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E 4071-1 : 2019
表1のモードV,VIIからX,XV及びXVIは適用できない。
PPS 主電源 ESS エネルギー貯蔵システム TE 主回路装置
BR ブレーキ抵抗器 AUX 補助回路機器
FC 燃料電池 FCCH 燃料電池用チョッパ装置 ESU エネルギー貯蔵ユニット
CH (ESS用)チョッパ装置 INV (TE用)インバータ装置 BCH (BR用)ブレーキチョッパ装置
R 抵抗器 APS 補助電源装置 AL 補助負荷
図5−燃料電池車両のシリーズハイブリッドシステム
4.2.3 直流電気車 : ESS並列接続
直流電気車でESSが並列接続された構成例を,図6に示す。
――――― [JIS E 4071-1 pdf 16] ―――――
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E 4071-1 : 2019
PPS 主電源 ESS エネルギー貯蔵システム TE 主回路装置
BR ブレーキ抵抗器 AUX 補助回路機器 CB 遮断器
ESU エネルギー貯蔵ユニット CH (ESS用)チョッパ装置 BCH (BR用)ブレーキチョッパ装置
FL フィルタリアクトル INV (TE用)インバータ装置 AL 補助負荷
R 抵抗器 APS 補助電源装置
図6−エネルギー貯蔵システムを並列接続する電気車のシリーズハイブリッドシステム
ESSは,ブレーキ(表1のモードX,XI又はXII)及び必要に応じてその他の運転モード(加速,惰行
など)(表1のモードI又はVI)の両方で充電できる。地上側が回生エネルギーを十分に受け取れない場
合も,モードX又はXIを用いることで回生ブレーキを使用することができる。地上側が十分に回生電力
を受け取ることができれば,主回路装置の全電力は地上側に返還される(表1のモードIX)。ブレーキ中
の主回路装置の回生電力がESSの充電電力と地上側で受け取れる電力との合計値より大きい場合,過剰電
力は,ブレーキ抵抗器で消費することができる(表1のモードXV,XVI,XVII又はXVIII)。
同様にESSは,加速時(表1のモードIII,IV又はV)及び必要に応じてその他の運転モード(ブレー
キ,惰行など)(表1のモードVII又はVIII)の両方で蓄積エネルギーを放電できる。モードIII又はIVを
用いることで主回路装置で消費する電力を減少することなく,つまり加速性能に影響せずに,加速時の地
上側から車両への入力電力を低減できる。
架線電圧の安定又は自動運転などの全体のシステム効率を最大にするか,所期の性能特性を保つために,
十分に設計された戦略を基に運転モードを選択することが望ましい。システムの電力の流れ及びESSの
SOCは,常に監視し制御することが望ましい。
このシステムは図6のPPSブロックに適宜電力変換装置又は変圧器を追加することで,交流き電を含む
複電源で運転する鉄道車両に容易に拡張できる。また,直流電気車のPPSブロックにチョッパ装置を設け,
ESSブロックのチョッパ装置を遮断器に置き換える例もある。
――――― [JIS E 4071-1 pdf 17] ―――――
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4.2.4 直流電気車 : ESS直列接続
直流電気車でESSが直列接続された構成例を,図7に示す。
UESS
UTE
UPPS
UPPS
UTE UPPS UESS
PPS 主電源 ESS エネルギー貯蔵システム TE 主回路装置
BR ブレーキ抵抗器 AUX 補助回路機器
ESU エネルギー貯蔵ユニット CH (ESS用)チョッパ装置 CB 遮断器
FL フィルタリアクトル INV (TE用)インバータ装置 BCH (BR用)ブレーキチョッパ装置
R 抵抗器 APS 補助電源装置 AL 補助負荷
S ESSバイパススイッチ
UPPS 主電源電圧,架線電圧
UESS ESS出力電圧
UTE 主回路装置出力電圧
図7−エネルギー貯蔵システムを直列接続する電気車のシリーズハイブリッドシステム
図4,図5及び図6の例と異なり,図7の構成は,主なサブシステムが接続される共通の直流リンクが
なく,図3と同じ構成とはみなせない。しかし,図2のようなブロック構成となる。
この構成ではESSは直流架線に直列に接続され,主回路インバータの入力電圧UESSはESS電圧UESSと
架線電圧UPPSとの和となる。この構成ではUTEはUPPSより大きくなり,主回路装置は地上側に返還するハ
イブリッド車の回生電力を増加させることなく,主回路インバータの出力電流も増やすことなく,より大
きな電力を扱うことができる。それゆえブレーキ中に電動機電圧を高めることで,回生ブレーキの範囲を
高速側に広げることができる。
UESSを負でないと仮定し,ESSはブレーキ中(表1のモードX及びXV)だけで充電でき,ESSに貯蔵
