JIS G 1257-3:2013 鉄及び鋼―原子吸光分析方法―第3部:ニッケル定量方法―酸分解フレーム法 | ページ 2

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なお,このろ過操作は省略してもよい。
4) 溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,常温まで冷却した後,水で標線まで薄める。
b) 混酸で分解困難な試料
1) 試料をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。
2) 王水15 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。過塩素酸15 mLを加え,引き続き加熱して過塩素
酸の濃厚な白煙を56分間発生させる。
室温まで放冷した後,水約30 mLを加えて塩類を溶解し,時計皿の下面を少量の水又は温水で洗
って時計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。室温の水では塩類が溶解しない場合は,穏や
かに加熱して塩類を溶解する。
3) ) の3) 及び4) の手順に従って操作する。

7.2 吸光度の測定

  7.1のa) 4) 又はb) 3) で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調節した原子吸光分析装置のアセチレ
ン・空気フレーム中に噴霧し,ニッケル中空陰極ランプから放射される光のうち,表2に規定された波長
の光の吸光度を測定する。
7.1 a) 3) のろ過操作手順の省略によって溶液中に二酸化けい素などの残さが残り,原子吸光分析装置の
噴霧器の吸引を妨害するおそれがある場合は,得た溶液の一部を,乾いたろ紙(5種A)又はろ過板の細
孔記号3以上のガラスろ過器でろ過し,最初の1 mL程度を捨て,その後のろ液を用いて吸光度を測定す
る。
表2−測定波長
ニッケル含有率 波長
質量分率(%) nm
0.003 以上 0.10 未満 232.0
0.10 以上 1.0 以下 352.5

8 空試験

  分析試料と同量の鉄(5.5)について,箇条7の手順に従って,試料と同じ操作を試料と併行して行う。

9 検量線の作成

9.1 検量線用溶液の調製

  表3のニッケル含有率の範囲ごとに7個のビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに表3に従って鉄(5.5)
をはかりとって移し入れ,時計皿で覆う。次に,表3に従ってニッケル標準液(5.6又は5.7)を正確に加
える。以下,7.1 a) の2)4),又は7.1 b) の2) 及び3) の手順に従って試料と同じ操作を行って検量線用
溶液を調製する。
検量線用溶液は,試料と同じ操作を行って調製するが,試料と併行には調製しなくてもよい。
表3−検量線用溶液への鉄及びニッケル標準液添加量
ニッケル含有率 鉄(5.5)添加量 使用するニッ ニッケル標準液の添加量
質量分率(%) g ケル標準液 mL
0.003 以上 0.10 未満 1.000 B(5.7) 0,1,2,4,6,8,10
0.10 以上 1.0 以下 0.500 A(5.6) 0,1,2,4,6,8,10

――――― [JIS G 1257-3 pdf 6] ―――――

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9.2 検量線の作成

  9.1で調製した検量線用溶液の各液について,7.2の手順に従って試料溶液と併行して吸光度を測定し,
得た吸光度と添加したニッケル量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量
線とする。

10 計算

  7.2及び箇条8で得た吸光度を,9.2で作成した検量線を用いてニッケル量に変換し,試料中のニッケル
含有率を,次の式によって算出する。
m1 m0 m01
Ni 100
m
ここに, Ni : 試料中のニッケル含有率[質量分率(%)]
m1 : 試料溶液中のニッケル検出量(g)
m0 : 空試験液中のニッケル検出量(g)
m01 : 空試験ではかりとった鉄(5.5)中のニッケル量(g)
[鉄(5.5)中のニッケル含有率(質量分率)が0.000 3 %
未満で,その値が認証されていない場合は,ニッケル量
を0とする。]
m : 試料はかりとり量(g)

11 許容差

  許容差は,表4による。
表4−許容差
単位 質量分率(%)
ニッケル含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.003 以上 0.10 未満 f (n)×[0.009 7×(Ni)+0.000 50]
f (n)×[0.002 0×(Ni)+0.000 36]
0.10 以上 1.0 以下 f (n)×[0.008 8×(Ni)+0.001 5]
f (n)×[0.008 2×(Ni)+0.001 9]
許容差計算式中のf (n) の値はJIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内
再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分
析室数である。また,(Ni) は,許容差を求めるニッケル定量値の平均値[質量分率(%)]であ
る。
注記 この表の許容差は,ニッケル含有率(質量分率)0.001 %以上1.0 %以下の試料を用い,共
同実験した結果から求めたものである。

