JIS D 6023:2012 フォークリフトトラック―ブレーキ性能及び試験方法

JIS D 6023:2012 規格概要

この規格 D6023は、全ての定格荷重のフォークリフトトラックに装備するブレーキ装置の性能,試験方法及び部材強度について規定。

JISD6023 規格全文情報

規格番号
JIS D6023 
規格名称
フォークリフトトラック―ブレーキ性能及び試験方法
規格名称英語訳
Fork lift trucks -- Brake performance and brake tests
制定年月日
1985年11月1日
最新改正日
2017年10月25日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 6292:2008(MOD)
国際規格分類

ICS

43.040.40, 53.060
主務大臣
経済産業,厚生労働
JISハンドブック
物流 2019
改訂:履歴
1985-11-01 制定日, 1991-02-01 確認日, 1996-04-01 改正日, 1999-03-20 改正日, 2004-03-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2012-05-25 改正日, 2017-10-25 確認
ページ
JIS D 6023:2012 PDF [15]
                                                                                   D 6023 : 2012

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 性能・・・・[2]
  •  4.1 一般・・・・[2]
  •  4.2 常用ブレーキ・・・・[3]
  •  4.3 パーキングブレーキ・・・・[3]
  •  4.4 ブレーキ操作力及び部材強度・・・・[3]
  •  4.5 蓄積エネルギー装置・・・・[3]
  •  5 試験条件・・・・[4]
  •  5.1 一般・・・・[4]
  •  5.2 停止距離試験・・・・[4]
  •  5.3 けん引力試験・・・・[4]
  •  6 性能試験・・・・[5]
  •  6.1 常用ブレーキの試験・・・・[5]
  •  6.2 警告装置の試験(蓄積エネルギー装置用)・・・・[6]
  •  6.3 フェード試験・・・・[6]
  •  6.4 パーキングブレーキの試験・・・・[6]
  •  附属書JA(規定)制動装置に関する追加規定・・・・[8]
  •  附属書JB(参考)停止距離及びけん引力の計算方法・・・・[9]
  •  附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[12]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS D 6023 pdf 1] ―――――

D 6023 : 2012

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本産業
車両協会(JIVA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した
日本工業規格(日本産業規格)である。これによって,JIS D 6023:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS D 6023 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                          JIS
D 6023 : 2012

フォークリフトトラック−ブレーキ性能及び試験方法

Fork lift trucks-Brake performance and brake tests

序文

  この規格は,2008年に第2版として発行されたISO 6292を基に,対応する部分については対応国際規
格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,対応国際規格には規定され
ていない規定項目(制動装置に関する追加規定並びに停止距離及びけん引力の計算方法)を日本工業規格(日本産業規格)
として追加している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1 適用範囲

  この規格は,全ての定格荷重のフォークリフトトラック(以下,フォークリフトという。)に装備するブ
レーキ装置の性能,試験方法及び部材強度について規定する。
注記1 緊急時(例えば,緊急スイッチの作動又は制御装置のシャットダウン)の制動はこの規格で
は扱わない。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 6292:2008,Powered industrial trucks and tractors−Brake performance and component strength
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS D 0106 自動車−ブレーキ用語−種類,力学及び現象
注記 対応国際規格 : ISO 611: 2003,Road vehicles−Braking of automotive vehicles and their trailers−
Vocabulary(MOD)
JIS D 6201 フォークリフトトラック−用語
注記 対応国際規格 : ISO 5053:1987,Powered industrial trucks−Terminology(MOD)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS D 0106及びJIS D 6201によるほか,次による。

