JIS F 7008:2001 規格概要
この規格 F7008は、一般管,ヒートトレース管及びタンクの保温,船舶機関室内の排ガス管及び煙路の防熱並びに通過ダクトの防露に関する設計基準及び施工基準について規定。
JISF7008 規格全文情報
- 規格番号
- JIS F7008
- 規格名称
- 管系保温―防熱基準
- 規格名称英語訳
- Standard specification of thermal insulation for piping
- 制定年月日
- 1987年11月14日
- 最新改正日
- 2016年10月25日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 47.020.30
- 主務大臣
- 国土交通
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1987-11-14 制定日, 1993-07-14 確認日, 1996-11-08 改正日, 2001-03-05 改正日, 2006-08-10 確認日, 2012-02-24 確認日, 2016-10-25 確認
- ページ
- JIS F 7008:2001 PDF [10]
F 7008 : 2001
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶
標準協会 (JMSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS F 7008 : 1996は改正され,この規格に置き換えられる。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS F 7008 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
F 7008 : 2001
管系保温−防熱基準
Standard specification of thermal insulation for piping
1. 適用範囲 この規格は,一般管,ヒートトレース管及びタンクの保温,船舶機関室内の排ガス管及び
煙路の防熱並びに通風ダクトの防露に関する設計基準及び施工基準について規定する。
備考1. 一般管とは,蒸気管,潤滑油管,燃料油管,熱媒油管,給水管及び温水管をいう。
2. 排ガス及び煙路については,煙突内も含める。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 9504 人造鉱物繊維保温材
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS R 3414 ガラスクロス
3. 設計基準
3.1 施工範囲 保温及び防熱は,内部流体の温度が60℃以上の管系に施工し,防露は露の滴下によって
害を及ぼす箇所に施工する。ただし,冷却清水管は除く。
3.2 温度条件 保温材厚さは,機関室温度が35℃のとき,保温材表面温度を55℃を条件として設計する。
3.3 保温材の厚さの計算式 保温材の厚さは,次の式による。
2 ( o r) ( s r)
Q 基本式
2 1 d1 1
1n
d1 d0 d1
d1 2 o s
d1 1n 応用式1
d0 s r
d1 2 o s
d1 1n 応用式2
d0 s r
ここに, Q : 通過熱量 (W/m)
d0 : 保温材内径 (m)
d1 : 保温材外径 (m)
保温材熱伝導率 (W/mK)
懿 表面の熱伝導率 (W/m2K)
内部温度 (℃)
外部(室内)温度 (℃)
ln : 自然対数
保温材表面温度 (℃)
――――― [JIS F 7008 pdf 2] ―――――
2
F 7008 : 2001
備考1. 基本式の左辺は,管内から管表面に伝達する熱量を示し,右辺は,機関室と保温材との熱伝
達による放散熱量を示す。
2. 応用式1は,基本式を変形させたものである。
3. 保温材の厚さは,応用式2の左辺の値(管の外径別,保温材の厚さ別)を求め,次に右辺の
値を求めてから左辺と右辺の値を比較し,左辺値>右辺値で,かつ,左辺値≒右辺値となる
左辺値(近い値でよい。)から導き出す。
4. 適用材料
4.1 保温材の種類 保温材の種類及びそれらの適用材料は,表1による。
表1 保温材の種類
保温材の種類 適用材料
ロックウール保温板JIS A 9504のロックウール
ロックウール保温筒
グラスウール保温板JIS A 9504のグラスウール
グラスウール保温筒
備考 保温材は,通常ロックウール又はグラスウールを
用いて製造するが,これらと同等以上の保温効果
があると認められる材料を使用してもよい。
なお,石綿材は使用してはならない。
4.2 外皮材の種類 外皮材の種類及びそれらの適用材料は,表2による。
表2 外皮材の種類
外皮材の種類 適用材料
亜鉛めっき鋼板 JIS G 3302の溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯又は
JIS G 3313の電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