――――― [JIS G 1257-3 pdf 7] ―――――

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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
ISO 4940:1985 Steel and cast iron−Determination of nickel content−Flame atomic
JIS G 1257-3:2013 鉄及び鋼−原子吸光分析方法−第3部 : ニッケル定量方法−酸
分解フレーム法 absorption spectrometric method
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 適用範囲を規定 1 適用範囲を規定 変更 JISは0.003 %1.0 % JISは日本での検討結果により範
囲 ISO規格は0.002 %0.50 % 囲を規定。ISO規格を変更させる
には検証の共同実験を要し,負荷
が大きいので当面改正提案をし
ない。
2 引用規

3 一般事 定量に共通な一般 追加 通則の内容を取り入れる規定で
項 事項を規定 技術的差異はない。
4 要旨 分析方法概要を記 3 分析方法概要を記述 変更 JISは簡略化した操作に対応した
試料分解方法,波長についての
述 記述に差異がある。 記述。ISO規格を変更させるには
検証の共同実験を要し,負荷が大
きいので当面改正提案をしない。
5 試薬 使用する試薬を規 4 使用する試薬を規定 変更 JISとISO規格とで使用する酸 JISは他の規格と整合させた試薬
定 の比率及び濃度が異なる。 を規定。技術的差異が小さいので
ISOには改正提案しない。
6 試料は 試料はかりとり量 7.1 試料はかりとり量を1 g 変更 JISは高濃度試料でのはかりとはかりとり量を減じる方が操作
かりとり を規定 と規定 り量を変更。 は簡略化できる。ISO規格を変更
G1
量 させるには検証の共同実験を要
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し,負荷が大きいので当面改正提
7-3
案をしない。
: 2
013
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G 1257-3 : 2013
G1
2
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
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番号
-3
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
: 2
及び題名 の評価
01
7 操作
3
7.1 試料 試料溶液の調製手 7.3.1 試料溶液の調製手順を規 変更 JISは分解方法について簡略法ISO規格を変更させるには検証の
溶液の調 順を規定 定 を追加して選択させている。 共同実験を要し,負荷が大きいの
製 ISO規格対応分は他の元素と で当面改正提案をしない。
同一にして全体操作を合理化。
選択 JISはろ過操作について追加
し,選択させている。
7.3.3 原子吸光分析装置の調整 削除 JISは引用規格で装置の調整を規
7.3.4 を規定 定。技術的差異はない。
7.2 吸光 吸光度の測定手順 7.3.5 吸光度の測定手順を規定 変更 ISO規格は溶液測定の順序を 技術的差異はほとんどないので
度の測定 を規定 細かく規定。JISは細部規定な現状のままとする。
し。
8 空試験 空試験操作を規定 7.2 空試験操作を規定 一致
9 検量線
の作成
9.1 検量 検量線用溶液の調 7.3.2 検量線用溶液の調製を規 変更 JIS,ISO規格とも試料溶液の 試料溶液の調製手順に対応した
線用溶液 製を規定 定 調製手順に対応した検量線用 違いであり技術的差異はない。
の調製 溶液調製を規定。
9.2 検量 検量線の作成を規 7.4 検量線の作成を規定 変更 JISは鉄中のNi量を無視して ISO規格改正があればJIS法を提
線の作成 定 ゼロ点とする。ISO規格は考慮案する。差異は小さいので単独改
する場合も規定。 正提案はしない。
10 計算 含有率の算出手順 8.1 含有率の算出手順を規定 変更 JIS,ISO規格とも試料溶液の 9.2と同一。
を規定 調製及び検量線の作成に対応
した計算手順を規定。
11 許容差 許容差を規定 8.2 許容差を規定 変更 日本で調べた許容差を記載。 日本と世界平均の分析技術の差
JISの方が許容差が厳しい。 で,技術的差異はやむを得ない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 4940:1985,MOD

――――― [JIS G 1257-3 pdf 9] ―――――

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注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致·················· 技術的差異がない。
− 削除·················· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択·················· 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··············· 国際規格を修正している。
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JIS G 1257-3:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4940:1985(MOD)

JIS G 1257-3:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1257-3:2013の関連規格と引用規格一覧