JIS E 4041:2019 鉄道車両―完成車両の試験通則

JIS E 4041:2019 規格概要

この規格 E4041は、鉄道車両が完成してから営業投入までに,この規格又はその他の規定文書の要求事項を満足していることを明らかにするための試験通則について規定。全ての鉄道車両に対して,規格全体又は規格の一部分を適用する。ただし,工事用軌陸車,軌道敷設機械車両,バラスト交換機械工事車両及び保守作業者輸送用車両のような特定の目的の車両には適用しない。こうした特定の車両にも,この規格を準用する場合には,必要に応じていかなる法的な要請によるものか明確にして契約書で特別に規定する。また,車両にぎ(艤)装する前の機器又は装置の試験は規定しない。

JISE4041 規格全文情報

規格番号
JIS E4041 
規格名称
鉄道車両―完成車両の試験通則
規格名称英語訳
Rolling stock -- Testing of rolling stock on completion of construction and before entry into service
制定年月日
1967年8月1日
最新改正日
2019年11月25日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 61133:2016(MOD)
国際規格分類

ICS

45.060.01
主務大臣
国土交通
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1967-08-01 制定日, 1970-08-06 確認日, 1973-07-01 確認日, 1976-07-01 確認日, 1979-07-01 確認日, 1985-01-26 改正日, 1990-05-09 改正日, 1995-06-28 確認日, 1999-07-21 改正日, 2004-06-23 確認日, 2009-04-28 改正日, 2014-10-25 確認日, 2019-11-25 改正
ページ
JIS E 4041:2019 PDF [75]
                                                                                   E 4041 : 2019

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[4]
  •  4 要求事項・・・・[6]
  •  4.1 一般・・・・[6]
  •  4.2 第三者機関所有の試験設備・・・・[7]
  •  4.3 試験計画書・・・・[7]
  •  5 試験の種類・・・・[8]
  •  5.1 一般・・・・[8]
  •  5.2 予備調整試験・・・・[8]
  •  5.3 受入試験・・・・[8]
  •  5.4 調査試験・・・・[9]
  •  6 試験条件・・・・[9]
  •  6.1 一般・・・・[9]
  •  6.2 定置試験・・・・[10]
  •  6.3 走行試験・・・・[10]
  •  7 妥当性確認文書・・・・[10]
  •  8 定置試験・・・・[11]
  •  8.1 一般・・・・[11]
  •  8.1A 外観検査(受渡試験)・・・・[11]
  •  8.2 寸法検査・・・・[11]
  •  8.3 車両限界試験・・・・[13]
  •  8.4 つり上げ又は持ち上げ試験(任意の形式試験)・・・・[14]
  •  8.5 質量測定試験・・・・[14]
  •  8.5A 重心測定(任意の形式試験)・・・・[16]
  •  8.6 防水・防じん(塵)試験・・・・[16]
  •  8.6A 気密試験(受渡試験)・・・・[17]
  •  8.7 電気絶縁特性試験(受渡試験)・・・・[17]
  •  8.8 防護ボンディング及び帰線回路の試験(形式試験)・・・・[19]
  •  8.8A 最低動作電圧・最低動作空気圧の試験(形式試験)・・・・[19]
  •  8.9 空気システムの試験・・・・[19]
  •  8.10 油圧システムの試験・・・・[20]
  •  8.11 摩擦ブレーキシステムの試験・・・・[21]
  •  8.12 留置ブレーキの試験(形式試験)・・・・[22]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS E 4041 pdf 1] ―――――

