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の温度は40 ℃以下1)に保つように,必要ならば,流水中で冷却するなどして調整する。
c) 臭素の添加が終了し,金属アルミニウムなどの分解反応がほぼ終了した後,約1時間放置して完全に
分解する。
d) 時計皿の下面を少量のメタノールで洗って時計皿を取り除く。洗液は,コニカルビーカーに入れる。
ろ紙(5種C)又は四ふっ化エチレン樹脂製若しくはポリカーボネート樹脂製の孔径1 μmのメンブレ
ンフィルターで溶液をろ過し,ろ紙(又はメンブレンフィルター)及び不溶解残さを少量のメタノー
ルで4,5回洗浄する。ろ液及び洗液は,あらかじめ塩酸(1+1)40 mLを入れた500 mL全量フラス
コに受ける。
e) 水で約450 mLにうすめ,流水中で常温まで冷却した後,水で標線までうすめる。
f) この溶液50 mLをコニカルビーカー(300 mL)に分取する。塩酸(1+1)5 mLを加えた後,熱板上
で加熱し,約5 mLになるまで蒸発して濃縮する。熱板から下ろして放冷した後,過酸化水素1 mLを
加え加熱して臭素を除去する。さらに,加熱を続けて溶液がシロップ状となるまで濃縮する。
g) 塩酸(1+1)10 mLを加えて,析出した塩類を溶かし12分間穏やかに煮沸する。流水中で常温まで
冷却した後,100 mL全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
h) この溶液10 mLを100 mL全量フラスコに分取し,水で標線までうすめる。
注1) 分解時の溶液温度が40 ℃を超えると,金属アルミニウム以外のアルミニウム化合物が溶け
始める。
4.2.6.2 測定
測定は,次による。
a) CP発光分光分析装置を所定の測定条件にセットしてアルゴンプラズマを点灯し,安定した測定がで
きる状態としておく。
b) CP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に4.2.6.1 h)で調製した溶液の一部を噴霧し,309.271 nm,
309.284 nm,396.152 nmなどのアルミニウムの発光線波長における発光強度を測定する。バックグラ
ウンドが同時測定可能な装置では,選択した測定波長付近でアルミニウム及び他の共存元素が影響し
ない波長でバックグラウンドを測定して差し引き,アルミニウムの正味の発光強度を求める。
c) 4.2.8によって,同時に作成した検量線からアルミニウム量を求める。
4.2.7 空試験
空試験は,行わない。
4.2.8 検量線の作成
8個の100 mL全量フラスコのそれぞれに,アルミニウム標準液(4.2.2.6)をアルミニウムとして0,0.5,
1,3,5,10,15及び20 mgを加える。塩酸(1+1)1 mLを加えた後,水で標線までうすめる。この溶液
について4.2.6.2によって測定を行い,発光強度と添加アルミニウム量との関係線を作成して検量線とする。
4.2.9 計算
次の式によって試料中の金属アルミニウム含有率を算出する。
500 100
a
Al 50 10 100
W
ここに, Al : 金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
a : 検量線から求めたアルミニウム量(g)
W : 試料はかりとり量(g)
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4.3 金属アルミニウム分解分離亜鉛逆滴定法
4.3.1 要旨
試料をメタノール中臭素で分解し,金属アルミニウムを溶解する。不溶解残さをろ過する。ろ液に過剰
のエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(EDTA2Na)を加え,その過剰をキシレノールオレンジ指
示薬を用いて亜鉛で滴定する。ふっ化ナトリウムを加えてアルミニウムと結合しているEDTA2Naを遊離
させ,亜鉛を用いて前と同様に滴定する。
4.3.2 試薬
試薬は,次による。
4.3.2.1 塩酸(1+1)
4.3.2.2 アンモニア水(1+2)
4.3.2.3 過酸化水素
4.3.2.4 臭素
4.3.2.5 ふっ化ナトリウム飽和溶液 ポリエチレン製ビーカーを用いて,ふっ化ナトリウムを水に溶解し
た飽和溶液。この溶液は,ポリエチレン製瓶に保存する。
4.3.2.6 メタノール
4.3.2.7 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(EDTA2Na溶液) エチレンジアミン四酢酸
二水素二ナトリウム二水和物37.2 gをはかりとり,水1 Lを加えて溶かした後,ポリエチレンなどの樹脂
製気密容器に入れて保存する。
4.3.2.8 0.1 mol/L亜鉛標準液 亜鉛[99.99 %(質量分率)以上]6.538 gを1 mgの桁まではかりとり,
