この規格ページの目次
- 2 用語及び定義
- 3 一般的な配管装置に対する考慮事項
- 3.1 一般
- 3.2 人的要素
- 3.3 検査,メンテナンス及び修繕
- 3.4 操作上の考慮すべき事項
- 4 たわみホース及びたわみホース組立品
- 4.1 適用
- 4.2 設計及び構造
- 4.3 取付け
- 4.4 検査及びメンテナンス
- 5 スプレーシールド
- 5.1 適用
- 5.2 設計
- 5.3 検査及びメンテナンス
- 6 被覆高圧燃料管
- 6.1 適用
- 6.2 設計
- 6.3 検査及びメンテナンス
- 7 ベローズ伸縮継手
- 7.1 適用
- 7.2 設計
- 7.3 取付け,検査及びメンテナンス
- 8 フィルタ及びストレーナ
- 8.1 設計
- 8.2 取付け,検査及びメンテナンス
- 9 断熱
- 9.1 設計
- 9.2 取付け,検査及びメンテナンス
- JIS F 7100:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS F 7100:2008の国際規格 ICS 分類一覧
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F 7100 : 2008 (ISO 18770 : 2005)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示す。
2 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1
可燃性油 (flammable oil)
機関区域において一般的に用いる,簡単に発火し,燃焼する油。
例 燃料油,潤滑油,熱媒油又は作動油
2.2
機関区域 (machinery space)
国際海事機関(IMO)によって発効され,改正されている海上人命安全条約(SOLAS 74)において定
義されている主機及び補助推進装置並びに関連装置を装備する区域。
2.3
高温面 (hot surface)
温度が220 ℃を超える表面。
2.4
電気コンポーネント (electrical component)
可燃性油の湿潤又は液体による飛まつ(沫)が,火災又は推進喪失の一因となり得る配電盤,計器盤,
電気制御器,計装キャビネット又はその他の船内電気設備。
3 一般的な配管装置に対する考慮事項
3.1 一般
過去の経験に基づいて,可燃性材料及び発火源の組合せが機関区域火災の主たる原因であることは知ら
れている。火災件数の大半にかかわる可燃性材料は,油,すなわち燃料油,潤滑油又は作動油である。機
関区域には,最も一般的なものは高温面,例えば排気管及び蒸気管であるが,多くの潜在的な発火源があ
る。機械の過熱,配電盤の短絡又はアーク発生に起因する電気設備からの発火及びその他の過失状態が,
火災の一因となる。その他の常習的な発火源は,人の活動,例えば喫煙,溶接及びグラインダ掛けに関係
する。
3.2 人的要素
人的要素は,常に考慮しなければならない。要員は,適切に養成され,確立された手順に従わなければ
ならない。技術者に対する養成教育には,機関燃料装置,その他の可燃性油装置の運転及びそれらの装置
内で生じる圧力及び漏えいに関する危険について,認識させることが望ましい。これらの事項は,公的機
関の承認を受ける際の詳細な留意事項として考慮することが望ましい。
3.3 検査,メンテナンス及び修繕
可燃性油装置に対する検査,メンテナンス及び修繕は,専門的な方法で実施しなければならない。船主
は,必要な人員養成,設備及び部品が利用できることを保証しなければならない。これらの装置に対する
重要な修繕及びメンテナンスの記録は,技術者日誌及び/又はメンテナンス記録に記載しなければならな
い。
3.4 操作上の考慮すべき事項
3.4.1 多くの火災は,配管接続部及び附属品の緩みによって発生する。燃料,潤滑油及び作動油管,それ
――――― [JIS F 7100 pdf 6] ―――――
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らの附属品,接続並びに固定配置は,火災予防のためのメンテナンス計画の一部として日常的に点検しな
ければならない。点検中に附属品を締め過ぎないように注意しなければならない。
3.4.2 主機又は補機に対するメンテナンス又は修繕を行う場合には,高温面を覆っている断熱材が適切に
