JIS G 2404:2015 鉄鋼用アルミニウムドロス分析方法 | ページ 3

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G 2404 : 2015
V2 : 試料の溶解水素ガス量(L)
F02 : 式(1)を用いた鉄鋼用アルミニウムドロス試料測定時の水素
ガス温度の温度補正係数
F1 : 式(2)で得たアルミニウム粉末による換算係数
W2 : 試料はかりとり量(g)
b) 式(3)によって得られた金属アルミニウム含有率P1の誤差を,補正係数F2を使用して最小化する。補
正係数F2は,過去の同一試料を用いて,塩酸溶解ガス容量法によって求めた金属アルミニウム含有率
P1及び金属アルミニウム分解亜鉛逆滴定法によって求めた金属アルミニウム含有率P2の測定値を
集積してデータベース化した平均値を使用して両者の比率として求める。補正係数F2は,式(4)によっ
て算出しておく。
注記 補正係数F2は,試料のアルミニウム量によっても影響を受けるので,アルミニウム含有率
30 %以下,40 %,50 %,60 %及び70 %の各水準について求めておくことが望ましい。
P2n,
F2n
P1n,
n
1
F2 F2n (4)
n 1
ここに, P2n : 金属アルミニウム分解分離亜鉛逆滴定法によって過去にn
個の試料によって得た金属アルミニウム含有率[%(質量分
率)]
P1n : 塩酸溶解ガス容量法によって過去にn個の試料によって得
た金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
F2n : 過去のデータによるP2nとP1nとの比率
F2 : 金属アルミニウム分解分離亜鉛逆滴定法による補正係数
c) 式(5)によって試料中の補正した金属アルミニウム含有率Al[%(質量分率)]を確定する。
Al=P1×F2 (5)
ここに, Al : 補正した金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
P1 : 金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
F2 : 金属アルミニウム分解分離亜鉛逆滴定法による補正係数
d) 補正係数F2は,同一試料を用いたP1とP2との差分ΔPとし,これを用いて式(6)によって試料中
の補正した金属アルミニウム含有率Al[%(質量分率)]を確定してもよい。
Al=P1+ΔP (6)

4.5 反応液温度測定法

4.5.1  要旨
試料をジュワー瓶内の塩酸反応液中に投入し,試料中の金属アルミニウムと塩酸とを反応させ,その反
応によって生じた反応熱で反応液を加熱する。反応熱総量が,反応したアルミニウム量に比例すること及
びジュワー瓶を使用することで反応液に蓄積された熱量に等しいことから,反応前後の反応液温度の差に
も比例することとなる。ここで,反応前後の反応液温度の差から金属アルミニウム含有率を算出する簡易
測定法である。この分析方法は簡便であることから多用されているが,不純物元素の影響を受けやすいの
でこの点の注意が必要である。
4.5.2 試薬 反応液は,塩酸(1+2)とする。
4.5.3 器具
器具は,次による。
4.5.3.1 ジュワー瓶 反応中,反応液があふれ出ない内容量のもの。

