JIS G 1227:1999 鉄及び鋼―ほう素定量方法

JIS G 1227:1999 規格概要

この規格 G1227は、鉄及び鋼中のほう素定量方法について規定。

JISG1227 規格全文情報

規格番号
JIS G1227 
規格名称
鉄及び鋼―ほう素定量方法
規格名称英語訳
Iron and steel -- Methods for determination of boron content
制定年月日
1954年5月22日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 10153:1997(MOD), ISO 13900:1997(MOD)
国際規格分類

ICS

77.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 I 2019, 金属分析 II 2019
改訂:履歴
1954-05-22 制定日, 1957-03-29 確認日, 1960-03-15 確認日, 1963-03-01 改正日, 1966-04-01 確認日, 1969-05-01 改正日, 1972-07-01 確認日, 1975-07-01 確認日, 1978-04-01 確認日, 1980-02-01 改正日, 1988-04-01 確認日, 1992-06-01 改正日, 1998-03-20 確認日, 1999-03-20 改正日, 2004-03-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS G 1227:1999 PDF [25]
G 1227 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS G 1227 : 1992は改正され,この規格によって置き換えられる。
今回の改正では,国際規格との整合化を図るため,ISO規格の翻訳を附属書3として規定している。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。
通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,
実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS G 1227には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) ほう酸メチル蒸留分離水酸化ナトリウム滴定法
附属書2(規定) ほう酸メチル蒸留分離クルクミン吸光光度法(1)
附属書3(規定) ほう酸メチル蒸留分離クルクミン吸光光度法(2) (ISO 13900)
附属書4(規定) クルクミン吸光光度法
附届書5(規定) メチレンブルー吸光光度法

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS G 1227 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 1227 : 1999

鉄及び鋼−ほう素定量方法

Iron and steel−Methods for determination of boron content

序文 この規格は,JIS G 1227-1992の様式を変更して附属書1,2,4及び5とし,附属書3(規定)は1997
年に第1版として発行されたISO 13900, Steel−Determination of boron content−Curcumin spectrophotometric
method after distillationを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)
である。
1. 適用範囲 この規格は,鉄及び鋼中のほう素定量方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 10153 Steel−Determination of boron content−Curcumin spectrophotometric method
ISO 13900 Steel−Determination of boron content−Curcumin spectrophotometric method after
distillation
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS G 1201 鉄及び鋼の分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS Z 8402 分析・試験の許容差通則
3. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201による。ただし,JIS G 1201は,附属書3(規
定)には適用しない。
4. 定量方法の区分 ほう素の定量方法は,次のいずれかによる。
a) ほう酸メチル蒸留分離水酸化ナトリウム滴定法 この方法は,ほう素含有率0.10% (m/m) 以上5.0%
(m/m) 以下の試料に適用するもので,附属書1(規定)による。
b) ほう酸メチル蒸留分離クルクミン吸光光度法(1) この方法は,ほう素含有率0.0001% (m/m) 以上
0.10% (m/m) 以下の試料に適用するもので,附属書2(規定)による。
c) ほう酸メチル蒸留分離クルクミン吸光光度法(2) (ISO 13900) この方法は,ほう素含有率0.000 05%
(m/m) 以上0.0010% (m/m) 以下の試料に適用するもので附属書3(規定)による。
d) クルクミン吸光光度法 この方法は,ほう素含有率0.00 02% (m/m) 以上0.012% (m/m) 以下の試料
に適用するもので附属書4(規定)による。
e) メチレンブルー吸光光度法 この方法は,ほう素含有率0.00 02% (m/m) 以上0.015% (m/m) 以下の
試料に適用するもので附属書5(規定)による。ただし,はかり採った試料中にニオブ100 李 上又
はタンタル5 李 上が含まれる場合には適用できない。

――――― [JIS G 1227 pdf 2] ―――――

2
G 1227 : 1999
附属書1(規定) ほう酸メチル蒸留分離水酸化ナトリウム滴定法
1. 要旨 試料を塩酸と硝酸とで分解し,硫酸及びりん酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。メ
タノールを加え,ほう素をほう酸メチルとして蒸留し,ほう酸メチルを水酸化ナトリウムに吸収させる。
留出液を蒸発乾固した後,水で蒸発残留物を溶解する。硫酸酸性とした後,水酸化ナトリウムでpHを調
節し,D (−) −マンニトールを加えて生じる水素イオンを水酸化ナトリウム標準溶液で滴定する。
2. 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 硝酸
c) 硫酸
d) 硫酸 (1+5)
e) りん酸
f) 水酸化ナトリウム溶液 (200g/l, 80g/l)
g) キャリヤーガス 窒素,アルゴン又は空気(乾燥)
h) メタノール
i) D (−) −マンニトール
j) 標準ほう素溶液 (1mgB/ml) ほう酸1.430gをはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れ,水約50ml
を加えて溶解する。溶液を250mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
k) 0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶液 (2.000gNaOH/l) 調製は,JIS K 8001の4.5 (19.5) (0.05mol/l水
酸化ナトリウム溶液)による。この溶液の標定は,次による。
標準ほう素溶液[j) ]5mlを正確にほう素蒸留装置の蒸留フラスコに移し入れ,塩酸10ml,硝酸5ml,
りん酸10ml及び硫酸5mlを加え,加熱して硫酸白煙を発生させる。室温まで放冷した後,5.25.4の
手順に従って操作する。
別に空試験として標準ほう素溶液を用いないで同じ操作を併行して行う。
この0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶液1mlに相当するほう素量を,次の式によって算出する。
5
F
V1 V2
ここに, F : 0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶液1mlに相当するほう素量
(g)
V1 : 0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 空試験における0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶液の使用量
(ml)
3. 装置及び器具 ほう素蒸留装置は,通常,次のものを用いる(附属書1付図1参照)。
a) 蒸留器 石英製の蒸留フラスコ (200ml) ,試薬注入管及び冷却管で構成する。
b) 受器 35mlに相当する箇所に印を付けた石英ビーカー (100ml)。
c) 加熱器 磁気かき混ぜ機付きで,メタノール30mlを1520分間で蒸留できるもの。

