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G 1301 : 2016
6) 分取 全体の試料から割合の分かっている分量を正確に分ける操作。
7) (溶液を)移し入れる。 試料溶液を別の容器に移す操作。溶液のほとんどを新しい容器に移した
後,元の容器に残る試料溶液を指定された液を用いてうすめ,新しい容器に移し,それを2,3回繰
り返して元の容器に残る試料溶液の量が無視できるレベルにする。
8) 標線までうすめる。 指定された溶媒を用いて溶液全体の容量を規定の量とする操作。標線近くま
で溶媒を入れた後,溶液の温度を常温とし,液が均一になるように混合してから標線まで溶媒を加
え,再び液が均一になるように混合する。標線の合わせ方を含む,ガラス体積計の目盛への液体の
合わせ方は,JIS R 3505の図1(水際の視定方法)に示されている。
9) 洗液 操作に用いた時計皿,ろ紙などへの試料の付着物,又はるつぼなど容器内の試料の残留物を
洗い流した液。
10) 正確に 質量においては,指定した量を検定されたはかりによってはかることをいう。液体の容量
においては,全量フラスコ,全量ピペット,ビュレット,ピストン式ピペット(JIS K 0970による。)
によって,それらの体積計の公差内ではかることをいう。“正しく”は,同じ意味ではあるが,用い
ないのが望ましい。
c) 時計皿の使用 フェロアロイ分析方法規格群における時計皿の使用については,使用する容器と同じ
材質で,次の手順で使用することを推奨する。これらの手順によって時計皿は使用されるものとして,
各定量方法規格には,これらの手順の詳細は記載しなくてもよい。これらの手順は,各分析成分の原
液,空試験液,標準液及び検量線溶液の調製の場合にも適用される。
1) 時計皿で蓋をしたビーカーを試料分(標準試料及び空試験用も含む。)準備する。
2) 試料をはかりとったら,時計皿を外して試料をビーカーに移し入れ,再び時計皿で覆って蓋とする。
3) ビーカーに分解するための酸などを入れるときは,時計皿を少しずらして,その隙間から酸などを
注ぐ。試料の分解による発泡などの反応が始まる前に時計皿を元の位置に戻す。
4) 試料を酸で分解する間は,時計皿は蓋として用いる。
5) 試料溶液の濃縮,乾固,白煙処理を行わない場合は,時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を
取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
6) 試料溶液を濃縮する場合は,濃縮前の試料溶液量及び濃縮後の試料溶液量を考慮して,時計皿をず
らしてビーカー上部に適正な開放部を作り,試料溶液を蒸発させる。濃縮後,放冷し,時計皿の下
面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
上部を完全に開放して蒸発速度を上げる場合は,あらかじめ時計皿の下面を水又は温水で洗って
時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。乾固又は乾固直前の状態まで加熱する場合も,
あらかじめ時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
濃縮・乾固などの処理終了後,加熱を止め,時計皿で覆って,放冷する。放冷した後,時計皿の下
面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
7) 試料溶液について過塩素酸の白煙処理を行う場合は,時計皿の下面を少量の水又は温水で洗って時
計皿を取り除くか,又は時計皿をずらしてビーカー上部に適正な開放部を作り,過塩素酸を入れて
加熱する。時計皿で覆ったまま加熱してもよい。塩酸,硝酸などが蒸発して過塩素酸の白煙の発生
が始まったら,再び時計皿で覆って加熱を続けて白煙処理を行う。規定の時間の白煙処理後,放冷
し,時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,試料溶液に合わせる。
8) 試料溶液について硫酸又はりん酸の白煙処理を行う場合は,7) において過塩素酸の代わりに硫酸又
はりん酸を用い,7) と同様に操作する。硫酸白煙の場合,析出した塩類で突沸するおそれがあるの
――――― [JIS G 1301 pdf 16] ―――――
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G 1301 : 2016
で,その操作については,各定量方法規格の規定に従う。
d) 用語の区別
1) ろ過とこし分け 分析対象として,分離した液体を主に用いる場合は,ろ過と呼び,分離した固体
を主に用いる場合は,ろ過又はこし分けと呼ぶ。
2) 溶解と分解 溶解は化学反応による化学種の変化を生じずに溶液化することを呼び,化学反応が生
じる場合は,分解と呼ぶ。
注記1 溶解と分解については用語の厳密な使い方をせず,化学反応を生じても溶解と呼んでい
る場合もある。
3) 常温と室温 化学分析においては,常温は20±5 ℃を,室温は20±15 ℃を指す。また,標準温度
とは20 ℃を指す。
注記2 上記の温度の規定は,JIS K 0050による。
A.6 空試験
