JIS G 3521:2018 硬鋼線 | ページ 2

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G 3521 : 2018

7 線径及びその許容差

7.1 標準線径

  標準線径は,表2による。

7.2 線径の許容差及び偏径差

  線径は,9.6の測定を行い,その許容差及び偏径差は,表4による。ただし,偏径差は,B種及びC種
に適用する。
表4−線径の許容差及び偏径差
単位 mm
線径 許容差 偏径差a)
0.08 以上 0.10 以下 ± 0.006 0.006 以下
0.10 を超え 0.20 以下 ± 0.008 0.008 以下
0.20 を超え 0.50 以下 ± 0.015 0.015 以下
0.50 を超え 1.00 以下 ± 0.020 0.020 以下
1.00 を超え 2.00 以下 ± 0.030 0.030 以下
2.00 を超え 3.20 以下 ± 0.040 0.040 以下
3.20 を超え 5.50 以下 ± 0.050 0.050 以下
5.50 を超え 8.50 以下 ± 0.060 0.060 以下
8.50 を超え 13.0 以下 ± 0.070 0.070 以下
注a) 偏径差とは,線の同一断面における径の最大値と最小値との差をいう。

8 外観

  線の外観は,表面が滑らかで,きずを含む使用上有害な欠点があってはならない。ただし,線は,一般
に検査によって全長にわたっての欠点の検出及びその除去は困難であるため,欠点を含む場合がある。コ
イル内に発見された使用上有害と判断される欠点については,必要な場合,その取扱いについては,受渡
当事者間の協定による。

9 試験

9.1 試験片の採り方

  引張試験片,巻付試験片,ねじり試験片及び曲げ試験片は,同一加工条件で連続して最終冷間加工され
たロット1)を代表する線の片端から各試験片を1個採る。
注記 “連続して最終冷間加工”には,最終製品を小結束するための一時停止も含まれる。
注1) ロットとは,最終冷間加工直前の熱処理された材料であって,その1コイルから最終冷間加工
されたものをいう。

9.2 引張試験

  引張試験は,JIS Z 2241によって行い,引張強さを求める。つかみの間隔は,線径1.00 mm未満の線は
約100 mm,線径1.00 mm以上の線は約200 mmとする。
なお,試験片がつかみの部分から破断した場合は,その試験を無効とし,更に同一の線から試験片を採
り,試験をやり直す。

9.3 巻付試験

  巻付試験は,試験片を線径と同じ直径の心金に4回以上巻き付け,破断の有無及びきず発生の状況を調
べる。

――――― [JIS G 3521 pdf 6] ―――――

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9.4 ねじり試験

  ねじり試験は,試験片の両端を線径の100倍のつかみの間隔で固くつかみ,たわまない程度に緊張しな
がら,片端を同一方向に破断するまで回転し,そのときのねじり回数,破断面の状況及びねじれの状況を
調べる。ただし,線径の100倍のつかみの間隔で試験できない場合は,線径の100倍以外のつかみの間隔
で試験してもよい。その場合のねじり回数は,つかみの間隔に正比例して増減し,線径の100倍の場合の
回数に換算する。

9.5 曲げ試験

  曲げ試験は,試験片の2か所を異なった方向に,その線径を半径とする円弧に沿い,曲げ角度90°に曲
げ,破断の有無及びきず発生の状況を調べる。
注記 異なった方向とは,目視で直角程度又はそれ以上の角度を示す。

9.6 線径の測定

  線径の測定は,JIS B 7502に規定するマイクロメータ又は同等の測定器を使用して,任意の箇所の同一
断面における最大径及び最小径を測定する。

10 検査

10.1 検査

  検査は,次による。
a) 機械的性質は,箇条6に適合しなければならない。
b) 線径は,箇条7に適合しなければならない。
c) 外観は,箇条8に適合しなければならない。

