JIS E 5004-1:2006 鉄道車両―電気品―第1部:一般使用条件及び一般規則

JIS E 5004-1:2006 規格概要

この規格 E5004-1は、車両に組み込まれた電力回路,補助回路,制御回路,表示回路などのすべての電気品に対する一般使用条件全般と一般規則について規定。

JISE5004-1 規格全文情報

規格番号
JIS E5004-1 
規格名称
鉄道車両―電気品―第1部 : 一般使用条件及び一般規則
規格名称英語訳
Electric equipment for rolling stock -- Part 1:General service conditions and general rules
制定年月日
2006年2月6日
最新改正日
2016年10月12日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 60077-1:1999(MOD)
国際規格分類

ICS

29.280, 45.060.01
主務大臣
国土交通
JISハンドブック
鉄道 2019
改訂:履歴
2006-02-06 制定日, 2011-09-07 改正日, 2016-10-12 確認
ページ
JIS E 5004-1:2006 PDF [73]
                                                                                 E 5004-1 : 2006

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鉄道車輌工業会(JARI)/財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
  これによって,JIS E 5004:2000は廃止され,JIS E 5004-1及びJIS E 5004-2に置き換えられる。
  制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60077-1 : 1999,Railway applications
−Electric equipment for rolling stock−Part 1: General service conditions and general rulesを基礎として用いた。
  この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
  JIS E 5004-1には,次に示す附属書がある。
    附属書A(規定)沿面距離及び空間距離の測定
    附属書B(参考)定義した用語間の関係
    附属書C(参考)空間距離及び沿面距離の決め方
    附属書1(参考)環境条件の分類
    附属書2(参考)電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級
    附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表
  JIS E 5004の規格群には,次に示す部編成がある。
    JIS E 5004-1 第1部 : 一般使用条件及び一般規則
    JIS E 5004-2 第2部 : 開閉機器・制御機器及びヒューズの一般規則

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E 5004-1 : 2006

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[2]
  •  3. 定義・・・・[3]
  •  4. 試験の省略・・・・[5]
  •  5. 特性値の規定・・・・[5]
  •  5.1 定格電圧・・・・[5]
  •  5.2 装置の定格電圧・・・・[6]
  •  5.3 装置の定格電流・・・・[7]
  •  5.4 定格動作周波数・・・・[7]
  •  5.5 定格空気圧・・・・[7]
  •  6. 製品情報・・・・[7]
  •  6.1 情報の性質・・・・[7]
  •  6.2 表記・・・・[8]
  •  6.3 保管,ぎ装,運転及び保守・・・・[8]
  •  7. 通常の使用条件・・・・[8]
  •  7.1 概要・・・・[8]
  •  7.2 標高・・・・[8]
  •  7.3 温度・・・・[9]
  •  7.4 湿度・・・・[9]
  •  7.5 生物学的条件・・・・[9]
  •  7.6 化学的作用物質・・・・[9]
  •  7.7 機械的作用物質・・・・[9]
  •  7.8 振動及び衝撃・・・・[9]
  •  7.9 汚損環境に対する暴露・・・・[10]
  •  7.10 過電圧にさらされる条件・・・・[10]
  •  8. 構造上及び性能上の要求・・・・[11]
  •  8.1 構造上の要求・・・・[11]
  •  8.2 性能上の要求・・・・[13]
  •  9. 試験・・・・[24]
  •  9.1 試験の種類・・・・[24]
  •  9.2 構造上の要求に対する検証・・・・[27]
  •  9.3 性能上の要求に対する検証・・・・[27]
  •  附属書A(規定)沿面距離及び空間距離の測定・・・・[38]
  •  附属書B(参考)定義した用語間の関係・・・・[42]

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                                                                                 E 5004-1 : 2006
  •  附属書C(参考)空間距離及び沿面距離の決め方・・・・[44]
  •  附属書1(参考)環境条件の分類・・・・[47]
  •  附属書2(参考)電気絶縁材料の耐トラッキング性の等級・・・・[51]
  •  附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表・・・・[56]

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――――― [JIS E 5004-1 pdf 3] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                        JIS
                                                                           E 5004-1 : 2006

鉄道車両−電気品−第1部 : 一般使用条件及び一般規則

Electric equipment for rolling stock- Part 1: General service conditions and general rules

序文

 この規格は,1999年に第1版として発行されたIEC 60077-1,Railway applications−Electric equipment
for rolling stock−Part 1: General service conditions and general rulesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した
日本工業規格(日本産業規格)である。また,定格電圧,標高,周囲温度,温度上昇などについて,種別1にIEC 60077-1
を,種別2に改正前の日本工業規格(日本産業規格)などを併せて規定し,いずれかを選択できるようにした。今後,この
規格を適用する場合は,国際規格との整合化の主旨から種別1を優先的に適用することが望ましい。
 なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一
覧表をその説明を付けて,附属書3(参考)に示す。