空試験の操作を具体的に書く。空試験操作の記載が長い場合,空試験の操作の一部について他の項目を
引用する場合などにおいては,定量操作と同様に,手順ごとに区切って記載してもよい。空試験で調製し
た溶液を空試験液という。検量線用溶液を試料と併行して調製する場合は,ゼロメンバー液を空試験液と
してもよい。
A.7 検量線の作成
検量線は,通常,主成分の純物質に,分析対象元素を段階的に添加し,分析試料と同じ調製方法で調製
して検量線用溶液とし,検量線用溶液の信号量と分析対象元素の添加量との関係線を作成し,その関係線
について原点を通るよう平行移動して検量線とする。ただし,ICP発光分光分析法及び機器分析方法にお
いては,平行移動せずに,得た関係線をそのまま検量線とする。
検量線用溶液の調製の操作は,具体的に書く。
検量線について,係数を求める場合は,市販の回帰計算ソフトを用いて求めてもよい。
A.8 許容差
化学分析方法の許容差は,共同実験によって求める。共同実験試料は,認証標準物質及び/又は同一組
成の試料を用い,含有率が目標適用範囲を含むように選ぶ。共同実験結果は,JIS Z 8402-2又はJIS Z 8402-3
によって解析する。各所の実験が併行2回分析でなく,日を変えて2回分析した場合は,JIS Z 8402-2に
よって解析を行い,併行分析を日間分析又は室内再現分析と読み替える。
――――― [JIS G 1301 pdf 17] ―――――
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G 1301 : 2016
参考文献 JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 0216 分析化学用語(環境部門)
JIS K 0970 ピストン式ピペット
JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部 : 標準測定方法の併行
精度及び再現精度を求めるための基本的方法
JIS Z 8402-3 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第3部 : 標準測定方法の中間
精度
JIS G 1301:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1301:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1501:1998
- フェロアロイのサンプリング方法通則
- JISG1601:1998
- フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その1 フェロマンガン,フェロシリコン,フェロクロム,シリコマンガン及びシリコクロム)
- JISG1602:1998
- フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その2 フェロタングステン,フェロモリブデン,フェロバナジウム,フェロチタン及びフェロニオブ)
- JISG1603:1985
- フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その3 フェロホスホル,金属マンガン,金属けい素,金属クロム,カルシウムシリコン及びフェロボロン)
- JISG1604:2000
- フェロアロイの成分用試料のサンプリング方法(その4 フェロニッケル)
- JISG2301:1998
- フェロマンガン
- JISG2302:1998
- フェロシリコン
- JISG2303:1998
- フェロクロム
- JISG2304:1998
- シリコマンガン
- JISG2306:1998
- フェロタングステン
- JISG2307:1998
- フェロモリブデン
- JISG2308:1998
- フェロバナジウム
- JISG2309:1998
- フェロチタン
- JISG2310:1986
- フェロホスホル
- JISG2311:1986
- 金属マンガン
- JISG2312:1986
- 金属けい素
- JISG2313:1998
- 金属クロム
- JISG2314:1986
- カルシウムシリコン
- JISG2315:1998
- シリコクロム
- JISG2316:2000
- フェロニッケル
- JISG2318:1998
- フェロボロン
- JISG2319:1998
- フェロニオブ
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0119:2008
- 蛍光X線分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ2615:2015
- 金属材料の炭素定量方法通則
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則
- JISZ8101-1:2015
- 統計―用語及び記号―第1部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
- JISZ8301:2019
- 規格票の様式及び作成方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい