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試料をメタノール中臭素で分解した後,不溶解残さをこし分けて回収する。回収した不溶解残さを炭酸
ナトリウムとほう酸とで融解した後,融成物を水に溶解する。塩酸酸性とした後,一定量とし,ICP発光
分光分析方法によってアルミニウムを定量する。得られたアルミニウム量から,別途定量した窒化アルミ
ニウムとしてのアルミニウム量を差し引き,その残部を酸化アルミニウム量に換算して含有率を求める。
8.2.2 試薬
試薬は,次による。
8.2.2.1 塩酸(1+1)
8.2.2.2 臭素
8.2.2.3 融解合剤[ほう酸3,炭酸ナトリウム5 : 質量比]
8.2.2.4 アルゴン
8.2.2.5 メタノール
8.2.2.6 アルミニウム標準液(Al : 1 mg/mL) 4.2.2.5による。
8.2.3 装置及び器具
8.2.3.1 ICP発光分光分析装置 分析装置の構成は,JIS K 0116による。
8.2.3.2 白金るつぼ 25番又は30番
8.2.4 分析用試料
4.2.4による。
8.2.5 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
8.2.6 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次による。
1) 試料をはかりとって乾燥したコニカルビーカー(500 mL)に移し入れる。
2) メタノール100 mLを加え,乾燥した時計皿で覆う。乾燥したピペットを用いて臭素を1 mLずつに
分けて合計5 mL加える。試料分解時の溶液温度が40 ℃以下5)となるよう臭素を加える時間間隔を
調整し,必要ならば,流水中で冷却しながら試料を分解する。分解反応による細かな気泡が生じな
くなったらそのまま一夜放置する。
注5) 分解時の溶液温度が40 ℃を超えると,金属アルミニウム以外のアルミニウム化合物が溶
け始める。
3) 時計皿の下面を少量のメタノールで洗って時計皿を取り除く。洗液は,ビーカーに入れる。ろ紙(5
種B)又はポリカーボネート樹脂製の孔径1 μmのメンブレンフィルターで溶液をこし分け,ろ紙(又
はメンブレンフィルター)及び残さを少量のメタノールで4,5回洗浄する。ろ液及び洗液は捨て,
残さは,ろ紙(又はメンブレンフィルター)とともに白金るつぼに移す。白金るつぼをセラミック
付き金網に載せ,バーナーの弱火で加熱して乾燥した後,バーナーを少し強くしてろ紙(又はメン
ブレンフィルター)を炭化する。さらに,マッフル炉の三角架に白金るつぼを置き,バーナー直火
で強熱してろ紙(又はメンブレンフィルター)を灰化した後,バーナーから下ろして室温まで放冷
する。炭素,金属状けい素などが共存していると,融解時に白金るつぼを損傷する原因となるので,
強熱してこれらを完全に酸化させておく。
4) 融解合剤(8.2.2.3)8.0 gをとり,その約半分を回収した残さが入っている白金るつぼに加え,ガラ
ス棒又は白金棒でよく混合する。残りの融解合剤をその上にかぶせるように加え,白金るつぼをセ
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ラミック付き金網に載せ,バーナーの弱火でしばらく加熱する。マッフル炉の三角架に白金るつぼ
を置き,徐々に加熱を強め,融解が始まったら,白金トングスを用いて白金るつぼをゆっくり回し
ながら加熱して残さを融解する。融解がほぼ終了したら,白金るつぼを三角架に置き,マッフル炉
中で加熱を続けて残さを完全に融解する。白金るつぼをセラミック付き金網上で室温まで放冷する。
5) ビーカー(300 mL)中にるつぼを横倒しに置き,水100 mLを加える。時々振り混ぜながら穏やか
に加熱して白金るつぼ内の融成物を溶かす。完全に溶けた後,るつぼを水洗して取り出す。溶液を
ガラス棒でかき混ぜながら塩酸(1+1)30 mLを少しずつ加える。加熱して溶液が透明になったら
流水中で常温まで冷却した後,250 mL全量フラスコに少量の水を用いて移し入れ,水で標線までう
すめる。
6) この溶液10 mLを100 mL全量フラスコに分取し,水で標線までうすめて,ICP発光強度測定用試
