JIS D 5301:2019 始動用鉛蓄電池 | ページ 2

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蓄電池の充電電流・放電電流の大きさを表す用語であり,5時間率容量を5で除した値の電流(A)(附
属書C参照)。
3.22
高率放電特性
自動車の始動電流に近い電流で放電した場合の特性(附属書C参照)。
3.23
50 % DOD寿命試験
20時間率容量C20,nが100 Ah以上の蓄電池に適用し,20時間率電流I20の5倍での放電と充電とのサイ
クルを繰り返したときの寿命になるまでの回数(回)(附属書C参照)。
3.24
腐食試験(corrosion test)
0.6 Icc(±0.5 %)の30秒目電圧が7.2 V以下に達し,寿命になるまでの回数(回)(附属書C参照)。

4 種類

  種類は,表B.1又は表B.2による。主として乗用車,軽商業車両及び類似の用途向けをクラスA,主と
してトラック,バス,タクシー,産業車両,建設車両及び類似の用途向けをクラスBとして区分する。主
要寸法は図A.2による。

5 表示

  蓄電池には見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。
a) 型式 表B.1又は表B.2による。
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月,製造年月日又はその略号
製造年月日を略号で表すときは,次による。
例 30 06 17(2017年06月30日)
(日) (月) (年)
d) 安全標識 蓄電池には,図1 a) に示すような6個の色付きの図記号を表示する。図記号は,図1 c) に
示す共通の寸法で,最小10 mmとする。図1 b) に示す図記号の意味は,図記号の近くに表示するこ
とが望ましい。また,図記号は,ISO 7010によることが望ましい。
−火気禁止 −メガネ着用 −こども禁止
−硫酸注意 −説明書熟読 −爆発注意
a) 図記号(ISO 7010) b) 図記号の意味 c) 寸法
図1−安全標識

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e) 分別回収のための材料表示 分別回収のための材料表示は,JIS K 6999による。
例 >PP/PE<
f) 極性表示 極性は,少なくとも正極端子の表示を行う。この表示は,記号“+”の形を,正極端子付
近の蓋上面又は正極端子に表示する。負極端子の表示も行う場合には,“−”の形を,負極端子付近の
蓋上面又は負極端子に表示する。
g) 端子の極性位置 端子の極性位置は,図2の場合には型式の末尾にLを表示する。また,参考として,
図3の場合には,型式の末尾にRを表示する。外形区分がFHのものは,図4による。
注記 端子が見える上面図 注記 端子が見える上面図 注記 端子が見える上面図
+は正極端子の位置
○ +は正極端子の位置
○ +は正極端子の位置

○は負極端子の位置
− ○は負極端子の位置
− ○は負極端子の位置

図2−型式の末尾がLのもの 図3−型式の末尾がRのもの 図4−型式の末尾に記号のないもの
(参考)

6 製品の呼び方

  製品の呼び方は,名称及び型式による。
例 始動用鉛畜電池 28B17L

7 出荷条件

  蓄電池は,次のいずれかで出荷することができる。
a) 適切な電解液を最高液面まで注液した使用可能な状態。電解液密度は,満充電時,25 ℃において,通
常,1.277±0.010 g/cm3とする。ただし,製造業者が推奨する密度がある場合は,この限りではない。
温度換算は,次の式による。
D25=Dt+0.000 7 (t−25)
ここに, D25 : 25 ℃における電解液の密度(g/cm3)
Dt : t ℃における電解液の密度(g/cm3)
t : 密度を測定するときの電解液の温度(℃)
b) 電解液を注液していない即用式蓄電池状態。使用前にこれらの蓄電池に注液される電解液の密度は,
a) とする(製造業者が推奨する密度がある場合は,この限りではない。)。

