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表2 素線の引張特性値
区分 種別 公称素線径 引張強さ 耐力 伸び
mm N/mm2 N/mm2 %
丸線 ST1470 2.80以下 1470以上 1 080以上 3.0以上
1720以下
2.80を超えるもの 1470以上 1 080以上 4.0以上
1720以下
ST1570 2.80以下 1570以上 1 160以上 2.0以上
1810以下
2.80を超えるもの 1570以上 1 160以上 4.0以上
1810以下
ST1670 2.80以下 1670以上 1 220以上 2.0以上
1910以下
2.80を超えるもの 1670以上 1 220以上 4.0以上
1910以下
T線 − − 1370以上 − 2.0以上
1620以下
Z線 − − 1270以上 − 2.0以上
1520以下
表3 最小ねじり回数
単位 回
区分 公称素線径 種別
mm ST1470 ST1570 ST1670
丸線 2.30以下 20 16 14
2.30を超え3.70以下 18 14 12
3.70を超え4.50以下 16 12 10
4.50を超えるもの 14 10 8
T線 4.90以下 10
4.90を超えるもの 7
Z線 4.90以下 6
4.90を超え5.90以下 5
5.90を超えるもの 4
備考 異形線の公称素線径は,ロープによられたときのロープの半径方
向の高さで表す。
5.1.3 巻付け特性 素線の巻付け特性は,11.1 d)の試験を行い,破断してはならない。
なお,ロックドコイルロープの異形線は,この規定を設けない。
5.2 ロープ
5.2.1 ロープの弾性係数 ロープは,11.2 b)の試験を行い,その弾性係数はストランドロープでは1.37×
105N/mm2以上,スパイラルロープ及びロックドコイルロープでは1.57×105N/mm2以上とする。
5.2.2 ロープの破断荷重 ロープは,11.2 c)の試験を行い,その破断荷重は,付表116の値以上とする。
6. 亜鉛めっき特性
6.1 亜鉛付着量 亜鉛付着量は,11.1 e)の試験を行い,その最小亜鉛付着量は,表4による。
なお,ロックドコイルロープの異形線の付着量を計算する場合,表面積はその高さを公称径とする丸線
の表面積を用いる。
――――― [JIS G 3549 pdf 6] ―――――
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6.2 めっき付着性 めっき付着性は,11.1 f)の試験を行い,指で軽くこすってはげ落ちるようなめっきの
き裂やはく離を生じてはならない。
表4 最小亜鉛付着量
公称素線径 最小亜鉛付着量
mm g/m2
1.60以下 120
1.60を超え2.00以下 150
2.00を超え2.30以下 180
2.30を超え2.60以下 210
2.60を超え3.00以下 240
3.00を超え3.60以下 260
3.60を超え4.80以下 270
4.80を超えるもの 300
7. 寸法及び許容差
7.1 素線径及び偏径差の許容差 ロープを構成する同種線径の各素線径は,11.1 g)の試験を行い,その許
容範囲は,表5による。
なお,ロックドコイルロープの異形線は,この規定を設けない。
表5 素線径の許容範囲
単位 mm
公称素線径 素線径の公差 偏径差
2.30以下 公称素線径±0.05 0.05以下
2.30を超え3.70以下 公称素線径±0.06 0.06以下
3.70を超え4.50以下 公称素線径±0.07 0.07以下
4.50を超えるもの 公称素線径±0.08 0.08以下
7.2 ロープの公称径 ロープの公称径は,付表116による。
7.3 ロープの実際径の許容差 ロープ径は,11.2 d)の試験を行い,その許容差は,ストランドロープは
60% 50%
とし,スパイラルロープ及びロックドコイルロープは, とする。
7.4 ロープの長さの許容差 ロープの長さ及びマーキングの位置に対する許容差は,受渡当事者間の協
定による。
8. 外観
8.1 素線 素線は,全長を通じて,断面の形状が均一であり,表面は滑らかで,きず,裂け目その他使
用上有害な欠陥があってはならない。
8.2 ロープ ロープは,全長を通じて,つぶれ,きずなどの使用上有害な欠陥があってはならない。
9. 材料
9.1 線材 素線の製造に用いる線材は,JIS G 3506のSWRH6282の線材,JIS G 3502のSWRS6282
の線材又はこれらと同等以上の線材,又はこれらの熱処理材とする。ただし,ロックドコイルロープのZ
線については,線材の形状寸法に関する規定を適用しない。
9.2 亜鉛 素線のめっきに用いる亜鉛は,JIS H 2107の最純亜鉛地金とする。
――――― [JIS G 3549 pdf 7] ―――――
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10. 製造方法
