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G 2404 : 2015
g) 冷却管を外し,その内管の内壁を少量の水で洗浄して留出液に合わせる。
5.7.3 滴定
0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液(5.3.5)で,留出液中に残存する硫酸を逆滴定する。溶液の色が緑に
変化した点を終点とする。
5.8 空試験
空試験は,試料を用いずに5.7の手順に従って操作する。
5.9 計算
5.7.3及び5.8で得た滴定量から,次の式によって試料中の窒素含有率を算出する。
fNaOH 2.0 (BT b ) 14.01
N 100
W 1 000
ここに, N : 窒素含有率[%(質量分率)]
fNaOH : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液のファクター
b : 0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液の滴定量(mL)
BT : 空試験での0.2 mol/L水酸化ナトリウム標準液の滴定量(mL)
W : 試料はかりとり量(g)
14.01 : 窒素原子のモル質量(g/mol)
6 塩化物イオン定量方法
6.1 定量方法の区分
塩化物イオンの定量は,次のいずれかによる。
a) イオンクロマトグラフィー この方法は,塩化物イオン含有率0.05 %(質量分率)以上3.0 %(質量
分率)以下の試料に適用する。
b) 硝酸銀滴定法 この方法は,塩化物イオン含有率0.2 %(質量分率)以上3.0 %(質量分率)以下の試
料に適用する。
6.2 イオンクロマトグラフィー
6.2.1 要旨
試料に水を加えて約1時間煮沸して塩化物イオンを溶出する。残さをろ過した後,一定量とし,イオン
クロマトグラフィーによって塩化物イオンを定量する。
6.2.2 試薬
試薬は,次による。
6.2.2.1 溶離液 溶離液の調製方法の例を次に示す。
a) サプレッサーを用いる場合の例
1) 炭酸水素ナトリウム溶液(1.7 mmol/L)・炭酸ナトリウム溶液(1.8 mmol/L) 炭酸水素ナトリウム
0.143 g及び炭酸ナトリウム0.191 gをはかりとり,水に溶かして1 Lとする。
2) 炭酸水素ナトリウム溶液(0.3 mmol/L)・炭酸ナトリウム溶液(2.7 mmol/L) 炭酸水素ナトリウム
0.025 g及び炭酸ナトリウム0.286 gをはかりとり,水に溶かして1 Lとする。
3) 炭酸ナトリウム溶液(3 mmol/L) 炭酸ナトリウム0.318 gをはかりとり,水に溶かして1 Lとする。
b) サプレッサーを用いない場合の例
1) グルコン酸カリウム溶液(1.3 mmol/L)・四ほう酸ナトリウム溶液(1.3 mmol/L)・ほう酸溶液(30
mmol/L)・アセトニトリル溶液(100 g/L)・グリセリン溶液(5 g/L) グルコン酸カリウム0.31 g,
四ほう酸ナトリウム十水和物0.50 g,ほう酸1.86 g,アセトニトリル100 g(128 mL)及びグリセリ
――――― [JIS G 2404 pdf 16] ―――――
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ン5 g(4 mL)をはかりとり,水に溶かして1 Lとする。
2) フタル酸溶液(2.5 mmol/L)・2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール溶液(2.4 mmol/L)
フタル酸0.415 g及び2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール[トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン]0.291 gをはかりとり,水に溶かして1 Lとする。
注記 溶離液は,装置の種類及び分離カラムに充した陰イオン交換体の種類によって異なるの
で,あらかじめ塩化物イオン及び亜硝酸イオンの分離を,6.2.3 a)の操作を行って確認する。
6.2.2.2 再生液 再生液の調製方法の例を次に示す。
硫酸(12.5 mmol/L) 0.5 mol/L硫酸25 mLを水で1 Lにうすめる。
注記 再生液は,サプレッサーを用いる場合に使用するが,装置の種類及びサプレッサーの種類によ
って異なる。あらかじめ分離カラムと組み合わせて,6.2.3 a)の操作を行って再生液の性能を確
認する。
6.2.2.3 塩化物イオン標準液A(Cl− : 1 mg/mL) 塩化ナトリウム(JIS K 8005に規定する容量分析用
標準物質)を600 ℃で2時間乾燥した後,シリカゲルデシケーターに入れて放冷する。これの1.648 gを
はかりとり,少量の水に溶かして1 000 mL全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
6.2.2.4 塩化物イオン標準液B(Cl− : 0.1 mg/mL) 調製した塩化物イオン標準液A 10 mLを100 mL全
量フラスコに分取し,水で標線までうすめる。
6.2.3 イオンクロマトグラフ
イオンクロマトグラフは,分離カラムとサプレッサーとを組み合わせた方式のもの又は分離カラム単独
の方式のものいずれでもよいが,次の条件を満たすもので,塩化物イオン,亜硝酸イオン,臭化物イオン,
硝酸イオン,硫酸イオンなどが分離定量できなければならない。
なお,サプレッサーは,溶離液中の陽イオンを水素イオンに変換するもので,溶離液中の陽イオンに対
