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える。
2) 溶液を静かに振り混ぜながら,40 mmol/L硝酸銀標準液(6.3.2.8)で滴定する。溶液の黄緑の蛍光が
消失して僅かに赤くなった点を終点とする。
なお,この滴定操作は,次のいずれかによる。
2.1) 試料中の塩化物イオン含有率が1 %(質量分率)未満の場合は,ミクロビュレット(10 mL)を用
いて滴定を行う。
2.2) 滴定時の塩化物イオン量が10 mgより少ない場合,終点の判定には高度の熟練を要する。終点の
判定ができない場合は,ウラニン溶液に替えてクロム酸カリウム溶液(6.3.2.9)1 mLを使用して
滴定を行ってもよい(保護コロイドのデキストリン溶液は添加しない。)。その場合,溶液が黄色
から僅かに赤褐色に着色した点を終点とする。
警告 滴定終了後の溶液は6価クロムを含むので,少量の硫酸及び硫酸ヒドロキシルアンモニ
ウム又は塩化ヒドロキシルアンモニウムを加えて,クロムを3価に還元して廃棄処理を
行う。
6.3.6 空試験
水80 mLをビーカー(300 mL)に取り,6.3.5 a) 2) の煮沸操作以降,試料の場合と同様に操作して空試
験の滴定量を求める。
6.3.7 計算
次の式によって試料中の塩化物イオン含有率を算出する。
fAgNO3 (a−b).1418
Cl 100
W 1000
ここに, Cl : 塩化物イオン含有率[%(質量分率)]
fAgNO 3 : 40 mmol/L硝酸銀標準液のファクター
a : 試料の滴定量(mL)
b : 空試験の滴定量(mL)
W : 試料はかりとり量(g)
1.418 : 40 mmol/L硝酸銀標準液1 mLに相当する塩化物イオンの
質量を示す換算係数(mg/mL)
7 全けい素定量方法
7.1 定量方法の区分
全けい素の定量は,次のいずれかによる。
a) モリブドけい酸吸光光度法 この方法は,全けい素含有率(SiO2表示)0.5 %(質量分率)以上20 %
(質量分率)以下の試料に適用する。
b) 二酸化けい素重量法 この方法は,全けい素含有率(SiO2表示)0.5 %(質量分率)以上20 %(質量
分率)以下の試料に適用する。
7.2 モリブドけい酸吸光光度法
7.2.1 要旨
試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,未分解残さをこし分け,白金るつぼ中で強熱して灰化する。
炭酸ナトリウムとほう酸とで残さを融解し,水に溶解した後,ろ液と合わせる。一部を分取し,溶液のpH
を0.8付近に調節する。モリブデン酸アンモニウムを加えてモリブドけい酸を生成させ,分光光度計を用
いて吸光度を測定する。分析結果は,SiO2として表示する。
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7.2.2 試薬
試薬は,次による。
7.2.2.1 硝酸(1+1)
7.2.2.2 混酸(塩酸1,硝酸1,水2 : 容量比)
7.2.2.3 亜硝酸ナトリウム溶液(1 g/100 mL)
7.2.2.4 融解合剤[ほう酸3,炭酸ナトリウム5 : 質量比]
7.2.2.5 モリブデン酸アンモニウム溶液 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物10 gを水に溶かした
後,100 mLとする。ポリエチレン製瓶に保存する。
7.2.2.6 けい素標準液(Si : 500 μg/mL) けい素標準液の調製は,次による。
a) あらかじめ1 000 ℃で強熱し,デシケーター中で常温まで放冷した二酸化けい素[99.95 %(質量分率)
以上]0.535 0 gを白金るつぼ(30番又は40番)にはかりとり,炭酸ナトリウム4.0 gを混和し,加熱
して溶融する。
b) 放冷した後,白金るつぼを温水100 mLを入れた四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(300 mL)中に浸
して融成物を溶かし,白金るつぼを水洗して取り出す。室温まで冷却した後,溶液を少量のろ紙パル
プを入れたろ紙(5種B)を用いてろ過し,ろ紙を炭酸ナトリウム溶液(10 g/L)で洗浄する。ろ紙及
び洗液を500 mL全量フラスコに水で洗い移し,水で標線までうすめる。ポリエチレン製瓶に保存す
る。
c) この溶液50 mLを,あらかじめ過塩素酸30 mL,硝酸(1+1)5 mL及び水20 mLを入れてあるビー
カー(500 mL)に分取し,7.3.6 a) 3) の過塩素酸白煙発生操作から7.3.6 c) 4) の手順に従って操作し,
けい素濃度を求める。二酸化けい素質量をけい素質量に変換する係数は,0.467 4である。
7.2.3 装置及び器具
7.2.3.1 分光光度計 分析装置の構成は,JIS K 0115による。
7.2.3.2 白金るつぼ 30番又は40番
7.2.4 分析用試料
4.2.4による。
7.2.5 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
7.2.6 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次による。
1) 試料をはかりとって,ビーカー(500 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸(7.2.2.2)30 mLを少量ずつ加え,加熱して金属アルミニウムなどを分解する。