10.1 素線 素線の製造は,次による。
a) 線材を必要に応じて熱処理を行った後,冷間加工し,亜鉛めっきを行う。
b) 最外層素線は,接続を行ってはならない。
c) 最外層素線には,伸線加工前の溶接による接続部を含んではならない。
d) 異形線は,亜鉛めっきを行った後,更に成形のため,伸線を行う。
10.2 ロープ
10.2.1 より合わせ ロープは,10.1によって製造した素線を用い,全長を通じて径,よりの長さなどが均
一になるようにより合わせる。より合わせ過程において,やむをえず素線の接続を必要とする場合は,最
外層素線を除き接続を行うことができる。ただし,この溶接は,特に指定がある場合を除いて,ロープの
よりの長さ10mにつき1か所を超えないものとし,接続点が互いに接近しないようにロープによりあげる
ものとする。
なお,ストランドロープにおいては,ストランド心及びロープ心のより方向は,ロープのより方向と同
一とする。また,スパイラルロープ及びロックドコイルロープにおいては,各層のより方向は,原則とし
て交互に逆方向により合わせるものとする。
10.2.2 グリースの塗布 ロープにより合わせる際のグリースの塗布については,受渡当事者間の協定によ
る。
10.2.3 プレストレッチング ロープは,プレストレッチングを行うものとする。プレストレッチングの荷
重は,通常付表116に示す破断荷重に対して次の所定荷重を30分以上保持し,これを2回以上繰り返す
ものとする。プレストレッチング装置の荷重精度は±2%以内とする。
a) ストランドロープの所定荷重は,破断荷重の4550%とする。
b) スパイラルロープ及びロックドコイルロープの所定荷重は,破断荷重の5055%とする。
10.2.4 ロープの長さ及びマーキング ロープの長さ及びマーキングの有無並びにその測長方法は,受渡当
事者間の協定による。
11. 試験
11.1 素線試験 素線試験は,a) g)の試験項目について行う。各試験の試験本数は,表6による。
なお,ロックドコイルロープの異形線は,d),f)及びg)の試験は行わない。
表6 素線の試験本数
試験項目 試験本数
引張強さ 1ロットが3コイル以上の場合は,任意の3コイルの両端か
耐力 ら1本ずつ。ただし,1ロットが3コイルに満たない場合は,
伸び 各コイルごととする。
ねじり
巻付け
亜鉛付着量
めっき付着性
素線径の測定
外観 全コイル
a) 外観試験 外観試験は,目視によって行う。
b) 破断試験 破断試験は,試験片の両端を,つかみ間隔を約350mmでつかみ,破断するまで徐々に引
――――― [JIS G 3549 pdf 8] ―――――
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っ張り,引張強さ,耐力及び破断後の伸びを測定する。なお,伸び測定の標点距離は,250mmとする。
c) ねじり試験 ねじり試験は,試験片の両端を,その径の100倍のつかみ間隔で固くつかみ,一端は素
線の軸方向に移動できるようにし,他端を通常,毎分60回以下の速度で回転し,試験片が破断したと
きのねじり回数を調べる。
なお,ロックドコイルロープの異形線のつかみ間隔は,200mmとする。
d) 巻付け試験 巻付け試験は,試験片をその径の3倍の径の心金の周囲に2回以上密接して巻き付け,
試験片の破断の有無を調べる。
e) 亜鉛付着量試験 亜鉛付着量試験は,JIS H 0401の4.2(間接法)による。
f) めっき付着性試験 めっき付着性試験は,試験片をその径の5倍の径の心金の周囲に2回以上密接し
て巻き付け,試験片の表面状態を調べる。
なお,巻付け試験で異常がない場合には,これを省略してもよい。
g) 径の測定 径の測定は,試験片を同一断面において最大径と最小径をマイクロメータで0.01mmまで
測定し,両者の平均値を素線径とし,両者の差を偏径差とする。
11.2 ロープ試験 ロープ試験は,次の項目について行う。
a) 外観試験 外観試験は,目視によって行う。
b) 弾性係数の測定 弾性係数の測定は,プレストレッチングを行ったロープの一端から,適切な長さを
切り取り,図4 b)のように両端を亜鉛などで円すい形に固める方法か,これに代わる適当な方法でロ
ープを引張試験機に取り付けて徐々に引っ張り,プレストレッチング荷重の2090%の範囲で行う。
なお,弾性係数の測定は,プレストレッチング作業終了後,この装置で行ってもよい。
c) 破断試験 破断試験は,プレストレッチングを行ったロープの一端から,適切な長さを切り取り,図
4b)のように両端を亜鉛などで円すい形に固める方法か,これに代わる適切な方法でロープを引張試験
機に取り付け,これを破断するまで徐々に引っ張り,そのときの破断荷重を測定する。
つかみ間隔は,ロープ径の40倍以上とする。ただし,その長さが2mを超える場合は,つかみ間隔
を2mとしてもよい。
この試験において,試験片がつかみ部から破断し,規格値を満足しない場合は,受渡当事者間の協
議によって,再試験を行うことができる。