――――― [JIS D 6023 pdf 3] ―――――

2
D 6023 : 2012
3.1
車速,v(truck velocity,v)
常用ブレーキが適用される直前に実際に計測した車両の速度。
3.2
制動力,F(braking force,F)
ブレーキ装置の効果によって生じる,タイヤと接地面における車両の速度又は動作方向に反対する力。
3.3
ブレーキ性能(braking performance)
車速に対する制動距離又は制動力,及び傾斜地で車両を停止したまま保つ能力から測定されたブレーキ
装置の性能。
3.4
ブレーキ装置(braking system)
次の機能のうちの一つ以上を満たす部品の組合せ。
a) 車両の速度を制御(通常は減速)する機能。
b) 車両を停止,又は静止したまま保つ機能。
3.5
常温ブレーキ(cold brakes)
次の条件のうちの一つを満たすブレーキの状態。
a) ディスクの外周又はドラムの外面で測定した温度が100 ℃未満である。
b) 湿式ブレーキなどの全閉形ブレーキの場合,ハウジングの温度が50 ℃未満又は製造業者の仕様値以
内である。
c) ブレーキを1時間以上作動させていない。
3.6
制御装置(control device)
ブレーキ装置の一部で,その作動を開始する部分。ブレーキペダルなどがある。
3.7
フェード試験(fade test)
影響のある熱が発生した制動又は連続した引きずり制動からなる,ブレーキ性能の違いが観察できる試
験手順。
3.8
停止距離,S0(stopping distance,S0)
制動装置の作動を開始させた瞬間から停止する瞬間までに車両が走行した距離。
3.9
試験速度(test velocity)
車両最大速度の設計値の90 %を超える速度。
車両速度が特定の負荷条件又は荷重位置(リフトの高さに依存)において自動的に減少する場合には,
この減少した速度がその負荷条件及び荷重位置での最大走行速度である。

4 性能

4.1 一般

――――― [JIS D 6023 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
D 6023 : 2012
フォークリフトは,それぞれ独立に作用する常用ブレーキ及びパーキングブレーキを備え,走行時基準
負荷状態の性能は4.2及び4.3の規定に従わなければならない。ただし,両ブレーキ装置は同じブレーキ
部品,例えばブレーキシュー,ブレーキドラム及び関連作動部品を使用してもよい。また,常用ブレーキ
がデッドマンブレーキの場合には,常用ブレーキはパーキングブレーキを兼用してもよい。
制動力については,この規格の規定のほかに労働安全衛生法第42条の規定に基づくフォークリフト構造
規格(昭和47年労働省告示第89号)(以下,フォークリフト構造規格という。)があり,車種・用途など
に応じてこの規定を満足しなければならない。フォークリフト構造規格の規定を,附属書JAに示す。

4.2 常用ブレーキ

  常用ブレーキは箇条5の試験条件で,6.1,6.2及び6.3の性能試験に適合しなければならない。

4.3 パーキングブレーキ

  パーキングブレーキは,箇条5の試験条件で,6.4の性能試験に適合しなければならない。

4.4 ブレーキ操作力及び部材強度

  常用ブレーキ及びパーキングブレーキは,表1に示す運転者の操作力以下で作動しなければならない。
また,表1に示す最小部材強度操作力を加えたとき,ブレーキ性能及び各部材の機能に影響を与える変形
又は破損があってはならない。
表1−ブレーキ操作力及び最小部材強度操作力
常用ブレーキ パーキングブレーキ
ブレーキの種類
最大操作力 最小部材強度操作力 最大操作力 最小部材強度操作力
フットブレーキ 450 N 1 200 N − −
足踏み式パーキングブ
− − 450 N 1 200 N
レーキ
開放時 : 最大スプリングセッ 開放時 : 最大スプリングセ
デッドマンブレーキa) 200 N ト力の200 % 200 N ット力の200 %
踏込時 : 1 800 N 踏込時 : 1 800 N
ハンドブレーキb) − − 300 Nd) 600 N
ハンドグリップブレー
150 N 300 N − −
キb)
ステアリングタングブ
150 N 900 N − 900 N
レーキc)
注a) デッドマンブレーキの操作力は,ブレーキペダル作動面の中央の値である。
b) ハンドブレーキ及びハンドグリップブレーキの操作力は,ハンドレバーの握り部の値である。
c) ステアリングタングブレーキの操作力は,ハンドグリップの中点でタングを最大ストローク押し下げた位置
の値である。
d) 規定の勾配が15 %を超える場合は300 Nを超えてもよいが,500 Nを超えてはならない。

4.5 蓄積エネルギー装置

4.5.1  常用ブレーキの蓄積エネルギー回復能力
蓄積エネルギーを使う空気作動式常用ブレーキ装置が使用されている場合,車両停止状態,かつ,蓄積
エネルギーの回復に最適なエンジン回転速度において,1分間当たり6回の割合で20回完全にブレーキを
かけたとき,常用ブレーキ装置は,ブレーキのところで測定して,装置の最高圧力の70 %を保持できなけ
ればならない。
4.5.2 蓄積エネルギー装置の警告装置

――――― [JIS D 6023 pdf 5] ―――――

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