コニカルビーカー(1 L)に移す。塩酸(1+1)100 mLを加え,加熱して分解する。完全に分解した後,
流水中で室温まで冷却する。液量を約500 mLとし,アンモニア水を加えてアルカリ性とした後,酢酸で
溶液のpHを56に調整する。常温まで流水中で冷却後,1 000 mL全量フラスコに水を用いて移し入れ,
水で標線までうすめる。密栓して保存する。
4.3.2.9 キシレノールオレンジ溶液 キシレノールオレンジ0.1 gを100 mLの水に溶かす。冷暗所に保存
する。
4.3.2.10 緩衝液(pH5.8) 酢酸アンモニウム100 gを700 mLの水に溶かし,酢酸を加えてpH5.8とした
後,水で1 Lにうすめる。
4.3.3 分析用試料
4.2.4による。
4.3.4 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,2.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
4.3.5 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,4.2.6.1のa) f)の手順に従って行った後,塩酸(1+1)5 mL及
び少量の水で析出した塩類を溶解する。加熱して12分間煮沸した後,流水中で常温まで冷却し,100
mL全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
b) 共存イオンのマスキング 共存イオンのマスキングは,次による。
1) )で調製した溶液の20 mLをコニカルビーカー(300 mL)に分取し,EDTA2Na溶液(4.3.2.7)20 mL
を加え,よく振り混ぜる。アンモニア水(1+2)を用いて溶液をpHメーターでpH5pH6に調整
した後,緩衝液(pH5.8)(4.3.2.10)15 mLを加える。
――――― [JIS G 2404 pdf 7] ―――――
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2) 加熱して約3分間煮沸した後,流水中で常温まで冷却する。キシレノールオレンジ溶液(4.3.2.9)4,
5滴を加え,0.1 mol/L亜鉛標準液(4.3.2.8)で滴定して溶液の色が黄から赤とう(橙)となったと
ころで止める。
c) 滴定 滴定は,次による。
1) 直ちにふっ化ナトリウム飽和溶液(4.3.2.5)50 mLを加え,再び加熱して約3分間煮沸した後,流
水中で常温まで冷却する。
2) キシレノールオレンジ溶液(4.3.2.9)2,3滴を追加し,アルミニウム量に相当する遊離したエチレ
ンジアミン四酢酸を0.1 mol/L亜鉛標準液(4.3.2.8)で滴定する。溶液の色が黄から赤とうに変化し
たところを終点とし,そのときの滴定量a(mL)を記録する。
4.3.6 空試験
空試験は,行わない。
4.3.7 計算
次の式によって試料中の金属アルミニウム含有率を求める。
500 100
a .0002 698
Al 50 20 100
W
ここに, Al : 金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
a : 4.3.5 c) 2) で記録した0.1 mol/L亜鉛標準液の滴定量
(mL)
W : 試料はかりとり量(g)
0.002 698 : 0.1 mol/L亜鉛標準液1 mLに相当するアルミニウムの質
量を示す換算係数(g/mL)
4.4 塩酸溶解ガス容量法
4.4.1 要旨
試料を塩酸で溶かし,水素ガスを発生させ,ガスメーターで水素ガス量を測定して金属アルミニウム含
有率に換算する。
注記 本法は金属アルミニウム粉末の塩酸溶解時の発生水素ガス量と比較することで,間接的に金属
アルミニウム含有率を算出する簡易法であり,広範な種類の試料について実用範囲内での十分
な分析精度を有するが,種々の誤差要因も内在する。このため4.4.6の操作手順に正しく従うこ
とで誤差を予防し,4.4.7及び4.4.8に述べる補正計算によって誤差を縮小する必要がある。特
に定期的に4.3 金属アルミニウム分解分離亜鉛逆滴定法との比較検証及び補正を行うことが
重要である。
4.4.2 試薬
試薬は,次による。
4.4.2.1 塩酸(1+1)
4.4.2.2 アルミニウム粉末 純度が99.5 %(質量分率)以上で粒度が200 μm以下のもの。
4.4.2.3 吸収液 硫酸(1+11)
4.4.3 器具及び装置
器具及び装置は,次のものを用意し,図1の例のように組み立てる。
4.4.3.1 反応用三角フラスコ ほうけい酸ガラス製の三角フラスコ(500 mL)を用いる。
4.4.3.2 随伴ガス吸収フラスコ ほうけい酸ガラス製の三角フラスコ(500 mL)を用いる。
――――― [JIS G 2404 pdf 8] ―――――
