JIS G 3118:2017 中・常温圧力容器用炭素鋼鋼板 | ページ 2

4
G 3118 : 2017
b) 熱加工制御を行う鋼板の溶接割れ感受性組成 受渡当事者間の協定によって,炭素当量の代わりに溶
接割れ感受性組成を適用してもよい。この場合の溶接割れ感受性組成は,表4による。溶接割れ感受
性組成の計算は,11.1の溶鋼分析値を用い,式(2)による。
Si Mn Cu Ni Cr Mo V
PCM C 5B (2)
30 20 20 60 20 15 10
ここに, PCM : 溶接割れ感受性組成(%)
表3−熱加工制御を行う鋼板の炭素当量
単位 %
厚さ
種類の記号 50 mmを超え
50 mm以下 100 mm以下
SGV450 0.38以下 0.40以下
SGV480 0.39以下 0.41以下
表4−熱加工制御を行う鋼板の溶接割れ感受性組成
単位 %
厚さ
種類の記号 50 mmを超え
50 mm以下 100 mm以下
SGV450 0.23以下 0.25以下
SGV480 0.24以下 0.26以下

7 機械的性質

  鋼板は11.2の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性は,表5による。
なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。
注記 曲げ性の試験の実施については,11.2.1を参照。

8 オーステナイト結晶粒度

  鋼板は11.3によって試験を行い,オーステナイト結晶粒度は5以上とする。
なお,結晶粒度試験は,全アルミニウム分析値が,0.020 %以上又は酸可溶性アルミニウム分析値が
0.015 %以上の場合は,省略してもよい。

9 形状,寸法,質量及びその許容差

  鋼板の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3193による。ただし,鋼板の長さ及びカットエッジ
の幅の許容差は,特に指定がない限りJIS G 3193の許容差Aとし,厚さの許容差は,表6による。

――――― [JIS G 3118 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
G 3118 : 2017
表5−機械的性質
降伏点 曲げ性
引張強さ 伸びa) ) ) 引張
種類の記号 又は耐力 厚さ
N/mm2 % 試験片d) 曲げ角度 内側半径
N/mm2 mm
25以下 厚さの0.5倍
21以上 1A号
25を超え 50以下 厚さの0.75倍
SGV410 225以上 410490 180°
50を超え 100以下 厚さの1.0倍
25以上 10号
100を超え 200以下 厚さの1.25倍
25以下 厚さの0.75倍
19以上 1A号
25を超え 50以下 厚さの1.0倍
SGV450 245以上 450540 180°
50を超え 100以下 厚さの1.0倍
23以上 10号
100を超え 200以下 厚さの1.25倍
25以下 厚さの1.0倍
17以上 1A号
25を超え 50以下 厚さの1.0倍
SGV480 265以上 480590 180°
50を超え 100以下 厚さの1.25倍
21以上 10号
100を超え 200以下 厚さの1.5倍
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 厚さ8 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びは,厚さ1 mm又はその端数を減じるごとに,この表の伸びの値
から1を減じる。
b) 厚さ20 mmを超える鋼板の1A号試験片の伸びは,厚さ3 mm又はその端数を増すごとに,この表の伸びの値
から0.5を減じる。ただし,減じる限度は,3とする。
c) 厚さ90 mmを超える鋼板の10号試験片の伸びは,厚さ12.5 mm又はその端数を増すごとに,この表の伸び
の値から0.5を減じる。ただし,減じる限度は,3とする。
d) 厚さ50 mm以下の鋼板は1A号試験片,厚さ50 mmを超える鋼板は10号試験片を用いる。ただし,厚さ40 mm
を超えるものは,10号試験片を用いてもよい。
表6−厚さの許容差
単位 mm
幅a)
厚さ 1 600以上 2 000以上 2 500以上 3 150以上 4 000以上
1 600未満 2 000未満 2 500未満 3 150未満 4 000未満 5 000未満
6.00 以上 6.30 未満 +0.75 +0.95 +0.95 +1.25 +1.25 −
6.30 以上 10.0 未満 +0.85 +1.05 +1.05 +1.35 +1.35 +1.55
10.0 以上 16.0 未満 +0.85 +1.05 +1.05 +1.35 +1.35 +1.75
16.0 以上 25.0 未満 +1.05 +1.25 +1.25 +1.65 +1.65 +1.95
25.0 以上 40.0 未満 +1.15 +1.35 +1.35 +1.75 +1.75 +2.15
40.0 以上 63.0 未満 +1.35 +1.65 +1.65 +1.95 +1.95 +2.35
63.0 以上 100 未満 +1.55 +1.95 +1.95 +2.35 +2.35 +2.75
100 以上 160 未満 +2.35 +2.75 +2.75 +3.15 +3.15 +3.55
160 以上 +2.95 +3.35 +3.35 +3.55 +3.55 +3.95
マイナス側の許容差は,0.25 mmとする。ただし,受渡当事者間の協定によってマイナス側の許容
差を0 mmとした場合のプラス側の許容差は,この表の数値に0.25 mmを加えた値とする。
注a) 幅5 000 mm以上の場合の許容差は,受渡当事者間の協定による。