1. 適用範囲

 この規格は,車両に組み込まれた電力回路,補助回路,制御回路,表示回路などのすべて
の電気品に対する一般使用条件全般と一般規則について規定する。
    備考 使用者と製造業者(以下,受渡当事者という。)間の協定があれば,これらの規則の一部を鉱山
          用機関車,無軌条電車などのような,他の車両に搭載する電気品に適用してもよい。
  この規格の目的は,車両用電気品に適用できる一般的特性に関するすべての規則と要求事項について,
できるだけ実用的に調和を図ることである。これは関係する電気品の間で,異なる規格による試験要求が
でないように,要求事項と試験を統一させるものである。
  次の各項に関係するすべての要求事項は,この規格による。
a) 通常の使用条件を通して予想される環境ストレス
b) 構造
c) 一般的に考えられる性能及び試験
  例えば,温度上昇,耐電圧特性などのような,広範囲にわたる要求事項と適用に関する特定の規定を含
めこの規格による。
    備考 この規格の対応国際規格を次に示す。
            なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
          (修正している),NEQ(同等でない)とする。
          IEC 60077-1:1999,Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 1: General service
              conditions and general rules (MOD)

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E 5004-1 : 2006

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格
の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記してい
ない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS C 0364-4-41:1997 建築電気設備 第4部 : 安全保護 第41章 : 感電保護
      備考 IEC 60364-4-41:1992Electrical insulations of buildings  Part 4: Protection for safety  Chapter
             41: Protection against electric shockが,この規格と一致している。
    JIS C 0920:2003 電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)
      備考 IEC 60529: 2001Degrees of protection provided by enclosures(IP Code)が,この規格と一致して
             いる。
    JIS C 2134:1996 湿潤条件下の固体絶縁材料の比較トラッキング指数及び保証トラッキング指数を決
        定する試験方法
      備考 IEC 60112:1979 Method of determining the comparative and the proof tracking indices of solid
             insulating materials under moist conditionsが,この規格と一致している。
    JIS C 4003:1998 電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価
      備考 IEC 60085:1984 Thermal evaluation and classification of electrical insulationが,この規格と一致
             している。
    JIS C 60068-2-1:1995 環境試験方法−電気・電子−低温(耐寒性)試験方法
      備考 IEC 60068-2-1:1990 Environmental testing−Part 2: Tests−Tests A: Coldが,この規格と一致し
             ている。
    JIS C 60068-2-2:1995 環境試験方法−電気・電子−高温(耐熱性)試験方法
      備考 IEC 60068-2-2:1974 Environmental testing−Part 2: Tests−Tests B: Dry heatが,この規格と一
             致している。
    JIS C 60068-2-3:1987 環境試験方法(電気・電子)高温高湿(定常)試験方法
      備考 IEC 60068-2-3:1969Environmental testing−Part 2: Tests−Tests Ca: Damp heat, steady stateが,
             この規格と一致している。
    JIS C 60068-2-52:2000 環境試験方法−電気・電子−塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウ
        ム水溶液)
      備考 IEC 60068-2-52:1996Environmental testing−Part 2: Tests−Tests Kb: Salt mist,cyclic (sodium
             chloride solution)が,この規格と一致している。
    JIS C 60721-3-5:2004 環境条件の分類−第3-5部 : 環境パラメータとその厳しさのグループ分類−車
        載機器の条件
      備考 IEC 60721-3-5:1997 Classification of environmental conditions  Part 3: Classification of groups
             of environmental parameters and their severities  Section 5: Ground vehicle installationsが,この規
             格と一致している。
        備考 抜粋した内容は,この規格の附属書1参照。
    JIS E 4001:1999 鉄道車両用語
      備考 IEC 60050(811):1991 International Electrotechnical Vocabulary(IEV)  Chapter 811: Electric
             tractionからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
    JIS E 4014:1989 鉄道車両の絶縁抵抗及び耐電圧試験方法

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                                                                                              3
                                                                                 E 5004-1 : 2006
    JIS E 4031:1994 鉄道車両部品−振動試験方法
    JIS E 4032:1994 鉄道車両部品−衝撃試験方法
    JIS E 4041:1999 電車の組立後の試験通則
      備考 IEC 61133:1992Electric traction  Rolling stock  Test methods for electric and thermal/electric
             rolling stock on completion of construction and before entry into serviceからの引用事項は,この規
             格の該当事項と同等である。
    JIS E 4042:1999 電気機関車の組立後の試験通則
      備考 IEC 61133:1992Electric traction  Rolling stock  Test methods for electric and thermal/electric
             rolling stock on completion of construction and before entry into serviceからの引用事項は,この規
             格の該当事項と同等である。
    JIS Z 8703:1983 試験場所の標準状態
    IEC 60050(151):1978 International Electrotechnical Vocabulary(IEV)  Chapter 151: Electrical and magnetic
        devices
    IEC 60050(441):1984 International Electrotechnical Vocabulary(IEV)   Chapter 441: Switchgear, controlgear
        and fuses
    IEC 60056:1987 High-voltage alternating-current circuit-breakers
    IEC 60071-1:1993 Insulation co-ordination  Part 1: Definitions,principles and rules
    IEC/TR 60536:1976 Classification of electrical and electronic equipment with regard to protection against
        electric shock
    IEC 60587:1984 Test method for evaluating resistance to tracking and erosion of electrical insulating
        materials used under severe ambient conditions
        備考 抜粋した内容は,この規格の附属書2参照。
    IEC 60664-1:1992 Insulation co-ordination for equipment within low-voltage systems  Part 1: Principles,
        requirements and tests
    IEC 60850: 2000 Railway applications−Supply voltages of traction systems
    IEC 61373:1999 Railway applications−Rolling stock equipment−Shock and vibration tests