E 4041 : 2019

pdf 目次

ページ

  •  8.13 補助電源装置の試験・・・・[22]
  •  8.14 蓄電池充電試験・・・・[23]
  •  8.15 補助システム及び制御システムの試験・・・・[24]
  •  8.16 発電機又は変速機を組み合わせたエンジンユニットの試験・・・・[27]
  •  8.17 走行駆動システムの試験・・・・[30]
  •  8.18 運転操作性及び保守性(形式試験)・・・・[30]
  •  8.19 騒音試験及び振動試験(任意の形式試験)・・・・[31]
  •  8.20 安全性関連システムの試験(受渡試験)・・・・[32]
  •  9 走行試験・・・・[32]
  •  9.1 一般・・・・[32]
  •  9.1A 走行試験を行う前に確認する項目(受渡試験)・・・・[33]
  •  9.2 力行性能(速度・引張力特性)・・・・[33]
  •  9.3 走行性能(走行時間確認)(任意の形式試験)・・・・[33]
  •  9.4 ブレーキ試験・・・・[35]
  •  9.5 走行駆動システム及びブレーキ装置の温度上昇試験(形式試験)・・・・[38]
  •  9.6 走行抵抗(任意の形式試験)・・・・[39]
  •  9.7 車両の速度制御システム試験・・・・[39]
  •  9.8 自動列車停止装置など(自動列車制御装置及び自動列車運転装置を含む。)のシステム試験・・・・[40]
  •  9.9 車両・軌道の相互作用・・・・[40]
  •  9.10 乗り心地快適性(任意の試験)・・・・[41]
  •  9.11 動的車両限界(任意の試験)・・・・[42]
  •  9.12 車輪のフランジ塗油器の動作(受渡試験)・・・・[42]
  •  9.13 集電装置の試験(形式試験)・・・・[42]
  •  9.14 空気力学的な影響(形式試験)・・・・[43]
  •  9.15 電磁両立性(EMC)(任意の形式試験)・・・・[43]
  •  9.16 電圧急変,電力中断及び短絡試験(任意の形式試験)・・・・[44]
  •  9.16A 車両に搭載した主要電気品の保護機器及び内部過電圧(任意の形式試験)・・・・[46]
  •  9.17 騒音試験(任意の試験)・・・・[47]
  •  9.18 空気システム−空気圧縮機のデューティサイクル(形式試験)・・・・[47]
  •  9.19 窓拭き器(形式試験)・・・・[47]
  •  9.20 列車制御システム(形式試験)・・・・[48]
  •  附属書JA(参考)試験項目・・・・[49]
  •  附属書JB(参考)公式試運転及び性能試験における試験項目の例・・・・[54]
  •  附属書JC(規定)車両の防水試験方法・・・・[56]
  •  附属書JD(参考)車体傾斜係数・・・・[58]
  •  附属書JE(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[61]

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                                                                                   E 4041 : 2019

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本鉄道車輌工業会(JARI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産
業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産
業規格である。これによって,JIS E 4041:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
    注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
          等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
          調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。

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                                       日本産業規格                             JIS
                                                                              E 4041 : 2019

鉄道車両−完成車両の試験通則

Rolling stock-Testing of rolling stock on completion of construction and before entry into service

序文

 この規格は,2016年に第3版として発行されたIEC 61133を基とし,日本の実情に則して対応国際規格
には規定されていない規定項目の追加などのため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
  なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JEに示す。

1 適用範囲

  この規格は,鉄道車両が完成してから営業投入までに,この規格又はその他の規定文書の要求事項を満
足していることを明らかにするための試験通則について規定する。
  この規格は,全ての鉄道車両に対して,規格全体又は規格の一部分を適用する。ただし,工事用軌陸車,
軌道敷設機械車両,バラスト交換機械工事車両及び保守作業者輸送用車両のような特定の目的の車両には
適用しない。こうした特定の車両にも,この規格を準用する場合には,必要に応じていかなる法的な要請
によるものか明確にして契約書で特別に規定する。また,この規格は,車両にぎ(艤)装する前の機器又
は装置の試験は規定しない。
  この規格は,次のような装置に適用してもよい。
a) 車両搭載の補助電源用発電装置。
b) 無軌条電車又はこれに類似する車両で,電気式又はエンジンによる走行駆動システムを装備している
    車両。
c) 電気式又はエンジンによる走行駆動システムを装備していない付随車両などの制御用品及び補助用
    品。
d) 車輪とレールとの間の粘着によらないで,案内・支持される車両で,電気式又はエンジンによって走
    行駆動する車両。
e) 電車線及び/又は蓄電池から給電し,電気式走行駆動システムを装備する車両。
f)  電車線及び/又はエンジン発電機から給電し,電気式走行駆動システムを装備する車両。
    注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
          IEC 61133:2016,Railway applications−Rolling stock−Testing of rolling stock on completion of
              construction and before entry into service(MOD)
            なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
          ことを示す。

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2
E 4041 : 2019

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
      注記 対応国際規格 : IEC 60529,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)(IDT)
    JIS E 2001 電車線路用語
    JIS E 4001 鉄道車両−用語
    JIS E 4011 鉄道車両の質量測定方法
    JIS E 4014 鉄道車両−絶縁抵抗及び耐電圧試験方法
    JIS E 4016 鉄道車両の照度−基準及び測定方法
    JIS E 4021 鉄道車両−車内騒音の測定方法
      注記 対応国際規格 : ISO 3381,Railway applications−Acoustics−Measurement of noise inside
             railbound vehicles(MOD)
    JIS E 4025 鉄道車両−車外騒音の測定方法
      注記 対応国際規格 : ISO 3095,Acoustics−Railway applications−Measurement of noise emitted by
             railbound vehicles
    JIS E 5004-1:2011 鉄道車両−電気品−第1部 : 一般使用条件及び一般規則
      注記 対応国際規格 : IEC 60077-1:1999,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−
             Part 1: General service conditions and general rules(MOD)
    JIS E 5004-2:2006 鉄道車両−電気品−第2部 : 開閉機器・制御機器及びヒューズの一般規則
      注記 対応国際規格 : IEC 60077-2:1999,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−
             Part 2: Electrotechnical components−General rules(MOD)
    JIS E 5004-3 鉄道車両−電気品−第3部 : 直流遮断器
      注記 対応国際規格 : IEC 60077-3,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 3:
             Electrotechnical components−Rules for d.c. circuit-breakers(MOD)
    JIS E 5004-4 鉄道車両−電気品−第4部 : 交流遮断器
      注記 対応国際規格 : IEC 60077-4,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 4:
             Electrotechnical components−Rules for AC circuit-breakers(MOD)
    JIS E 5004-5 鉄道車両−電気品−第5部 : 高圧ヒューズ
      注記 対応国際規格 : IEC 60077-5,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 5:
             Electrotechnical components−Rules for HV fuses(MOD)
    JIS E 5006 鉄道車両−電子機器
      注記 対応国際規格 : IEC 60571:2012,Railway applications−Electronic equipment used on rolling stock
             (MOD)
    JIS E 5007 鉄道車両−変圧器及びリアクトル
      注記 対応国際規格 : IEC 60310:2016,Railway applications−Traction transformers and inductors on
             board rolling stock(MOD)
    JIS E 5008 鉄道車両−電力変換装置
      注記 対応国際規格 : IEC 61287-1,Railway applications−Power convertors installed on board rolling

