JIS G 0803:2021 溶接鋼管溶接部のフィルム式放射線透過検査方法 | ページ 4

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G 0803 : 2021

9.3 有害なきず

  有害なきずとは,規定された許容基準を超える寸法及び/又は密集度の不完全部である。有害なきずは,
鋼管の使用目的に悪影響又は制限を与えるものとみなす。

10 許容基準

10.1 一般

  許容基準は,適用する材料の製品規格又は構成部材の製造規格の規定を適用する。許容基準が規定され
ていない場合は,10.210.6に規定する許容基準を,溶接シームの放射線透過検査に適用する。

10.2 割れ,溶込み不良及び融合不良

  割れ,溶込み不良及び融合不良は,不合格とする。

10.3 スラグ巻込み及びブローホール

  個々の円形のスラグ巻込み及びブローホールは,3.0 mm又はT/3(T : 公称厚さ)のいずれか小さい直径
まで許容する。
個々の円形のスラグ巻込み及びブローホールの間隔が4T未満のとき,許容された個々の不完全部の直
径の合計は,溶接長150 mm又は12Tのいずれか小さい方の長さ当たり,6.0 mm又は0.5Tのいずれか小
さい方を超えてはならない。

10.4 細長いスラグ巻込み

  幅が1.5 mm以下の個々の細長いスラグ巻込みは,12.0 mm又はTのいずれか小さい方の長さまで許容
する。
個々の細長いスラグ巻込みの間隔が4T未満のとき,許容された個々の不完全部の長さの合計は,溶接
長150 mm又は12Tのいずれか小さい方の長さ当たり12.0 mmを超えてはならない。
注記 参考として,10.3及び10.4の許容限界の例を,附属書Aに図式的に示す。

10.5 アンダカット

  最大深さが0.4 mm以下のアンダカットは,鋼管の残厚さが,許容下限値以上であれば許容される。
放射線透過試験によって検出されたアンダカットは,グラインダ手入れを行う。
その他のアンダカットの規定については,製品規格又は受渡当事者間の協定による。
注記1 ISO 10893-6では,“最大長さがT/2までの個々のアンダカットについて,深さが公称厚さの10 %
を超えていなければ,最大深さ0.5 mmまで許容される。ただし,溶接長300 mmに対して2個
までとし,手入れ(例えば,グラインダ手入れ)を行う。”と規定されている。
注記2 製品規格の規定の例としては,ISO 3183:2012の9.10.2では,次のように規定されている(詳細
は,ISO 3183:2012参照)。
− 深さ0.4 mm以下のアンダカットは,許容される。
− 深さ0.4 mm超え,0.8 mm以下のアンダカットは,長さ及び個数の程度によって許容され

――――― [JIS G 0803 pdf 16] ―――――

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る。ただし,見つかったきずは,全てグラインダ手入れする。
− 上記以外のアンダカットは,溶接補修又は不合格とする。

10.6 内外面にあるアンダカット

  アンダカットが溶接部の長手方向の内外面の同じ位置にある場合には,許容されない。

11 結果の判定

11.1 有害なきずのない鋼管

  有害なきず(許容基準を超えるきず)のない鋼管は,合格とする。

11.2 有害なきずのある鋼管

  有害なきず(許容基準を超えるきず)のある鋼管は,嫌疑材とする。

11.3 嫌疑材の処置

  嫌疑材は,製品規格の要求事項及び/又は受渡当事間の協定に従い,次の一つ又はそれ以上の処置を行
う。
a) 嫌疑部分を,グラインダ手入れによって除去する。有害なきずが完全に除去されたことを浸透探傷試
験又は磁粉探傷試験によって検証する。必要な場合,グラインダ手入れを行った部位は,放射線透過
試験によって再検査を行う。グラインダ手入れ部の残厚さは,規定の公差を満足していることを検証
するために,適切な方法で測定する。
b) 嫌疑部分を,受渡当事者間で承認された溶接手順で行う溶接によって補修する。補修部は,この規格
及び製品規格の要求に従い放射線透過検査を行う。
c) 嫌疑部分を,切断し除去する。鋼管の残長は,規定の許容差内であることを検証するために測定する。
d) この鋼管を不合格とする。

12 検査報告書

  製造業者は,少なくとも次の情報を記録しなければならない。また,要求のある場合は,受渡当事者間
の協定がない限り,製造業者は,少なくとも次の情報を含む検査報告書を提出しなければならない。
a) この規格の番号(JIS G 0803)
b) 適合していることの声明
c) 受渡当事者間の協定又はその他によって規定された手順を変更した事項
d) 製品の識別(鋼種及び寸法)
e) 線の線源,撮影装置のタイプ及び実効焦点寸法並びに用いた装置
f) フィルムの種類,増感紙の種類及び厚さ,並びにフィルタ使用の有無
g) 管電圧及び管電流
h) 露出時間及び線源とフィルムとの距離
i) 透過度計のタイプ及び配置
j) 透過度計の読み及び溶接部上の最低濃度

――――― [JIS G 0803 pdf 17] ―――――

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k) 得ることのできた像質クラス
l) 撮影日
m) 検査技術者の識別(コード,ID,名前又は姓など),(JIS G 0431,JIS Z 2305又はこれらと同等の規格
に基づく)資格又は認証,資格レベル及び責任者の署名

――――― [JIS G 0803 pdf 18] ―――――

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附属書A
(参考)
不完全部の分布の例
a) 例1 : 一つの12.0 mmの不完全部
b) 例2 : 二つの6.0 mmの不完全部
c) 例3 : 三つの4.0 mmの不完全部
記号説明
a : 溶接長150 mm又は12T(T : 公称厚さ)のいずれか小さい方
図A.1−細長いスラグ巻込みの許容限界の例
[不完全部の長さ(単独又は合計)の12.0 mmが許容限界の場合](10.4)

――――― [JIS G 0803 pdf 19] ―――――

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a) 例1 : 二つの3.0 mmの不完全部
b) 例2 : 一つの3.0 mm,一つの1.5 mm,一つの1.0 mm及び一つの0.5 mmの不完全部
c) 例3 : 一つの3.0 mm,一つの1.0 mm及び四つの0.5 mmの不完全部
d) 例4 : 四つの1.5 mmの不完全部
e) 例5 : 二つの1.5 mm及び三つの1.0 mmの不完全部
記号説明
a : 溶接長150 mm又は12T(T : 公称厚さ)のいずれか小さい方
図A.2−ブローホールタイプの許容限界の例(不完全部の合計6.0 mmが許容限界の場合)(10.3)

――――― [JIS G 0803 pdf 20] ―――――

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JIS G 0803:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10893-6:2019(MOD)

JIS G 0803:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0803:2021の関連規格と引用規格一覧