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4.4.3.3 ガスメーター 湿式実験用ガスメーター(5300 L/h,最小読取量 0.005 L)。
図1−塩酸溶解ガス容量法の装置構成の例
4.4.4 分析用試料
試料は,JIS G 2403によって,0.1 mm以下に粉砕する。この粉砕した試料は,ポリエチレン製袋などに
入れて密封して保存する。
4.4.5 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,5.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
4.4.6 操作
操作は,次による。
a) 試料及び純水75 mLを反応用三角フラスコに入れてゴム栓をする。
b) 反応用三角フラスコに塩酸(1+1)100 mLをコック付漏斗から添加し,直ちにコックを閉める。
c) 溶解は,室温で10分間行う。
d) 水素以外の発生ガス(随伴ガス)を除くこと及び発生水素ガスの冷却を目的として,溶解によって発
生したガスを随伴ガス吸収フラスコ内の吸収液(4.4.2.3)に通じて随伴ガスを除去し,水素ガスの温
度を安定化した後にガスメーターに送る2)。
e) ガスメーターで水素ガス量を測定すると同時に,ガスメーター内に設置した温度計によって水素ガス
温度を測定する。
注2) 吸収液の温度管理及びpH管理が重要であり,酸性を維持し,温度は室温+10 ℃以内に常時
管理することが望ましい。また,随伴ガス吸収フラスコに満たす吸収液の量は,250 mL以上
350 mL以下を目安とする。
4.4.7 アルミニウム粉末測定時の発生水素ガス量とアルミニウム質量との換算係数算出方法
アルミニウム粉末(4.4.2.2)1.000 g程度を0.1 mgの桁まで2個以上はかりとり,それぞれを別々の反応
用三角フラスコに入れ,4.4.6の操作と同様に操作して水素ガス量及び温度を測定する。測定した水素ガス
温度から式(1)によって温度補正係数F0を算出する。アルミニウム粉末溶解時と鉄鋼用アルミニウムドロ
ス溶解時の水素ガス温度とが異なる場合は,それぞれt1(℃)及びt2(℃)とし,温度補正係数もそれぞ
れF01,F02とする。
――――― [JIS G 2404 pdf 9] ―――――
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t
F0 1 (1)
273
t1 t2
F01 1 F02 1
273 273
ここに, F0 : 水素ガス温度による温度補正係数
F01 : アルミニウム粉末測定時の水素ガス温度による温度補正係
数
F02 : 鉄鋼用アルミニウムドロス測定時の水素ガス温度による温
度補正係数
t : 測定時のガスメーター内の水素ガス温度(℃)
t1 : アルミニウム粉末溶解時の水素ガス温度の平均値(℃)
t2 : 鉄鋼用アルミニウムドロス溶解時の水素ガス温度の平均値
(℃)
アルミニウム1 molから発生する標準状態での理論水素ガス量V01(L)とアルミニウム粉末の塩酸溶解
時に発生する水素ガス量実測値V1(L)との比率を換算係数F1とする。
V01
F1
V1
ここで,純度P0 %(質量分率)のアルミニウム粉末W1(g)の場合には標準状態で当てはめると,
33.62 W1 P0
V01
26.98 100
したがって,標準状態では,
V01 33.62 W1 P0
F1
V1 26.98 V1 100
上の式を温度補正係数F01によって補正して式(2)を得る。
33.62 W1 P0 F01
F1= (2)
26.98 V1 100
ここに, F1 : 1 atmにおけるアルミニウム粉末による水素ガス量の理論値
との換算係数
P0 : アルミニウム粉末の純度[%(質量分率)]
V1 : アルミニウム粉末の溶解時に発生する水素ガス量実測値(L)
F01 : アルミニウム粉末の溶解時の水素ガス温度による温度補正
係数
W1 : アルミニウム粉末はかりとり量(g)
26.98 : アルミニウム原子のモル質量(g/mol)
33.62 : 標準状態(0 ℃,1 atm)におけるアルミニウム1 molに相当
する発生する水素ガス量(L/mol)
4.4.8 計算
計算は,次による。
a) 式(2)を,アルミニウム量を求める式に変形するため,W1を鉄鋼用アルミニウムドロス試料のはかりと
り量W2に,V1を4.4.6の操作によって得られた試料の溶解水素ガス量V2にそれぞれ置き換え,式(3)
によって鉄鋼用アルミニウムドロス試料中の金属アルミニウム含有率P1を得る。
26.98V2 F1
P1 100 (3)
33.62W2 F02
ここに, P1 : 金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
――――― [JIS G 2404 pdf 10] ―――――
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