10.2 再検査

  引張試験又はねじり試験の結果,規定の値に適合しない場合,再試験を行うことができる。この場合,
試験片は改めて2個採り,その成績が全て規定に適合しなければならない。

11 表示

  検査に合格した線には,線1条ごとに次の事項を表示する。
a) 線の製造に用いた線材の種類の記号
b) 種類の記号
c) 線径
d) 製造業者名又はその略号

12 報告

  製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ
る。ただし,報告する検査文書の種類は,注文時に特に指定がない場合は,JIS G 0415の5.1(検査証明書
3.1)による。

――――― [JIS G 3521 pdf 7] ―――――

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G3
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附属書JA
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(参考)
1 : 2
JISと対応国際規格との対比表
018
JIS G 3521:2018 硬鋼線 ISO 8458-1:2002,Steel wire for mechanical springs−Part 1: General requirements
ISO 8458-2:2002,Steel wire for mechanical springs−Part 2: Patented cold-drawn
non-alloy steel wire
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 ISO 1 機械ばねの製造に適用 変更 JISは,静的な力を受けるばね用鋼規格体系の違いによるものであ
8458-1 される円形断面のばね り,その変更は市場の混乱を招く
線を対象とし,動的な力を受けるば
鋼線の一般要求事項。 ね用鋼線は,JIS G 3522(ピアノ線)
おそれがあるため,旧規格どおり
ISO 1 静的な力及び動的な力 として別に規定している。 とする。
8458-2 が課せられる機械構造
ばねの製造に適用され
る冷間引抜鋼線。
2 引用規格
3 種類,種 ISO 3 変更
引張強さに応じて,静的 JISは,静的な力を受けるばね用鋼JISでは,適用線径は使用実態に
類の記号及 8458-2 な力を受けるばね用鋼 線として3種類を規定しているが,応じて規定しているため支障ない
び適用線径 線3種類及び動的な力 が,今後ISO規格との整合の必要
種類,種類の記号及び適用線径を変
を受けるばね用鋼線2 更している。 性を検討する。
種類を規定。
4 材料 ISO 5.1 ISO 16120-1及びISO 変更 JISの硬鋼線材は高炭素鋼に限られ規格体系の違いによるものであ
8458-2 16120-2に準拠した鋼。 るため,JIS G 3506に適合した線材
り,材料の変更は市場の混乱を招
化学成分としてC,Si, (0.24 % Cから0.86 % Cまでの高 くおそれがあるため,旧規格どお
Mn,P,S及びCuを規定。 炭素鋼)に変更している。 りとする。
なお,Cは0.95 %以下
として規定。
5 製造方法 − − − 追加 JISでは,熱処理(インラインパテJISの内容をISOに提案すること
を検討する。
ンチング処理を含む。)後,冷間加
工を行う製造方法を追加している。