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                                                                                              3
                                                                                   E 4041 : 2019
             stock−Part 1: Characteristics and test methods(MOD)
    JIS E 5011 鉄道車両−主回路システムの組合せ試験
      注記 対応国際規格 : IEC 61377:2016,Railway applications−Rolling stock−Combined test method for
             traction systems(MOD)
    JIS E 5051:2009 鉄道車両−電気的危険性に関する防護通則
      注記 対応国際規格 : IEC 61991:2000,Railway applications−Rolling stock−Protective provisions
             against electrical hazards(MOD)
    JIS E 6101 鉄道車両−直流主電動機−試験方法
      注記 対応国際規格 : IEC 60349-1,Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road
             vehicles−Part 1: Machines other than electronic converter-fed alternating current motors
    JIS E 6102 鉄道車両−交流主電動機
      注記 対応国際規格 : IEC 60349-2,Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road
             vehicles−Part 2: Electronic converter-fed alternating current motors(MOD)
    JIS E 6103 鉄道車両−永久磁石同期機
      注記 対応国際規格 : IEC 60349-4,Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road
             vehicles−Part 4: Permanent magnet synchronous electrical machines connected to an electronic
             converter(MOD)
    JIS E 6302 鉄道車両−パンタグラフ
      注記 対応国際規格 : IEC 60494-1,Railway applications−Rolling stock−Pantographs−Characteristics
             and tests−Part 1: Pantographs for main line vehicles及びIEC 60494-2,Railway applications−
             Rolling stock−Pantographs−Characteristics and tests−Part 2: Pantographs for metros and light rail
             vehicles(全体評価 : MOD)
    JIS E 6401 鉄道車両用抵抗器
      注記 対応国際規格 : IEC 60322,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Rules for
             power resistors of open construction(MOD)
    JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
      注記 対応国際規格 : ISO/IEC 17025,General requirements for the competence of testing and calibration
             laboratories(IDT)
    IEC/TS 60349-3,Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road vehicles−Part 3:
        Determination of the total losses of converter-fed alternating current motors by summation of the
        component losses
    IEC 60850:2014,Railway applications−Supply voltages of traction systems
    IEC 62128-1,Railway applications−Fixed installations−Electrical safety, earthing and the return circuit−
        Part 1: Protective provisions against electric shock
    IEC 62128-2,Railway applications−Fixed installations−Electrical safety, earthing and the return circuit−
        Part 2: Provisions against the effects of stray currents caused by d.c. traction systems
    IEC 62313:2009,Railway applications−Power supply and rolling stock−Technical criteria for the
        coordination between power supply (substation)   nd rolling stock
    IEC 62846,Railway applications−Current collection systems−Requirements for and validation of
        measurements of the dynamic interaction between pantograph and overhead contact line

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4
E 4041 : 2019

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 4001によるほか,次による。また,鉄道の地上設備に関
係する主な用語及び定義は,JIS E 2001,IEC 62128-1及びIEC 62128-2による。
3.1
製造業者(manufacturer)
  車両システムの供給に対して技術的責任をもつ組織。
    注記 車両の契約が車体,台車,装置など複数に分割される場合は,製造業者も複数になる場合があ
          る。
3.2
支給品(free issue materials)
  車両に用いる用品などのうち,発注者又は使用者が別契約で調達して製造業者に無償供給する品物。交
付材ともいう。
3.3
製造業者の工場(manufacturers works)
  車両(車体,台車,装置など)の組立を完成させ,かつ,一般的には定置試験及び構内試験を行う場所。
3.4
発注者(purchaser)
  車両を製造業者に発注し,かつ,所有する組織。発注者は,製造業者に対して直接の交渉を行うことも
できる。ただし,発注責任は,使用者,主契約者又はコンサルタント会社が負う。
3.5
供給者(supplier)
  製造業者に対して,個々の機器,装置などを供給する責務を負う組織。
3.6
供給者の工場(suppliers works)
  個々の機器,装置などを製造する場所。
3.7
契約(contract)
  発注者の技術仕様書,製造業者の技術的対応,会議議事録及びその他の正式な契約文書からなる発注者
と製造業者との間(以下,受渡当事者間という。)で協定した技術仕様書の全ての構成要件。
3.8
使用者(user)
  車両を使用する予定の組織。
    注記 使用者は,車両を運用する事業体であり,発注者又は,例えばリース契約を通して発注者に代
          わって車両を使用する別の事業体の場合もある。
3.9
鉄道の地上設備管理者(infrastructure manager)
  軌道,信号,通信,建築構造物などの鉄道の運用に関係する地上設備を管理する組織。
3.10
形式試験(type test)
  完成車両(単体又は複数の機器及びシステムを含む。)が,要求仕様及び関係する規格を満足している設

