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G 4311 : 2019
6.5 析出硬化系の機械的性質
析出硬化系の機械的性質は,その熱処理状態に応じて,次のa),b) 又はc) による。
a) 固溶化熱処理を行った棒の機械的性質は,表11による。この場合,供試材は,JIS G 0404の7.6のA
類による。ただし,耐力は,注文者の指定がある場合に適用する。
なお,棒の熱処理の種類が固溶化熱処理の場合は,通常,析出硬化状態の機械試験を行わないが,
特に注文者の要求がある場合は,JIS G 0404の7.6のB類による供試材に固溶化熱処理後析出硬化処
理を行った場合の機械的性質及びその規定値を,受渡当事者間で協定してもよい。
b) 固溶化熱処理後析出硬化処理を行った棒の機械的性質は,表11による。この場合,供試材は,JIS G 0404
の7.6のA類による。ただし,耐力は,注文者の指定がある場合に適用する。
c) 固溶化熱処理及び析出硬化処理とは異なる熱処理を行ったSUS630-HRの棒の機械的性質,その規定
値及び供試材の種類は,受渡当事者間の協定による。
表11−析出硬化系の固溶化熱処理状態及び固溶化熱処理後析出硬化処理状態の機械的性質
種類の記号 熱処理 耐力 引張強さ 伸び 絞りa) 硬さb) 適用寸法
記号 HBW HRBW HRC HV (径,対辺
又は 距離又は
HRBS c) 厚さ)
N/mm2 N/mm2 % % mm
SUS630-HR S − − − − 363以下 − 38以下 383以下 75以下
H900 1 175以上 1 310以上 10以上 40以上 375以上 − 40以上 396以上
H1025 1 000以上 1 070以上 12以上 45以上 331以上 − 35以上 350以上
H1075 860以上 1 000以上 13以上 45以上 302以上 − 31以上 320以上
H1150 725以上 930以上 16以上 50以上 277以上 − 28以上 292以上
SUS631-HR S 380以下 1 030以下 20以上 − 229以下 98以下 − 241以下
RH950 1 030以上 1 230以上 4以上 10以上 388以上 − 41以上 410以上
TH1050 960以上 1 140以上 5以上 25以上 363以上 − 38以上 383以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 絞りは,平鋼には適用しない。ただし,注文者の指定がある場合は,受渡当事者間の協定による。
b) 硬さは,いずれかの硬さによる。いずれの硬さを適用するかは,特に指定のない場合,製造業者の選択による。
c) 測定は,HRBW又はHRBSのいずれによってもよい。ただし,疑義が生じた場合の判断は,HRBWによる。測
定値の報告には,採用した測定方法(HRBW又はHRBS)を明記する。
6.6 冷間引抜ままの棒の機械的性質
冷間引抜ままの棒の機械的性質及びその規定値は,受渡当事者間の協定による。この場合,供試材は,
JIS G 0404の7.6のA類による。
7 形状,寸法及び許容差
7.1 標準寸法
標準寸法は,次による。
a) 熱間圧延による丸鋼及び六角鋼の標準寸法は,表12による。ただし,機器,部品などの設計に当たっ
ては,括弧内の寸法は,できるだけ使用しないことが望ましい。
――――― [JIS G 4311 pdf 11] ―――――
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表12−熱間圧延丸鋼及び六角鋼の標準寸法
単位 mm
丸鋼の径 六角鋼の対辺距離
9 19 (35) 55 120 12 30
10 20 36 60 130 14 32
(11) 22 38 65 140 17 35
12 24 40 70 150 19 38
13 25 42 75 160 21 41
14 26 44 80 170 23 46
15 28 (45) 85 180 24
16 30 46 90 (190) 26
17 32 48 100 (200) 27
(18) 34 50 110 29
b) 線材の標準径は,表13による。
表13−線材の標準径
単位 mm
5.5 6.0 7.0 8.0 9.0 9.5 10 11 12 13 14
c) その他の形状については,標準寸法を規定しない。
7.2 形状及び寸法の許容差
形状及び寸法の許容差は,次による。
a) 熱間圧延による丸鋼の径,角鋼及び六角鋼の対辺距離の許容差並びに偏径差又は偏差は,表14による。
表14−熱間圧延丸鋼の径,角鋼及び六角鋼の対辺距離の許容差並びに偏径差又は偏差
単位 mm
径又は対辺距離 径又は対辺距離の許容差 偏径差又は偏差a)
28以下 ±0.4 許容差の範囲の70 %以下
28を超えるもの ±1.5 %
注a) 偏径差又は偏差は,同一断面における径又は対辺距離の最大値と最小値との差とする。
b) 熱間圧延による平鋼の厚さの許容差は,表15による。また,幅の許容差は,表16による。ただし,
