JIS G 4311:2019 耐熱鋼棒及び線材 | ページ 4

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b) 衝撃試験片は,JIS Z 2242のノッチ深さ2 mmのUノッチ標準試験片を用いる。ただし,この試験片
が採取できない場合は,受渡当事者間で適用する試験片の寸法,形状及び衝撃値について,協定して
もよい。
c) 硬さ試験片は,引張試験片の一部を用いることができる。
11.2.5 試験方法
引張試験,衝撃試験及び硬さ試験の方法は,次による。
a) 引張試験方法は,JIS Z 2241による。ただし,試験温度は,23±5 ℃とし,マルテンサイト系の引張強
さの測定については,試験片平行部のひずみ速度又は平行部の推定ひずみ速度が0.003 30.010 0 s−1
となる引張速度を,マルテンサイト系以外については,0.006 60.013 4 s−1となる引張速度を用いる。
b) 衝撃試験方法は,JIS Z 2242による。ただし,試験温度は,23±2 ℃とする。
c) 硬さ試験方法は,次のいずれかによる。ただし,試験温度は,23±5 ℃とする。
1) IS Z 2243-1
2) IS Z 2244
3) IS Z 2245

11.3 線材のきず検出試験

11.3.1 試料の採り方
きず検出試験に用いる試料は,各コイルから試験片を1個採取する。
注記 試料は,各コイルの両端から試験片を1個ずつ採取するのが望ましい。
11.3.2 試験方法
試験片は,酸洗などによって脱スケールを行い,適切な精度をもつ測定機によって,表面きずの深さを
測定する。

11.4 その他の試験

  注文者は,高温引張試験を要求することができる。ただし,この場合の試験方法は,JIS G 0567による。

12 検査

  棒及び線材の検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条5に適合しなければならない。
c) 機械的性質は,箇条6に適合しなければならない。
d) 形状及び寸法は,箇条7に適合しなければならない。
e) 外観は,箇条8に適合しなければならない。
f) 線材のきずの深さは,箇条9に適合しなければならない。
g) 11.4に規定する試験を実施した場合は,受渡当事者間の協定によって合意した合否判定基準に適合し
なければならない。

13 表示

13.1 棒の表示

  検査に合格した棒には,1本ごとに,次の項目を表示する。ただし,径,対辺距離又は厚さが30 mm以
下の棒は,これを結束して,1結束ごとに表示してもよい。また,径又は対辺距離が30 mmを超える棒の
場合は,受渡当事者間の協定によって,これを結束して1結束ごとに適切な方法で表示してもよい。

――――― [JIS G 4311 pdf 16] ―――――

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なお,受渡当事者間の協定によって,項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号
b) 寸法
c) 表面仕上げ方法の記号及び許容差の等級の記号
d) 熱処理の状態を表す記号
e) 製造業者名又はその略号
f) 溶鋼番号又は検査番号

13.2 線材の表示

  検査に合格した線材には,1コイルごと又は1結束ごとに,次の項目を表示する。
なお,受渡当事者間の協定によって,項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号
b) 線材の径
c) 製造業者名又はその略号
d) 溶鋼番号又は検査番号

14 報告

  製造業者は,注文者から報告の要求がある場合は,検査文書を注文者に提出しなければならない。検査
文書には電送など電子媒体も含める。ただし,検査文書の種類は,注文時に特に指定がない場合,JIS G 0415
の5.1(検査証明書3.1)による。

――――― [JIS G 4311 pdf 17] ―――――

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附属書JA
(参考)
耐熱鋼棒の熱処理条件
表JA.1−オーステナイト系の熱処理条件
単位 ℃
種類の記号 熱処理
固溶化熱処理 時効処理
SUH31 9501 050 急冷 −
SUH35 1 1001 200 急冷 730780 空冷
SUH36 1 1001 200 急冷 730780 空冷
SUH37 1 0501 150 急冷 750800 空冷
SUH38 1 1201 150 急冷 730760 空冷
SUH309 1 0301 150 急冷 −
SUH310 1 0301 180 急冷 −
SUH330 1 0301 180 急冷 −
SUH660 885915 急冷又は 700760×16 h 空冷又は徐冷
965995 急冷
SUH661 1 1301 200 急冷 780830× 4 h 空冷又は徐冷
SUS304-HR 1 0101 150 急冷 −
SUS309S-HR 1 0301 150 急冷 −
SUS310S-HR 1 0301 180 急冷 −
SUS316-HR 1 0101 150 急冷 −
SUS316Ti-HR a) 9201 150 急冷 −
SUS317-HR 1 0101 150 急冷 −
SUS321-HR a) 9201 150 急冷 −
SUS347-HR a) 9801 150 急冷 −
SUSXM15J1-HR 1 0101 150 急冷 −
注a) US316Ti-HR,SUS321-HR及びSUS347-HRについては,注文者が安定化熱処理を指定する
ことがある。この場合の熱処理温度は,850930 ℃が用いられる。
表JA.2−フェライト系の熱処理条件
単位 ℃
種類の記号 焼なまし
SUH 446 780880 急冷
SUS405-HR 780830 空冷又は徐冷
SUS410L-HR 700820 空冷又は徐冷
SUS430-HR 780850 空冷又は徐冷