――――― [JIS E 4041 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
                                                                                   E 4041 : 2019
計であることを示すために行う試験。完成車両の形式試験を,“性能試験”ともいう。
3.11
受渡試験(routine test)
  製造中又は製造後の全ての車両(単体又は複数の機器及びシステムを含む。)が,指定の合否判定基準を
満足していることを確認するために行う試験。完成車両の受渡試験を,“公式試運転”ともいう。
3.12
任意の試験(voluntary test)
  受渡当事者間で協定して試験計画書に追加する必須でない形式試験又は受渡試験。
3.13
妥当性確認文書(validation documentation)
  製品,製造手順又はその運用が,仕様書及びその他の規定文書に対して適合していることを確認した証
拠を示す記録。
    注記 “妥当性確認”の意味については,4.3 i) 参照。
3.14
変更程度(modification level)
  既にある試験結果を適用する有効性を判断するための機器の変更状態。
3.15
試験計画書(test plan)
  製造業者が,品質計画書に記載して試験を行う事項に関する全ての補足資料を含めた計画書。
3.16
品質計画書(quality plan)
  特定のプロジェクト,製品,プロセス又は契約に対して,品質を確保するための活動として,誰の指示
で,どの時期に関連する資源を適用するかの手順及び規定を示した計画書。
3.17
外部認証機関(approval authority)
  発注者(3.4参照)以外で,この規格が規定する範囲内で,車両に対して必要とする試験の実施を要求す
る権利をもつ組織。
    注記 このような組織は,国によって異なるが,当該国又は国際的な公的機関,当該国の安全管理当
          局,鉄道の地上設備管理者及び/又は認証機関である場合もある。
3.18
軌陸車(rail/road vehicle)
  鉄道の軌道及び道路の双方を走行できる構造の車両。
3.19
電磁両立性,EMC(electromagnetic compatibility)
  装置又はシステムに存在する環境において,許容できないような電磁妨害をいかなるものに対しても与
えず,かつ,その電磁環境において満足に機能するための装置又はシステムの能力(JIS C 60050-161の
161-01-07参照)。
3.20
IP(ingress protection)
  異物の浸入保護(JIS C 0920の3.4参照)。

――――― [JIS E 4041 pdf 8] ―――――

6
E 4041 : 2019
3.21
WSP(wheel slide protection)
  滑走防止機能又は滑走防止システム。鉄道車両の加減速時に車輪の滑走を防ぐ機能又はそのシステム。
3.22
UIC[Union Internationale des Chenins de Fer(International Union of Railways)]
  国際鉄道連合。

4 要求事項

4.1 一般

4.1.1  一般事項
  製造業者は,製品の品質に影響する全ての管理活動を行い,製品が指定の適用規格又はその他の規定文
書を満足していることを確認する。
  この目的のために,製造業者は,自己の責任において,あらゆる段階[例えば,原材料,供給,製造,
完成品又はこん(梱)包など。]における管理を行うために必要な全ての手段をとる。また,製造業者は,
必要に応じて品質システム及び試験結果についての情報を提供する。
  製造業者は,適切な品質システムを確立し,それを維持しなければならない。これには製造作業標準,
試験仕様書,試験成績書,試験用計測器及び計測装置の校正,文書管理,不適合製品の管理,作業者のト
レーニングなどを含み,最終検査及び最終試験の実施までを網羅し,更に必要に応じて監査できる手順を
含める。製造業者は,JIS Q 9001による品質システムを適用することを推奨する。
4.1.2  品質計画書
  製造業者は,試験計画書(4.3参照)を含めた製品の設計,製造,検査及び試験に関する品質計画書を作
成し,その中で製造業者がどのようにして発注者・使用者の要求仕様を満足させるかの方策を明らかにす
る。
  ソフトウェアを含んでいる主要装置類(又は機器類)の構成(形式番号,製造番号,改変記号)は,ソ
フトウェアの改訂記号を含み,“品質記録”として記録する。
  契約では,車両の組立が完成してから営業に投入するまでに行う様々な試験を明確に規定し,次の内容
を発注者が確認できるようにする。
a) 形式試験 車両が,契約上の技術的要求事項を満足している(5.3.1参照)。
b) 受渡試験 全ての車両が,形式試験で検証した設計基準を満足している(5.3.2参照)。
c) 車両は適切な法令(省令,規制又は条例)に準拠している。
d) 車両は,鉄道の地上設備管理者によって文書で定義された走行を意図する鉄道システムに適合したも
    のとする。
e) 別契約による追加試験 例えば,4.1.3のa)   c) など。
4.1.3  車両の主要構成用品に対する試験
  機器の取付け,配管及び配線を含む車両の検査並びに車両の主要構成用品は,この規格に基づいて試験
を開始する前に6.1 e) で規定している事項以外の,関係する規格及び仕様書による形式試験及び受渡試験
に全て合格しているものとする。この規格によって行う試験は,車両を構成するこれらの機器が,車両に
要求されている機能に対してインタフェースが正しくとれていることを明らかにすることである。したが
って,次の種類の試験は,この規格の対象外であり,必要な場合には受渡当事者間で協定する。
a) 耐久試験及び信頼性試験