8 性能

  性能は,箇条10及び附属書Aによって試験を行ったとき,表1による。

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表1−性能
項目 性能 試験方法
箇条番号
寸法a) 外形寸法 表A.2に規定する範囲内の要求条件による。 附属書A
端子寸法 表A.1に規定する範囲内の要求条件による。
容量b) 20時間率容量 C20,eが表B.1及び表B.2に規定する値C20,nの95 %以上。 10.1
リザーブキャ RCeが表B.1及び表B.2に規定する値以上。 10.2
パシティ
コールドクランキング 表B.1及び表B.2に規定する電流Iccで放電し30秒目電圧が7.2 V以上。 10.3
電流
充電受 試験1 充電受入率ica1が2以上。 10.4
入性b) 試験2 10分目の充電電流Ica2が表B.1及び表B.2に規定する値以上。
寿命b) 軽負荷寿命 寿命回数が表B.1及び表B.2に規定する値の80 %以上。 10.5
(クラスA)
重負荷寿命 寿命回数が表B.1及び表B.2に規定する値の95 %以上。ただし,ガラスマッ
(クラスB) トを使用しない蓄電池の寿命は,表B.1及び表B.2に規定する値の80 %以上
とする。
耐振動性 10.6
内部短絡,極板脱落,極柱折損などによる電圧の異常な低下,電槽のひび,割
れ,電解液の漏れがあってはならない。
端子強度 10.7
端子のねじ切れ,端子と蓋とのはめあいの緩み又は蓋の破損があってはならな
い。
締付強度 蓄電池の使用上,有害な変形などがあってはならない。 10.8
電解液保持性 傾斜動作後,電解液の漏れがあってはならない。 10.9
容量保存性 10.10
保存終了後に0.6Iccで放電し,30秒目電圧が減液量の少ない蓄電池は8.0 V以
(参考) 上,減液量の非常に少ない蓄電池は8.5 V以上。
減液性(参考) 減液量が少ない蓄電池4 g/Ah,減液量が非常に少ない蓄電池1 g/Ah以下。10.11
注a) 外形及び端子の両寸法を満足しなければならない。
b) いずれかの項目を満足しなければならない。

9 一般的な試験条件

9.1 試験用蓄電池の抜取り

  全ての試験は,新品蓄電池の供試品で行う。供試品は,次の場合,新品とみなす。
a) 液入り蓄電池の場合,製造業者の出荷日から30日以内のもの
b) 即用式蓄電池の場合,製造業者の出荷日から60日以内のもの

9.2 充電

  充電は,次に規定するいずれかの方法で実施する。充電中の電解液温度は,1545 ℃にする。
a) 定電流充電法 20時間率電流I20の2倍の電流2I20で,15分ごとに測定した充電中の端子電圧又は温
度換算した電解液密度が3回連続して一定値を示すまで,充電を行う。
b) 定電圧−定電流充電法 表2の充電方法の1) 又は2) のいずれかに従って充電する。コールドクラン
キング電流試験後及び最初の容量試験前の充電時間は,16時間とする。

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表2−定電圧−定電流充電方法
電圧 電流 時間
1) 16.00±0.05 V 5I20 24 h
2) 16.00±0.05 V 5I20 20 h
制限なし I20 4h

9.3 電解液面

  全ての試験は最高液面まで満たした状態の蓄電池を使用して行う。

9.4 試験計器

  計器は,特に指定がない限り,次による。
a) 温度の測定 温度計は,JIS B 7414に規定する許容差±1 ℃の温度計又はこれと同等以上の精度をも
つ温度計とする。
b) 長さの測定 長さ計は,JIS B 7507に規定するノギス又はこれと同等以上の精度をもつ測定器具とす
る。
c) 密度の測定 密度計は,JIS B 7525-1に規定する許容差±0.005 g/cm3の浮ひょう又はこれと同等以上
の精度をもつ密度計とする。
d) 電圧計及び電流計 電圧計及び電流計は,JIS C 1102-2に規定する階級1級以上の精度の計器又はこ
れと同等以上の精度をもつ計器とする。
e) 時間の測定 時間計は,時,分及び秒,又は時及び1/100時の目盛をもつ計器で,許容差±1 %の精度
をもつ計器とする。