3. 定義

 (附属書Bも参照)この規格では,JIS E 4001,IEC 60050,IEC 60056及びIEC/TR 60536の
規定の用語と定義によるほか,次による。
3.1   全般(general)
3.1.1  鉄道車両(rolling stock) 主電動機の有無とは関係なく,車両全般を表す一般用語。
3.1.2  車両(vehicle) 鉄道車両の一つの項目を表す一般用語,例えば,機関車,客車,貨車。
3.2   回路(circuits)
3.2.1  電力回路(power circuit) 例えば,引張力及びブレーキ力を出す主電動機及びコンバータのような
装置に電流を流す回路。
3.2.2  主回路(main circuit) ある機器が使用されて機能するために電流を流す機器の導電部全体。
3.2.3  補助回路(auxiliary circuit) 例えば,空気圧縮機及び送風機のような補機に電流を流す回路。
3.2.4  制御回路(control circuit) 電力装置又は補助装置を機能させるために使われる回路。
3.2.5  表示回路(indicating circuit) 例えば,電気装置内の故障を表示する信号のような,特定の動作条
件の有無を表示又は記録用の信号を伝達する回路。

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E 5004-1 : 2006
3.3   蓄電池(battery) 受け取った電気エネルギーを化学的形態の変化で貯蔵でき,かつ,そのエネルギ
ーを逆に放出できる電気化学システム。
3.4   試験の分類(test categories)
3.4.1  形式試験(type test) ある設計のもとで製造した一個又は複数の機器を試験して,その設計が規
定の仕様を満足していることを示すための試験。
3.4.2  受渡試験(routine test) 個々の機器を製造過程の段階又は製造後に試験して,一定の合格判定基
準を満たしていることを確かめるための試験。
3.4.3  抜取試験(sampling test) ある生産ロットから,任意に抜き取った規定数の機器に対して行う試
験。
3.4.4  調査試験(investigation test) 追加の情報を得るために実施する任意の特別な試験。
3.5   露出導電部(exposed conductive part) 通常は課電されていないが,故障条件によっては活電部とな
る可能性のある人が容易に触れられる導電部。
3.6   特性を表す数値(characteristic quantities)
3.6.1  限度値(limiting value) 仕様書上で,ある数値に対する最大又は最小の許容値。
3.6.2  公称値(nominal value)(Un) 機器又は装置の電圧を示したり,識別するために使用する適切な
おおよその数値。
    備考 この規格においては,“公称”という用語は,電車線電圧回路及び蓄電池電圧回路の電圧を示す
          ときだけに使用する。
    参考 国土交通省の“鉄道に関する技術上の基準を定める省令(以下、省令という。)”にある標準電
          圧に合わせて,この規格では,電車線電圧の公称電圧を標準電圧と呼ぶ。
3.6.3  定格値(rated value) 通常,製造業者が指定する動作条件に対して,機器又は装置に規定する数
値。
3.6.4  使用電圧(working voltage) 回路開放条件又は正常な動作条件下で,過渡値は除外して,電車線
電圧をかけたときに,絶縁部を挟んで発生する可能性のある最高の交流rms電圧値又は最高の直流電圧値。
    備考 装置内のある部分にかかる使用電圧は,供給電圧とは違うことがある。例えば,
        a) 装置の一部分であると考えられる場合(変圧器やコンバータのあとにある。)
        b) 回路の導電部が,車体構体に直接接続されていない場合
        c) 電圧が供給電圧の一部である場合(直列に機器がある。)
        d) 二次絶縁又は二重絶縁が考えられる場合
3.6.5  等価連続責務(equivalent continuous duty) 通常,電流値,電圧値,空気圧値など時間とともに変
化する特性で表され,車両に搭載される電気装置の責務。 満たされるべき条件・仕様を網羅してはじめて,
装置の様々な部分が規定される。しかし,場合によっては,考えられる使用条件からの電気的,機械的又
は熱ストレスのいずれかの観点から,相当する等価責務及び実際の使用条件と等価であると知られている
等価責務を規定すれば十分である。関連する試験に引用してあるのは,その等価連続責務である。
3.6.6  等価連続定格電流(equivalent continuous rated current) 等価連続責務に相当する電流(値)。
3.6.7  等価連続定格電圧(equivalent continuous rated voltage) 等価連続責務に相当する電圧(値)。
3.6.7A 耐久力(durability) 修繕又は部品の交換をすることなく,その装置が性能を維持できる期待寿命
(時間又はサイクル数)を表す。
    参考 修繕又は部品を交換して使用できる限度を耐用年数という(JIS E 5006の1.3.16参照)。
3.7   絶縁(insulations)