――――― [JIS E 4041 pdf 9] ―――――

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b) 開発のための試験
c) 調査試験
d) システム試験(例えば,部分組立品又はシステムの組合せ試験)

4.2 第三者機関所有の試験設備

  第三者機関所有の試験設備を利用する場合には,その旨を事前に申告し,当該第三者機関の内容,その
試験設備の詳細及び資格認定を試験計画書に記載して協定する。
  この協定は,必要に応じて,次に適用する。
a) 製造業者又は発注者のいずれにも所属していない特定の試験所へ,車両を移送させて行う定置試験。
b) 製造業者又は使用者のいずれにも所属していない,別の鉄道事業者の路線を使う走行試験。
  第三者機関所有の試験設備は,JIS Q 17025で認定されているものがよい。
    注記 対象国によっては,発注者又は外部認証機関が,製造業者とは無関係の認定された試験設備で
          試験を行うことを要求する場合がある。

4.3 試験計画書

  製造業者は,実施予定の試験に対して,次の内容を詳細に記載した試験計画書を作成して品質計画書の
中で提案する。これには,全ての付帯する試験仕様書を含める。
a) 試験プログラム
b) 各車両の完成試験を行う前に,完了しておくべき車両の主要構成用品及び装置の形式試験
c) 使用する試験設備 認定資格及び設備能力の詳細並びに第三者機関所有の試験設備の場合は,必要に
    応じて,製造業者からの独立性の程度を含める。
d) 試験方法
e) 各試験を行うときの荷重条件
f)  各試験に対する環境条件
g) 各試験の測定方法に関連した基準値及び許容範囲又は限度値
h) 各試験に対する合否判定基準
i)  妥当性確認文書 “妥当性確認”は,“客観的証拠(あるものの存在又は真実を裏付けるデータ)を提
    示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされていることを確認
    する”という意味である[JIS Q 9000の3.8.13(妥当性確認)参照]。
  試験計画書は,a)   i) に詳細を示した幾つかの参考試験仕様書を含むこともある。発注者又は認証機関
が,特定の試験又は文書による妥当性確認の証拠を契約で要求している場合,製造業者は,試験計画書の
中で識別できるようにする。特に,妥当性確認の証拠を保管する必要がある場合には,その要求事項を試
験計画書に含めて,試験仕様書を事前に受渡当事者間で協定しなければならない。
  発注者,使用者又は外部認証機関が,契約で特別に安全性又は危険性の評価査定のために,一連の試験
を行って安全性確認を要求する場合には,試験プログラムに記載し,試験計画書の中で識別できるように
する。特別に安全に関わる試験項目については,表JA.1及び表JA.2の試験項目の欄に,注a) 及び/又は
注b) で示してある。
  試験計画書の内容には,妥当性確認の文書化の一環として作成した試験項目表に漏れがないことを監査
プロセスを使用して確認する。
  各試験に合格して試験が完了した後,製造業者は,妥当性確認文書を作成する。

――――― [JIS E 4041 pdf 10] ―――――

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5 試験の種類

5.1 一般

5.1.1  試験の種類
  試験計画書(4.3参照)には,試験を次の種類に分けて表示する。
a) 予備調整試験(5.2参照)
b) 受入試験 次の試験に区分する。
  1) 形式試験(5.3.1参照)
  2) 受渡試験(5.3.2参照)
  3) 外部認証機関が要求する試験(5.3.3参照)
c) 調査試験(5.4参照)
5.1.2  試験項目の一部省略
  次のような場合,受渡当事者間の協定によって,試験項目の一部を省略することができる。
a) 試験の対象車両が以前に製造したものと同一の車両であることが明らかで,その車両に対して以前に
    実施した試験の結果が利用できる場合,又は発注者が支給若しくは指定した電動機などの機器及び装
    置を装備している場合。
b) 対象車両の試験が同様な条件の下で,以前に実施済みであることを証拠資料によって証明できる場合。
c) 必要な情報が,関連した契約の中で指定されている外部認証機関との協定によって,他の規格の参照
    によって提供される場合。

