23
G 3315 : 2022
記号説明
1 : ねじ
2 : 真空ポンプ取付穴
3 : 試験片
4 : 試験片保持具
図C.1−クロム水和酸化物溶解装置の例
C.4.1.3 試薬
試薬は,B.4.1.3による。
C.4.1.4 操作
操作は,次の手順によって行う。
a) 試験片を取り付けた試験片保持具を,真空ポンプなどを用いてクロム水和酸化物溶解装置に圧着させ
る。
b) 試験片を取り付けたクロム水和酸化物溶解装置を,90 ℃以上に制御されているホットプレート上に置
く。
c) 温水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)(B.4.1.3.3)15 mLを,クロム水和酸化物溶解装置に注入する。
d) 5分間10分間加熱を続け,クロム水和酸化物を溶解した後,溶液をビーカー(250 mL)に移し入れ
る。クロム水和酸化物溶解装置の内壁を十分洗浄し,洗液は,溶液に合わせる。
e) 溶液を冷却した後,硫酸(1+3)(B.4.1.3.1)を加え,pH 7とする。
f) 混酸(B.4.1.3.2)3 mLを加え,加熱煮沸し,更に過マンガン酸カリウム溶液(5 g/L)(B.4.1.3.5)2 mL
を加えて3分間4分間煮沸してクロムをクロム(VI)に酸化する。この溶液を冷却した後,尿素溶
液(200 g/L)(B.4.1.3.8)10 mLを加え,亜硝酸ナトリウム溶液[最初は20 g/L溶液(B.4.1.3.6)を用
い,次に2 g/L溶液(B.4.1.3.7)を用いる。]をかき混ぜながら過マンガン酸の赤紫色が消えるまで,1
滴ずつ加え,更に尿素と亜硝酸との反応による泡立ちがなくなるまで十分にかき混ぜる。
g) 放冷した後,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,1,5-ジフェニルカルボノヒドラジ
――――― [JIS G 3315 pdf 26] ―――――
24
G 3315 : 2022
ド溶液(B.4.1.3.9)3 mLを加え,水で標線までうすめる。
h) 2分間放置した後,呈色溶液の一部を分光光度計の吸収セル(1 cm)にとり,水を対照液として波長
540 nm付近の吸光度を測定する。
i) 空試験による補正を行い,B.4.1.5によって作成した検量線からクロムの量を求める。空試験では,水
酸化ナトリウム溶液(40 g/L)(B.4.1.3.4)5 mLに水を加えて約20 mLとした後,B 4.1.4 f) h)の操作
をした液を用いる。
j) クロム水和酸化物皮膜中のクロム量は,次の式によって算出する(クロム水和酸化物中のクロム量と
して表示)。
10000
CrW
A
ここで, Cr : クロム水和酸化物皮膜中のクロム量(mg/m2)
W : i)で得たクロム量(mg)
A : 離した面積(cm2)
なお,表裏同時に測定する場合は,試験片をビーカー(300 mL)に入れ,水酸化ナトリウム溶液(300
g/L)(B.4.1.3.3)30 mLを加え,90 ℃以上に加熱した後,d) j)の操作を行ってクロム水和酸化物を定
量する。
C.4.2 蛍光X線分析法
C.4.2.1 原理
試験片に励起X線を照射したときに放出される,クロムの蛍光X線の強度を測定する。次に,試験片表
面のクロム水和酸化物層を除去し,再度蛍光X線の強度を測定する。クロム水和酸化物層を除去する前後
の強度差から,クロム水和酸化物のクロム量を求める。
C.4.2.2 試験装置
試験装置は,JIS K 0119の箇条5(装置)による。
C.4.2.3 測定蛍光X線
測定する蛍光X線は,B.4.3.3による。
C.4.2.4 測定条件
X線管のターゲットは,クロムの測定に適したものを使用し,管電圧及び管電流は,測定する蛍光X線
の最低励起電圧,測定回路による数え落としなどを考慮して選定する。スリット幅,分光結晶,検出器な
どの分光部は,測定する蛍光X線に対する分解能及びクロム量範囲に適した条件を選定する。
C.4.2.5 検量線の作成及び校正
クロム量が既知の試験片からの蛍光X線強度によって,検量線を作成する。定期的に校正用の試験片か
らの蛍光X線強度を測定し,検量線を校正する。
C.4.2.6 操作
操作は,次の手順によって行う。
a) 試験片を装置の試料室に正しく取り付け,X線照射面積を試料マスクによって調整する。
――――― [JIS G 3315 pdf 27] ―――――
25
G 3315 : 2022
b) 設定された条件によって,試験片にX線を照射し,クロムの蛍光X線強度を測定する。
c) 試験片を90 ℃以上の水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)(B.4.1.3.3)約50 mLに5分間10分間浸せき
して,クロム水和酸化物層を除去する。
d) 再びa) b)の手順によって,クロムの蛍光X線強度を計る。
e) b) とd)とのクロムの蛍光X線強度差を,検量線によって,1 m2当たりのクロム水和酸化物皮膜中の
クロム量に換算する。
C.4.2.7 装置の点検
装置の点検は,適切に行わなければならない。点検を行う事項は,JIS K 0119の箇条15(装置の点検)
による。
――――― [JIS G 3315 pdf 28] ―――――
26
G 3315 : 2022
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 3315 ISO 11950:2016,(MOD)
a) JISの箇 b) 対応国際 c) 箇条ご d) JISと対応国際規格との技術的差異の e) JISと対応国際規格
条番号 規格の対 との評 内容及び理由 との技術的差異に対
応する箇 価 する今後の対策
条番号
3 3 変更 JISに必要な用語を規定
JISは,ISO規格の用語から,追加又は削除
している。 しているため,現状のま
まとする。
4 1 変更 JISとISO規格とは,規
JISは,めっきの種類による記号としている
6.1 が,ISO規格は,規格番号で種類を特定して
格体系が異なるため,現
いる。 状のままとする。
変更 JISのDR下限厚さは,ISO規格と異なる。 JISとISO規格とは,厚