取り替えられていることを確認するための点検を行わなければならない。機関の通常の点検によって,断
熱材が,本来の場所にあることを確認しなければならない。
3.4.3 燃料,潤滑又は作動油のいかなる漏えいでも,速やかに処理しなければならない。重大な漏えいの
場合には,ポンプ又は油圧源を止めるためにすべての措置を施すことが望ましい。航行中においては,重
大な可燃性流体の漏えいは,直ちに航海船橋に報告しなければならない。
3.4.4 重大な火災は,容易には気付かないが,発火の危険が大きい区域における潜在的な危険[加熱炉(ボ
イラ)前面からタンク頂部上へ流れる燃焼油,欠陥グランド,継手又は破損管からの油の飛まつに類する。]
の認識不足が元となっている。制御できずに急速に広がるおそれのあるビルジ内,又はタンク頂部上の廃
油にまで小さな火災が広がる可能性のある危険な情況を避けることが,必要である。
清浄な状態は,安全にとって絶対必要であり,高度な清浄状態を,常に維持しなければならない。
3.4.5 木工製品又はその他の容易に燃焼する材料は,可燃性油を使用する機関区域で用いてはならない。
可燃性材料は,油設備の近くには保管してはならない。れき青炭又は類似の可燃性化合物の使用は,機械
及びボイラ区域においては最小限に抑えなければならない。
3.4.6 一時的であっても,修繕が燃料油管に実施される場合には,火災の危険に対して特別な注意を払わ
なければならない。修繕は,すべての漏えいに関する危険に対して,その防止について考慮しなければな
らない。また,火炎への暴露に耐えなければならない。
3.4.7 燃料,潤滑又は作動油の漏えいの影響を受ける附属物又は加熱された表面をもつ機械付近で火災が
発生したとき,これらの機械を直ちに止めることができる場合には,防火又は発生した火災の初期消火に
つなげることができる。漏えいの防止は,火災発生のリスクを低減させ,又は既に発生した火災の延焼を
軽減し,更にその船の永久的な機能の喪失を避けることが可能となる。
4 たわみホース及びたわみホース組立品
4.1 適用
可燃性油装置におけるたわみホースは,限定して使用できる。この箇条は,たわみホース組立品の安全
な適用に関する指針を示す。附属する端部附属品をもつ,たわみホース組立品は,できる限り長さを短く
し,固定管と機械部品との間の相対的な動きに適応させるために必要な場合にだけ使用しなければならな
い。
4.2 設計及び構造
ホースは,認められた基準に従い組み立て,圧力,温度,流体適合性及び適用可能な場合には衝撃を含
む機械的負荷を考慮し,意図する使用に対して適切に承認されなければならない。各々のホース組立品は,
静水圧試験及び製造適合性の証明書を備えなければならない。さらに,非金属製ホースは,耐火試験証明
書を備えなければならない。耐火試験の指針は,参考文献に記載のISO 15540[1]に規定されている。
4.3 取付け
ホースは,最小曲げ半径,戻り角度及び方向性並びに必要な場合の支持に関しては,製造業者の取扱説
明書に従って取り付けられなければならない。ホースが外部損傷を受けやすい場所においては,適切な防
護物を備えなければならない。取付後,その系統は,最大使用圧力で操作され,機能不全及び漏えいを確
認しなければならない。一般的な取付指針は,図A.1及び図A.2に示す。
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4.4 検査及びメンテナンス
ホース組立品は,製造業者又は船の維持計画に従って定期的に検査しなければならない。定期検査の結
果は,証拠として文書に残さなければならない。ホース組立品は,故障につながりそうな徴候又は連続使
用の妥当性に疑問がある場合には,取り替えなければならない。
次に示す状態は,ホース組立品の交換要件である。
− 附属品又はたわみホースにおける漏えい
− 損傷した,切れた又は磨り減ったカバー
− よじれた,押しつぶされた,平らになった又はねじ(捩)れたたわみホース
− 凝り固まった,曲がらない,熱割れした又は黒焦げになったたわみホース
− ふくれを生じた,軟らかい,劣化した又は緩んだカバー
− 割れた,損傷した又はひどく腐食した附属品
− たわみホース上における取り合いのずれ
ホース組立品は,船の一生の間に数回取り替える必要があると予想される。最大ホース使用寿命に対す