料溶液とする。
b) 測定 測定は,次による。
1) CP発光分光分析装置を所定の測定条件にセットしてアルゴンプラズマを点灯し,安定した測定が
できる状態としておく。
2) CP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中にa) 6)で調製したICP発光強度測定用試料溶液の一部
を噴霧し,309.271 nm,309.284 nm,396.152 nmなどのアルミニウムの発光線波長における発光強
度を測定する。バックグラウンドが同時測定可能な装置では,選択した測定波長に対して最も適正
と判断される方法にてバックグラウンド補正を行い,アルミニウムの真の発光強度を求める。
3) 8.2.8によって,同時に作成した検量線からアルミニウム量を求める。
8.2.7 空試験
空試験は,行わない。
8.2.8 検量線の作成
融解合剤8.0 gをビーカー(300 mL)にはかりとり,水100 mLを加える。加熱して溶かした後,溶液を
振り混ぜながら塩酸(1+1)30 mLを少量ずつ加える。加熱して12分間煮沸した後,流水中で常温まで
冷却し,250 mL全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液を10 mLずつ7
個の100 mL全量フラスコに分取する。8.2.6 a) 6)で調製したICP発光強度測定用試料溶液中のアルミニウ
ム量が内挿されるように,アルミニウム標準液(8.2.2.6)でアルミニウムとして0,1,3,5,10,15及び
20 mgをそれぞれ加え,水で標線までうすめる。この溶液について8.2.6 b)によって測定を行い,発光強度
と添加アルミニウム量との関係線を作成して検量線とする。
8.2.9 計算
計算は,次による。
a) 次の式によって回収した不溶解残さ中のアルミニウム量(A)を算出する。
A 250 / 10
ここに, A : 回収した不溶解残さ中のアルミニウム量(g)
a : 検量線によって求めたICP発光強度測定用試料溶液中のア
ルミニウム量(g)
b) 箇条5に従って別途分析した窒素量によって算出した窒化アルミニウム含有量から,はかりとった試
料中に含有される窒化アルミニウムとしてのアルミニウム量(B)を算出し,これをa)で求めたアル
ミニウム量(A)から差し引いて,酸化アルミニウムとしてのアルミニウム量を求める。これを“補
正Al量”とする。
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c) 次の式によって試料中の酸化アルミニウム含有率を算出する。
補正Al量 1.889 4
Al2O3 100
W
ここに, Al2O3 : 酸化アルミニウム含有率[%(質量分率)]
補正Al量 : A−B(g)
A : 回収した不溶解残さ中のアルミニウム量(g)
B : 窒化アルミニウムとしてのアルミニウム量(g)
W : 試料はかりとり量(g)
1.889 4 : AlからAl2O3への換算係数
8.3 金属アルミニウム分解分離亜鉛逆滴定法
8.3.1 要旨
試料をメタノール中臭素で分解した後,不溶解残さをこし分けて回収する。回収した不溶解残さを炭酸
ナトリウムとほう酸とで融解した後,融成物を水に溶解する。塩酸酸性とした後,溶液中のアルミニウム
をエチレンジアミン四酢酸と亜鉛とによる逆滴定法によって定量する。得られたアルミニウム量から,別
途定量した窒化アルミニウムとしてのアルミニウム量を差し引き,その残部を酸化アルミニウム量に換算
して含有率を求める。
8.3.2 試薬
試薬は,次による。
8.3.2.1 塩酸(1+1)
8.3.2.2 アンモニア水(1+2)
8.3.2.3 臭素
8.3.2.4 ふっ化ナトリウム飽和溶液 4.3.2.5による。
8.3.2.5 融解合剤[ほう酸3,炭酸ナトリウム5 : 質量比]
8.3.2.6 メタノール
8.3.2.7 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(EDTA2Na溶液) 4.3.2.7による。
8.3.2.8 0.1 mol/L亜鉛標準液 4.3.2.8による。
8.3.2.9 キシレノールオレンジ溶液 4.3.2.9による。