5.2 予備調整試験

  車両の受入試験(5.3参照)を行う前に,積載質量の“あり”又は“なし”のように条件を変えた状態で
車両を走行させて調整を行う予備調整試験が通常必要であるが,製造業者は,自己の工場では設備などの
都合で実施できない場合,使用者の路線を使用した予備調整試験の実施を要求することができる。この場
合,事前に使用者及び鉄道の地上設備管理者が満足できるように,安全走行に必要な最小限の試験(6.2
及び9.1A参照)を終了していなければならない。
  所定の調整をするための試験走行の最大積算走行距離は,契約の協定によるのが望ましいが,車両の種
類,特に,その最高速度及び導入する新しい装置などを考慮に入れて選定しなければならない。形式試験
を行う予定の車両で,契約に数値が特定されていない場合,製造業者は,発注者に対して5 000 kmを超え
ない範囲で試験走行の実施を申請することができる。
    注記 車両の通常の受入条件としての積算走行距離は,6.3を参照する。
  この予備調整のための試験走行は,鉄道事業者又は使用者が任命した責任者の下においてだけ実施する
ことができるものとし,使用者は車両の運転者を任命する。

5.3 受入試験

5.3.1  形式試験
  この試験は,契約で指定した要求性能を満足していることを証明するために,受渡当事者間で協定した
所要期間の中で行う。試験項目の例は,定置試験及び走行試験をそれぞれ表JA.1及び表JA.2の一覧表で
示しているが,これらの試験内容は,箇条8及び箇条9に規定している。
    注記 表JA.1及び表JA.2に示す試験項目一覧表は,製造業者が試験計画書を作成するときの指針で
          ある。
  形式試験は,一つの設計によって製造した最初の車両に対して行う。ただし,契約時に別の協定があり
試験計画書に記載されている場合は,その協定による。

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  この試験を評価検討用プロトタイプ車両又は量産に入る前の試作車両に対して行う場合,受渡当事者間
で協定して,量産最初の車両に対して必要な追加の形式試験項目を決め,試験計画書に記載する。
  これらの形式試験は,箇条6に規定する適切な条件の下で行う。
  任意の形式試験は,受渡当事者間が協定してあらかじめ試験計画書に記載している場合に行う。
  なお,形式試験は,受渡当事者間の協定及び/又は契約によって,受渡試験を兼ねることができる。
5.3.2  受渡試験
  受渡試験は,納入する車両ごとに行う。試験項目の例を表JA.1及び表JA.2の一覧表で示しているが,
これらの試験項目ごとの試験内容は,箇条8及び箇条9に規定している。
  車両の合否判定基準には,形式試験で使用した同じ特定のパラメータを選択することが望ましい。受渡
試験は,選択した合否判定基準を満足していることを確認できる十分な測定及び確認検査を含むものとす
る。
  これらの受渡試験は,箇条6に規定する適切な条件の下で行う。
    注記 表JA.1及び表JA.2に示す試験項目一覧表は,製造業者が試験計画書を作成するときの指針で
          ある。
  受渡試験において得られた試験結果は,形式試験で得られた試験結果から規定する許容範囲内になけれ
ばならない。
  受渡試験では,対応する形式試験の結果から,それと同じことを繰り返す必要がないと判断される場合
には,受渡当事者間の協定によって,次のように試験を変更することができる。
a) 試験範囲の限定又はサンプリングによる受渡試験
b) 試験結果の一覧表による簡潔表示
c) 契約時に同意された適合性確認文書をもとにした試験の省略
  いかなる追加の受渡試験も契約の中で合意されて,試験計画書に含まれていることとする。
5.3.3  外部認証機関が要求する試験
  外部認証機関が要求する試験及び安全性の確認を要する試験(4.3参照)は,試験計画書の中で識別でき
るようにする。製造業者は,この組織からの要求に対して,仕様を満足していることを実証しなければな
らない。

5.4 調査試験

  調査試験は,随意契約によって行う特別な試験であり,追加的な情報を得るために行う。この試験は,
契約で指定した場合にだけ行うので,試験項目の例は,表JA.1及び表JA.2には記載していない。
  こうした調査試験の実施は,受渡当事者間で協定し,それぞれの特定項目ごとに,試験の実施方法及び
手順を取り決める。
  調査試験の結果は,車両の受取りを拒否する理由として使ってはならない。

6 試験条件

6.1 一般

  試験は,特別の指定がない限り,通常の周囲条件の下で行う。
  試験計画書には,自然条件及び場所を考慮して,次の項目を含めることが望ましい。
a) 形式試験及び受渡試験の試験計画書,特に,この規格で受渡当事者が協定できる事項。
b) 定置試験(6.2参照)
c) 走行試験(6.3参照)