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                                                                                              5
                                                                                 E 5004-1 : 2006
3.7.1  機能絶縁(functional insulation)ある装置本来の機能のためだけに必要な,導電部間の絶縁。
3.7.2  基礎絶縁(basic insulation) 人間の安全性にかかわる感電に対する基本的防護を施した活電部の
絶縁。
    備考 基礎絶縁には,機能絶縁を必ずしも含める必要はない。
3.7.3  補強絶縁(supplementary insulation) 基礎絶縁が損傷したときの感電防止のために,基礎絶縁のほ
かに設ける独立した絶縁。
3.7.4  強化絶縁(reinforced insulation) 二重絶縁と同等程度の感電防止策がとれるようにした,活電部
に施す単一絶縁システム。
    備考 単一絶縁システムとは,“絶縁に同質の材料を使わなければならない”という意味ではない。複
          数の層に構成されていて,基礎絶縁又は補強絶縁として,別個に試験できない場合もある。
3.7.5  二重絶縁(double insulation) 二段階の絶縁で,第一段部は導電部と中間枠間,第二段部は中間枠
と車体間である。

4. 試験の省略

 電気品の特性のうち,製造業者が仕様上の情報を提供できる場合,そのリストを提出し,
試験を省略してもよい。

5. 特性値の規定

(附属書Bも参照) 電気品は使用目的を定め,関係する製品別規格に規定する。次の●一つ又は複数のパラメータで特性を示す。 a) 電流(単数又は複数の規定値) b) 電圧(単数又は複数の規定値) c) 周波数(単数又は複数の規定値) d) 空気圧(単数又は複数の規定値) 備考 これらのパラメータがすべてではなく,適宜,他のパラメータを追加してもよい。●

5.1 定格電圧

(rated voltage)●5.1.1 一般 定格電圧は,一般的に電気品の入力値と出力値の両方に規定する。その数値は通常,製造業 者が規定する。 5.1.2 定格動作電圧(rated operational voltage) (Ue) 電気品の定格動作電圧は,定格動作電流と定格動作 周波数とを組み合わせて電気品の用途を規定し,関連する試験及び特性値を規定する電圧値である。 5.1.3 定格絶縁電圧(rated insulation voltage)(Ui) 定格絶縁電圧値は,耐電圧試験の試験電圧及び,沿面 距離を規定する電圧値である。使用電圧又は定格動作電圧の最大値は,いかなる場合でも定格絶縁電圧の 最大値を超えてはならない。定格絶縁電圧は,例えば,電車線に5分間以上という,ある規定の時間,電 極間及び沿面距離を介して存在する電圧の最高rms値以上とする。ただし,非繰返しの過渡電圧は,除外 する。電圧が純正弦波又は連続波形でない場合,rms値又は平均値だけで,その機器の定格絶縁電圧を規 定してはならない。耐電圧強度に影響する次のような規定がない場合,この電圧は実際のrms値と等しく てよいが,ピーク値の70 %以上であることが望ましい。 a) 周期的インパルスの流れる時間及びその発生頻度との比率 b) それぞれ発生する時間内のインパルス数 c) インパルスの上昇電圧比(dv/dt) 5.1.4 定格商用周波の耐電圧(rated power-frequency withstand voltage)(U50又はU60) 定格商用周波の耐 電圧は,試験の規定条件では絶縁破壊を起こさない電圧であり,商用周波の正弦波電圧のrms値である。●

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E 5004-1 : 2006
5.1.5  定格インパルス耐電圧(rated impulse withstand voltage)(Uimp) 定格インパルス耐電圧は,試験の規
定条件及び規定の空間距離値で,絶縁破壊を起こさずに耐えることのできる電圧値であり,規定の波形と
極性のインパルス電圧の最高のピーク値である(U 1.2/50 μs)。
  電気品の定格インパルス耐電圧は,その電気品が組み込まれている回路に発生する過渡的な過電圧仕様
値と同等以上でなければならない。

5.2 装置の定格電圧

5.2.1  電車線からの電力供給 電車線から電力供給を受ける場合の装置の定格動作電圧Ueは,次の種別
1又は種別2のいずれかによる。
  種別1
  装置の定格動作電圧Ueは,IEC 60850に規定されている電車線供給電圧の連続する最高電圧値である。
    参考1. 定格動作電圧Ueは,表0Aの最高電圧の欄の種別1の欄に,これらの数値を示してある。
        2. IEC 60850(2000)に規定する継続する最高電圧の値(Umax1)が,通常,耐電圧試験の試験電圧及
            び沿面距離を規定する根拠となる定格絶縁電圧(Ui)である(5.1.3及び附属書C参照)。
  種別2
  定格動作電圧Ueは,表0Aの最高電圧の欄の種別2の欄に示す数値とする。この電車線電圧の標準電圧
を耐電圧試験の試験電圧値算定に用いるときの定格回路電圧(U)とする(9.3.3.3.2の種別2参照)。
                     表 0A 電車線標準電圧及び周波数並びにそれらの変動範囲
                        電車線電圧                                         商用周波数
                            V                                                 Hz
           最低電圧                               最高電圧           定格周波数    変動範囲
                               標準電圧
      種別1        種別2                     種別1        種別2          −           −
       400          360        直流 600       720          720           −           −
       500          450        直流750        900          900           −           −
       1 000        900       直流1 500       1 800       1 800          −           −
       2 000        −        直流3 000       3 600        −            −           −
                                                                                  4951又は
        −          400        交流600         −          595       50又は60
                                                                                    5961
      12 000         −       交流15000      17 500         −         16 2/3     16 1/617
    (16 000)     16 000     交流20000    (22 000)     22 000
                                                                                  4951又は
      19 000       22 500     交流25000      27 500       30 000     50又は60
                                                                                    5961
      38 000         −       交流50000      55 000         −
   参考1. これらの数値は,JIS E 5008の表2及び表3の種別2の数値と一致している。
       2. ( )はIEC 60850(2000)には規定されていないが,次期改正に対して日本が提案中の数値である。
5.2.2  主変圧器からの電力供給 主変圧器巻線から給電される装置の定格動作電圧Ueは,主変圧器の一
次側巻線に定格動作電圧を印加したときに当該巻線端子におけるrms電圧である。第二変圧器が上記の主
変圧器と当該装置の間に接続されている場合,その定格動作電圧Ueは,上記の定格動作電圧に,第二変圧
器の変圧比を乗じた電圧である。
5.2.3  独立した発電装置又はコンバータからの電力供給 独立した発電装置又はコンバータから供給さ
れる装置の定格動作電圧Ueは,その電源装置が発生する最高限度の電圧である。
5.2.4  浮動充電している蓄電池からの電力供給 蓄電池回路公称電圧Unは,次に示す電圧値から選択す
るものとする。

