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7.2.4 試料はかり取り量 試料は,1.0gをはかり取る。
7.2.5 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 7.2.3の装置を連結し,燃焼管 (e) (1)を熱し,その管内温度を1450℃にする。またガラス製キャップ (g)
は定量ごとに洗浄乾燥したものをはめる。
(2) 試料(2)をあらかじめ空焼きしてある磁器ボートにはかり取り,ボート内に平均に広げる(3)。この上に
助燃剤として銅,すず,鉄のいずれか,又はこれらを合わせた2.0gを平均にかぶせる(4)。更にこの上
に磁器ボートカバーをボートの中央部にかぶせ,そう入棒で燃焼管の中央部にそう入して気密にせん
をする。
(3) 試料はそのまま1分間加熱し,もしこの間に吸収液が上昇し始めたら,吸収液が常に元の位置にある
ようにわずかに酸素を送入する。直ちに毎分約1500mlの割合で酸素を送入する。
燃焼完了後,同一の割合で酸素を2分間送入し続けたのち送入をやめる。
(4) そう入棒でボートを管外に引き出し,直ちに磁器ボートカバーをはずし,試料の燃焼状態が完全であ
るかどうかを調べる(5)。
(5) 吸収びん (i),燃焼管のガラス製キャップ (g) を取り外し,キャップ内を洗い,水で三角フラスコ
(300ml) に洗い移し,吸収びん中の吸収液をこの三角フラスコに水で洗い移して合わせる。
(6) メチルレッド・メチレンブルー混合指示薬3滴を加え,N/100水酸化ナトリウム標準溶液で滴定する。
7.2.6 計算 試料中の硫黄含有率を,次の式によって算出する。
V 圀
硫黄 % 100
ここに V : N/100水酸化ナトリウム標準溶液の使用量 (ml)
f : N/100水酸化ナトリウム標準溶液1mlに相当する硫黄量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
注(1) 新しい磁器燃焼管を使用するときは,1450℃に加熱し,30分間以上酸素を毎分1500ml以上の割
合で送入し,空焼きを行う。また燃焼管の内壁が酸化物などで汚染した場合は使用前に洗う。
酸化物による汚染が著しく,その除去が,十分できないときは更新する必要がある。
(2) 試料は,できるだけ薄片としたものを使用する。
(3) 試料はボートの前方にはかり取り,後方約2cmをあけて平均に広げる。
(4) これらの助燃剤は,できるだけ薄片としたものを試料の上に散布する。また使用前に空試験を
行う必要がある。
(5) 試料の燃焼後の残さは,滑らかに完全に融解していなければならない。
備考 高周波誘導加熱装置を使用する場合は,次のように操作する。
付図2のように装置を連結し,試料1.00g及び助燃剤として(6)すず0.5g,酸化クロム0.05g
を入れた高周波燃焼用磁器るつぼを燃焼管内にそう入し(7),酸素流量を毎分1500mlの割合で
通じ,高周波スイッチ (c) を入れて試料を燃焼させ,発生した亜硫酸ガスなどを吸収液に吸収
させる。45分後に高周波スイッチを切り,吸収びんを取り外したのち酸素ガスの送入をやめ,
吸収液を三角フラスコ (300ml) に洗い移し,以下7.2.5(6)以降の手順に従って操作し,硫黄含
有率を求める。
注(6) 助燃剤のすずは,1000250 1660メッシュ相当)程度で,なるべく硫黄含有率の少ない
ものを試料に混和して使用する。酸化クロム粉末は,あらかじめ酸素気流中で1400℃以上で1
時間以上加熱したのち冷却し,149 約100メッシュ相当)以下の微粉末にしたものを試料の
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表面を覆うように振りかけて使用する。また必要に応じて鉄を加えてもよい。
(7) 試料の燃焼が激しく酸化物ダストが生成したり,突沸を起こしたりする場合には,サルファー
キャップを使用すればよい。サルファーキャップは外径約23mm,内径約7mm,厚さ約23mm
の多孔磁製板で,高周波磁器るつぼ上にふたとして使用する。また,るつぼと同様に酸素気流
中で1400℃以上の高温で空焼きしたものを使用することが必要である。
8. ニッケル定量方法
8.1 方法の区分 ニッケルの定量方法は,ジメチルグリオキシム分離定量法による。
8.2 ジメチルグリオキシム分離定量法
8.2.1 要旨 試料を塩酸と硝酸の混酸及び過塩素酸で分解し,ろ過する。これから一定量を分取し,酒石