して十分なイオン交換容量をもつ陽イオン交換膜(膜形及び電気透析形がある。)又は同様な性能をもった
陽イオン交換体を充したものとし,再生液と組み合わせて用いる。ただし,電気透析形の場合は,再生
液として検出器からの流出液(検出器から排出される溶液)を用いる。
a) 分離カラム ステンレス鋼製又は合成樹脂製3) のものに,強塩基性陰イオン交換体(表層被覆形,全
多孔性シリカ形など)を充したものとする。
なお,分離カラムには,溶離液を一定の流量(例えば,12 mL/min)で流し,陰イオン混合希釈標
準液[JIS K 0127の箇条7 p)(混合希釈標準液)]の一定量をイオンクロマトグラフに注入し,クロマ
トグラムを求め,それぞれの陰イオンが分離(分離度1.3以上)できるものを用いる。また,定期的
に分離カラムの性能4)を確認するとよい。
陰イオン混合希釈標準液(Cl− : 5 μg/mL,NO2− : 10 μg/mL,Br−,NO3−及びSO42− : それぞれ20 μg/mL)
は,次のように調製する。塩化物イオン標準液A(Cl− : 1 mg/mL)5 mL,亜硝酸イオン標準液(NO2 − :
1 mg/mL)10 mL,臭化物イオン標準液(Br− : 1 mg/mL)20 mL,硝酸イオン標準液(NO3− : 1 mg/mL)
20 mL,及び硫酸イオン標準液(SO42− : 1 mg/mL)20 mLをそれぞれ分取して,1 000 mL全量フラス
コに移し入れ,水で標線までうすめる。
注3) 例えば,四ふっ化エチレン樹脂製,ポリエーテルケトン樹脂製などがある。
4) 例えば,確認する項目は,JIS K 0127の11.3 c)(分離度の確認)のほか,メーカーが推奨す
るピークの対称性,保持時間及び圧力などがある。
b) 検出器 電気伝導度検出器
c) 記録部 記録部は,データ処理装置又は記録計とする。
――――― [JIS G 2404 pdf 17] ―――――
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6.2.4 分析用試料
4.2.4による。
6.2.5 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
6.2.6 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次による。
1) 試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,水約150 mLを加える。
3) 熱板上で加熱して,約1時間穏やかに煮沸する。この間,溶液量を150 mLに保つよう必要に応じ
て水を適宜,追加する。
4) 流水中で室温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに
入れる。
5) ろ紙(5種C)又は孔径1 μmのメンブレンフィルターで溶液をろ過し,ろ紙(又はメンブレンフィ
ルター)及び残さを少量の水で4,5回洗浄する。ろ液は,洗液とともに200 mL全量フラスコに受
け,水で標線までうすめる。
6) 試料中の塩化物イオン含有率に応じて,表1に従い,5) で得た溶液を200 mL全量フラスコに分取
し,水で標線までうすめて試料溶液とする。
表1−分取量
試料中の塩化物イオン含有率 分取量
%(質量分率) mL
0.05以上 0.2未満 全量
0.2以上 2.0未満 20
2.0以上 3.0以下 10
b) 測定 測定は,次による。
1) イオンクロマトグラフを所定の測定条件にセットして作動できる状態にし,分離カラムなどに溶離
液(6.2.2.1)を一定の流量(例えば,12 mL/min)で流しておく。サプレッサーを必要とする装置
では,再生液(6.2.2.2)を一定の流量で流しておく。
2) 孔径0.2 μmのカートリッジフィルターを装着したシリンジを用い,a) 6) で得た試料溶液の一定量
を装置のサンプリング部に注入する。
3) 装置の試料導入部を作動させて,サンプリング部の試料溶液(50200 μLの一定量)をカラム部に
注入し,クロマトグラムを記録する。
4) クロマトグラム上の塩化物イオンに相当するピークについて,指示値を読み取る。
なお,指示値は,ピーク高さ又はピーク面積とする。
6.2.7 空試験
ビーカー(300 mL)に水150 mLを加え,時計皿で覆う。以下,6.2.6 a) の3)6) 及び6.2.6 b) の手順
に従って操作し,空試験の指示値を読み取る。ただし,分取量及び装置への注入量は,試料溶液と同じ量
とする。
――――― [JIS G 2404 pdf 18] ―――――
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6.2.8 検量線の作成
塩化物イオン標準液A又は塩化物イオン標準液Bから塩化物イオンとして02 mgを段階的に数個の
200 mL全量フラスコに分取し,水で標線までうすめる。この溶液を6.2.6 b) の手順に従って操作し,指示
値と塩化物イオン量との関係線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。
6.2.9 計算
6.2.6及び6.2.7によって得た指示値と6.2.8によって作成した検量線とから塩化物イオン量を求め,次の
式によって試料中の塩化物イオン含有率を算出する。
a b
Cl 100
c
W
200
ここに, Cl : 塩化物イオン含有率[%(質量分率)]
a : 検量線から求めた試料溶液200 mL中の塩化物イオン量(g)
b : 空試験値(g)