――――― [JIS E 5004-1 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
                                                                                 E 5004-1 : 2006
          24 V      48 V      72 V      87 V       96 V      110 V
    備考1. これらの公称電圧値は,装置設計用の標準値としてだけ規定したものであり,これらの数値
            を無負荷時の蓄電池電圧と考えてはならない。蓄電池電圧は,蓄電池の種類,セル数及び動
            作条件から決まる。
        2. 公称電圧26.5 Vの蓄電池は,公称電圧24 V用の装置への電源供給用に使ってもよい。これ
            らの公称電圧値と異なる蓄電池を用いる場合には,要求条件については受渡当事者間で協定
            して規定するものとする。
    参考 追加したUn=87 Vは,日本国内で広く採用されている定格(動作)電圧(Ue)100 Vに対応する
          公称電圧である。
  浮動充電されている蓄電池から供給される装置の定格動作電圧Ueは,1.15Unに等しい。
    備考 この定格動作電圧に相当する電圧値は,通常の運転条件における充電装置の最高限度電圧であ
          る。
5.2.5 蓄電池からの電力供給 浮動充電しない蓄電池からだけ電源供給される装置の定格動作電圧Ueは,
1.1Unに等しい。この電圧は,その種類と動作条件に適していて,合意した定格の電流を装置に供給する蓄
電池の完全充電したときの端子電圧である。
    備考 ここでいう蓄電池は,放電に限定して使われるもので,充電中に使われることはない。

5.3 装置の定格電流

5.3.1  定格動作電流(Ie) 電気品の定格動作電流は,定格動作電圧と定格動作周波数を勘案して製造業者
が規定する。
5.3.2  定格短時間耐電流(Icw) 電気品の定格短時間耐電流は,関係する製品別規格に規定された試験条件
のもとで,その電気品が損傷せずに通電できる電流として,製造業者がその電気品に規定した短時間耐電
流値である。

5.4 定格動作周波数

 電気品の定格動作周波数は,定格動作電圧を勘案して製造業者が規定する。

5.5 定格空気圧

 空気機器又は電空機器に供給する空気の定格空気圧は,調圧器の調整範囲の最大限度
値で,かつ,関連する試験に規定する数値である。空気機器及び電空機器の定格空気圧は,受渡当事者間
の協定による。

6. 製品情報

6.1 情報の性質

 製造業者は電気品の各用品に関係する製品別規格が規定されている場合,各用品ごと
に,次に示す情報を提供する。
a) 識別
  1) 製造業者名又は商標
  2) 電気品の名称又は製造番号
  3) 製品の変更状況
  4) 適用する製品別規格
b) 特性 次の項目から,必要な項目内容を規定する。
  1) 定格動作電圧(単数又は複数の規定値)
  2) 定格絶縁電圧
  3) 定格インパルス耐電圧
  4) 定格動作電圧(単数又は複数の規定値)点における定格動作電流(単数又は複数の規定値)

――――― [JIS E 5004-1 pdf 10] ―――――

8
E 5004-1 : 2006
  5) 定格動作周波数(単数又は複数の規定値)
  6) 最大入力電流
  7) 関係する製品別規格の規定による機械的及び電気的耐量に関する動作回数
  8) 関係する製品別規格の規定による過負荷及び/又は故障条件における定格性能
  9) 装置をきょう(筐)体に収納した場合のIPコード(JIS C 0920による。)
  10) 装置が受け入れられる汚損度(7.9による。)
  11) 各制御回路の定格電圧,定格周波数及び定格電流(それぞれに単数又は複数の規定値がある。)
  12) (空気式制御装置に対して)定格空気圧及び変動範囲
  13) 最大寸法
  14) きょう体の最小寸法及び必要な場合には,定格点における冷却換気に関するデータ
  15) 当該装置とそのきょう体間の最小距離
  16) きょう体なしで使用する電気品の場合には,当該電気品と車両構体に接続されている金属部間の最
      小距離
  17) 質量
  上記の仕様特性値の中には,当該電気品が温度換算した周囲の空気温度値で補正されている場合がある。

