JIS G 1257-17-2:2013 鉄及び鋼―原子吸光分析方法―第17部:アンチモン定量方法―第2節:電気加熱法 | ページ 2

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G 1257-17-2 : 2013 (ISO 10698 : 1994)
5.1 マイクロピペット 容積100500 μLのもの。
5.2 自動サンプラ 原子吸光分析装置に備えられたもので,1050 μLの範囲内の指定液量(整数値)を
採取・注入する機構を備えたもの。
注記 対応国際規格では,マイクロピペットを備えたものとなっているが,現在では,マイクロピペ
ットを備えた装置は製造されていないため字句を修正した。
5.3 原子吸光分析装置及び電気加熱方式原子化部 バックグラウンド補正機構,及び高速度記録計又は
コンピュータ化された読取り装置を備えたもの。
装置は,ランプ及び装置の製造業者が推奨する電流値によって,単元素中空陰極ランプ又は無電極放電
ランプを使用できるものでなければならない。
使用する原子吸光分析装置及び電気加熱方式原子化部は,7.3.4.2に従って適正化した後,5.3.15.3.3に
示した装置基準を満たせば,十分な性能をもつものとみなせる。
また,5.3.4に示した基準を満足することが望ましい。
5.3.1 1 %吸収質量
1 %吸収質量は,A.1によって求め,アンチモンの1 %吸収質量の値は,25 pg以下でなければならない。
5.3.2 短時間安定性
短時間安定性は,A.2によって求め,最高濃度の空試験添加溶液(表2のB5)の短時間安定性は,同溶
液の平均吸光度の10 %を,また,最低濃度の空試験添加溶液(B1溶液を除く。)の短時間安定性は,最高
濃度空試験添加溶液の平均吸光度の4 %を超えてはならない。
5.3.3 検出下限
検出下限は,A.3によって求め,アンチモンの検出下限の値は,20 pg以下でなければならない。
5.3.4 検量線の直線性
検量線の直線性は,A.4によって求め,その値は,0.95以上でなければならない。

6 サンプリング

  サンプリングは,JIS G 0417による。

7 操作

7.1 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,アンチモンの含有率に応じて,次による。
a) アンチモン含有率(質量分率)0.000 5 %以上0.005 0 %未満の場合
1.00 gを,0.1 mgの桁まではかりとる。
b) アンチモン含有率(質量分率)0.005 0 %以上0.010 0 %以下の場合
0.25 gを,0.1 mgの桁まではかりとる。

7.2 空試験

  試料と併行して,全試薬の同量を用いて試料と同じ操作による空試験を行う。試料を入れずに7.3.1の操
作によって得られる溶液が空試験液である。空試験液中のアンチモン含有量は,10 ng/mL以上であっては
ならない。

7.3 定量

7.3.1  試料溶液の調製(箇条10参照)
はかりとった試料(7.1参照)をビーカー(250 mL)に移し入れる。塩酸(4.2)5 mL及び硝酸(4.1)5

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mLを加え,時計皿で覆い,分解反応が終了するまで穏やかに加熱し,1分間沸騰させて窒素酸化物を追い
出す。
試料溶液(この溶液は炭化物を含むことがある。)を,常温まで放冷する。時計皿の下面を水で洗って時
計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。水約15 mLを加え,ろ紙(5種B)でろ過して200 mLの全
量フラスコに集める。ろ紙は,温水で数回洗浄し,洗液は全量フラスコに集める。残さは捨てる。溶液を
水で標線まで薄め,試料溶液とする。
7.3.2 試料添加溶液の調製
100 mLの全量フラスコ5個を準備し,それぞれに試料溶液(7.3.1参照)20.0 mLを分取して移し入れる。
次に,マイクロピペット(5.1)を用いて表1に従ってアンチモン標準液(4.5.2)を添加し,水で標線まで
薄める。これらの溶液を,それぞれS1,S2,S3,S4及びS5とする。
表1−試料添加溶液の調製
原子化部に注入した試料溶液中に添加
アンチモン標準液 試料添加溶液中に添加し したアンチモン量
溶液の名称 (4.5.2)添加量 たアンチモン濃度 ng
μL ng/mL 注入量
10 μL 50 μL
S1 a) 0 0 0 0
S2 100 10 0.1 0.5
S3 200 20 0.2 1.0
S4 400 40 0.4 2.0
S5 500 50 0.5 2.5
注a) ゼロメンバー
7.3.3 空試験添加溶液の調製
100 mLの全量フラスコ5個を準備し,それぞれに空試験液(7.2参照)20.0 mLを分取して移し入れる。
次に,マイクロピペット(5.1)を用いて表2に従ってアンチモン標準液(4.5.2)を添加し,水で標線まで
薄める。これらの溶液を,それぞれB1,B2,B3,B4及びB5とする。
表2−空試験添加溶液の調製
原子化部に注入したアンチモン量
アンチモン標準液 空試験添加溶液中に添加
ng
溶液の名称 (4.5.2)添加量 したアンチモン濃度
注入量
μL ng/mL
10 μL 50 μL
B1 a) 0 0 0 0
B2 100 10 0.1 0.5
B3 200 20 0.2 1.0
B4 400 40 0.4 2.0
B5 500 50 0.5 2.5
注a) ゼロメンバー
7.3.4 測定
7.3.4.1 原子吸光分析装置の調整
表3を参照して調整する。