10 外観

  鋼板の外観は,JIS G 3193の箇条7(外観)による。ただし,溶接補修を行う場合は,事前に注文者の
承認を得なければならない。

――――― [JIS G 3118 pdf 7] ―――――

6
G 3118 : 2017

11 試験

11.1 分析試験

  分析試験は,次による。
a) 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化学成分)による。
b) 製品分析用試料の採り方は,JIS G 0321の箇条4(分析用試料採取方法)による。ただし,供試材は,
破断後の引張試験片を用いてもよい。
c) 溶鋼分析の方法は,JIS G 0320による。製品分析の方法は,JIS G 0321による。

11.2 機械試験

11.2.1  試験一般
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供
試材の採り方はJIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とし,試験片の数,採取方向及び
採取位置は,次による。
なお,曲げ試験は,省略してもよい1)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ
ばならない。
注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならない
ことを意味する。
a) 引張試験片及び曲げ試験片の数及び採取方向 圧延のままの鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊から圧
延した鋼板を一括して試験単位とし,最終圧延方向に直角に,それぞれ1個採取する。熱処理を行っ
た鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊から圧延し同一熱処理条件ごとの鋼板を一括して試験単位とし,
最終圧延方向に直角に,それぞれ1個採取する。
b) 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置 試験片の中心は,鋼板の幅の縁から板幅の1/4又はそれに近
い位置とする。引張試験片に10号試験片を用いる場合は,試験片の軸は,鋼板の表面から厚さの1/4
とする。ただし,厚さの1/4の位置に採れない場合には,それに近い位置とする。
11.2.2 試験片
引張試験片及び曲げ試験片は,次による。
a) 引張試験片は,JIS Z 2241の1A号又は10号試験片による。
b) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の1号試験片による。
11.2.3 試験方法
引張試験及び曲げ試験の方法は,次による。
a) 引張試験方法は,JIS Z 2241による。
b) 曲げ試験方法は,JIS Z 2248による。

11.3 オーステナイト結晶粒度試験

  オーステナイト結晶粒度試験は,次による。
a) 供試材は,溶鋼ごとに1個とし,引張試験片に隣接した位置から採取する。試験片の採取は,JIS G 0551
の6.1(試験片の採取)による。
b) 試験方法は,JIS G 0551の6.3.2[浸炭粒度試験方法(925 ℃での浸炭によるマッケイドエーン法)]
による。結晶粒度の評価法は,粒度番号によって評価する方法又は切断法のいずれかによる。
注記 規格に規定する以外の試験として,受渡当事者間の協定によってJIS G 0560のサルファプリン
ト試験,JIS G 0801の非破壊試験,JIS Z 2242の衝撃試験などによる試験が行われることがあ

――――― [JIS G 3118 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
G 3118 : 2017
る。この場合,事前に試験方法,合否判定基準などについて,受渡当事者間で協定される。