6.2 表記

 6.1に規定する項目のうちで,当該電気品に表記すべき事項は,すべて関係する製品別規格に
規定する。少なくとも次の項目を当該電気品に表記する。
a) 製造業者名又は商標
b) 電気品の名称,形式
c) 製造番号,製造年月又は製造コード
  これらは,製造業者から完全な履歴データが得られるように,銘板がある場合には,その銘板上に表記
するのが望ましい。これらの表記は明りょう,かつ,消えないようにする。

6.3 保管,ぎ装,運転及び保守

 製造業者は,提供する資料,カタログなど何らかの形で,運用中及び
故障発生後の当該電気品の保管,ぎ装,運転及び保守に関する取扱説明書を提出する。
  当該装置の保管,輸送,ぎ装及び運転に関する説明書には,必要なら,当該電気品の適切,かつ,正確
な取付ぎ装,コミッショニング(参考の項参照)及び運転に関する特に重要な処置法を示すようにする。
  これらの資料には,製造業者が推奨する保守の程度と点検周期が必要な場合には,記載する。
    備考 この規格が適用されるすべての電気品は,必ずしも,保守を前提に設計されているわけではな
          い。
    参考 コミッショニングは,装置を適正に使用開始できるようにするための始動要領書などの意味で
          ある。
6.3A 取付け 車両への取付場所及び取付方法に関しては,車両が通常の運転中に受けるようなじんあい,
雨及び雪(特に粉雪)に対して,機器が正常に動作できるように防護しなければならない。

7. 通常の使用条件

7.1 概要

 特別の規定がない場合,通常の使用条件は,JIS C 60721-3-5に記載されている環境条件から
選択する。
    参考 JIS C 60721-3-5の抜粋した内容は,附属書1参照。
  通常の使用条件とは,環境,運転及びぎ装条件の組合せである。

7.2 標高

 装置が正常に機能する標高は,次の種別1又は種別2のいずれかによる。

――――― [JIS E 5004-1 pdf 11] ―――――

                                                                                              9
                                                                                 E 5004-1 : 2006
  種別1 標高は,1 400 mを超えないものとする。
  種別2 標高は,1 200 mを超えないものとする。
    備考 これ以上の標高で使用するぎ装品に対しては,耐電圧強度及び空気の冷却効果の低下を考慮す
          る必要がある。そのような用途の装置は,受渡当事者間で協定して,設計又は使用するのが望
          ましい。

7.3 温度

7.3A 周囲の空気温度(Ta) 周囲温度の規定は,次の種別1又は種別2のいずれかによる。ただし,周囲
温度がこれらの規定の範囲外にある場合には,受渡当事者間の協定による。
  種別1 環境上の周囲温度は,JIS C 60721-3-5の等級5K2から引用した規定であり,その範囲は,−25 ℃
から+40 ℃である。
    参考 等級5K2の内容については,附属書1の附属書1表1参照。
  種別2 外気温度の範囲は−10 ℃から+40 ℃とする。
  きょう体,発熱源又は日射の影響のため,周囲の空気温度より高い温度の空気中に当該電気品が設置さ
れている場合には,必要に応じ高い温度に対する定格を定める。
7.3B 基準温度(Tr)
  絶縁材料の経年劣化に影響する継続する一定温度が,全寿命期間中の気候上の温度と等価であるとされ
ている基準温度Tr は,次の種別1又は種別2のいずれかによる。
  種別1 基準温度Tr = 25 ℃とする。
  種別2 基準温度Tr = 20 ℃とする。
    備考 保管時の温度は,特別に記載されていない限り,通常の使用条件とは考えない。

7.4 湿度

 湿度条件は,次の種別1又は種別2のいずれかによる。
種別1 JIS C 60721-3-5,等級5K2に規定されている次の湿度条件を適用する。
a) 相対湿度は,温度変化がなければ40 ℃で95 %とする。
b) −25 ℃から+30 ℃までの範囲で,急激な温度変化がある場合の相対湿度は,95 %とする。ただし,
    最高の絶対湿度は30 g/m3とする。
    参考 等級5K2の内容については,附属書1の附属書1表1参照。
種別2 特に指定がない限り,湿度の範囲は,4090 %とし,標準湿度は65 %とする。

7.5 生物学的条件

 生物学的に不調となる危険度は,JIS C 60721-3-5,等級5B2を適用する。
    参考 等級5B2の内容については,附属書1の附属書1表2参照。

7.6 化学的作用物質

 化学的作用物質は,JIS C 60721-3-5,等級5C2を適用する。
    参考 等級5C2の内容については,附属書1の附属書1表3参照。

7.7 機械的作用物質

 機械的作用物質は,JIS C 60721-3-5,等級5S2を適用する。
    参考 等級5S2の内容については,附属書1の附属書1表4参照。

7.8 振動及び衝撃

 電気品が動作中に受ける振動及び衝撃に関する特別の規定がない場合には,次の種
別1又は種別2のいずれかによる。
  種別1 電気品は,IEC 61373に規定されているように,使用中に受ける可能性のある振動及び衝撃の
範囲全体にわたる周波数と加速度レベルに耐えなければならない。
  種別2 振動試験はJIS E 4031,衝撃試験はJIS E 4032による。