d) 実際径の測定 実際径の測定は,プレストレッチング後のロープの一端から1.5m以上離れた任意の
点2か所以上又は同一断面において,2方向以上の最大径をノギスで0.1mmまで測定し,その平均値
を実際径とする。
なお,弾性係数の測定又は破断試験の試験片のほぼ中央における任意の点2か所以上について測定
してもよい。
12. 検査
12.1 素線の検査 素線の検査は,より合わせ前の全ロットについて,表6の試験本数に対して行い,次
による。
a) 引張特性 引張特性の検査は,11.1 b)の試験を行い,5.1.1に適合しなければならない。
b) ねじり特性 ねじり特性の検査は,11.1 c)の試験を行い,5.1.2に適合しなければならない。
c) 巻付け特性 巻付け特性の検査は,11.1 d)の試験を行い,5.1.3に適合しなければならない。
d) 亜鉛めっき特性 亜鉛めっき特性の検査は,11.1 e)及びf)の試験を行い,6.に適合しなければならない。
e) 素線径及び偏径差の許容差 素線径及び偏径差の検査は,11.1 g)の試験を行い,7.1に適合しなければ
――――― [JIS G 3549 pdf 9] ―――――
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ならない。
f) 外観 外観の検査は,11.1 a)の試験を行い,8.1に適合しなければならない。
なお,1ロットとは,同一チャージの材料を用いた同一線径の素線で,同一のめっき炉で同一条件
によって連続して製造されたものをいう。ただし,コイルが数条に分かれても同一ロットとみなす。
また,1コイルとは,亜鉛めっき直後に巻き取られた単位をいう。
素線の検査において,次の場合には再検査を行うことができる。
a) 引張試験及びねじり試験において,試験片がつかみの部分から破断した場合は,受渡当事者間の協議
によって,該当項目について再試験を行うことができる。
b) 素線の引張強さ又は径の測定の試験結果が規定に適合しない場合は,受渡当事者間の協議によって,
該当のコイルについて再試験を行うことができる。この場合,コイルの両端から更に1本ずつ試験片
をとり試験を行い,全数が規定に合格しなければならない。
c) 耐力,伸び,ねじり,巻付け,亜鉛付着量又はめっき付着性の試験において,その一部の試験結果が
規定に合格しない場合は,注文者との協議により,該当項目について再試験を行うことができる。こ
の場合,該当コイルの両端から1本ずつ試験片をとり試験を行う。その結果,その全数が規定に適合
する場合は,更に5コイル又はその端数ごとにコイル端から1本ずつの試験片をとり試験を行い,全
数が規定に適合する場合はそのロットを合格とし,そうでない場合は不合格とする。
12.2 ロープの検査 ロープの検査は,ロープの1条ごとに行い,次による。
なお,同一の素線を用い,同一の機械によって連続して製造された複数のロープの場合は,そのうちの
任意の1条を選んでもよい。
a) 弾性係数 弾性係数の検査は,11.2 b)の試験を行い,5.2.1に適合しなければならない。
b) 破断荷重 破断荷重の検査は,11.2 c)の試験を行い,5.2.2に適合しなければならない。
c) ロープの実際径 ロープの実際径の検査は,11.2 d)の試験を行い,7.3に適合しなければならない。
d) 外観 外観の検査は,11.2 a)の試験を行い,8.2に適合しなければならない。
13. 表示 検査に合格したロープの巻枠には,1条ごとに次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受
渡当事者間の協議によって,その一部を省略することができる。
a) 製造業者名又はその略号
b) 製品番号
c) 製造年月又はその略号
d) ロープの呼び又は構成記号
e) グリースの種類
f) ロープのより方向
g) 種別又は破断荷重
h) 公称径及び長さ
i) ロープの質量(総質量及び正味質量)
j) 引出し方向
14. 包装
14.1 巻取り方法 ロープは,通常,巻枠に巻く。巻枠の胴径は,ロープ径の30倍以上,かつ素線径の200
倍以上とし,巻き方は整列巻きとする。
――――― [JIS G 3549 pdf 10] ―――――
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JIS G 3549:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.140 : 鉄及び鋼製品 > 77.140.65 : 鋼線,ワイヤロープ及びリンクチェーン
JIS G 3549:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3502:2019
- ピアノ線材
- JISG3506:2017
- 硬鋼線材
- JISH0401:2013
- 溶融亜鉛めっき試験方法
- JISH2107:2015
- 亜鉛地金