8.3.2.10 緩衝液(pH5.8) 4.3.2.10による。
8.3.3 分析用試料
4.2.4による。
8.3.4 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
8.3.5 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 8.2.6 a)の 1)5)の手順に従って調製した溶液を試料溶液とする。
b) 共存イオンのマスキング 共存イオンのマスキングは,次による。
1) )で調製した試料溶液の20 mLをコニカルビーカー(300 mL)に分取し,EDTA2Na溶液(8.3.2.7)
20 mLを加え,よく振り混ぜる。アンモニア水(1+2)を用いて溶液をpHメーターでpH5pH6
に調整した後,緩衝液(pH5.8)(8.3.2.10)15 mLを加える。
2) 加熱して約3分間煮沸した後,流水中で常温まで冷却する。キシレノールオレンジ溶液(8.3.2.9)4,
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5滴を加え,0.1 mol/L亜鉛標準液(8.3.2.8)で滴定して溶液の色が黄から赤とうとなったところで
止める。
c) 滴定 適定は,次による。
1) 直ちにふっ化ナトリウム飽和溶液(8.3.2.4)50 mLを加え,再び加熱して約3分間煮沸した後,流
水中で常温まで冷却する。
2) キシレノールオレンジ溶液(8.3.2.9)2,3滴を追加し,アルミニウム量に相当する遊離したエチレ
ンジアミン四酢酸を0.1 mol/L亜鉛標準液(8.3.2.8)で滴定する。溶液の色が黄から赤とうに変化し
たところを終点とし,そのときの滴定量a(mL)を記録する。
8.3.6 空試験
空試験は,行わない。
8.3.7 計算
計算は,次による。
a) 次の式によって回収した不溶解残さ中のアルミニウム量(A)を算出する。
A .0002 698250 / 20
ここに, A : 回収した不溶解残さ中のアルミニウム量(g)
a : 8.3.5 c) 2)で記録した0.1 mol/L亜鉛標準液の滴定量(mL)
0.002 698 : 0.1 mol/L亜鉛標準液1 mLに相当するアルミニウムの質
量を示す換算係数(g/mL)
b) 箇条5に従って別途分析した窒素量によって算出した窒化アルミニウム含有量から,はかりとった試
料中に含有される窒化アルミニウムとしてのアルミニウム量(B)を算出し,これをa)で求めたアル
ミニウム量(A)から差し引いて,酸化アルミニウムとしてのアルミニウム量を求める。これを“補
正Al量”とする。
c) 次の式によって試料中の酸化アルミニウム含有率を算出する。
補正Al量 1.889 4
Al2O3 100
W
ここに, Al2O3 : 試料中の酸化アルミニウム含有率[%(質量分率)]
補正Al量 : A−B(g)
A : 回収した不溶解残さ中のアルミニウム量(g)
B : 別途分析した窒素量によって算出した窒化ア
ルミニウムとしてのアルミニウム量(g)
W : 試料はかりとり量(g)
1.889 4 : AlからAl2O3への換算係数
9 炭素定量方法
9.1 定量方法
炭素の定量方法は,燃焼−赤外線吸収法による。この方法は,炭素含有率0.10 %(質量分率)以上7.0 %
(質量分率)以下の試料に適用する。
9.2 要旨
試料を助燃剤とともに酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して炭素酸化物とし,これを酸素とともに赤
外線吸収セルに導き,二酸化炭素又は二酸化炭素と一酸化炭素とによる赤外線吸収量を連続測定して積分
することによって炭素量を求める。
9.3 試薬
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試薬は,次による。
9.3.1 二酸化炭素を除いた水 JIS K 0050のE.2(二酸化炭素を除いた水の場合)による。
9.3.2 酸素 酸素は,JIS K 1101に規定するもの。
9.3.3 鉄 純度が高く,炭素含有率が0.001 0 %(質量分率)以下で既知のもの。