――――― [JIS E 5004-1 pdf 12] ―――――

10
E 5004-1 : 2006

7.9 汚損環境に対する暴露

 電気品は,その設置場所によって,さまざまな汚損度の環境にさらされる。
電気品及び構成機器は,配置場所や方向によって,ほこり,ごみ,水などが付着して,空間距離や沿面距
離の効果が減少するので,特に空間距離及び沿面距離に関しては汚損条件を考慮して設計する。
  空間距離又は沿面距離が小さい場合には,小さな固体物質,ほこり,ごみ及び水で,電気的に完全につ
ながり,絶縁不良となることがあるので,最小空間距離及び最小沿面距離を確保することが必要である。
空間距離や沿面距離に対する汚損の影響を少なくするために,収納箱,カプセル化又は密封シールの効果
的な採用を適切に考慮することが望ましい。
  耐電圧性能に対する汚損の影響を汚損度として,次のように4段階に分類する。
a) 汚損度 PD1
      汚損なし又は乾燥状態だけの場合で,導電性の汚損は起きないので,汚損の影響はない。
    備考 JIS C 0920に基づくIPコードが,IP65のような適切な密封処置をしない限り,車両用にこの汚
          損度を採用することは推奨しない。
    参考 IP65は,耐じん(じんあいの侵入がない)構造で,あらゆる方向からのジェット噴流水によっ
          ても有害な影響を及ぼさないレベル。
b) 汚損度 PD2
      通常,非導電性の汚損が起きるだけである。しかし,装置が使用されていないときに,結露して一
    時的な導電性を生じることが,ときたま起きることがある。
    例 きょう(筐)体内に配置して,確実に効果的な汚損対策をとるためには,JIS C 0920によるIPコ
        ードでIP54以上が必要である。
    参考 IP54は,じんあいの侵入を完全には防止できないが,器具の動作及び安全性を阻害する量の侵
          入のない防じん構造で,機器のあらゆる方向からの水の飛まつによっても有害な影響を及ぼさ
          ないレベル。
c) 汚損度 PD3
      導電性のある汚損又は乾燥した非導電性汚損であるが,結露すると導電性となる可能性がある。
    例 降雨,降雪,厳しいほこり,ごみなどに直接,暴露されることのない機器室内又は収納箱内に配
        置される場合。
d) 汚損度 PD4
      汚損によって導電性が継続して生じる。
    例 車両の外側,屋根,床下など。
    備考 汚損の厚み/大きさが重要な問題となる場合,最小空間距離及び最小沿面距離を適切な等級ま
          で増やすことが望ましい。

7.10 過電圧にさらされる条件

 電気品は,外部電源である電車線ネットワークからの過電圧又は電気品
自体が発生する過電圧,例えば,開閉サージ,雷サージなどにさらされる。しかし,その程度は対象とな
る電気品の部位によって異なる。電気品を設計する場合,こうした過電圧条件を考慮して空間距離を決め
る必要がある。
  過電圧の影響は,次のように4段階に分類する。
a) 過電圧分類 OV1
      装置の外部及び内部に過電圧保護のある回路で,回路内では次のような理由で,限られた過電圧だ
    けしか起こらない場合。
  1) 電車線に直接接続されていない。

――――― [JIS E 5004-1 pdf 13] ―――――

                                                                                             11
                                                                                 E 5004-1 : 2006
  2) 内部だけで動作している。
  3) 装置又は機器の中にある。
b) 過電圧分類 OV2
      電車線に直接接続されていない回路で,過電圧保護のある回路。
c) 過電圧分類 OV3
      電車線に直接接続されているが,過電圧保護がある回路であり,外部の過電圧にはさらされること
    のない回路。
d) 過電圧分類 OV4
      電車線に直接接続されていて,接続点に近い位置には過電圧保護装置のない回路であり,雷又は開
    閉過電圧にさらされる可能性のある回路。
    備考 過電圧分類については,次のように区別を説明できる。
        1.   車両は通常,ある電圧保護レベルの過電圧保護装置を装備しており,その電圧保護レベルは
             その装置特性から決まる。したがって,開閉機器又は遮断器によって隔離できる回路で,そ
             の過電圧保護装置の上流部に位置して集電装置にいたるまでの部分だけが,過電圧分類 OV4
             の条件であると考えられる。
        2.   避雷器以外に過電圧を低減できる保護装置のない電力回路は,過電圧分類 OV3の条件を満
             足していると考えられる。
        3.   フィルタによる追加の保護がある場合又は機器(例えば,半導体)によって本質的に保護さ
             れている電力回路で,過電圧サージレベルが既知でない場合は,過電圧分類 OV2の条件で
             あると考えられる。
        4.   当該回路が電気的に絶縁されているか,何段かの連続したフィルタがあるか又は同様な役割
             をもつ機器があって,大電力回路から当該回路が隔離されている場合には,過電圧分類 OV1
             の条件である。