幅が150 mmを超える平鋼については受渡当事者間の協定による。
表15−熱間圧延平鋼の厚さの許容差
単位 mm
厚さ 厚さの許容差
13未満 ±0.5
13以上 ±4 %
――――― [JIS G 4311 pdf 12] ―――――
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表16−熱間圧延平鋼の幅の許容差
単位 mm
幅 幅の許容差
25未満 ±0.7
25以上 50未満 ±1.0
50以上 150以下 ±2 %
c) 熱間鍛造などによる棒の寸法許容差は,受渡当事者間の協定による。
d) 冷間仕上棒鋼の寸法許容差は,表17による。注文者は,許容差の等級を指定しなければならない。た
だし,この表以外の冷間仕上棒鋼については受渡当事者間の協定による。
表17−冷間仕上棒鋼の寸法許容差
単位 mm
径,対辺距離,厚さ 許容差の等級a) 偏径差又は偏差c)
又は幅 (公差クラス)b)
9級(h9) 10級(h10) 11級(h11) 12級(h12)
6以上 10以下 0 0 0 0
−0.036 −0.058 −0.090 −0.15
10を超え 18以下 0 0 0 0
−0.043 −0.070 −0.11 −0.18
18を超え 30以下 0 0 0 0
−0.052 −0.084 −0.13 −0.21 許容差の範囲の
30を超え 50以下 0 0 0 0 30 %以下
−0.062 −0.100 −0.16 −0.25
50を超え 80以下 0 0 0 0
−0.074 −0.12 −0.19 −0.30
80を超え 120以下 0 0 0 0
−0.087 −0.14 −0.22 −0.35
注a) 丸鋼は911級,角鋼は11級,六角鋼及び平鋼は12級を適用する。
b) 括弧内“公差クラス”は,JIS B 0401-2による。
c) 平鋼には適用しない。偏径差又は偏差については,表14の注a)による。
e) 棒の長さの許容差は,表18による。ただし,受渡当事者間の協定がある場合は,その協定による。
表18−棒の長さの許容差
単位 mm
長さ 長さの許容差
7 m以下 +40
0
7 mを超えるもの 長さ1 m又はその端数が増すごとに,上欄のプラス側許容差に5を加える。
f) 線材の径の許容差及び偏径差は,表19による。ただし,径が20 mmを超える線材については受渡当
事者間の協定による。
――――― [JIS G 4311 pdf 13] ―――――
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表19−線材の径の許容差及び偏径差
単位 mm
径 許容差 偏径差a)
5.5以上 15以下 ±0.3 0.5以下
15を超え 20以下 ±0.4 0.6以下
注a) 偏径差は,同一断面における径の最大値と最小値との差とする。
g) 棒の曲がりの許容差は,単位長さ(m)当たり3 mm以下とし,全長に対しては,[3(mm/m)×長さ
(m)]以下とする。
8 外観
棒及び線材の表面は,仕上げ良好で,通常の使用において支障となる有害な欠点があってはならない。
ただし,線材は,一般的に検査によって全長にわたっての欠点の検出及び除去が困難であるため,若干の
正常でない部分を含むことがある。したがって,使用上有害と判断される欠点が発見されたときは,必要
な場合,その取扱いについては,受渡当事者間の協定による。
注記 棒は,有害な欠点に相当するきずの種類,深さ,除去方法などを受渡当事者間で協定すること
が望ましい。
9 線材のきずの深さ
線材は,11.3の試験を行い,線材の径が14 mm以下の場合は,長手方向の割れ状のきずの深さが0.15 mm
を超えてはならない。
なお,線材の径が14 mmを超える場合は,受渡当事者間の協定による。
10 質量
質量は,実測又は計算で求める。計算で求める場合は,表示の寸法を用いて算出し,算出方法は,表20
による。
表20−計算質量の算出方法
算出順序 算出方法 結果の桁数a)
基本質量 kg/(mm2・m) 表21による。 −
断面積 mm2 次の式によって求める。 有効数字4桁の数値
丸鋼の断面積 : 0.785 4×径(mm)×径(mm) に丸める。
熱間仕上げ材の径 : 表示の寸法
冷間仕上げ材の径 : 表示の寸法+(表17の寸法許容差×1/2)
六角鋼の断面積 : 0.866 0×対辺距離(mm)×対辺距離(mm)
単位質量 kg/m 基本質量[kg/(mm2・m)]×断面積(mm2) 有効数字3桁の数値
に丸める。
1本の質量 kg 単位質量(kg/m)×長さ(m) 有効数字3桁の数値
に丸める。
総質量 kg 1本の質量(kg)×同一寸法の総本数 整数値に丸める。
又は単位質量(kg/m)×同一寸法の総長さ
注a) 数値の丸め方は,JIS Z 8401による。
――――― [JIS G 4311 pdf 14] ―――――
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表21−棒の基本質量
単位 kg/(mm2・m)
分類 種類の記号 基本質量 分類 種類の記号 基本質量
a) a)
オーステナイト系 SUH31 フェライト系 SUH446
a)
SUH35 SUS405-HR 7.75×10−3
a)
SUH36 SUS410L-HR 7.75×10−3
a)
SUH37 SUS430-HR 7.70×10−3
a) a)
SUH38 マルテンサイト系 SUH1
a)
SUH309 7.98×10−3 SUH3
a)
SUH310 7.98×10−3 SUH4
a) a)
SUH330 SUH11
a) a)
SUH660 SUH600
a) a)
SUH661 SUH616
SUS304-HR 7.93×10−3 SUS403-HR 7.75×10−3
SUS309S-HR 7.98×10−3 SUS410-HR 7.75×10−3
SUS310S-HR 7.98×10−3 SUS410J1-HR 7.75×10−3
SUS316-HR 7.98×10−3 SUS431-HR 7.75×10−3
SUS316Ti-HR 7.98×10−3
析出硬化系 SUS630-HR 7.78×10−3
SUS317-HR 7.98×10−3 SUS631-HR 7.93×10−3
SUS321-HR 7.93×10−3
SUS347-HR 7.98×10−3
SUSXM15J1-HR 7.75×10−3
注a) 受渡当事者間の協定による。
11 試験
11.1 分析試験
11.1.1 分析試験の一般事項及び分析用試料の採り方
分析試験の一般事項及び分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化学成分)による。注文者が製
品分析を要求した場合の分析用試料の採り方は,JIS G 0321の箇条4(製品分析用試料)による。
11.1.2 分析方法
溶鋼分析の方法は,JIS G 0320による。製品分析の方法は,JIS G 0321による。
11.2 機械試験
11.2.1 試験一般
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。
11.2.2 供試材の採り方
供試材は,同一溶鋼及び同一熱処理条件ごとに1個を採取する。ただし,JIS G 0404の7.6のB類によ
る供試材は,同一溶鋼ごとに1個を採取する。
11.2.3 試験片の数
引張試験,衝撃試験及び硬さ試験の試験片の数は,供試材1個から各試験片1個とする。
11.2.4 試験片
引張試験片,衝撃試験片及び硬さ試験片は,次による。
a) 引張試験片は,JIS Z 2241の10号試験片,13B号試験片,14A号試験片又は14B号試験片のいずれか
を用いる。
なお,これらの試験片に代えて4号試験片又は5号試験片を用いることができる。
――――― [JIS G 4311 pdf 15] ―――――
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JIS G 4311:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4955:2016(MOD)
- ISO 683-15:1992(MOD)
JIS G 4311:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.140 : 鉄及び鋼製品 > 77.140.60 : 棒鋼及びスチールロッド
JIS G 4311:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0401-2:2016
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第2部:穴及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表
- JISG0320:2009
- 鋼材の溶鋼分析方法
- JISG0321:2017
- 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
- JISG0404:2014
- 鋼材の一般受渡し条件
- JISG0415:2014
- 鋼及び鋼製品―検査文書
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- 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
- JISG0567:2020
- 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
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- JISZ2244:2009
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- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2021
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方