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4.4 ガラスウール
4.5 るつぼ及びふた
4.5.1 炉の誘導コイル中に正確に試料を置くため,磁器るつぼは正確な寸法でなければならない(9.1参
照)。
4.5.2 るつぼは,空気又は酸素中であらかじめ1 100℃で1時間以上空焼きし,デシケーター又は密閉容
器中に保存する。酸素を流す燃焼管の付いた抵抗炉を用いてもよい。るつぼの内容物を高温域に保持する
ためのるつぼのふたも同様に空焼きする。
4.6 融剤 硫黄の含有率の低いすず,銅とすず,銅又は酸化バナジウム(9.2参照)
4.7 助燃剤 硫黄の含有率の低い銅,鉄,タングステン又はニッケル(9.2参照)
4.8 ニッケル 硫黄の含有率が0.001% (m/m) 以下で,その含有率が既知のもの。
4.9 鉄鋼標準物質 0.10.2% (m/m) の硫黄を含むもの。
4.10 塩酸 1.19g/ml 希釈液 (1+99)
4.11 よう化カリウムでんぷん溶液
可溶性でんぷん9gをビーカー (50ml) に移し入れ,水510mlを加えてのり状になるまでかき混ぜる。
沸騰水500mlにゆっくりと注ぐ。放冷した後,よう化カリウム15gを加えて溶解するまでかき混ぜ,水で
1lとする。
4.12 よう素酸カリウム標準溶液
よう素酸カリウム0.222 5gを正確にはかり取り,水酸化ナトリウム1gを含む水900mlに溶解する。全
量フラスコ1 000mlに移し入れ,水を標線まで加える。
この標準溶液1mlは,0.1mgの硫黄に相当する。
4.13 よう素酸カリウム標準溶液
全量フラスコ1 000mlに4.12で調製した,よう素酸カリウム溶液200mlを移し入れる。水を標線まで加
える。
この標準溶液1mlは,0.02mgの硫黄に相当する。
備考 4.12及び4.13の標準溶液の硫黄相当量は,完全に硫黄が二酸化硫黄になり,回収されることを
前提としている。十分正確に分析された,既知量の硫黄を含む標準物質は,これらの溶液の標
定に用いることができる。
5. 装置
5.1 高周波誘導加熱炉中で燃焼し,発生した二酸化硫黄を測定するために必要な装置は,数社から市販
されている。
装置の操作方法は製造業者の説明書に従う(9.3参照)。
5.2 ビュレット 容積50mlで,0.1ml間隔に目盛の刻まれたもの,及び容積10mlで,0.02ml間隔に目盛
の刻まれたもので,いずれもJIS R 3505クラスAのビュレット又はISO 385-1クラスAのビュレット。
5.3 ピペット JIS R 3505クラスAのピペット又はISO 648クラスAのピペット。
5.4 全量フラスコ JIS R 3505クラスAのピペット又はISO 1042クラスAの全量フラスコ。
6. サンプリング及び試料
6.1 サンプリング及び実験室試料の調製は,同意された方法,又は同意が得られない場合には関連する
国際規格によって,実施されなければならない。
――――― [JIS G 1326 pdf 61] ―――――
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G 1326 : 2000
6.2 実験室試料は,一般に粉,細粒,削り粉又は切り粉であり,それ以上の試料調製を必要としない。
6.3 実験室試料が,ミル又はドリルを用いた調製の過程で油又はグリスで汚染されているおそれがある
ときは,高純度アセトンで洗浄した後,空気中で乾燥する。
6.4 実験室試料が,広範囲な大きさの粒子及び片を含む場合は,分析試料は,二分器を通すのがよい。
7. 操作
警告 燃焼分析で危険なのは,主に磁器るつぼの空焼きの際及び融解の際における火傷である。
常にるつぼ挟みを用い,使用済みるつぼは適切な容器に廃棄する。酸素ボンベの取扱いに
は通常の安全対策を講じる。
7.1 測定
7.1.1 試料0.91.1gをはかり取り,0.001gのけたまで読み取る。これを適切な量の融剤(4.6)を入れた空
焼きしたるつぼ(4.5)に移す。必要ならば適量の助燃剤(4.7)を加える。用いる融剤及び助燃剤は,装置の特
性及び分析される物質の種類によって異なる。典型的な添加剤は,試料1.0gに対し,銅なら2g,銅1gと鉄
1gの合剤,タングステンなら23g,又は酸化バナジウム (V) 1g及び鉄粉1gである。るつぼにふたをする。
7.1.2 炉の受台に内容物の入ったるつぼを置き,酸素を流しながら燃焼位置に上昇させる。
7.1.3 塩酸(4.10)5070ml及びよう素でんぷん溶液(4.11)2mlを吸収容器へ入れる。最後の滴定終点として
設定した青の濃さを示すまで十分なよう素酸カリウム標準溶液(4.13)をビュレットから加える。ビュレット
をゼロら戻す。
備考 硫黄の含有率が0.02% (m/m) 以上の場合には,濃度の高いよう素酸カリウム標準溶液(4.12)を使
用する。
7.1.4 炉のスイッチを入れて酸素を流し続けながら試料を燃焼させる。終点の色として設定したよう素で
んぷんの青を保つように,よう素酸カリウム標準溶液(4.13)を継続的に滴加する。
二酸化硫黄がロスするので,滴定の間は常に溶液が無色にならないようにする。青の退色が見られなく
なり,るつぼの内容物が完全に燃焼した後,誘導コイルの電源を切る。通常5分間かかる。