c : 分取量(mL)
(分取をしない場合は,cは200とする。)
W : 試料はかりとり量(g)
6.3 硝酸銀滴定法
6.3.1 要旨
試料に水を加えて煮沸し,塩化物イオンを溶出する。水酸化ナトリウムでアルカリ性とし,過酸化水素
を加えて還元性物質を酸化する。硝酸で中和し,析出した水酸化物などをろ過する。ろ液についてウラニ
ンを指示薬とし,硝酸銀で滴定して塩化物イオンを定量する。
6.3.2 試薬
試薬は,次による。
6.3.2.1 硝酸(1+1)
6.3.2.2 硫酸
6.3.2.3 水酸化ナトリウム溶液(20 g/100 mL)
6.3.2.4 過酸化水素(1+9)
6.3.2.5 塩化ヒドロキシルアンモニウム
6.3.2.6 硫酸ヒドロキシルアンモニウム
6.3.2.7 デキストリン溶液 デキストリン水和物2 gに水を加え,煮沸して溶かし,100 mLにうすめる。
使用の都度,調製する。
6.3.2.8 40 mmol/L硝酸銀標準液 硝酸銀6.8 gを水に溶かし1 Lにうすめて,着色ガラス瓶に保存する。
標定は,次のように行う。
塩化ナトリウム(JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質)を600 ℃で2時間乾燥した後,シリカゲ
ルデシケーターに入れて放冷する。0.467 5 gをはかりとり,少量の水に溶かして200 mL全量フラスコに
水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液20 mLをビーカー(200 mL)に分取し,水で液量
を約50 mLとする。これにデキストリン溶液5 mL及びウラニン溶液1,2滴を加え,静かに振り混ぜなが
ら40 mmol/L硝酸銀標準液で滴定する。黄緑の蛍光が消失して僅かに赤くなったときを終点とする。次の
式によって,40 mmol/L硝酸銀標準液のファクターを算出し,小数点以下3桁に丸める。
b 20 1
fAgNO 3=a
100 200 c .0002 3377
――――― [JIS G 2404 pdf 19] ―――――
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ここに, fAgNO 3 : 40 mmol/L硝酸銀標準液のファクター
a : 塩化ナトリウムはかりとり量(g)
b : 塩化ナトリウムの純度[%(質量分率)]
c : 40 mmol/L硝酸銀標準液の滴定量(mL)
0.002 337 7 : 40 mmol/L硝酸銀標準液1 mLに相当する塩化ナトリウ
ムの質量を示す換算係数(g/mL)
6.3.2.9 クロム酸カリウム溶液(5 g/100 mL)
6.3.2.10 ウラニン溶液 ウラニン(フルオレセインナトリウム)0.2 gを水に溶かして100 mLにうすめる。
6.3.2.11 pH試験紙 pH2pH10の範囲で赤から黄,緑を経て紫に変色し,pHが7付近のとき緑を示す
もの。
6.3.3 分析用試料
4.2.4による。
6.3.4 試料はかりとり量
試料は,塩化物イオン含有率に応じ,表2によって1 mgの桁まではかる。
表2−試料はかりとり量
試料中の塩化物イオン含有率 試料はかりとり量
%(質量分率) g
0.2以上 1.0未満 2.0
1.0以上 3.0以下 1.0
6.3.5 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次による。
1) 試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,水80 mLを加える。加熱して溶液を約1時間穏やかに煮沸した後,流水中で室温ま
で冷却する。
3) 時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。ろ紙(5種B)を用い
て溶液をろ過し,ろ紙及び残さを少量の水で4,5回洗浄する。ろ液及び洗液は,合わせて別のビー
カー(300 mL)に受ける。
4) 水酸化ナトリウム溶液(6.3.2.3)1 mLを加え,煮沸し始めるまで加熱する。過酸化水素(1+9)5 mL
を少量ずつ加えた後,約10分間煮沸する。
5) 流水中で室温まで冷却後,硝酸(1+1)を加え,pH7付近まで中和する。pH試験紙で溶液のpHが
7付近にあることを確認する。
6) 水酸化物などの沈殿物が認められれば,ろ紙(5種A)を用いて溶液をろ過し,ろ紙及び沈殿物を
少量の水で数回洗浄する。ろ液及び洗液は,合わせて新しいビーカー(300 mL)に受け試料溶液と
する。溶液量が100 mLを超えていた場合は,加熱蒸発して約100 mLとする。
なお,ろ紙の代わりに,孔径0.41 μmのメンブレンフィルターを使用して吸引ろ過を行っても
よい。
b) 塩化物イオンの滴定 塩化物イオンの滴定は,次による。
1) ) 6) で得た試料溶液にデキストリン溶液(6.3.2.7)5 mL及びウラニン溶液(6.3.2.10)2,3滴を加
――――― [JIS G 2404 pdf 20] ―――――
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JIS G 2404:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
JIS G 2404:2015の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
- JISG2403:2015
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- 金属材料の炭素定量方法通則