8. 構造上及び性能上の要求

8.1 構造上の要求

8.1.1  電気的な危険性 人が触れる可能性のある導電部は,等電位接続を確実に行う。つまり,乗客又は
関係者が次のような部位に触れた場合,電気品が感電又は火災を引き起こす危険性のない構成であるよう
に注意を払う。
a) 装置又は電気導体の活電部
b) 故障などのときに活電部となる金属体
  故障時以外には電位がかかることはないが,人が触れる可能性のある露出導電部は,金属又は他の導電
材料であっても,車体又は車体を構成する箇所に,直接又は防護ボンディング導体を経由してボンディン
グ処置を行う。特に腐食又は疲労劣化が原因で,時間が経過するとボンディング抵抗値が増加することの
ないように,十分に注意しなければならない。
  公称電圧が直流60 V又は交流25 V以上又は当該適用国の法律で規定されている装置に対する限度値よ
り高い電圧の場合,JIS C 0364-4-41による適切な感電保護対策によって,直接又は間接であっても装置の
活電部には人が触れられないようにしなければならない。
  コンデンサに危険な残留電位がある場所に触れる可能性がある場合には,そのコンデンサが接続されて
いる回路に触れる前に,コンデンサを放電できる放電システムを設けなければならない。

――――― [JIS E 5004-1 pdf 14] ―――――

12
E 5004-1 : 2006
  いかなる故障が発生した場合にも,ヒューズ又は遮断器いずれかの保護の選定及び接地回路の電気抵抗
を選定して,同時に触れる可能性のある2か所の金属部位間に直流120 V又は交流50 V以上の電圧が生じ
ないようにしなければならない。
8.1.2  帰線電流回路及び防護ボンディング
8.1.2.1  一般 回路の全電流は,損傷又は感電の危険がなく,電源側へ確実に戻るように回路を設計する。
回路には,帰線電流回路及び防護ボンディングの両方に対して,2回路以上の隔離された経路があり,一
方の経路が故障でも,損傷又は感電の危険性がないように構成する。防護ボンディングと帰線電流の回路
は,合体してもよい。いずれの経路も目視点検できる場所に設ける。
  レールなどの地上設備への接続は,走行用レール又は特別の帰線用レールに対して,2軸以上の輪軸に
設けた列車当たり2組以上の接地ブラシ又は2組以上の帰線用集電装置を設ける。
  損傷又は感電防止のために,帰線電流経路の故障は,例えば,マニュアル又はモニタ装置のような適切
な手段で検知できるようにする。そうした通電経路は,当該経路を流れる全電流を通電できる寸法とする。
また,電流は,すべて走行レールへ流れるものとする。
8.1.2.2  電力回路の帰線電流 電力回路の帰線電流回路は,次のいずれかの方法による。
a) 車体から及び露出した導電部から絶縁されている接地端子板に,全回路を個別に接続し,その端子板
    から帰線用集電器(接地ブラシ/帰線用集電装置)へ接続する。
b) 又は全電力回路を車体に接続し,その車体から帰線用集電器(接地ブラシ/帰線用集電装置)に接続
    する。電力回路の帰線電流回路は,車両内に故障が発生したときに,短絡保護回路システムの性能に
    悪影響を与えてはならない。
8.1.2.3  車両の接地 車両の車体及び接地を必要とする台車枠には,帰線用の接地端子板,帰線用集電装
置又は(例えば,軸受損傷の危険性がないことが実証されている小電流の場合で)妥当なら,車軸軸受の
いずれかに直接接続する。次のような場合,保護回路は,車体構体を抵抗器又はリアクトルを介して,帰
線用電流集電器に接続することが必要な場合がある。
a) 帰線用の電流経路より高インピーダンスの回路が必要な場合。
b) 車軸軸受を流れる電流を制限する場合。
  これは接地ブラシを装備していない車軸軸受の場合,特に配慮を必要とする。
8.1.2.4  防護ボンディングの定格 防護ボンディングは適切な強度と通電容量をもつ寸法とし,露出導電
部は故障条件においても,感電事故を起こさないようにする。防護ボンディング用コネクタは,あらゆる
条件において,確実にそのボンディング効果を維持できるものとする。
8.1.3  蓄電池 蓄電池の充放電のときに,水の電気分解によって生じる水素ガス濃度を確実に4 %以下
にするため,蓄電池室は換気を必要とする場合がある。換気の障害を最小にすることは,重要であり,換
気空気の出口は大気へ開くようにする。空気の入口と出口の開口部は,できるだけ最良の場所に,つまり
換気の入口及び出口は,それぞれ蓄電池収納箱の反対側の壁に設けるように配置する。また,蓄電池から
出力側ヒューズまでのケーブルは,最短となるようにする。
8.1.4  電磁界 装置類が発生する電磁界は,仕様書に規定値がある場合には,確実にその規定値の限度内
にあるように,設計及び装置の配置について配慮するのが望ましい。
8.1.5  火災に対する防護 発火の危険性のある回路及び装置は,効果的に防護する。使用する非金属材料
は,省令第83条の規定による耐燃焼性に優れているものを選択する。
  火災延焼防止のために,取付ぎ装に関して,防火仕切り壁,消火器などの特別な事項を規定してもよい。

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JIS E 5004-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60077-1:1999(MOD)

JIS E 5004-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS E 5004-1:2006の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISE4001:2011
鉄道車両―用語

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