分解反応が終了したら必要以上に加熱せずに,流水中で室温まで冷却する。
3) 時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。ろ紙(5種B)を用い
て溶液をこし分け,ろ紙及び未分解残さを少量の水で数回洗浄する。ろ液及び洗液は,合わせて新
しいビーカー(500 mL)に受け,保存する。
4) ろ紙及び未分解残さを白金るつぼ(30番又は40番)に移し,加熱してろ紙を乾燥した後,強熱し
て灰化する。金属状けい素などが完全に酸化されて残さがほとんど白色になるまで強熱を続ける。
5) 放冷した後,融解合剤(7.2.2.4)6 gを白金るつぼに加え,白金棒で混合する。その混合物の上に融
解合剤2 gをかぶせるようにして加える。
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6) 穏やかに加熱して水分を完全に除去した後,徐々に加熱を強くして残さを融解する。融解合剤が溶
け落ちて,白金るつぼ内壁に付着物がない状態になってから約20分間強熱を続ける。
7) 加熱を止め,放冷した後白金るつぼを融成物とともに四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(300 mL)
に移し,約100 mLの水を加え,加熱して融成物を溶解する。
8) 融成物が溶け,白金るつぼ内に固着物がなくなった後,硝酸(1+1)30 mLを加え,加熱して水酸
化物などの沈殿物を溶解する。白金るつぼを水洗して取り出した後,流水中で常温まで冷却する。
この溶液及び3) で保存したろ液及び洗液を,500 mL全量フラスコに水を用いて移し入れ合わせる。
水で標線までうすめて試料溶液とする。
なお,マンガンの酸化物が認められる場合には,亜硝酸ナトリウム溶液(7.2.2.3)数滴を加える。
b) 呈色 呈色は,次による。
1) 全けい素含有率に応じて表3に従い,a) 8) で得た試料溶液をビーカー(300 mL)に分取する。
表3−分取量
試料中の全けい素含有率(SiO2表示) 分取量
%(質量分率) mL
0.5 以上 2未満 100
2 以上 10未満 50
10 以上 20以下 25
2) 水で液量を150200 mLとし,溶液のpHをpHメーターを用いて硝酸(1+1)でpH0.7pH0.9に
調整する。
3) この溶液を250 mL全量フラスコに少量の水を用いて移し入れ,溶液の温度を2030 ℃に調整する。
モリブデン酸アンモニウム溶液(7.2.2.5)15 mLを加え,水で標線までうすめ,よく混合して,約
10分間放置する。
c) 吸光度の測定 b) 3) で得た呈色溶液の一部を分光光度計の吸収セルにとり,モリブデン酸アンモニウ
ム溶液の添加から15分間以内に,水を対照液として,波長420 nm付近の吸光度を測定する。a) 8) で
得た試料溶液が着色している場合は,その溶液を呈色用と同量ビーカーに分取し,モリブデン酸アン
モニウム溶液を加えずに試料と同様に操作して得た溶液を対照液に使用する。
7.2.7 空試験
試料の場合と同量の試薬を用い,同様に操作して吸光度を求める。
7.2.8 検量線の作成
数個の四ふっ化エチレン樹脂製ビーカーに融解合剤(7.2.2.4)8 gをとり,約200 mLの水を加え,加熱
して溶解する。けい素標準液(7.2.2.6)を,けい素として025 mgを段階的に加えた後,溶液を加熱して
34分間煮沸する。室温まで冷却後,硝酸(1+1)30 mLを加えて酸性溶液とし,500 mL全量フラスコ
に水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液100 mLをビーカー(300 mL)に分取する。次
いで,7.2.6 b) の2),3) 及び7.2.6 c) の手順に従って操作し,吸光度を測定する。得た吸光度と分取した
溶液50 mLに含まれるけい素量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線
とする。
7.2.9 計算
7.2.6 c) で得た吸光度から7.2.7で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と7.2.8で作成した検量線と
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からけい素量を求め,次の式によって試料中の全けい素含有率(SiO2表示)を算出する。
a .21393
SiO2 100
W b/ 500
ここに, SiO2 : 全けい素含有率(SiO2表示)[%(質量分率)]
a : 検量線から求めたけい素検出量(g)
b : 分取量(mL)
W : 試料はかりとり量(g)
2.139 3 : SiからSiO2への換算係数
7.3 二酸化けい素重量法
7.3.1 要旨
試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,未分解残さをこし分け,白金るつぼ中で強熱して灰化する。
炭酸ナトリウムとほう酸とで残さを融解し,水に溶解した後,ろ液と合わせる。過塩素酸を加えて加熱し,
白煙を発生させて,けい素を不溶性の二酸化けい素とする。温水で可溶性塩類を溶解後,沈殿をこし分け,
強熱した後,その質量をはかる。次に,硫酸及びふっ化水素酸を加え,加熱して二酸化けい素をふっ化け