さに対する市場の要求が
異なるため,現状のまま
とする。
5 7.2 変更 JISとISO規格とは,焼
JISでは,受渡当事者間の協定によって,焼
なまし方法の記号BAを省略することを許 なまし方法の記号に対す
容している。 る市場の要求が異なるた
め,現状のままとする。
6 8 変更 JISとISO規格とは,付
規定する項目は異なるが,技術的内容は一
致している。 着量の項目に対する市場
の要求が異なるため,現
状のままとする。
7 9 削除 JISとISO規格とは,調
JISでは,耐力を削除し,参考として附属書
に記載している。 質度に対する市場の要求
が異なるため,現状のま
まとする。
追加 ISO規格への調質度記号
JISでは,調質度記号に,T-1.5,T-4.5及び
T-5.5を追加している。 の追加提案を検討する。
追加 JISでは,硬さにDR-10を追加している。 DR-10はJIS独自の規定
であるため,現状のまま
とする。
8 7.3 追加 JISとISO規格とは,表
JISでは,粗面仕上げを3種類に区分してい
る。 面仕上げに対する市場の
要求が異なるため,現状
のままとする。
変更 JIS独自の記号に変更している。 同上。
10 10.3 追加 JISの市場は,ミルエッジ
JISは,ミルエッジの幅許容差を追加してい
る。 の要求があるため,現状
のままとする。
16.1 追加 JISでは,内径406 mmを追加している。 JISとISO規格とは,市
場の要求が異なるため,
現状のままとする。
10.5 削除 ISO規格では板の横曲がりを規定している同上。
が,JISでは削除している。
――――― [JIS G 3315 pdf 29] ―――――
27
G 3315 : 2022
a) JISの箇 b) 対応国際 c) 箇条ご d) JISと対応国際規格との技術的差異の e) JISと対応国際規格
条番号 規格の対 との評 内容及び理由 との技術的差異に対
応する箇 価 する今後の対策
条番号
10(続き) 10.7 変更 JISとISO規格とは,規
JISでは,この箇条に平たん度の測定方法を
規定している。ISO規格は,試験方法の箇条
格体系が異なるため,現
に規定している。 状のままとする。
11 − 追加 JISとISO規格とは,市
JISでは,計算質量の計算方法を追加してい
る。 場の要求が異なるため,
現状のままとする。
13 12 変更 JISでは,平たん度の測定方法は10.7に規JISとISO規格とは,規
13 定している。 格体系が異なるため,現
状のままとする。
削除 JISでは,耐力による規定を削除している。 JISとISO規格とは,市
場の要求が異なるため,
現状のままとする。
14 − 追加 JISでは,検査の規定を追加している。 JISとISO規格とは,規
格体系が異なるため,現
状のままとする。
15 16 追加 JISでは,詳細の事項を追加している。 JISは,ISO規格を包含し
ているため,現状のまま
とする。
附属書A Annex B 変更 JISでは,参考情報としている。 JISでは,耐力による規定
(参考) がないため,現状のまま
とする。
附属書B Annex E 追加 JIS独自の試験方法が一
ISO規格の試験方法のほかに,JIS独自の試
(規定) 験方法を追加している。 般的に使用されているた
め,現状のままとする。
削除 JISでは,電解離法の試験装置及び電解条金属クロム付着量測定結
果に影響しない条件を限
件において,“記録電位差計の電位差の測定
範囲”の規定を削除している。 定する必要はないため,
現状のままとする。
附属書C Annex E 追加 JIS独自の試験方法が一
ISO規格の試験方法のほかに,JIS独自の試
(規定) 験方法を追加している。 般的に使用されているた
め,現状のままとする。
− Annex D 削除 JISでは,耐力による規定
JISでは,スプリングバック試験を削除して
いる。 がないため,現状のまま
とする。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。
− 削除 : 対応国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 : 対応国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 : 対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。
注記2 JISと対応国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。
− MOD : 対応国際規格を修正している。
JIS G 3315:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11950:2016(MOD)
JIS G 3315:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工
JIS G 3315:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG0201:2000
- 鉄鋼用語(熱処理)
- JISG0202:2013
- 鉄鋼用語(試験)
- JISG0203:2009
- 鉄鋼用語(製品及び品質)
- JISG0404:2014
- 鋼材の一般受渡し条件
- JISG0415:2014
- 鋼及び鋼製品―検査文書
- JISG3303:2017
- ぶりき及びぶりき原板
- JISG3303:2022
- ぶりき及びぶりき原板
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0119:2008
- 蛍光X線分析通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISZ2245:2016
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2021
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方