――――― [JIS G 2404 pdf 11] ―――――

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4.5.3.2 温度計 目量0.1 ℃のもの。
注記 温度計は,校正してある温度計を使用するのが望ましい。
4.5.4 分析用試料
4.2.4による。
4.5.5 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,2.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
4.5.6 操作
操作は,次による。
a) 反応液300 mLを,塩酸が極力揮発しない方法で(30±1)℃に調節する。
b) ) の反応液をジュワー瓶に移し,反応液温度(T1 ℃)を0.1 ℃の桁まで測定する。
c) 試料をジュワー瓶に入れ,直ちにゴム栓をする。
d) ジュワー瓶を緩やかに揺すって反応液をかくはんし,反応液温度を1分ごとに測定し,反応液の温度
が均一化され,安定したときの温度(T2 ℃)を0.1 ℃の桁まで測定する。
4.5.7 検量線の作成
検量線の作成は,次による。
a) 検量線作成用試料 検量線作成用試料は,4.3の方法で測定された金属アルミニウム含有率が既知のも
のを段階的に3試料以上準備する。
b) 検量線作成用試料はかりとり量 検量線作成用試料はかりとり量は,2.0 gとし,1 mgの桁まではか
る。
c) 操作 4.5.6の手順に従って操作する。
なお,温度測定には,試料の場合と同一の温度計を使用する。
d) 検量線の換算係数の算出 c) で測定された3試料以上の反応前後の反応液温度差の測定結果(ΔT)及
び4.3で得られた金属アルミニウム含有率(Al)に基づき,次の式のf及びa(検量線の換算係数)
を最小二乗法で算出する。
0.2
Al[( T) f a]
W
ここに, Al : 金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
ΔT : 反応前後の反応液温度差(℃)
W : 検量線作成用試料はかりとり量(g)
f,a : 検量線の換算係数
この測定法は,不純物含有量の影響を受けるので,鉄鋼用アルミニウムドロスの供給元が変わるなどし
て内容物が変動すると予測される場合には,検量線を別途作成することが必要である。
4.5.8 計算
4.5.6の操作によって得られた反応前後の反応液温度差を用いて,次の式によって試料中の金属アルミニ
ウム含有率を算出する。
0.2
Al [( T2T1 ) f a]
W
ここに, Al : 金属アルミニウム含有率[%(質量分率)]
T1 : 反応前の反応液温度(℃)
T2 : 反応後の定常になった反応液温度(℃)
W : 試料はかりとり量(g)
f,a : 検量線の換算係数

――――― [JIS G 2404 pdf 12] ―――――

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5 窒素定量方法

5.1 定量方法

  窒素の定量方法は,アンモニア蒸留分離硫酸・水酸化ナトリウム逆滴定法による。この方法は,窒素含
有率0.2 %(質量分率)以上7 %(質量分率)以下の試料に適用する。

5.2 要旨

  試料を塩酸及び過酸化水素で分解する。未分解残さ及び溶液を蒸留フラスコに移し,水酸化ナトリウム
でアルカリ性とする。水蒸気蒸留によってアンモニアを,あらかじめ一定量の硫酸標準液を入れた受け器
に留出する。残存する硫酸を水酸化ナトリウム標準液で逆滴定してアンモニウムイオンを定量し,窒素含
有率を算出する。

5.3 試薬

  試薬は,次による。
5.3.1 塩酸(1+1)
5.3.2 水酸化ナトリウム溶液(500 g/L) ポリエチレン製瓶に栓をして保存する。
5.3.3 過酸化水素(1+9)
5.3.4 0.5 mol/L硫酸標準液 約900 mLの水に硫酸28 mLを少量ずつ加えた後,水で1 Lにうすめ,気密
容器に保存する。標定は,次による。
この溶液10 mLを三角フラスコ(300 mL)に分取し,約100 mLの水を加える。0.2 mol/L水酸化ナトリ
ウム標準液(5.3.5)でブロモチモールブルーを指示薬として滴定し,溶液の色が緑に変化した点を終点と
する。次の式によって0.5 mol/L硫酸標準液のファクターを算出し,小数点以下3桁に丸める。
a 2.0 fNaOH
fH 2SO 4
10
Hf
ここに, 2SO : 0.5 mol/L硫酸標準液のファクター
4
10 : 0.5 mol/L硫酸標準液分取量(mL)
a : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液の滴定量(mL)
fNaOH : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液のファクター
容量分析用として標定済みの0.5 mol/L硫酸標準液市販品を使用してもよい。
5.3.5 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液の調製,標定及び計算は,
次による。
a) 調製 調製後4,5日経過した水酸化ナトリウム溶液(500 g/L)の上澄み液16 mLをポリエチレンな
どの樹脂製気密容器1 Lに入れ,二酸化炭素を除いた水を加えて1 Lとし,混合した後,ソーダ石灰
管を付けて保存する。
b) 標定及び計算 標定及び計算は,次のいずれかによる。
1) アミド硫酸(HOSO2NH2,JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質)を粉砕することなく50 ℃
で2時間乾燥した後,シリカゲルデシケーター中で30分間放冷する。その約4 gを1 mgの桁まで
はかりとり,水に溶かして200 mL全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。その20 mLを
三角フラスコ(300 mL)に分取し,水で約100 mLとする。指示薬としてブロモチモールブルー溶
液2,3滴を加え,この0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液で滴定し,溶液の色が緑に変化した点を
終点とする。次の式によって0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液のファクターを算出し,小数点以下
3桁に丸める。