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表3−原子吸光分析装置の調整
項目 指標
ランプの型式 アンチモンの中空陰極ランプ又は無電極放電ランプ
波長 217.6 nm
ランプ電流 装置製造業者の推奨値に従う。
バンド幅 装置製造業者の推奨値に従う。
バックグラウンド補正 アンチモンの波長217.6 nmは,鉄の波長217.8 nmと近接している。
ゼロメンバーの吸光度が最低濃度添加溶液の精度と同等の値を示すなら
ば,バックグラウンド補正を行う必要がある。
7.3.4.2 原子吸光分析装置のパラメータ及び電気加熱方式原子化部の最適化
装置製造業者の指示書に従って必要とする装置のパラメータを調節し,電気加熱方式原子化部を装着す
る1)。
注1) 各操作パラメータの最適条件は,装置ごとに異なる。スケール拡大機構は,必要な読取りを行
うために使用した方がよいかもしれない。
特別な形式の電気加熱方式原子化部のパラメータ最適条件及び試料溶液注入量は,装置製造業者の推奨
か又は分析室で通常実施している値を基に決定する。
装置のゼロ点調節を行い,記録計のベースラインを設定する。
事前加熱プログラムの作動によって黒鉛原子化部の黒鉛管を加熱し,ゼロ点の安定性と原子化機構内に
分光干渉のないことを確認する。ベースラインが安定するまで黒鉛管の加熱操作を繰り返す。
分析用の新しい黒鉛管は,少なくとも2回加熱して空試験値を低減させる。
5.3.15.3.3の装置基準に対する評価及び5.3.4に示す追加基準に対する評価を行い,装置が分析に適し
ているかどうかを確認する。
7.3.4.3 吸光度の測定
自動サンプラ(5.2)を使用して,試料添加溶液及び空試験添加溶液のあらかじめ決めた一定量2) を,装
置の応答信号が増大していく順番で原子化部に注入する。
注2) 原子化部に注入する量は,1050 μLの間で,感度,マトリックスの影響及び直線性の範囲を考
慮して決めるのが望ましい。
各溶液を3回ずつ原子化する。ピーク高さ測定によって3回の読み値を記録する。
得た値を値が増加していく順に並べ(x1異常値として疑わしいかを決めてDixonの棄却検定を適用する。
(x3 x1 )
x2 ) /(x3 (x3が疑わしいとき)
又は
(x2 x1 )
x1 ) /(x3 (x1が疑わしいとき)
もし,上記計算値が0.970以下であれば,3個の平均値を求める。0.970を超えた場合は,異常値として
棄却し,残った2個の値を平均する。
メモリー効果,特に高濃度レベルでのメモリー効果については,装置ブランクテストを行ってチェック
する。必要ならベースラインを再設定する。定量において測定した全てのピーク高さ値を記録する。
7.3.5 添加グラフの作成3)
各空試験添加溶液Bi(溶液B1B5)における3回の読み値の平均を計算する。
平均読み値と空試験添加溶液に添加したアンチモンの質量(ng)との関係線を描く。

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各試料添加溶液Si(溶液S1S5)における3回の読み値の平均を計算する。
平均読み値と試料添加溶液に添加したアンチモンの質量(ng)との関係線を描く。
注3) 標準添加法では,装置のバックグラウンド補正によって全ての非特性吸収効果(non-specific
absorption effects)(干渉)を除去することができる。
アンチモンは,試薬の中に存在する可能性がある。この空試験値は,添加グラフの中に包含
しているので,添加グラフは原点を通ることはない。
空試験と試料の標準添加グラフは,平行であることが望ましい。