7.1.5 滴定量を記録する。
7.1.6 7.1.1から7.1.5までの手順を繰り返す。
7.2 空試験
7.2.1 定量(7.1)に使用した量の融剤並びに助燃剤及び硫黄の含有率が低く,かつ,既知である純ニッケル
(4.8)1.0gを空焼きしたるつぼ(4.5)に入れる。
7.2.2 7.1.2から7.1.5を行う。
備考1. 滴定量は,るつぼ,融剤,助燃剤及び純ニッケル中の硫黄による空試験値に相当する。
2. 空試験値は,硫黄0.001% (m/m) を超えてはならない。
3. 空試験値が異常に高ければ,汚染の原因を調査し,除去する。
7.3 検量線
7.3.1 認証された鉄鋼標準物質(4.9)を選択する。
備考 フェロニッケルに対しては,硫黄の含有率が高い標準物質を使用する。
7.3.2 鉄鋼標準物質は,濃度既知か又はISO 7525で定量された低硫黄含有率 [<0.001% (m/m) ] の純ニッ
ケルと組み合わせて使用する。
7.3.3 検量線範囲の上限を含むように,空焼きしたるつぼに適切な比率の二つの物質(7.3.1及び7.3.2)
をはかり取る。あらかじめ決められた量の融剤及び助燃剤を加え,7.1.5から7.1.6に従って燃焼する。
――――― [JIS G 1326 pdf 62] ―――――
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7.3.4 指示値の再現性を確認するために7.3.3を繰り返す。
7.3.5 必要な範囲の検量線を作成するために,鉄鋼標準物質及びニッケルの割合を変えて7.3.3を繰り返
す。
7.3.6 硫黄の含有率0.100% (m/m) の鉄鋼標準物質及び硫黄の含有率0.001% (m/m) のニッケル試料を用
いた検量線試料の例を附属書12表1に示す。
附属書12表1 検量線試料の例
鉄鋼標準物質の量 ニッケルの量 混合物の硫黄の含有率
g g % (m/m)
0.500 0.500 0.050+0.000 5
0.300 0.700 0.030+0.000 7
0.100 0.900 0.010+0.000 9
0 1.000 0.001 0
備考1. 炉から赤外線分析計へ二酸化硫黄を完全に移動させるため,試料の融解後も高温状態を維持
することが重要である。
2. 融解物がるつぼのふたに飛び散ると,誘導加熱の範囲から外れてしまうので,それを避ける
ために,静かに燃焼させることが必要である。
7.3.7 各検量線試料の滴定量(7.3)から空試験の滴定量(7.2)を差し引く。
7.3.8 燃焼させた各検量線試料中の硫黄量 ( 最 ‰ 空試験値を差し引いた滴定量に対してプロット
する。
8. 結果の表現
8.1 計算
8.1.1 試料の滴定量から空試験の滴定量を差し引く。
8.1.2 検量線から,試料中の硫黄の質量 ( 最 ‰ み取る。
8.1.3 硫黄の含有率 [% (m/m) ] は,次の式によって算出する。
m110 4
S=
m0
ここに, S : 試料中の硫黄の含有率 [% (m/m) ]
m1 : はかり取った試料中の硫黄の検出量 ( 最
m0 : はかり取った試料の質量 (g)
8.1.4 各々の試料について,2個の結果の平均値を報告する。
8.2 精度
6か国の14分析室間で,この附属書に規定された方法による共同実験が実施された。この操作に従って,
10試料を日を変えて2回分析した。
ISO 5725に従い計算した並行許容差及び室間再現許容差を附属書12表2に示した。
――――― [JIS G 1326 pdf 63] ―――――
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附属書12表2 統計解析の結果
平均硫黄の含有率
金属又は合金 室内標準偏差 室間標準偏差 並行許容差 室間再現許容差
% (m/m) Sw Sb r R
フェロニッケル
A22 0.020 0.000 8 0.002 2 0.002 3 0.006 6
A28 0.024 0.000 8 0.001 5 0.002 2 0.004 9
C1 0.024 0.000 6 0.000 7 0.001 7 0.002 6
C2 0.049 0.001 0 0.001 7 0.002 9 0.005 6
C3 0.074 0.000 9 0.004 7 0.002 5 0.014
C4 0.20 0.002 5 0.013 0.007 0.039
ニッケル
YG 0.006 7 0.000 2 0.000 5 0.000 5 0.001 6
YF 0.014 0.000 3 0.001 4 0.000 9 0.004 1
ニッケル合金
AK (H*) 0.003 2 0.000 5 0.001 4 0.001 3 0.004 0
AO (B*) 0.017 8 0.000 3 0.002 5 0.000 9 0.007 1
* 附属書12表5の合金の種類を参照。
9. 操作上及び装置上の注意
9.1 るつぼ及びふた
磁器るつぼは,試料及び必要な添加剤を入れて融解するために用いる。るつぼは装置に対して正確な寸
法でなくてはならない。また,るつぼ中の試料を加熱する誘導コイル内に正確にセットするため受台に適
合したものでなければならない。
燃焼るつぼの典型的な寸法は,高さ25mm,外径25mm,内径20mm,肉厚2.5mm及び底厚8mmである。
