JIS E 3801-1:2018 無線式列車制御システム―第1部:一般要求事項及び機能要求事項 | ページ 3

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合には,所定方向への転換指令を出力する。ただし,分岐器などの上に列車が在線している場合には,
該当する転てつ器などに転換指令は出力しない。
d) 転てつ器などの開通確認 転換指令を出力した転てつ器などが,所定方向に転換し開通したことを確
認する。
7.3.2.2.3 ルートの鎖錠
設定したルートの全ての転てつ器などが所定方向に開通していることを確認した場合は,当該ルート及
びルート構成要素を鎖錠する。
7.3.2.2.4 ルートの監視制御
設定したルートの全ての転てつ器などが所定方向に開通していること,及びルート構成要素が他列車に
よって無許可で使用されていないことを監視する。監視結果に異常が認められた場合には,関係する安全
を確保したルートへの進入を直ちに禁止できなければならない。
7.3.2.2.5 安全を確保したルートへの進入の許容及び停止限界の決定
ルートへの進入の許容及び停止限界の決定は,次による。
a) 進入の許容 開通確認後,鎖錠したルートの監視結果に異常が認められない場合は,安全を確保した
ルートへの進入を許容する。
b) 停止限界の決定 停止限界は,安全を確保したルートの終端を支障位置とし,その支障位置から外方
に保安制御余裕距離を確保した位置とする(図2参照)。
図2−安全を確保したルートの停止限界の例
7.3.2.2.6 ルート取消要求
列車が進行し,ルートへの進入をJRTCが確認した後に,又は自動ルート設定若しくは指令員のルート
取消要求に基づき,ルート設定要求を取り消す(7.4.4参照)。
7.3.2.2.7 ルートの解錠
ルートの解錠は,次による。
a) 列車の走行による解錠 列車が進行し,ルートへの進入をJRTCが確認した後に,列車の進行に応じ
て当該ルート構成要素の当該列車による使用中を解除し,当該ルートの鎖錠を解錠条件が満足したと
き解錠する。
b) ルート取消しによる解錠 ルートへの進入を許可した列車がルート進入前に,ルート取消要求が行わ
れた場合は,当該列車にルート始端外方での停止を指示し,次の1)による。ただし,1)によれない場
合は,2)又は鉄道事業者が定める方法としてもよい。ルートの区間に関する概念をA.6に示す。
1) 取り消したルート始端の外方に列車が停止中又は列車が停止可能であることをJRTCが確認できた
時点で,当該ルート構成要素の当該列車による使用中を解除し,当該ルートの鎖錠を解錠条件が満
足していれば解錠する。列車が停止中又は列車が停止可能であることをJRTCが確認できないとき

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は,当該ルートの鎖錠及びルート構成要素の使用中を保持する。
2) 接近鎖錠区間に列車が進入済か否かを判定し,次によって当該ルートの鎖錠を解錠し,ルート構成
要素の使用中を解除する。
− 接近鎖錠区間に列車が未進入の場合は,ルート構成要素の当該列車による使用中を直ちに解除し,
当該ルートの鎖錠を解錠条件が満足していれば解錠する。
− 接近鎖錠区間に列車が進入済の場合は,一定時間後に列車が当該ルートに非在線であることを確
認し,ルート構成要素の当該列車による使用中を解除し,当該ルートの鎖錠を解錠条件が満足し
ていれば解錠する。
なお,1)又は2)による解錠が行われる前に,列車がルートに進入した場合は,a)に従う。
7.3.2.3 安全な列車間隔の確保
JRTCは,列車の安全な間隔を確保するために,次の機能をもたなければならない。
a) 列車位置の決定 JRTCは,システム立上げ時を含め,各列車位置(列車のある場所)を漏れなく決
定する。列車位置の決定に必要な情報は,他のシステムからインタフェースを介して取得してもよい。
b) 列車編成方向の決定 次の1)又は2)による。
1) 列車の編成方向が固定化されている制御エリアをもつシステムにおいては,各列車の編成方向は全
て同一の既定値とする。
2) 列車の編成方向が固定化されない制御エリアをもつシステムにおいては,編成方向を特定する機能
によって列車編成の方向を決定する。編成方向の変わる例を,C.2に示す。
c) 列車進行方向の決定 列車の進行方向は,列車の編成方向と選択された運転台の設定状態とから決定
する。
d) 列車在線位置の決定 列車位置,列車の進行方向,列車長などの情報,及びルートの設定状態を基に,
各列車の在線位置を漏れなく決定する。
e) 異常時における列車占有区間の決定 JRTCに列車位置又は列車在線位置の決定に関する異常が認め
られた場合には,JRTCは,異常検知直前の列車在線位置から停止限界までの区間を列車占有区間と
みなすなど,安全側となる処理を行う。
f) 安全な列車間隔を確保する停止限界の決定 先行列車が支障となる通常の間隔制御における停止限
界の決定は,先行列車在線位置の後端を支障位置とし,その支障位置に保安制御余裕距離を外方に確
保した位置を停止限界とする(図3参照)。ただし,特定区間(僅かな退行を行う可能性のあるホーム
区間,複数列車の進入を許容しない区間などの特定の区間)においては,各区間の境界位置を支障位
置とし,その支障位置に必要に応じて保安制御余裕距離を外方に確保した位置を停止限界とする(図
4参照)。
図3−先行列車を支障とする通常の間隔制御における停止限界の例