9.3.4 過塩素酸マグネシウム 元素分析用で粒径0.71.7 mmのもの。
警告 過塩素酸マグネシウムは,強力な酸化剤であり,有機物との接触は避けなければならない。廃
棄するときは,そのまま廃棄箱に捨てず,水に溶かして処理する。
9.3.5 炭酸ナトリウム 炭酸ナトリウム[99.9 %(質量分率)以上]を使用前に約300 ℃で約2時間乾燥
した後,グリースなどを塗らないデシケーター中で放冷する。
9.3.6 しゅう酸ナトリウム しゅう酸ナトリウム[99.95 %(質量分率)以上]を使用前に約200 ℃で約
1時間乾燥した後,グリースなどを塗らないデシケーター中で放冷する。
9.3.7 助燃剤 炭素含有率が0.001 0 %(質量分率)以下の鉄,すず又はタングステンを単独又は合わせ
たもの。高周波誘導加熱燃焼に用いる助燃剤は,タングステン・すず・鉄の複合使用が望ましく,管状電
気抵抗加熱燃焼に用いる助燃剤は,すず又はタングステンが望ましい。それらの使用量は,使用する装置
に最適な量をあらかじめ調査しておく。
なお,助燃剤は,JIS Z 2615の8.13(助燃剤)に示されている形状のものを用いることが望ましい。
9.3.8 炭素標準液A(C : 25 mg/mL) スクロース(C12H22O11)をあらかじめ100105 ℃で約2.5時間
乾燥してグリースなどを塗らないデシケーター中で放冷しておく。これの14.843 gをはかりとり,二酸化
炭素を除いた水(9.3.1)約100 mLを加えて溶解し,250 mLの全量フラスコに二酸化炭素を除いた水を用
いて移し入れ,二酸化炭素を除いた水で標線までうすめる。
9.3.9 炭素標準液B(C : 25 mg/mL) 炭酸ナトリウム(9.3.5)55.152 gをはかりとり,二酸化炭素を除
いた水(9.3.1)約200 mLを加えて溶解し,250 mLの全量フラスコに二酸化炭素を除いた水を用いて移し
入れ,二酸化炭素を除いた水で標線までうすめる。
9.3.10 水酸化ナトリウムを含浸させた不活性磁器粒子(繊推質粘土鉱物) 粒径0.71.2 mmのもの。
9.3.11 鉄鋼認証標準物質 炭素含有率の認証値が得られている,鉄鋼認証標準物質。
9.3.12 検量線校正用試料 炭素含有率が検量線の上限付近で,均質な試料。鉄鋼認証標準物質(9.3.11)
を用いてもよい。
9.4 器具及び材料
器具及び材料は,JIS Z 2615の箇条8(器具及び材料)によるほか,次による。
9.4.1 ピストン式ピペット JIS K 0970に規定された容量100 μLで,誤差が1 μL以内のもの。
9.4.2 すずカプセル 直径約6 mm,高さ約18 mm,質量約0.3 g及び体積約0.4 mLで,炭素含有率が
0.001 0 %(質量分率)以下のもの。
9.4.3 高周波磁器燃焼るつぼ及び蓋
JIS Z 2615の8.11(高周波磁器燃焼るつぼ)による。
高周波磁器燃焼るつぼ及び蓋6)は,あらかじめ空気中又は酸素(9.3.2)中約1 100 ℃で約2時間空焼き
を行う。一度に多数空焼きした場合は,放冷した後,グリースなどを塗らないデシケーター中で保管する。
取扱いはピンセットなどを用い,直接手を触れてはならない。長時間保管したものは,空試験値が高くな
っているおそれがあるので使用を避け,再度空焼きを行う。
注6) 蓋は燃焼時の燃焼ダスト類の飛散防止に効果があり,分析精度の改善,燃焼ガス系内の汚染防
止につながる。
――――― [JIS G 2404 pdf 30] ―――――
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JIS G 2404:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
JIS G 2404:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG2403:2015
- 鉄鋼用アルミニウムドロス―サンプリング及び試料調製方法
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISR1306:1987
- 化学分析用磁器燃焼ボート
- JISZ2615:2015
- 金属材料の炭素定量方法通則