ISO 9001,Quality management systems−Requirements(IDT)
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
注記 対応国際規格 : ISO 14001,Environmental management systems−Requirements with guidance for use
(IDT)
JIS Q 14040:2010 環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−原則及び枠組み
注記 対応国際規格 : ISO 14040,Environmental management−Life cycle assessment−Principles and
framework(IDT)
JIS Q 14050:2003 環境マネジメント−用語
注記 対応国際規格 : ISO 14050,Environmental management−Vocabulary(IDT)
JIS Q 14063:2007 環境マネジメント−環境コミュニケーション−指針及びその事例
注記 対応国際規格 : ISO 14063,Environmental management−Environmental communication−Guidelines
and examples(IDT)
TR Q 0007:2008 環境適合設計
注記 対応国際規格 : ISO/TR 14062,Environmental management−Integrating environmental aspects into
product design and development(IDT)
ISO Guide 64:2008,Guide for addressing environmental issues in product standards
ISO Guide 73:2009,Risk management−Vocabulary
IEC Guide 109:2003,Environmental aspects−Inclusion in electrotechnical product standards
IEC Guide 114:2005,Environmentally conscious design−Integrating environmental aspects into design and
development of electrotechnical products
BREZET, H., VAN HEMEL, C., Ecodesign−A promising approach to sustainable production and consumption,
United Nations Environmental Programme, Paris, 1997

JIS C 9910:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62430:2009(IDT)

JIS C 9910:2011の国際規格 ICS 分類一覧