酸を加え,次にアンモニア水を加えて弱アルカリ性とし,ジメチルグリオキシム溶液を加えてニッケルジ
メチルグリオキシムを沈殿させたのち,滴定法又は重量法による。
(a) 滴定法 滴定法では,この沈殿をろ過し,硝酸を加えて溶解したのち,酢酸アンモニウムでpHを調
節し,Cu−PANを指示薬としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム標準液で滴定する。
(b) 重量法 重量法では,この沈殿をガラスろ過器でろ過し,温水で十分に洗浄したのち乾燥ひょう量す
る。
8.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+1, 1+100)
(2) 硝酸 (1+2)
(3) 過塩素酸 (60%)
(4) 混酸(塩酸1,硝酸1,水1)
(5) アンモニア水
(6) 臭素酸カリウム
(7) 融解合剤(炭酸カリウム1,炭酸ナトリウム1)
(8) 酢酸
(9) 酒石酸又はくえん酸溶液 (50w/v%)
(10) 酢酸アンモニウム溶液 (50w/v%)
(11) ジメチルグリオキシム溶液 ジメチルグリオキシム10gを水酸化ナトリウム溶液 (1w/v%) 1000mlに溶
解する。又はジメチルグリオキシム1gをエチルアルコール (95v/v%) 100mlに溶解する。
(12) /50エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム (EDTA) 標準溶液 (7.444gC10H14O8N2Na2・2H2O/l) エチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウム7.5gをはかり取り,水約100mlに溶解し,水で1000mlにうすめる。
この溶液の力価は,次のようにして決める。
標準ニッケル溶液20mlを正しくビーカー (300ml) に取り,8.2.4(6)の手順に準じて操作し,この滴
定量からM/50に対する力価を,次の式によって求める。
20
F
.1174
ここに F : M/50EDTA標準溶液のM/50に対する力価
V : M/50EDTA標準溶液使用量 (ml)
f : 標準ニッケル溶液1mlに相当するニッケル量 (mg)
あるいはM/50亜鉛標準溶液を用い,JIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)の2.(20)
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に準じて行い,この滴定量からM/50に対する力価を,次の式によって求める。
V1 f1
F
V2
ここに F : M/50EDTA標準溶液のM/50に対する力価
V1 : M/50亜鉛標準溶液使用量 (ml)
V2 : M/50EDTA標準溶液使用量 (ml)
f1 : M/50亜鉛標準溶液の力価
(13) 標準ニッケル溶液 (1mgNi/ml) ニッケル(99.9%以上)1.0000gをビーカー (500ml) にはかり取り,硝
酸 (1+1) 約20mlを加えて加熱分解し,硫酸 (1+1) 20mlを加えて加熱蒸発して白煙を発生させ,冷
却後水を加えて塩類を溶解したのち,1000mlのメスフラスコに移し入れ,水で正しく標線までうすめ
る。
(14) /50亜鉛標準溶液 (1.3074gZn/l) 亜鉛(JIS K 8005容量分析用標準試薬)1.3074g(亜鉛の表面が酸
化しているおそれのあるときは塩酸 (1+1),水,アセトンの順で洗い,110℃で5分間乾燥して用い
る。)を三角フラスコ (300ml) にはかり取り,口に漏斗をはめ,塩酸 (1+1) 20mlを加えて分解し,常
温まで冷却したのち1000mlにうすめ標準亜鉛溶液とする。この標準溶液のM/50に対する力価は,標
準試薬に表示されている純度をそのまま用いる。
(15) u−PAN溶液 1−ピリジルアゾ−2−ナフトール (PAN) 0.1gとCu−EDTA1.3gをイソプロピルアル
コール (75V/V%) 又はジオキサン (50V/V%) 100mlに溶解する。あるいは,市販の混合製剤1gをイソプ
ロピルアルコール (75V/V%) 又はジオキサン (50V/V%) 100mlに溶解する。
(16) BT溶液 エリオクロムブラックT0.5g及び塩酸ヒドロキシルアミン4.5gをエチルアルコールに溶解
し,100mlとする。この溶液は,約6箇月間使用することができる。
8.2.3 試料はかり取り量 試料は,表4に従ってはかり取る。