るつぼの硫黄分を除去するために,酸素気流中1 100℃で空焼きする。内容物が飛散して誘導コイルの加
熱部から外れてしまわないように,るつぼにふたをする。るつぼのふたは,るつぼと同様の操作で空焼き
する(4.5.2参照)。
9.2 融剤及び助燃剤
9.2.1 試料の微粒子を互いに凝集し,流動性のある溶体を生成させ,効果的に誘導加熱するために融剤を
添加する。すず,銅とすず,銅と酸化バナジウム (V) が有効な融剤である。
9.2.2 銅,鉄,タングステン及びニッケルが一般的な助燃剤である。助燃剤は次のような目的で添加する。
a) そのままでは誘導加熱されにくい,非常に細かい試料及び複雑な組成の物質などを誘導加熱しやすく
するための結合媒体。
b) 燃焼温度を上昇させる化学燃料のようなもの。
c) 試料が少量の場合,試料の量を増加せずにるつぼ内の物質の量を増やすもの。
融剤及び助燃剤の硫黄の含有率は低くなければならない。また,検量線の作成の際にもこれらを添
加しなければならない。酸素,耐火材,融剤及び助燃剤などからの全空試験値は0.001% (m/m) を超
えてはならない。
備考 幾つかの物質は融剤及び助燃剤両方の作用をする。
9.3 高周波誘導加熱炉の特徴及び操作
――――― [JIS G 1326 pdf 64] ―――――
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G 1326 : 2000
9.3.1 燃焼炉は誘導コイル及び高周波発生器から成る。炉室は誘導コイルの内側に適合する石英ガラス管
から成る。この管には上下にOリングによってシールされた金属板が取り付けられている。ガスの出入口
の穴はその金属板を通してつくられている。燃焼中に生成した二酸化硫黄はガラス管を通って滴定容器に
送られる。
9.3.2 滴定溶液の滴加によって,でんぷんとよう素から生成する青の強度を測定するための光電セルを,
滴定容器に装備することが望ましい。青の強度は光電セルに接続されたガルバノメーターで測定される。
滴定溶液の滴加を手動で行うものもあるが,幾つかの装置では,あらかじめ設定しておいた色の強度まで,
滴定溶液の滴加を自動的に行うことができる。目で見て色の強度を判定することも可能であるが,分析の
精度はよくない。
9.3.3 高周波発生器は,通常,1.52.5kV・Aの定格出力のものを用いているが,製造業者によって周波
数は異なることがある。周波数は26, 15又は20MHzのものが用いられてきた。高周波発生器からの出
力は,通常空冷されている石英ガラス管の周りの誘導コイルに伝えられる。
9.3.4 試料,融剤及び助燃剤を入れたるつぼを正確に位置された受台に置くので,それが上昇すると,出
力が供給されたとき有効に誘導結合するように,るつぼの内容物は誘導コイル中に正確に入る。
9.3.5 誘導結合の度合いは,誘導コイルの直径及び巻数,並びに炉室の構造及び高周波発生器の出力によ
って決まる。これらの要因は装置製造業者によって決められている。
9.3.6 燃焼中に到達する温度は,炉,るつぼ内の金属の種類及び量に依存する。二酸化硫黄を炉から完全
に移動させるために,試料が融解した後もこの温度を1 700℃以上に維持する。
9.3.7 アスカライト(4.2)及び過塩素酸マグネシウム(4.3)を詰めた管を使用し供給酸素を精製する。酸素の
流量は装置によって異なるが,通常,約0.5l/minである。
9.3.8 炉室と分析計の間にガラスウールフィルターを詰め,必要に応じて取り替える。炉室,受台及びフ
ィルタートラップは飛散した内容物を除去するために頻繁に清掃することが望ましい。
10. 分析報告書
分析報告書には,次の情報を記載しなければならない。
a) 用いた引用規格
b) 分析結果
c) 独立した繰返し分析数
d) 分析の際の通常と異なる点
e) この附属書に含まれない操作又は付加的な操作とみなすことができるもの。
――――― [JIS G 1326 pdf 65] ―――――
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JIS G 1326:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11400:1992(MOD)
- ISO 6352:1985(MOD)
- ISO 7520:1985(MOD)
- ISO 7524:1985(MOD)
- ISO 7526:1985(MOD)
- ISO 7527:1985(MOD)
- ISO 8343:1985(MOD)
JIS G 1326:2000の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1326:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1301:2016
- フェロアロイ―分析方法通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISZ2615:2015
- 金属材料の炭素定量方法通則
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則