――――― [JIS G 4311 pdf 18] ―――――

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表JA.3−マルテンサイト系の熱処理条件
単位 ℃
種類の記号 熱処理
焼なまし 焼入れ 焼戻し
SUH1 800900 徐冷 9801 080 油冷 700850 急冷
SUH3 800900 徐冷 9801 080 油冷 700800 急冷
SUH4 800900 徐冷又は約720 空冷 1 0301 080 油冷 700800 急冷
SUH11 750850 徐冷 1 0001 050 油冷 650750 急冷
SUH600 850950 徐冷 1 1001 170 油冷又は空冷 600以上 空冷
SUH616 830900 徐冷 1 0201 070 油冷又は空冷 600以上 空冷
SUS403-HR 800900 徐冷又は約750 急冷 9501 000 油冷 700750 急冷
SUS410-HR 800900 徐冷又は約750 急冷 9501 000 油冷 700750 急冷
SUS410J1-HR 830900 徐冷又は約750 急冷 9701 020 油冷 650750 急冷
SUS431-HR 一次約750急冷,二次約650急冷 1 0001 050 油冷 630700 急冷
表JA.4−析出硬化系の熱処理条件
種類の記号 熱処理
種類 記号 条件
SUS630-HR 固溶化熱処理 S 1 0201 060 ℃ 急冷
析出硬化処理 H900 470490 ℃ 空冷
H1025 540560 ℃ 空冷
H1075 570590 ℃ 空冷
H1150 610630 ℃ 空冷
SUS631-HR 固溶化熱処理 S 1 0001 100 ℃ 急冷
析出硬化処理 RH950 955±10 ℃に10分間保持,室温まで空冷,24時間以内に
−73±6 ℃に冷却し8時間保持,510±10 ℃に60分間保
持後空冷
TH1050 760±15 ℃に90分間保持,1時間以内に15 ℃以下に冷却
し30分間保持,565±10 ℃に90分間保持後空冷

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G4
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附属書JB
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(参考)
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JISと対応国際規格との対比表
019
JIS G 4311:2019 耐熱鋼棒及び線材 ISO 4955:2016,Heat-resistant steels及びISO 683-15:1992,Heat-treatable steels, alloy
steels and free-cutting steels−Part 15: Valve steels for internal combustion engines
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範 耐熱鋼棒及び耐 ISO 4955 1 高温ガス及び550 ℃を上 変更 JISでは,棒及び線材だけについてJISは,板及び帯については,別
囲 熱鋼線材につい 回る温度域での耐性が要 規定している。 の規格JIS G 4312で規定してお
て規定。 求される耐熱鋼,耐クリー り,規格体系が異なることから,
プ鋼,耐熱合金及び耐クリ 適用範囲は現状のままとする。
ープ合金−板,帯,棒,形
鋼,線材,半製品,及び鍛
造品について規定。
ISO 683-15 1 往復動内燃機関用吸気及
び排気バルブ用について,
鍛圧高合金材の棒,線,線
材,鍛造品及び旋削仕上げ
又は研削仕上品について
規定。
3 種類の 棒及び線材の35 ISO 4955 6 オーステナイト系,フェラ変更 JISとISO規格とでは,記号表記が 各国は,それぞれの記号体系をも
記号 種類の記号及び イト系,マルテンサイト系 異なる。 ち,それらはその市場に定着して
分類を規定。 及び析出硬化系の分類を いる。ISO/TS 4949:2016は,各国
規定している。 それぞれの記号体系に従うことを
7 31種類の記号を記載。 認めていることから,現状のまま
ISO 683-15 4 マルテンサイト系,オース とする。
テナイト系の分類を規定。
11種類の記号を記載。

――――― [JIS G 4311 pdf 20] ―――――

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JIS G 4311:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4955:2016(MOD)
  • ISO 683-15:1992(MOD)

JIS G 4311:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 4311:2019の関連規格と引用規格一覧