したエネルギーは,加速時(表1のモードIII)でだけ放電する。表1のモードI,IV,VからVIII,XI,
XII,XIV及びXVIIは適用できない。
――――― [JIS E 4071-1 pdf 18] ―――――
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4.3 シリーズハイブリッドシステムの性能
4.3.1 効率改善
シリーズハイブリッドシステムは,回生ブレーキを利用することで非ハイブリッドシステムより高効率
に設計できる。
例えば,図8に示す電気式ディーゼルシステムは,回生ブレーキを利用できない。図4のようにESSを
追加することで回生ブレーキが可能となる。
PPS 主電源 TE 主回路装置
BR ブレーキ抵抗器 AUX 補助回路機器
DE ディーゼルエンジン REC 整流器 INV (TE用)インバータ装置
BCH (BR用)ブレーキチョッパ装置 R 抵抗器 APS 補助電源装置
AL 補助負荷
図8−(ESSのない)電気式ディーゼル車の駆動システム
車上ESSは,架線が給電する電車の回生ブレーキの利用率を向上させることができる。図9に示す車上
ESSのないシステムでは,地上側がハイブリッド車の回生電力を受け取ることができない場合,回生ブレ
ーキを使用することができない。図6に示すようにESSを追加すれば車上ESSが主回路装置の回生電力を
吸収することで,回生ブレーキが使用できるようになる。
回生ブレーキに加えシリーズハイブリッドシステムは,PPSをより効率的運転条件で利用することでハ
イブリッドでないシステムより高効率に設計できる。
例えば,ディーゼルエンジン及び発電機は,ある動作点(例えば,エンジン速度,パワー)で最高効率
となる。しかし,図8に示す従来の電気式ディーゼルシステムでは,エンジン発電機は,最適動作点以外
での出力を余儀なくされる。図4に示すようにESSを追加することでエンジン発電機は,最高効率点のま
ま制御できる。
――――― [JIS E 4071-1 pdf 19] ―――――
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E 4071-1 : 2019
上記のように色々な構成モードを取り得る。エネルギーに関する定義によって適切に評価することが重
要である。これらの考え方を,附属書Bに示す。
PPS 主電源 TE 主回路装置 BR ブレーキ抵抗器
AUX 補助回路機器
CB 遮断器 FL フィルタリアクトル INV (TE用)インバータ装置
BCH (BR用)ブレーキチョッパ装置 R 抵抗器 APS 補助電源装置
AL 補助負荷
図9−(ESSのない)直流電気車の駆動システム
4.3.2 力行性能のアシスト
シリーズハイブリッドシステムのPPSの利用できる電力が限られる場合,ESSは主回路装置に供給する
電力を補足するように使われ,全車両の力行性能をアシストする。
図10は,どのようにアシストするかを示している。図では次のことを仮定している。
・ PBRは0
・ PAUXは無視できるほど小さい
・ PTE=PPPS+PESS
ここでPPPS,PESS,PTE,PBR及びPAUXは,図2のように定義する。
図10 a) に示す例では,低速領域(表1のモードII)で主回路装置に必要な全ての電力(けん引電力)
をPPSが供給する。速度の高い領域で電力がPPSの上限値を超えた場合,ESSがけん引電力を補足しハイ
ブリッド車両の引張力を増強する(表1のモードIII)。
次の点に注意することが望ましい。
・ ESSに十分なエネルギーが残っている場合だけアシスト可能である。それゆえ,有効なシステムとな
るように良好なエネルギー管理システムが必要である。
――――― [JIS E 4071-1 pdf 20] ―――――
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JIS E 4071-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62864-1:2016(MOD)
JIS E 4071-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS E 4071-1:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISE4001:2011
- 鉄道車両―用語
- JISE4031:2013
- 鉄道車両用品―振動及び衝撃試験方法
- JISE4041:2019
- 鉄道車両―完成車両の試験通則
- JISE5008:2017
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- 鉄道車両―電力用コンデンサ―第3部:電気二重層キャパシタ
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- 鉄道車両―永久磁石同期機