――――― [JIS G 2404 pdf 13] ―――――

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b 20 1
fNaOH a
100 200 c .0019 42
ここに, fNaOH : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液のファクター
a : アミド硫酸のはかりとり量(g)
b : アミド硫酸の純度[%(質量分率)]
c : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液の滴定量(mL)
0.019 42 : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液1 mLに相当するアミド
硫酸の質量を示す換算係数(g/mL)
2) 標定済みの0.5 mol/L硫酸標準液市販品を正しく5倍にうすめた溶液を20 mL分取して,ブロモチ
モールブルー溶液を用い,0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液で滴定して標定する。その場合は,次
の式によって0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液のファクターを算出する。
1.0
fH 2SO 4 2 a
fNaOH
b
ここに, fNaOH : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液のファクター
Hf
2SO : 0.5 mol/L硫酸標準液のファクター
4
a : 0.5 mol/L硫酸標準液を1/5にうすめた溶液の分取量
(mL)
b : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液の滴定量(mL)
5.3.6 ブロモチモールブルー溶液 ブロモチモールブルー0.1 gを20 mLのエタノールに加温して溶かし
た後,水を加えて100 mLとし,褐色ガラス製瓶に保存する。

5.4 水蒸気蒸留装置

  水蒸気蒸留装置の例を図2に示す。ガラス器具類は,使用前に水でよく洗う。

5.5 分析用試料

  4.2.4による。

5.6 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,2.0 gとし,1 mgの桁まではかる。

5.7 操作

5.7.1  試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次による。
a) 試料をはかりとってビーカー(500 mL)に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,塩酸(1+1)30 mLを少量ずつ加える。必要ならば,加熱して金属状アルミニウムな
どを分解する。反応が穏やかになった後,過酸化水素(1+9)10 mLを数回に分けて加え,加熱して
可溶分を完全に分解する。流水中で室温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って,洗液はビーカ
ーに入れる。

――――― [JIS G 2404 pdf 14] ―――――

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単位 mm
図2−水蒸気蒸留装置の例
5.7.2 アンモニウムイオンの蒸留分離
アンモニウムイオンの蒸留分離は,次による。
a) 水蒸気蒸留装置を組み立て,蒸留開始に先立って水蒸気発生フラスコの水を加熱して15分間以上水蒸
気を発生させておく。また,冷却管には冷却水を流しておく。
b) 5.7.1で調製した試料溶液を未分解残さとともに水蒸気蒸留装置の蒸留フラスコへ少量の水で洗い移
す。
c) 水蒸気蒸留装置へ蒸留フラスコをセットする。次に,あらかじめ0.5 mol/L硫酸標準液(5.3.4)10.00 mL,
水10 mL及びブロモチモールブルー溶液(5.3.6)3,4滴を加えてある三角フラスコ(300 mL)を,
冷却管の留出口がフラスコ中の溶液に浸るようにセットする。
d) 蒸留フラスコ上部に接続されている漏斗から,水酸化ナトリウム溶液(5.3.2)を50 mL加えた後,少
量の水で漏斗部を洗う。漏斗部のコックを閉じ,水蒸気発生フラスコで発生させた水蒸気を蒸留フラ
スコに導入する。
e) 留出液の量が約150 mLになるまで蒸留を続ける。
なお,蒸留の途中で溶液の色が緑に変化した場合は,窒素含有率が7 %(質量分率)以上であるか
ら,試料はかりとり量を減らして再分析する。
f) 留出液の量が約150 mLとなった後,冷却管の留出口を留出液から離し,蒸留フラスコ上部のコック
を開放する。

――――― [JIS G 2404 pdf 15] ―――――

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