9.5 試験の順序

  試験の順序は,表3による。ただし,全ての試験は,9.2によって充電された状態の蓄電池を使用して行
う。一つの蓄電池で容量,コールドクランキング電流が規定する性能に達しない場合は,更に2回,合計
3回まで行うことができ,性能が規定値を満たす場合には,引き続いて10.510.11を行う。
なお,これらの試験は,コールドクランキング電流試験終了後,1週間以内に開始する。さらに,10.7
及び10.8の順序は,任意とする。
表3−試験順序
試験 蓄電池
項目 箇条番号 1 2 3 4 5
20時間率容量試験又はリザーブキャパシティ試験 10.1又は10.2 ○ ○ ○ ○ ○
コールドクランキング電流試験 10.3 ○ ○ ○ ○ ○
充電受入性試験 10.4 ○
寿命試験 10.5 ○
耐振動性試験 10.6 ○
電解液保持試験 10.9 ○
注記 蓄電池は,5個の蓄電池を用意する。また,蓄電池5は,任意の試験に使用してもよい。

10 試験方法

10.1 20時間率容量(C20,e)試験

  20時間率容量試験は,次による。
a) 全試験期間を通して,蓄電池を25±2 ℃の水槽中に置く。水面は,蓄電池上面から下方向へ1525 mm

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間とする。数個の蓄電池が同じ水槽中に置かれる場合には,相互間の距離及び水槽壁までの距離は,
最低25 mmとする。
b) 9.2によって充電が完了し約1時間経過後,中央にあるいずれかのセルの電解液温度が25±2 ℃である
ことを確認する。電解液温度の確認後,蓄電池を端子電圧が10.50±0.05 Vに低下するまで20時間率
電流I20で放電し,放電持続時間tを時間単位で記録する。
c) 蓄電池の20時間率容量C20,eは,次の式によって計算する。
C20,e=I20×t
ここに, C20,e : 20時間率容量(Ah)
I20 : 20時間率電流(A)
t : 放電持続時間(時間)

10.2 リザーブキャパシティ(RCe)試験

  リザーブキャパシティ試験は,次による。
a) 全試験期間を通して,蓄電池を25±2 ℃の水槽中に置く。水面は,蓄電池上面から下方向へ1525 mm
間とする。数個の蓄電池が同じ水槽中に置かれる場合には,相互間の距離及び水槽壁までの距離は,
最低25 mmとする。
b) 9.2によって充電が完了し15時間経過後,中央にあるいずれかのセルの電解液温度が25±2 ℃であ
ることを確認する。電解液温度の確認後,蓄電池を端子電圧が10.50±0.05 Vに低下するまで25 A±1 %
の電流で放電し,放電持続時間tを分単位で記録する。
c) 放電終了時に電解液温度T ℃を記録し,蓄電池の有効リザーブキャパシティRCeは,次の式によって
計算する。
RCe=t [1−0.009 (T−25) ]
ここに, RCe : 有効リザーブキャパシティ(分)
t : 放電持続時間(分)
T : 電解液温度(℃)

10.3 コールドクランキング電流(CCA)試験

  コールドクランキング電流は,次による。
a) 9.2によって充電が完了し15時間の休止後,最低24時間又は中央にあるいずれかのセルの電解液温
度が−18±1 ℃になるまで,蓄電池を−18±1 ℃の冷却室に置く。
b) 冷却終了後2分以内に,蓄電池を表B.1及び表B.2に規定する定格コールドクランキング電流Iccで30
秒間放電する。放電電流は,放電の間Icc±0.5 %の範囲内で一定に保つ。
c) 放電開始後30秒目の端子電圧を記録する。

10.4 充電受入性試験

  充電受入性試験は,“リザーブキャパシティ試験”を選択した場合は充電受入性試験1を,“20時間率容
量試験”を選択した場合は充電受入性試験2を行う。
a) 充電受入性試験1
1) 中央にあるいずれかのセルの電解液温度が25±2 ℃であることを確認後,次の式で求められる放電
電流Iで5時間放電する。
なお,RCeの値は,10.2で測定した数値を使用する。
I=1.242 9RCe0.845 5/10

――――― [JIS D 5301 pdf 10] ―――――

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JIS D 5301:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60095-2:2009(MOD)
  • IEC 60095-4:2008(MOD)
  • IEC/FDIS 60095-1:2018(MOD)

JIS D 5301:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS D 5301:2019の関連規格と引用規格一覧