表4
品種名 試料はかり取り量 (g)
1種 0.50
2種 1.0
8.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をコニカルビーカー (300ml) にはかり取り,混酸40mlを加えて加熱分解し,過塩素酸20mlを加
え,引き続き加熱して過塩素酸の濃厚な白煙を発生させ,クロムを酸化し,赤色の重クロム酸が析出
するまで続ける。
(2) 冷却後,温水約50mlを加え,かき混ぜて塩類を溶解して(1),直ちにろ紙(5種A)を用いてろ過し,
温塩酸 (1+100) でろ紙を十分に洗浄する。ろ液及び洗液は冷却後250mlのメスフラスコに移し入れ,
水で標線までうすめる。
(3) この溶液から正しく25mlをビーカー (500ml) に分取し,酒石酸溶液又はくえん酸溶液20mlを加え,
水で約150mlにうすめ,アンモニア水を加えて弱アルカリ性とし,温水を用いて約300mlにうすめる。
これを煮沸近くまで加熱し,これに試料中のニッケル予想含有量0.01gにつきジメチルグリオキシム
溶液10mlの割合で徐々に加え,約1分間溶液をかき混ぜ,ニッケルジメチルグリオキシムを沈殿さ
せ,約30分間静置する(2)。
(4) この沈殿から滴定法又は重量法によってニッケルを定量する。
(a) 滴定法 滴定法によるときは(5),(6)の操作による。
(5) (3)の沈殿をろ紙(5種A)でろ過し,温水で約5回洗浄する。ろ紙上の沈殿は射水して元のビーカー
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に洗い落とし,硝酸 (1+2) 30mlを加えて加熱溶解し,これを元のろ紙に注いで残りの沈殿を溶解し,
ビーカー (300ml) に集める。更に温水でろ紙を十分洗浄後,ろ液と洗液を数分間煮沸してジメチルグ
リオキシムを分解する。
(6) 水を加えて液量を約150mlとし,Cu−PAN溶液約5滴を指示薬として加え振り混ぜたのち,よくかき
混ぜながら酢酸アンモニウム溶液を徐々に加え,溶液が黄色から赤紫色に変わってから,更に10ml
を加える(3)。溶液を煮沸直前まで加熱し,直ちにM/50EDTA標準溶液で滴定し,最後の1滴で黄色を
呈する点を終点とする。
(b) 重量法 重量法によるときは(7)の操作による。
(7) (3)の沈殿をあらかじめ恒量としたガラスろ過器 (G3) でろ過し,温水で十分に洗浄し,115±5℃で約
1時間乾燥し,室温になるまでデシケーター中に静置したのち質量をはかり,更に乾燥及びひょう量
を繰り返して恒量とし,ニッケルジメチルグリオキシムとして質量をはかる。
8.2.5 計算 試料中のニッケル含有率を,次の式によって算出する。
滴定法の場合
V .0001174
ニッケル % 100
W B
ここに V : M/50EDTA標準溶液使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
B : 試料溶液の分取比
重量法の場合
w .02032
ニッケル % 100
W B
ここに w : ニッケルジメチルグリオキシムの質量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
B : 試料溶液の分取比
注(1) 滴定法による場合は,8.2.4(2)において温水で処理後,溶液中に二酸化けい素その他の残さを認
めないときは,ろ過操作を省略してもよい。
(2) ジメチルグリオキシム溶液による沈殿が,ニッケルジメチルグリオキシム以外の不純物を含有
するおそれがある場合は,こしわけた沈殿を塩酸 (1+1) 20mlに溶解し,酒石酸溶液又はくえ
ん酸溶液2mlを加え水で約150mlにうすめ,以下8.2.4(3)のアンモニア水を加えて弱アルカリ性
とする手順以降に従って操作し再沈殿させる必要がある。
(3) このとき溶液のpHは45が最適である。本文操作に従うときは,大約この範囲となるので,
とくにpHメーターを用いてはかる必要はない。
備考1. 滴定法によるときは,EBTを指示薬として用いてM/50EDTA標準溶液とM/50亜鉛標準溶液
で滴定することができる。このときは次のように操作する。8.2.4(5)の手順に従って沈殿をこ
しわけ洗浄したのち,ろ紙上の沈殿は射水して元のビーカーに洗い落とし,塩酸 (1+1) 10ml
を注いで元のビーカーに洗い落とし,ろ紙は温水及び温塩酸 (1+10) で数回洗浄して洗液は
ろ液に合わせ,静かに加熱して沈殿を溶解させる。この溶液にニッケル予想量10mgについて