――――― [JIS G 1227 pdf 3] ―――――

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G 1227 : 1999
4. 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,附属書1表1による。
附属書1表1 試料はかり採り量
ほう素含有率 試料はかり採り量
% (m/m) g
0.10 以上 0.50 未満 1.0
0.50 以上 1.5 未満 0.50
1.5 以上 3.0 未満 0.20
3.0 以上 5.0 以下 0.10
5. 操作
5.1 試料溶液の調製 試料をはかり採ってほう素蒸留装置の蒸留フラスコ (200ml) に移し入れ,塩酸
10ml及び硝酸5mlを加える。室温で放置し,試料の分解が進まなくなった後,加熱して試料を完全に分解
する。りん酸10ml及び硫酸5mlを加え,引き続き加熱し,硫酸白煙が発生してから290±10℃(1)で30分
間加熱した後,室温まで放冷する。
注(1) 石英三角フラスコ (200ml) にりん酸10ml及び硫酸5mlを加えて硫酸白煙を発生させながら,ガ
ラス製温度計を入れて温度の確認をする。
5.2 ほう素の蒸留分離 ほう素蒸留装置の受器に水酸化ナトリウム溶液 (80g/l) 5mlを入れ,冷却管流出
口の先端がその中に浸るようにする。5.1で得た試料溶液が入っている蒸留フラスコ内に磁気かき混ぜ機の
四ふっ化エチレン樹脂 (PTFE) 被覆回転子を入れ,ほう素蒸留装置を組み立てる。冷却管には10℃以下の
冷水を通す。磁気かき混ぜ機でかき混ぜながらメタノール50mlを試薬注入管から蒸留フラスコ内に少し
ずつ加える(2)。蒸留フラスコ内に受器中の溶液が逆流しない程度にキャリヤーガス送入口からキャリヤー
ガス [2.g) ] を送りながら1520分間で30mlが留出するように加熱器で加熱する。受器中の液量が35ml
になったら加熱を止め,冷却管流出口の先端を少量のメタノールで洗浄する。
注(2) 突沸や受器中の溶液が逆流するおそれがあるので注意して行う。
5.3 留出液の蒸発乾固 5.2で得た留出液及び洗液を白金皿(100番)又はPTFEビーカー (100ml) に少
量のメタノールを用いて移し入れ,沸騰しない程度に加熱してメタノールを蒸発させ,さらに加熱を続け
て蒸発乾固する。
5.4 滴定 滴定は,次の手順によって行う。
a) 5.3で得た蒸発残留物の入った白金皿又はPTFEビーカーに少量の水を加え,加熱して蒸発残留物を溶
解し,溶液を石英ビーカー (300ml) に水を用いて移し入れ,水で150mlとする。石英時計皿で覆い,
硫酸 (1+5) 20mlを加えて加熱し,約10分間煮沸する。
b) 室温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,pH計の電極
を溶液中に挿入する。溶液をかき混ぜながら水酸化ナトリウム溶液 (200g/l) を用いて(3),pHを6.0
6.5に調節する。ビーカーの内壁を少量の水で洗い,次に0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶液[2.k) ]を
1滴ずつ加え,pHを6.8に調節する。
注(3) 消費量を読み取る必要はないが,ビュレットなどを用いて少量ずつ加えたほうがよい。
c) 溶液にD (−) −マンニトール7gを加えてかき混ぜ,D (−) −マンニトールが溶解したら,pHを測定
しながら0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶液[2.k) ]で滴定し,pHが6.8になる点を終点とし,0.05mol/l
水酸化ナトリウム標準溶液[2.k) ]の使用量を求める。
6. 空試験 試薬だけを用いて,試料と同じ操作を試料と併行して行う。

――――― [JIS G 1227 pdf 4] ―――――

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G 1227 : 1999
7. 計算 試料中のほう素含有率を次の式によって算出する。
V3 V4 F
B 100
m
ここに, B : 試料中のほう素含有率 [% (m/m) ]
V3 : 試料溶液の滴定における0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶
液 [2.k) ] の使用量 (ml)
V4 : 空試験液の滴定における0.05mol/l水酸化ナトリウム標準溶
液 [2.k) ] の使用量 (ml)
F : 0.05mol1/l水酸化ナトリウム標準溶液 [2.k) ] 1mlに相当す
るほう素量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)

――――― [JIS G 1227 pdf 5] ―――――

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JIS G 1227:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10153:1997(MOD)
  • ISO 13900:1997(MOD)

JIS G 1227:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1227:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG1201:2014
鉄及び鋼―分析方法通則
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISZ8402:1991
分析・試験の許容差通則