12 検査

  検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条5に適合しなければならない。
c) 炭素当量及び溶接割れ感受性組成は,箇条6に適合しなければならない。
d) 機械的性質は,箇条7に適合しなければならない。
e) オーステナイト結晶粒度は,箇条8に適合しなければならない。
f) 形状,寸法,質量及びその許容差は,箇条9に適合しなければならない。
g) 外観は,箇条10に適合しなければならない。

13 再検査

  再検査は,次による。
a) 引張試験及び曲げ試験で合格にならなかった鋼板は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試験を行
い,合否を判定してもよい。
b) 再試験で合格にならなかった鋼板は,熱処理又は再熱処理を行った後,改めて試験を行い,合否を決
定してもよい。

14 表示

  検査に合格した鋼板は,鋼板ごとに次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受渡当事者間の協定に
よって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号及び熱処理の記号(4.5参照)
b) 溶鋼番号又は検査番号
c) 寸法。寸法の表示は,JIS G 3193の箇条3(寸法の表し方)による。
d) 製造業者名又はその略号

15 報告

  製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ
る。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書は,JIS G 0415の5.1(検査証明書3.1)による。
なお,表2の注a) によった場合は,成績表に添加した合金元素の含有率を付記する。また,炭素当量又
は溶接割れ感受性組成が適用された場合(箇条6参照)は,それらの計算式に含まれる合金元素の含有率
を報告しなければならない。結晶粒度試験を行わない場合(箇条8参照)は,アルミニウムの分析値を成
績表に付記する。
参考文献 JIS G 0560 鋼のサルファプリント試験方法
JIS G 0801 圧力容器用鋼板の超音波探傷検査方法
JIS Z 2242 金属材料のシャルピー衝撃試験方法

――――― [JIS G 3118 pdf 9] ―――――

    8
G 3118 : 2017
G3
3
附属書JA
11
(参考)
8 : 2
JISと対応国際規格との対比表
017
JIS G 3118:2017 中・常温圧力容器用炭素鋼鋼板 ISO 9328-1:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions
−Part 1: General requirements
ISO 9328-2:2011,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions
−Part 2: Non-alloy and alloy steels with specified elevated temperature properties
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 中・常温用圧力容器ISO 9328-1 1 変更
中・高温圧力容器用炭素 JISは,鋼種ごとの規格体系として規格体系の違い。本質的な相違で
用炭素鋼鋼板 ISO 9328-2 鋼及び合金鋼鋼板 いる。 はなく,当面は現状のままとする。
2 引用規格
3 種類及び 3種類を規定 ISO 9328-2 4.2 欧州タイプ16種類,日 ISO規格は,JISの3種類を含む31 ISO規格にJISの内容を反映して
記号並びに 米タイプ15種類を規 種類を規定している。 おり,現状のままとする。
適用厚さ 定。
4 製造方法 細粒キルド鋼,熱処ISO 9328-1 6.1 キルド鋼 追加 JISは,協定による熱加工制御を含規格体系の相違で本質的なもので
及び熱処理 理は,圧延のまま,ISO 9328-2 6.2 圧延のまま,焼ならし んでいる。 はないため,当面は現状のままと
焼ならし及び協定 する。
による熱加工制御
を含む。
  •  5 化学成分・・・・[3]
種類の炭素鋼の ISO 9328-2 6.3 炭素鋼及び合金鋼の成 変更 炭素鋼3規格について整合してい 成分を規定 分を規定。 る。
6 炭素当量 協定によって,熱加ISO 9328-2 6.3 協定によって適用。 変更 JISは,受渡当事者間の協定によっJISの評価式が国際的に認知され
及び溶接割 工制御材に適用。 て溶接割れ感受性組成を適用でき るよう提案を検討する。
れ感受性組 るように規定している。

――――― [JIS G 3118 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS G 3118:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9328-1:2011(MOD)
  • ISO 9328-2:2011(MOD)

JIS G 3118:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 3118:2017の関連規格と引用規格一覧