ガラスクロス JIS R 3414のガラスクロス
アルミニウムはく付 −
きガラスクロス
綿帆布 −
備考 外皮材は,通常上記のものとするが,これらと同等以上の効果が
あると認められる材料を使用してもよい。
5. 施工基準
5.1 用途別施工基準 施工基準は,通常用途別とし,次による。
なお,各保温材の厚さは,表4,表5,表7,表8,表9及び表10によることが望ましい。
a) 排ガス管及び煙路の防熱 排ガス管及び煙路の防熱に関する施工箇所及び適用材料は表3のとおりと
し,施工の一例を図1に示す。
――――― [JIS F 7008 pdf 3] ―――――
3
F 7008 : 2001
表3 排ガス管及び煙路の防熱に関する施工箇所及び適用材料
施工箇所 適用材料
保温材 外皮材
管 煙突甲板まで ロックウール保温板
亜鉛めっき鋼板又はアルミニウムはく
付きガラスクロス
ロックウール保温筒
煙突内 ガラスクロス
(煙突甲板上2mまで)
フランジ ロックウール保温板 アルミニウムはく付きガラスクロス又
継手 はガラスクロス
備考1. 保温材は,脱落しないように固縛する。
2. きっ甲金網は,必ずしも使用しなくてもよい。
3. 煙突甲板上2m以上の煙突内は,防熱しない。
4. アルミニウムはく付きガラスクロスについては,燃料油などの含浸及び火災の危険性
がない場合には,アルミニウムはくの付いていないものを使用してもよい。
図1 排ガス管及び煙路の防熱の施工例
――――― [JIS F 7008 pdf 4] ―――――
4
F 7008 : 2001
表4 機関室内の排ガス管及び煙路の保温材の厚さ
単位 mm
呼び径 内部流体温度
250℃を超え 300℃を超え 350℃を超え 400℃を超え 450℃を超え
250℃以下 300℃以下 350℃以下 400℃以下 450℃以下 500℃以下
100以下 50 50 (40) 65 75 (50) 90 100 (50)
100を超え 200以下 (40) 65 (40) 90 (50) 115
200を超え 300以下 (40) 75 (50) 100 (50)
300を超え 400以下 (40) (50)
400を超え 500以下 115 125
500を超え 600以下 (50) (50)
600を超え 700以下
700を超え 800以下
800を超え 1 500以下 100 (50) 140 (50)
備考1. 括弧内は,フランジ継手の保温材の厚さを示す。
2. 保温材厚さは,ロックウールを使用した場合を基準として算定してあるので,その他の保温材を使用す
る場合は3.3の計算式によって算定する。
表5 煙突内の排ガス管及び煙路の保温材の厚さ
単位 mm
呼び径 内部流体温度
250℃を超え 300℃を超え 350℃を超え 400℃を超え 450℃を超え
250℃以下 300℃以下 350℃以下 400℃以下 450℃以下 500℃以下
100以下 40 40 (40) 50 65 (40) 75 90 (40)
100を超え 200以下 (40) 50 (40) 75 (40) 100
(40) (40) (40)
200を超え 300以下 65 90
(40) (40)
300を超え 400以下
400を超え 500以下 100 115
500を超え 600以下 (40) (40)
600を超え 700以下
700を超え 800以下
800を超え 1 500以下 90 (40) 125 (40)
備考1. 括弧内は,フランジ継手の保温材の厚さを示す。
2. 保温材厚さは,ロックウールを使用した場合を基準として算定してあるので,その他の保温材を使用す
る場合は3.3の計算式によって算定する。
b) 一般管の保温 一般管に関する施工箇所及び適用材料は,表6のとおりとし,施工の一例を図2に示
す。また,保温材の厚さは表7によることが望ましい。
表6 一般管に関する施工箇所及び適用材料
施工箇所 適用材料
保温材 外皮材
管 グラスウール保温板又は ガラスクロス
グラスウール保温筒
フランジ継手 グラスウール保温板
――――― [JIS F 7008 pdf 5] ―――――
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JIS F 7008:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.30 : 配管システム
JIS F 7008:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA9504:2017
- 人造鉱物繊維保温材
- JISG3302:2019
- 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
- JISG3313:2015
- 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
- JISG3313:2021
- 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
- JISR3414:2012
- ガラスクロス