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図4−複数列車の進入を許容しない区間の停止限界の例
7.3.2.4 最大許容速度の決定
JRTCは,最大許容速度を決定するために,次の機能をもたなければならない。
a) 線路の条件などによる速度制限 線路の条件などによって,あらかじめ鉄道事業者から指定された箇
所に制限速度を設定する。
b) 車両性能による速度制限 鉄道事業者によって指定された車両性能による制限速度を設定する。
c) 臨時の速度制限 鉄道事業者が臨時に指定する箇所に制限速度を設定する。また,必要に応じて,指
定する列車に制限速度を設定してもよい。
7.3.2.5 踏切制御による速度制限の決定
JRTCは,踏切制御に関して,次の機能をもたせることができる。
a) 踏切の制御 JRTCは,踏切通行の遮断及び遮断解除を行うために,踏切制御装置とのインタフェー
スをもつ。
なお,JRTCが,直接,踏切通行の遮断及び遮断解除の制御出力を行ってもよい。
b) 踏切制御に従った速度制限の決定 JRTCは,踏切道手前に停止するためのブレーキパターンを作成
し,踏切遮断完了など踏切通過条件が満足したときに当該パターンの消去を行う。このブレーキパタ
ーンの例を,C.3に示す。
7.3.2.6 列車走行の許可
JRTCは,列車走行に関して,次の機能をもたなければならない。
a) 列車走行時の停止限界の決定 停止限界は,ルートに関する停止限界及び列車間隔に関する停止限界
で,列車の進行方向で最も外方の停止限界に決定する。
b) 他の制約条件の決定 JRTCが列車走行の許可を決定する場合,その他の制約条件として,線路閉鎖
など鉄道事業者によって指定された事項を含めなければならない。
c) 保安制御のためのブレーキパターンの決定 ブレーキパターンは,列車を減速又は停止させることを
目的に算出される速度照査パターンである。車両性能,線路勾配など,及び停止限界又は制限速度開
始位置を考慮して,非常ブレーキ減速度に空走時間を加味して作成する非常ブレーキパターンを用意
する。
なお,非常ブレーキパターンのほかに常用最大ブレーキパターンを更に用意してもよい。これらの
ブレーキパターンは,次の条件を満たさなければならない。
− 7.3.2.4で規定する最大許容速度
− 7.3.2.5 b)で規定する速度制限及び7.3.2.6 b)で規定する他の制約条件
− 7.3.2.6 a)で規定する列車走行時の停止限界
これらのブレーキパターンの例を,C.4に示す。