る製造業者の勧告に従わなければならない。
5 スプレーシールド
5.1 適用
スプレーシールドは,高温面又はその他の発火源への漏えい又は飛散した可燃性液体の浸入を防止する。
燃料油,潤滑油及びその他の可燃性油管は,遮へいするか,又は高温面,機械空気取入口又は発火源への
油飛散をできる限り避けるために別途適切に保護しなければならない。スプレーシールドは,床板上に設
置されて外衣(断熱)されない油圧装置におけるフランジ継手,フランジ・ボンネット,その他のフラン
ジ結合上での使用を意図している。そのような装置における継手の数は,最小限としなければならない。
スプレーシールドは,継手が電気コンポーネント又は高温面から3 m以内にある場合には,主機及び補機
区域内の加圧される可燃性液体装置に対して取り付けなければならない。
スプレーシールドは,次の箇所には要求しない。
− 吸入配管又はポンプ排出圧力を受けない配管
− 空所又はコファダム内に位置する配管
− タンク測深管,空気逃げ口,通気口及びオーバーフロー
− ガスタービンモジュール内,減速機囲壁内に位置する,又は別にロッカー,甲板張り又は台のような
防壁によって保護されている配管
− ねじ付きスリー・ピース(雄,雌,ナット)から成るユニオン形附属品
5.2 設計
スプレーシールドには,多くの方法があり,これらは適切な措置を施した場合,有効である。継手の全
体を囲うスプレーシールドの取付例を図B.1に示す。このスプレーシールドは,継手の周りを完全に包む
ように設計し,継手外周の4分の1に等しい重なりを与えるのに十分な長さが必要である。シールドは,
ボルトの先端を覆うのに十分なところまでフランジの側面を包む。シールドは,ワイヤで確実に締め付け,
その重なりは,潜在的な発火源から離れた場所とする。
5.3 検査及びメンテナンス
スプレーシールドは,完全に機能している状態に対して定期的に検査し,メンテナンス目的のために取
り外したものはいずれも,その仕事が完了したときには修復しなければならない。油を吸収したスプレー
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シールドは,通常は漏えいの発生を示す。それらは,できる限り早急に取り替え,漏えいの原因を除去し
なければならない。
6 被覆高圧燃料管
6.1 適用
高圧燃料ポンプと燃料噴射装置との間のすべての外部高圧燃料配送管は,高圧配管が損傷したとき可燃
性燃料の飛散を食い止めることができる被覆管装置で保護しなければならない。被覆管には,恒久的な組
立品を形成する高圧燃料配管を中に納めた外部管を含む。被覆管装置は漏えい物質を集める手段をもち,
さらに燃料管機能停止警報のための手段を備えなければならない。
6.2 設計
この要求事項を満足する剛性被覆燃料管及びたわみ被覆燃料管に関する2種類の方式を,採用できる。
どちらの場合においても,被覆は,十分に管を包み,使用中の配管の機能停止を伴う油の飛散による浸透
に耐えなければならない。同様に,環状のすき間及び排出装置は,内部配管の完全な破壊の場合に,圧力
の過度な増強が生じることなく,被覆の損傷を生じないことを保証するのに十分なものでなければならな
い。このような配管の妥当性は,プロトタイプ試験,適切な設計解析又は船級協会の承認によって実証さ
れなければならない。排出装置は,燃料油による潤滑油の汚染を防止しなければならない。
6.3 検査及びメンテナンス
選択された方式にかかわらず,わずかな追加のメンテナンス又は定期的な検査が,被覆燃料管を適切な
使用状態に保つために要求される。ただし,被覆管は規則正しく検査され,維持のために取り外された排
出装置は,適切に修復しなければならない。これらの装置のメンテナンス及び検査は,職務活動記録又は
メンテナンス記録に記載しなければならない。
7 ベローズ伸縮継手
7.1 適用
この箇条は,可燃性油装置で使用する金属製伸縮継手について特定的に規定する。適切な配管装置の柔
軟性,曲がり,ループ,屈曲部又はベローズ伸縮継手を確保することは,ほとんどの配管装置において要
求される。非金属製伸縮継手の使用は,限定され,たわみホースのための箇条4の要求事項,特に火災試
験が適用される。
7.2 設計
伸縮継手は,軸方向及び横方向の動きに対応するように設計し,配管の不整列を埋め合わせるために使
