JIS E 3801-1:2018 無線式列車制御システム―第1部:一般要求事項及び機能要求事項 | ページ 2

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− 各列車の走行位置の情報及び転てつ器などの線路状態から各列車のルート,停止限界に関する制御
情報を決定し,車上装置にデータ通信装置を介して伝送する。
− 列車が安全に走行できるルートを確保するために,その機能の一部又は全部に独立した装置(連動
装置等)を使用することができる。独立した装置は外部に設けてもよい。
d) 車上装置 車上装置は,次の機能をもつ。
− 個々の列車において,地上装置からの制御情報及び車上装置がもつ制御情報に基づいて,自列車の
安全な走行制御を行う。
注記 ヒューマンマシンインタフェース(HMI : Human Machine Interface)機能は,a) d)の装置に含
まれる。

4.2 機能構成及び装置への割当

  JRTCは,列車運行の監視・管理機能(7.4)及び列車制御機能(7.3)によって構成する。この機能の装
置への割当を表1に示す。表1において◎はJRTCの必須機能を表し,○はそうでないものを示している。

4.3 JRTC以外のシステムとのインタフェース

  JRTCは,他のシステムとのインタフェースを必要に応じて備える。図1に他システム及びインタフェ
ース境界の例を示す。
表1−JRTCの機能及び装置への主な割当
指令所 地上 車上
機能
装置 装置 装置
列車運行 制御用列車ダイヤ管理機能 ○ − −
の監視・管列車運行監視機能 ○ − −
理機能 列車運行管理機能 ○ − −
保守作業管理機能 ○ − −
列車制御 列車運転の安全確保機能 − ◎ ◎
機能 自動列車運転機能 − − ○
走行線路の監視機能 − ○ −
ドア開閉の制御機能 − ○ ○
分割機能及び併合機能 − ○ ○

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           JRTC
列車運行の監視・管理機能 列車制御機能 列車制御機能
(指令所装置) (地上装置) (車上装置)
・制御用列車ダイヤ管理機能 ・ 列車運行の安全確保機能 ・ 列車運行の安全確保機能
・列車運行監視機能 ・ 走行線路の監視機能 ・ 自動列車運転機能
・列車運行管理機能 ・ ドア開閉の制御機能 ・ ドア開閉の制御機能
・保守作業管理機能 ・ 分割機能及び併合機能 ・ 分割機能及び併合機能
その他システムとのインタフェース
JRTC以外のシステム及び設備
駅システム インフラ設備 車両システム メンテナンスシステ 運行計画系システム 電力管理システム

図1−JRTCのシステム構成と他システムとの境界(例)
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5 自動化の程度(GOA)

  自動化の程度とは,乗務員の行う仕事がシステムでどこまで自動化されているかの程度(grade of
automation : 以下,GOAという。)を示し,次のa) e)によって区分する(IEC 62290-1参照)。
この規格で定めるJRTCは,これらの区分のうちGOA1及びGOA2を対象としたものであり,いずれの
GOAを適用するかは鉄道事業者が指定する。乗務員の担務及びGOAについてはA.4及びA.5に示す。
なお,同一線区の違ったエリアで,同一列車に異なるGOAを適用してもよい。
a) 自動化レベル0(GOA0) 運転士が運転室にいて,前方の見通し,その他の安全な列車運転に必要な
条件を考慮して運転する。システムには運転士の操作を監視制御することを要求しない。しかし,転
てつ器の状態及び単線区間については,システムによって部分的に監視制御することがある。
b) 自動化レベル1(GOA1) 運転士が最前部の車両の前頭において列車を操縦し,危険な状況を認めた
ときは列車を停止させる。加速制御及び減速制御は,運転士が行う。システムは,運転士の操作を監
視制御する。ドア閉を含む駅からの安全な列車の発車は,運行乗務員の責任である。
c) 自動化レベル2(GOA2) 運転士が最前部の車両の前頭において列車を出発させ,危険な状況を認め
たときは列車を停止させる。加速制御及び減速制御は自動化され,速度はシステムによって連続して
監視制御される。駅からの安全な列車の発車は,運行乗務員の責任である。ただし,ドアの開閉は,
自動化しても差し支えない。
d) 自動化レベル3(GOA3) 最前部の車両の前頭において列車を操縦し,危険な状況を認めたときは列
車を停止させる運転士が乗務しないので,GOA2と比較して更に対策が必要である。このGOAでは,
運行乗務員の乗務が不可欠である。ドア閉を含む駅からの安全な列車の発車は,運行乗務員の責任で
もよいし,自動化しても差し支えない。
e) 自動化レベル4(GOA4) GOA3と比較して乗務員が乗車しないので,更に対策が必要である。ドア
閉を含む駅からの安全な列車の発車は,自動化しなければならない。システムは,旅客を避難させな
ければならない危険な状況を検知し,危険条件並びに脱線,煙及び/又は火災の検出のような非常事
態では,運行係員の介入を要請する。

6 一般要求事項

6.1 相互運用性

  相互運用性とは,異なる製造業者の設備に対して機能及び性能に本質的な変化をもたらさずに,そのま
ま各種サービスを提供・受入・使用できる能力であり,JRTCは,列車と設備とを相互運用するためa)
d)に示す相互運用性を備えなければならない。相互運用性の概念をB.2に示す。
なお,この能力はどの製造業者がどのシステム構成要素を提供するかには関係しない。また,JRTC区
間における,車上装置を装備した列車(以下,JRTC列車という。)と非JRTC列車との混在運行の実施は,
この規格の適用外とする。
a) RTC区間において,システム構成要素(同一GOA)の製造業者が異なる場合は,次による。
1) ある製造業者のJRTC列車は,車上に搭載された装置の製造業者と異なる製造業者が製造した地上
装置の区間であっても運行できる。
2) 二つの異なる製造業者によるJRTC列車を併合運転できる。
3) 地上装置は製造業者に関係なく,共通の指令所装置と接続できる。
4) RTC列車は,製造業者の異なる地上装置の境界を通過できる。
b) RTC区間におけるGOAが地上装置と車上装置とで異なっている場合は,製造業者に関係なくJRTC