M/50EDTA標準溶液を10.0mlの割合で加えたのち,更にその5.0mlを過剰に加え,23回振
り混ぜ,EBT溶液0.1mlを指示薬として加え,溶液の色が青色となるまでアンモニア水 (1+
1) を滴加し(4)(5),直ちにM/50亜鉛標準溶液で滴定し,溶液の色が赤紫色を呈するに至った
点を終点とし,次の式によって,試料中のニッケル含有率を算出する。
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V1 V2 .0001174
ニッケル % 100
W B
ここに V1 : M/50EDTA標準溶液の使用量 (ml)
V2 : M/50亜鉛標準溶液の使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
B : 試料溶液の分取比
注(4) このときのpHは,約8に調節する必要がある。
(5) このときの液温は,約3040℃を保持する必要がある。
備考2. コバルトを含む試料にあっては,次のように操作する。
8.2.4(3)の分取液に酒石酸溶液20mlを加え,水で約150mlにうすめる。次にアンモニア水
を加えて弱アルカリ性とし,更に酢酸を用いて弱酸性とする(6)。これに臭素酸カリウム1
3gを加え,液温を80℃に約10分間保ち,次にアンモニア水を徐々に加えて弱アルカリ性と
し,温水を加えて約300mlにうすめる。これを煮沸近くまで加熱し,ジメチルグリオキシム
溶液を試料中のニッケル及びコバルトの予想含有量0.01gに対して10mlの割合で徐々に加え,
約1分間溶液をかき混ぜ,ニッケルジメチルグリオキシムを沈殿させ(2),以下8.2.4(4)以降の
手順に従って操作し,ニッケルを定量する。
注(6) コバルトの酸化処理を,酢酸の添加を省略して,アンモニア弱アルカリ性で行ってもよい。
備考3. 酸によって分解不完全な試料の場合には,次のように操作する。
8.2.4(1)の手順によって酸で分解したのち,これをろ紙(5種B)を用いてろ過し,塩酸 (2
+100) で洗浄し,ろ液は主溶液として保存する。不溶解残さは,これをろ紙と共に白金るつ
ぼに移し,強熱してろ紙を灰化したのち,これに約10倍量の融解合剤(炭酸カリウム1,炭
酸ナトリウム1)を混ぜて融解する。冷却後これを塩酸 (1+1) 及び水に溶解して前記主溶液
に合わせ,加熱して過塩素酸の白煙を発生させる。以下8.2.4(2)以降の手順に従って操作し,
ニッケルを定量する。
9. クロム定量方法
9.1 方法の区分 クロムの定量方法は,過硫酸アンモニウム酸化硫酸第一鉄アンモニウム直接滴定法に
よる。
9.2 過硫酸アンモニウム酸化硫酸第一鉄アンモニウム直接滴定法
9.2.1 要旨 試料を塩酸と硝酸の混酸で分解し,過塩素酸とりん酸を加えて加熱濃縮し,過塩素酸白煙を
発生させたのち水でうすめ,触媒として硝酸銀を加え,更に過硫酸アンモニウムを加えてクロムを酸化し,
重クロム酸とする。同時に生成した過マンガン酸を塩酸で分解し,冷却後,o−フェナントロリンを指示薬
として加えて硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液で滴定する。
9.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+3)
(2) 過塩素酸 (60%)
(3) りん酸
(4) 混酸(塩酸1,硝酸1,水1)
(5) 硝酸銀溶液 (0.5w/v%)
(6) 過硫酸アンモニウム溶液 (20w/v%)
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JIS G 1281:1977の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1281:1977の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1214:1998
- 鉄及び鋼―りん定量方法
- JISG4901:1999
- 耐食耐熱超合金棒
- JISG4902:2019
- 耐食耐熱超合金,ニッケル及びニッケル合金―板及び帯
- JISG4903:2017
- 配管用継目無ニッケルクロム鉄合金管
- JISG4904:2017
- 熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8006:1961
- 試薬の含量試験中滴定に関する基本事項