用してはならない。設計は,承認された規則又は類似の構造,種類,大きさ及び使用状態にかかわる試験
に適合しなければならない。熱膨張及び収縮並びに振動による疲労寿命は,同様に考慮するべき重要な事
項である。外側の機械的損傷が予想される場合には,ベローズは,適切に保護しなければならない。各々
のベローズ伸縮継手は,静水圧試験及び製造適合性の証明書を備えなければならない。製造業者の名称及
び製造年月は,伸縮継手に恒久的に表示しなければならない。
7.3 取付け,検査及びメンテナンス
ベローズ伸縮継手は,製造業者の施工説明書に従って取り付け,使用状態の下で試験を行うとともに定
期的に検査し,継続的な使用に疑いがある場合には,取り替えなければならない。
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8 フィルタ及びストレーナ
8.1 設計
一般に,燃料油,潤滑油又はその他の可燃性油装置に使用されるフィルタ及びストレーナは,930 ℃以
上の融点をもつ金属製ハウジング及び本体をもたなければならない。その他の金属製ハウジング及び本体
材料は,ISO 15540[1]による火災試験を実施し,それに合格した場合には,容認して差し支えない。圧力
を保持する部品はすべて,最大の作動温度及び圧力に対して適切でなければならない。フィルタ及びスト
レーナの設計及び構造は,清掃が容易にできるものとし,メンテナンス中の油流出を防ぐか最小限に食い
止めることができなければならない。フィルタ及びストレーナを作動中掃除のために開放することが要求
される場合には,フィルタ及びストレーナは,開放する前に減圧できる構造でなければならない。
8.2 取付け,検査及びメンテナンス
フィルタ及びストレーナは,高温面及びその他の発火源からできる限り離して設置しなければならない。
フィルタ及びストレーナは,油の流出がフライホイール又はその他の回転する機械部分に落ちて,飛散す
るおそれがある場所には設けてはならない。油の滴下を受ける適切なものをフィルタ及びストレーナの下
に備えなければならない(例 受け皿,コーミングの設置など)。フィルタ及びストレーナは,清掃の際の
開放時に毎回検査し,必要な場合には,カバー,ガスケット又は密封材を新しいものに取り替えなければ
ならない。カバーの台及び締め具合が完全であることを,その系統を使用に戻す前に確認しなければなら
ない。フィルタ,カバー及び据付準備に関係するナット,ボルト,ねじ及びスタッドは,フィルタを掃除
のために開けるたびに検査しなければならない。ナット,ボルト,ねじ及びスタッドは,十字穴,伸張又
は六角ボルト周囲に摩滅の徴候を示した場合,直ちに正しい種類に取り替えなければならない。スタッド
は,ねじの正しい深さまでケーシング内に挿入しなければならない。
ベントプラグは,摩滅又は閉そくの徴候を示すたびに取り替えなければならない。ベントプラグを弁又
はソリッドプラグに置き換えることは望ましくない。
ドレンプラグは,摩滅又は閉そくの徴候がある場合,取り替えなければならない。端部開放形ドレン管
は,フィルタを使用に戻す前に,油の不注意な放出に備えて栓をするか,又は効果的に密封しなければな
らない。
9 断熱
9.1 設計
可燃性油装置の継手及び安全弁からの油の噴出などで火災発生の危険性がある,220 ℃以上のすべての
高温面は,適切に断熱しなければならない。高温面の断熱は,これらの面の温度を油流動体の自動発火温
度以下に保つことによって,火災の危険を低減できる。断熱材料は,不燃性であり油浸食に影響を受けて
はならない。断熱材が,非耐油性の場合は,金属製のシースに収めなければならない。
9.2 取付け,検査及びメンテナンス
断熱の施工は,製造業者が作成した施工説明書に従わなければならず,恒久的な断熱を,可能な限り使
用しなければならない。断熱には通常状態の維持のために利用可能な容易に取外しのできる部分を備えて
いなければならない。特にメンテナンス又は修繕を実施した後には,設備の規則正しい点検によって,断
熱が適切に本来の場所にあることを確認しなければならない。
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JIS F 7100:2008の国際規格 ICS 分類一覧
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