――――― [JIS E 4041 pdf 12] ―――――

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E 4041 : 2019
d) 自然環境に関する試験の方法(例えば,雪,雨,ほこり,気温など季節的な条件が関係する場合)
e) 使用している用品のうち,その供給者の工場に適切な試験設備がないために,完成車両の定置試験又
    は走行試験で行う必要のある用品の試験。
f)  完成車両に組み込まれる支給品に関する試験は,支給品供給者を含む受渡当事者間で事前に協定する。

6.2 定置試験

  定置試験の詳細は,箇条8に規定する。これらの試験項目は,できるだけ製造業者の工場内で行うのが
望ましい。
  この定置試験には,安全に走行試験が始められることを検査確認する内容も含む(9.1A参照)。
  試験設備は,試験を確実に行う上で,適切,かつ,十分なものでなければならない。当該試験に関連し
て,その試験設備に制約がある場合には,製造業者は,事前に発注者に連絡しておかなければならない。
  第三者機関所有の試験設備(4.2参照)に車両を移送して試験を行う場合にも,製造業者は,車両が安全,
かつ,確実に移送できることを,9.1Aを準用して事前に十分に検査によって確認しておかなければならな
い。

6.3 走行試験

  走行試験の詳細は,箇条9に規定する。
  走行試験は,その車両を運用する予定の路線又はそれができない場合には,契約に指定されている類似
の特性をもつ路線,又は専用の試験設備で行ってもよい。
  走行試験の場所及び計画は,契約の中で規定する。
  これらの走行試験は,通常,使用者が管理する本線試験となり,車両の認可事項にも関係するので,発
注者又は使用者の責任において実施する。ただし,製造業者及び供給者は,誠実に協力する。
  試験路線へのアクセス及び充当する乗務員の準備に関する計画は,契約の中で条件を規定することが望
ましい。
  走行試験実施に関わる要求事項は,関連する地上設備管理者及び試験設備管理者の定める規則に優先し
ないほうがよい。
  事前の予備的な試運転を含む全ての走行試験の試験設備の準備は,発注者又は試験設備の供給者との契
約書の契約条件に明記することが望ましい。また,支給品が関係する走行試験の場合には,あらかじめ支
給品供給者を含む受渡当事者間で,実施する試験項目,試験内容,試験機材の準備,当該試験の責任主体
などを協定する。
  形式試験の一部として,発注者に引き渡すまでの積算走行距離は,契約に特定されていない場合,100 km
程度とする(9.2.1参照)。
  別の鉄道の地上設備管理者の路線で,走行試験を行う場合,選定した路線,その特性及び運転条件につ
いて,契約時に受渡当事者間で協定する。
  走行試験に参加する全ての関係者は,責任関係を明確にしておかなければならない。
  走行試験を行う前に,信頼性,アベイラビリティ(availability),保全性及び安全性が関係する事項で,
必要な準備があれば受渡当事者間で検討する。

7 妥当性確認文書

  妥当性確認文書には,車両及び主要搭載用品を識別できる十分な情報があり,試験記録を通して,これ
らをトレースできるようにする。少なくとも,次の内容を記載する。
a) 当該文書を作成した組織の名称及び所在地

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b) 製造業者の名称及び所在地
c) 車両,主要搭載用品などの識別(名称,形式,形式番号及び関係するロット番号,バッチ,製造番号,
    変更レベルなどの補足情報)
d) 契約,試験計画書で引用した規格又は規定文書の明確かつ簡略な表示
e) 車両構成用品・装置などの等級又は分類記号がある場合には,それらも含めたあらゆる補足情報
f)  文書の日付
g) 責任者の役職名及び署名又は署名に代わるものと認定された印

8 定置試験

8.1 一般

  製造業者は,試験計画書に規定した定置試験の各項目を実施する。表JA.1に代表的な定置試験項目を示
しているが,これらは試験計画書に記載する試験項目を予想した例である。この表は,全ての試験項目を
網羅しているものではなく,製造業者が試験計画書を作成するときのガイドラインとして活用するもので
ある。
  契約で特別な要求がない場合には,次に規定する各項目を契約の車両の種類に応じて,適宜選択して試
験計画書に含める。
  8.1A以降の細分箇条の表題に試験区分の記載がない試験項目は,形式試験及び受渡試験に共通である。
それぞれの試験項目に個別の試験区分を記載してある場合,該当する別の細分箇条に形式試験又は受渡試
験の詳細を規定している。

8.1A 外観検査(受渡試験)

  次の事項について,取付状態を含めて異常のないことを,実際の静止状態で検査によって確認する。
a) 車両全般
b) 支給品
c) 全ての機器及び装置
d) 配線(8.7.2参照)・配管
    注記 外観検査の一例として,次の項目が挙げられる。
      − 室内,運転室などの外観の大きな汚れ又はきずの有無
      − 点検蓋など可動部のがたつきの有無,鍵,ラッチなどの掛かり具合
      − 床下機器の締結品の緩みなど取付状態
      − 室外外板の大きな汚れ,きず,凹みの有無,塗装の状態及びカラーバンドの貼付状態