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は両者に共通な自動化レベルの最も高いGOAで作動できなければならない。
c) RTC区間と隣接する非JRTC区間との間の進入及び進出に関する要求事項は,鉄道事業者が定める。
d) 相互乗入れを行う場合には,必要となるJRTCの要求事項を関係鉄道事業者間で定める。

6.2 互換性

  JRTCのシステム構成要素は,異なる製造業者が製造したシステム構成要素と取り替えることができる
互換性を備えなければならない。互換性の概念をB.3に示す。
互換性確保のための要求事項は,鉄道事業者が定める。

6.3 両立性

  JRTCは,同一鉄道網内の他のシステムと共存可能で,特に,システムの移行を容易なものとするため
の両立性をもたなければならない。両立性の概念をB.4に示す。
両立性確保のための要求事項は,鉄道事業者が定める。

6.4 適応性

  JRTCは,線区の延伸,単位時間当たりの列車数増大,及び車両の性能向上に対して,対応できる適応
性を備えなければならない。
適応性確保のための要求事項は,鉄道事業者が定める。

6.5 信頼性など

  JRTCに信頼性,保全性などに関する要求事項を適用する場合,鉄道事業者が特に指定しないときはIEC
62278による。

6.6 安全性

  JRTCにシステムの安全性に関する要求事項を適用する場合,鉄道事業者が特に指定しないときはIEC
62278,IEC 62279,IEC 62280及びIEC 62425による。

6.7 電磁両立性

  JRTCに各装置の電磁両立性に関する要求事項を適用する場合,鉄道事業者が特に指定しないときはIEC
62236-1IEC 62236-5及びIEC 62427による。

6.8 環境条件

  各装置の使用温度などの使用環境条件及びその試験方法については,JIS C 60068-1による。それらに規
定された条件で不十分な場合は,鉄道事業者がその使用環境条件,試験項目及び試験方法を定める。

6.9 エネルギー消費の効率化

  JRTCでエネルギー消費の効率化を実現しようとする場合は,鉄道事業者がその方法を定める。
注記 具体的な方法としては,列車の加速,惰行及び減速を制御することで列車に対してエネルギー
消費の効率化を行う方法などが挙げられる。また,電力管理システムとのインタフェースを考
慮することによって効率的な電力制御にもつながる。

7 機能要求事項

7.1 一般

  JRTCは,その機能に関して,7.27.4に規定する事項を満たさなければならない。

7.2 システム性能

7.2.1  一般
システム性能は,7.2.27.2.6による。
なお,システムの性能を定める上で必要となる,列車運転速度,運転時隔(運転時間間隔)などの要件

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は,鉄道事業者が定める。
7.2.2 システム故障
システムの故障に対する事項は,次による。
a) システムの監視 JRTCは,自己診断によってシステムが正常に機能していることを監視する。監視
項目,監視結果の出力などに関する要求事項は,鉄道事業者が定める。
b) システム故障対応 システムに故障が発生した場合,又はシステムの機能を維持するために必要な外
部システムからの情報が授受できなくなった場合のJRTCの要求事項は,鉄道事業者が定める。
c) システム再立上げ対応 システム故障を復旧させるときなど,システムの再立上げを行う場合のJRTC
の要求事項は,鉄道事業者が定める。
7.2.3 システム外事象
JRTCは,外部システムとのインタフェースをもつことによって,緊急停止などを必要とするシステム
外事象を検知できなければならない。
検知しなければならないシステム外事象及び検知後の処理は,鉄道事業者が定める。
7.2.4 線路変更
JRTCは,線区の延伸及び線路配線の変更に対応できなければならない。
7.2.5 HMI
JRTCのシステム構成要素ごとに必要となるHMIの要求事項は,鉄道事業者が定める。
7.2.6 システム管理
JRTCに必要となるデータ及びその管理方法,並びに訓練及び検査に関する要求事項は,鉄道事業者,
製造業者などの関係者が定める。

7.3 列車制御

7.3.1  一般
列車制御は,7.3.27.3.6による。
7.3.2 列車走行の安全確保
7.3.2.1 一般
列車走行の安全確保は,7.3.2.27.3.2.7による。
これらは列車の衝突及び脱線を防止し,列車運転の安全に直接関わる機能である。
7.3.2.2 ルートの安全確保
7.3.2.2.1 一般
ルートの安全確保は,7.3.2.2.27.3.2.2.7による。ルートと進路との違いについてはA.2に示す。
7.3.2.2.2 ルートの設定
ルートの設定のため,次の機能を全て備えていなければならない。
a) ルートの選択 7.4.4で規定する自動ルート設定,指令員などによるルート設定要求に基づき,設定す
るルートの始端から終端までの区間(同区間を区分化した場合は,区分化した個々の区間,側面防護
が必要な区間なども含む。),及びそのルートに関する転てつ器などのルート構成要素を特定する。ル
ート概念の補足とルート構成要素の設定例とをA.2及びA.3に示す。
b) ルートの競合判断 特定したルート構成要素について,他の列車など又は作業との競合がないことを
判定する。これら要素が使用中でないか,又は使用中であっても共用可能であれば,そのルート構成
要素を当該列車においても使用中とする。
c) 転てつ器などへの転換指令 使用中となったルート上の転てつ器などが所定方向に開通していない場

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