い素として揮散させ,強熱した後,その質量をはかる。質量の差を二酸化けい素として全けい素含有率(SiO2
表示)を求める。
7.3.2 試薬
試薬は,次による。
7.3.2.1 塩酸(1+100)
7.3.2.2 硝酸(1+1)
7.3.2.3 過塩素酸
7.3.2.4 ふっ化水素酸
7.3.2.5 硫酸(1+1)
7.3.2.6 混酸(塩酸1,硝酸1,水2 : 容量比)
7.3.2.7 亜硝酸ナトリウム溶液(1 g/100 mL)
7.3.2.8 融解合剤[ほう酸3,炭酸ナトリウム5 : 質量比]
7.3.2.9 硝酸銀溶液(1 g/100 mL)
7.3.3 器具 白金るつぼは,30番又は40番とする。
7.3.4 分析用試料
4.2.4による。
7.3.5 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gを,1 mgの桁まではかる。
7.3.6 操作
操作は,次による。
a) 試料の分解及び二酸化けい素の脱水処理 試料の分解及び二酸化けい素の脱水処理は,次による。
1) 7.2.6 a)の 1)7) の手順に従って操作する。
2) 融成物が溶け,白金るつぼ内に固着物がなくなった後,硝酸(1+1)30 mLを加え,加熱して水酸
化物などの沈殿物を溶解する。白金るつぼを水洗して取り出した後,7.2.6 a) 3) で保存したろ液及
び洗液の入ったビーカー(500 mL)に溶液を少量の水を用いて移し入れ,合わせる。
なお,マンガンの酸化物が認められる場合には,亜硝酸ナトリウム溶液(7.3.2.7)数滴を加える。
3) 過塩素酸50 mLを加え,加熱して過塩素酸白煙を発生させる。時計皿で覆い,熱板上で強熱して過
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塩素酸の蒸気がビーカー内壁を伝わって逆流する状態になってから,更に1520分間加熱を続ける。
放冷した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。
b) ろ過及び洗浄 ろ過及び洗浄は,次による。
1) ) 3) で得た,塩類の入っているビーカー(500 mL)中に温水を加えて液量を約300 mLとし,ガラ
ス棒でかき混ぜ,塩類を溶解する。
2) 静置して,沈殿物が沈降した後,速やかに沈殿をろ紙(5種B)を用いてこし分け,ビーカーの内
壁に付着した二酸化けい素は,ゴム管付きガラス棒を用いてこすり落とし,少量の温塩酸(1+100)
でろ紙上に洗い移す。
3) ろ紙及び沈殿物を,温塩酸(1+100)で5,6回,次いで温水で洗液に塩化物イオンがなくなるまで,
十分に洗浄する。この場合,洗液の少量を取り,硝酸銀溶液(7.3.2.9)4,5滴を加えて溶液が白濁
しなくなればよい。
c) ひょう量 ひょう量は,次による。
1) ) 3) で得た二酸化けい素の沈殿を,ろ紙とともに白金るつぼに移し入れ,加熱してろ紙を乾燥した
後,強熱して灰化する。
2) 1 1001 150 ℃で約1時間強熱して,デシケーター中で常温まで放冷した後,その質量をはかる。
0.3 mg以下の恒量となるまでこの操作を繰り返す。
3) 白金るつぼ中に硫酸(1+1)0.5 mL及びふっ化水素酸約5 mLを加え,穏やかに加熱して二酸化け
い素をふっ化けい素として揮散させ,引き続き硫酸白煙が発生しなくなるまで加熱する。
4) 1 1001 150 ℃で約30分間強熱して,デシケーター中で常温まで放冷した後,その質量をはかる。
0.3 mg以下の恒量となるまでこの操作を繰り返す。
7.3.7 空試験
空試験は,行わない。
7.3.8 計算
次の式によって試料中の全けい素含有率(SiO2表示)を算出する。
m1 m2
SiO2 100
W
ここに, SiO2 : 全けい素含有率(SiO2表示)[%(質量分率)]
m1 : 7.3.6 c) 2)で得た質量(g)
m2 : 7.3.6 c) 4)で得た質量(g)
W : 試料はかりとり量(g)
8 酸化アルミニウム定量方法
8.1 定量方法の区分
酸化アルミニウムの定量は,次のいずれかによる。
a) 金属アルミニウム分解分離ICP発光分光分析方法 この方法は,酸化アルミニウム含有率2.0 %(質
量分率)以上の試料に適用する。
b) 金属アルミニウム分解分離亜鉛逆滴定法 この方法は,酸化アルミニウム含有率10 %(質量分率)以
上の試料に適用する。
8.2 金属アルミニウム分解分離ICP発光分光分析方法
8.2.1 要旨
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JIS G 2404:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
JIS G 2404:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG2403:2015
- 鉄鋼用アルミニウムドロス―サンプリング及び試料調製方法
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
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- 発光分光分析通則
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- JISZ2615:2015
- 金属材料の炭素定量方法通則