8.2 寸法検査

8.2.1  目的
  車両は,完成後の“空車”のように最小荷重状態において,車両の外部寸法,各部のクリアランス及び
フレシキブル結合の部分が,契約の範囲内にあることを検証する。
8.2.2  形式試験
8.2.2.1  車両の外部寸法
  各形式の車両の外部寸法(例えば,車両高さ,連結器高さ,台車高さなどを含む。)は,契約の規定寸法
に対して測定し確認しなければならない。鉄道事業者及び/又は鉄道の地上設備管理者が定める車両限界
内にあるように設計しなければならない。何らかの理由で車両限界の規定がない場合,製造業者は動的車
両限界(8.2.2.1A参照)を発注者に申告しなければならない。

――――― [JIS E 4041 pdf 14] ―――――

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  ただし,受渡当事者間で協定している車両限界を超えなければ使用することができない装置(例えば,
一時的に外側に展開するステップ,排障器,非常口扉など)は,車両の安全な走行を確保できる範囲にお
いて車両限界を超えることができる。
  この車両の外部寸法には,次の条件に関係する寸法を含める。
a) 寸法調節を必要とする全ての部品の寸法調節範囲(例えば,空気ばね)
b) 摩耗する部品の許容寸法範囲(例えば,車輪摩耗)
c) 荷重条件による寸法の変動範囲(8.5.2参照)
d) 故障又は損傷したときの動作寸法範囲(例えば,ばね支持装置用品)
e) 上記a)   d) の最悪条件の組合せ
8.2.2.1A 動的車両限界(車両限界を規定していない場合の車両の外部寸法の挙動範囲)
  何らかの理由のため,契約で車両限界を規定していない車両の外部寸法は,製造業者が契約で協定した
規則に従って,動的車両限界を規定して発注者に申告する。この動的車両限界は,軌道の曲線半径,曲線
区間走行時の列車速度,車両寸法などによって生じる,次の横移動・横変位を考慮するもので,設計仕様
に基づいた数値によって,あらかじめ計算で求めておき,発注者又は使用者の要求がある場合には,その
検証方法を試験計画書に入れておくことが望ましい。
a) 車体のばね支持装置のたわみ係数(8.3.3参照)による車体の横変位及び車体傾斜による寸法。
b) カントの過不足がある曲線路を車両が走行するとき,車体のばね支持装置が遠心力によって最大横変
    位する寸法。
c) 曲線区間を通過するとき,車体の両端部が曲線の外側に,中央部が曲線の内側に変位する寸法(車両
    の固定軸距又は台車中心間距離,車体長及び車体幅が関係するほか,車体のばね支持装置のたわみ量
    も影響する。)。
      注記 定置での車体のばね支持装置による横変位及び曲線軌道における車両限界の拡大などは,我
            が国では車両限界と建築限界との間に十分な空間があるので,通常,8.2.2.1Aを適用する場
            合はない。
8.2.2.2  クリアランス試験
  この試験では,契約で指定している荷重条件及び軌道形状において,次の箇所の相対的な動きに対して,
必要なクリアランスが確保されていることを確認する(8.2.2.3参照)。
a) 車体及び台車間
b) 連結した車両相互間
8.2.2.3  ホース長さ及びケーブル長さの試験
  この試験は,車体と台車との間及び連結した車両相互間に使用するホース及びケーブルが,曲線通過な
どのとき,車両が相対的に変位した場合(振り子式車両又は車体傾斜式車両の場合は,模擬動作を含む。)
でも,適切な長さ及び適切な取付状態であることを検査によって確認するために行う。
  車体と台車との間に曲線通過時に相当する旋回変位を与える試験は,偏い(倚)試験とも呼ばれ,8.2.2.2 a)
の試験と同時に完成車両の片方の台車部分をトラバーサ又は転車台に載せ,その台車を車体に対して旋回
させながら行う方法が一般的である(振り子式車両又は車体傾斜式車両においては,必要に応じて,当該
装置を模擬できる装置を用いて行う。)。一方,車体相互間の試験は,契約で指定している最小曲線半径に
相当する曲線又は類似の曲線が工場内にある場合,その区間に車両を配置して確認する方法がある。これ
らは走行試験でも再確認することが望ましい。
8.2.2.4  集電装置の定置試験

――――― [JIS E 4041 pdf 15] ―――――

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JIS E 4041:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61133:2016(MOD)

JIS E 4041:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS E 4041:2019の関連規格と引用規格一覧

製品及び製品の試験方法(タイヤ/ベルト・プーリ),製品及び製品の試験方法(ホース),製品及び製品の試験方法(引布/軟質発泡材料),製品及び製品の試験方法(防振ゴム/免震ゴム/電線/オイルシール・パッキン/医療・日用品),製品及び製品の試験方法(はきもの)

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