――――― [JIS G 3521 pdf 8] ―――――

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G 3521 : 2018
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
6 機械的性 6.1 引張強さ ISO 5.4 5種類の線の引張強さ 変更 JISでは,3種類の線の引張強さを ISO規格との整合は,市場の混乱
質 8458-2 を規定。 を招くおそれがあるため,旧規格
規定しているが,その規定値を変更
している。 どおりとする。
6.2 巻付け性 ISO 5.5.1 公称径3 mmより小さい 変更 JISでは,線径0.70 mm未満の線へ JISのじん(靭)性試験は,線径
8458-2 線に適用。 の適用に変更している。 範囲で試験内容を決めており,そ
の内容をISOに提案することを検
討する。
6.3 ねじり特性 ISO 5.5.2 公称径0.70 mmから 変更 JISでは,公称径を線径に変更するJISのじん性試験は,線径範囲で
8458-2 6.00 mmの線に適用。公 とともに,線径6.00 mmを超える線試験内容を決めており,その内容
称径6 mmを超え10 mm での試験を削除している。 をISOに提案することを検討す
以下の線は協定による。 る。
破断するまで回転させ,
追加 JISでは,線の強度ばらつきによっJISの内容をISOに提案すること
破断したときのねじり て生じるねじれの状況について追 を検討する。
回数及び破断面の状況 加している。
を規定。
6.4 曲げ性 ISO 5.5.3 公称径3 mmを超える線 変更 JISでは,線径6.00 mmを超える線 JISのじん性試験は,線径範囲で
8458-2 に適用。 への適用に変更している。 試験内容を決めており,その内容
をISOに提案することを検討す
る。
7 線径及び 7.1 標準線径 ISO 5.1.1 公称径を0.05 mmから 変更 JISでは,線径を0.08 mmから13.0 ISO規格との整合を検討する。
その許容差 8458-1 20.00 mmまでを規定。 mmに変更している。
7.2 線径の許容差 ISO 5.1.1 寸法許容差を,Class A変更 JISでは,線径の区分,その許容差ISO規格との整合を検討する。
及び偏径差 8458-1 5.1.2 又はClass Bで規定。 及び偏径差を国内の実態に合わせ
(ISO (4.1)偏径差は,許容差範囲の て変更している。
8458-2) 50 %以下として規定。
8外観 ISO 5.2 追加
線の表面は平滑で,使用 JISでは,全長保証に関する規定をPL法への対応及び製造実態を明
8458-1 上有害な欠陥があって 追加している。 確にしたものであり,JISの内容
G3
はならないと規定。 をISOに提案することを検討す
52
る。
1 : 2018
4

――――― [JIS G 3521 pdf 9] ―――――

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G 3521 : 2018
G3
4
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
521 : 2
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
0
及び題名 番号 の評価
18
9 試験 9.1 試験片の採り ISO 6.2 ISO 377に基づき試料を一致 −
方 8458-1 採取する。
9.2 引張試験 ISO 6.4 ISO 6892に基づき引張 変更 ISO規格では,つかみの間隔は,線JISの内容をISOに提案すること
8458-1 試験を実施する。 径4.00 mm未満の線は150 mm又は を検討する。
250 mmであり,線径4.00 mm以上
の線は規定はない。
JISでは,線径1.00 mmを基準に2
種類が規定されており,また,つか
みの部分から破断した場合の試験
無効を規定している。
9.3 巻付試験 ISO 6.5 一致 −
8458-1
ISO 5.5.1
8458-2
9.4 ねじり試験 ISO 6.7 ISO 7800に基づきねじ 変更 ISO規格では,つかみの間隔は,線ISO規格との整合を検討する。
8458-1 り試験を実施する。 径3 mm以上の場合に線径の100倍
ISO 5.5.2 以外としてよいと規定するととも
8458-2 に,試験速度を規定している。
9.5 曲げ試験 ISO 6.8 ISO 7438に基づき曲げ 変更 ISO規格では,U字状の180°折り JISの内容をISOに提案すること
8458-1 試験を実施する。 を検討する。
曲げとなっており,円弧は線径によ
ISO 5.5.3 って2種類に分けている。
8458-2 JISでは,90°曲げに変更するとと
もに,円弧は線径を半径とする円弧
に変更している。
9.6 線径の測定 ISO 6.9 変更
同一断面において,マイ JISでは,任意の箇所の同一断面にJISの内容をISOに提案すること
8458-1 クロメータ又は適切な おける最大径及び最小径を測定す を検討する。
計測機器を用いて測定 ることに変更している。
すると規定。

――――― [JIS G 3521 pdf 10] ―――――

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JIS G 3521:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8458-1:2002(MOD)
  • ISO 8458-2:2002(MOD)

JIS G 3521:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 3521:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7502:2016
マイクロメータ
JISG0404:2014
鋼材の一般受渡し条件
JISG0415:2014
鋼及び鋼製品―検査文書
JISG3506:2017
硬鋼線材
JISZ2241:2011
金属材料引張試験方法