8 結果の表示

8.1 計算方法

  2本の添加グラフ(7.3.5参照)における直線を延長して質量を示す横軸との2個の交点から,試料添加
溶液及び空試験添加溶液中のアンチモンmSb, 1及びmSb, 0の質量(ng)を求める。その差(mSb, 1−mSb, 0)が,
試料添加溶液(溶液S1)中のアンチモンmSbの真の質量である。
アンチモンの真の質量mSbは,空試験添加溶液Bi(溶液B1B5)及び試料添加溶液Si(溶液S1S5)の
2本の直線に最小二乗法を適用して計算することができる。
直線の計算式は,次の式による。
y a bm
ここに, a及びbは,それぞれ,y軸との交点及び直線の傾斜を示す2個の定数
である。
b及びaは,次に示す最小二乗法を用いて計算する。
n miyi mi yi
b 2
n mi2 ( mi)
1
a ( yi b mi)
n
傾斜bの直線とx軸との交点は,(−a/b) であり,この値がアンチモンの質量となる。よって,試料添加
溶液及び空試験添加溶液中のアンチモンmSb, 1及びmSb, 0の質量(ng)は,次の式による。
1
mSb,1 ( yi1,b1 mi)
nb1
1
mSb 0, ( yi0,b0 mi)
nb0
mSb mSb 0,
mSb 1,
ここに, b : 方程式の係数
n : 分析した溶液の数
a : y軸との交点
mi : 試料添加溶液Si又は空試験添加溶液Biに添加したアン
チモンの質量(ng)
yi : 試料添加溶液Si又は空試験添加溶液Biの吸光度
yi, 1 : 試料添加溶液Siの吸光度
yi, 0 : 空試験添加溶液Biの吸光度
mSb, 1 : 試料添加溶液から求めたアンチモンの質量(ng)
mSb, 0 : 空試験添加溶液から求めたアンチモンの質量(ng)
試料中のアンチモンの含有率は,次の式を用いて計算する。

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V2 10 V4
mSb
V1 V3
wSb 9
100
m 10
105 200
mSb 10 2
V1 20 mSb 1.0
m 109 m V1
ここに, wSb : 試料中のアンチモン含有率[質量分率(%)]
mSb : 試料添加溶液(S1)中のアンチモンの真の質量(ng)
V1 : 試料添加溶液及び空試験添加溶液シリーズ(表1及び表
2参照)の注入量(mL)
V2 : 試料添加溶液及び空試験添加溶液シリーズ(7.3.2及び
7.3.3参照)の調製液量(mL)
V3 : 試料溶液及び空試験液の分取量(7.3.2及び7.3.3参照)
(mL)
V4 : 試料溶液及び空試験液の調製液量(7.3.1参照)(mL)
m : 試料のはかりとり量(7.1参照)(g)

8.2 許容差

  この方法の共同実験は,7水準のアンチモン含有率試料を用いて,18分析室で実験し,各水準の試料に
ついて3回ずつ定量した4) 5)。使用した試料は,表B.1に表示した。
得た結果は,ISO 5725:1986によって統計的に処理した。
得たデータは,アンチモン含有率と分析結果の併行許容差(r)及び再現許容差(Rw及びR)6) との間に
対数的比例関係があり,表4にその結果を要約した。このグラフを図C.1に図示した。
注4) 3回の定量のうち2回は,ISO 5725:1986に定義している併行測定条件のもとで実験した。すな
わち,一人の分析者が同じ装置,同一操作条件で短時間内に行った。
5) 3回目の定量は,同じ分析者によって同じ装置を使用して,異なった時間(異なった日)に行
った。
6) 第1日に得た結果からISO 5725:1986の定義に伴い併行許容差(r)及び室間再現許容差(R)
を計算した。1日目の最初に得た結果と2日目に得た結果から室内再現許容差(Rw)を計算し
た。
表4−併行許容差及び再現許容差
単位 質量分率(%)
アンチモン含有率 併行許容差 再現許容差
r Rw R
0.000 5 0.000 20 0.000 18 0.000 35
0.001 0 0.000 28 0.000 27 0.000 54
0.002 0 0.000 41 0.000 41 0.000 83
0.005 0 0.000 65 0.000 71 0.001 5
0.010 0 0.000 92 0.001 1 0.002 2
注記 許容差の取扱いは,JIS G 1201参照。

――――― [JIS G 1257-17-2 pdf 10] ―――――

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JIS G 1257-17-2:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10698:1994(IDT)

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