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7.3.2.7 列車走行の監視制御
JRTCは,列車走行の監視制御について,次の機能をもたなければならない。
a) 列車速度の決定 JRTCは,実際の列車速度とみなす速度を決定できなければならない。この速度の
決定に当たって,速度の連続性を監視し,異常な速度変化を検知した場合には列車の安全を確保でき
るように速度を設定する。
b) 安全な列車速度の監視制御 列車速度が非常ブレーキパターンを超えた場合には,直ちに非常ブレー
キを出力する。常用最大ブレーキパターンを用意した場合,列車速度が常用最大ブレーキパターンを
超えたときに,常用最大ブレーキが作動する。ブレーキの緩解条件は,鉄道事業者の定めに従う。
7.3.3 自動列車運転
GOA2を対象とした場合,JRTCは,自動列車運転のために,次の機能をもたなければならない。
なお,自動列車運転中に手動操作が行われた場合には,自動列車運転機能は解除され,手動操作が優先
されなければならない。
a) 運転速度曲線の決定 JRTCは,保安制御のためのブレーキパターンの範囲内における,加速又は減
速を含めた運転速度曲線を決定する。運転速度曲線を決定する上で必要となる加減速度などの要件は,
鉄道事業者の定めに従う。
b) 運転速度曲線に従った列車走行制御 JRTCは,運転速度曲線に従い,列車の速度制御を行う。
c) 列車走行の制限 列車状態に正常な運転を支障する要因がある場合には,列車の走行を制限する。
7.3.4 走行線路の監視
JRTCは,障害物との衝突及び人との接触を防止するために,外部システムとのインタフェースをもつ
ことによって走行線路の監視機能をもたせてもよい。
7.3.5 ドア開閉制御
JRTCは,外部システムとのインタフェースをもつことによって,ドア開閉の制御の自動化機能をもた
せてもよい。
7.3.6 分割及び併合
JRTCは,列車の分割又は併合のために,次の機能をもたせてもよい。
a) 分割及び併合時の安全確保 列車を分割又は併合させる場合,7.3.2で規定する列車走行の安全確保の
考え方に基づいて,安全を確保する。この機能の要求事項は,鉄道事業者が定める。併合時の制御の
例を,C.5に示す。
b) 列車の管理 分割された列車を独立に管理する。また,併合された列車を一つの列車として管理する。

7.4 列車運行の監視及び管理

7.4.1  一般
列車運行の監視及び管理は,列車ダイヤを用いる方法とそれ以外の方法とがある。列車運行の監視及び
管理をどの方法で行うかは,鉄道事業者が定める。列車ダイヤを用いて列車運行の監視及び管理を行う場
合には,JRTCに,7.4.27.4.5の機能をもたせてもよい。列車運行の監視及び管理における機能の例とそ
れらの関連とをC.6に示す。
なお,それ以外の方法で列車運行の監視及び管理を行う場合は,この規格の適用外とする。
7.4.2 制御用列車ダイヤ管理
制御用列車ダイヤ管理は,次による。
a) 列車ダイヤの取込み 運行計画系システムなど,外部のシステムから列車ダイヤを取り込むためのイ
ンタフェースをもつ。

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b) 制御用列車ダイヤの更新 定められた時期に,外部システムから取り込んだ列車ダイヤを用いて制御
用列車ダイヤの更新を行う。
c) 制御用列車ダイヤの変更など 発車時刻,停車駅など制御用列車ダイヤの追加,削除及び変更ができ
る。追加,削除又は変更された制御用列車ダイヤは,合理性チェックを行う。
d) 実績データの管理 列車の走行に合わせて,出発時刻,到着時刻などの実績データを収集する。実績
データは,必要に応じて,外部システムに出力してもよい。
e) 運行係員とのHMI 運行係員に対する表示,運行係員による制御用列車ダイヤの変更などのための
HMIをもつ。
7.4.3 列車運行の監視
列車運行の監視は,次による。
a) 列車追跡 システム内の列車位置及び列車番号を関連付けて監視する。
b) 運行乱れの監視 列車ダイヤと実際の運行との差を監視する機能をもち,必要な場合は,アラームを
出すことができる。
7.4.4 列車運行の管理
列車運行の管理は,次による。
a) 自動ルート設定 運行条件(制御用列車ダイヤ,列車の位置など)に基づいてルート設定要求を行う。
この機能に対応して,ルート取消要求を行う機能をもたせてもよい。
b) 指令員の扱い ルート設定要求及びルート取消要求は,指令員の扱いで行うこともできる。
c) 列車の運転整理 列車ダイヤに乱れが生じた場合,列車の遅れなどを減らすために制御用列車ダイヤ
の調整を,自動又は手動によってできなければならない。調整の基準については,鉄道事業者が定め
る。
7.4.5 保守作業管理
JRTCは,保守作業管理のために,次の機能をもたせてもよい。
− 保守作業管理システムとのインタフェース
− 保守作業のための転てつ器転換制御
− 分岐器及び軌道の使用停止又は解除
− 保守作業エリア(線路閉鎖,保守用車使用)の設定又は解除

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