JIS G 4315:2013 冷間圧造用ステンレス鋼線 | ページ 2

4
G 4315 : 2013

6 線径の許容差及び偏径差

  線径の許容差及び偏径差は,9.2の試験を行い,表4による。
表4−許容差及び偏径差
単位 mm
線径 許容差 偏径差a)
0.80 以上 3.00 以下 0 0.013以下
−0.025
3.00 を超え 6.00 以下 0 0.015以下
−0.030
6.00 を超え 10.0 以下 0 0.020以下
−0.04
10.0 を超え 17.0 以下 0 0.025以下
−0.05
注a) 偏径差は,同一断面における線径の最大値と最小値との差
で表す。

7 外観及び形状

  線の外観及び形状は,次による。
a) 線は,使用上有害な外観上の欠点があってはならない。ただし,線は,一般的に検査によって全長に
わたっての欠点の検出及び除去が困難であるため,若干の正常でない部分を含むことがある。したが
って,使用上有害と判断される欠点が発見されたときは,必要な場合,その取扱いについては,受渡
当事者間の協定による。
b) 線は,使用上有害な曲がり及び波ぐせがあってはならない。
注記 波ぐせとは,線の連続した小曲がりのことをいう。

8 きず

  線は,注文者の指定がある場合,9.3の試験を行い,線の長手方向に現れる割れ状のきずの場合,きずの
深さの許容限度は表5による。
表5−きずの深さの許容限度
単位 mm
線径 きずの深さの許容限度
0.80 以上 3.50 以下 0.03
3.50 を超え5.50 以下 0.04
5.50 を超え9.00 以下 0.05
9.00 を超え 17.0 以下 0.06

9 試験

9.1 引張試験

9.1.1  供試材及び試験片の採り方
供試材及び試験片の採り方は,同一溶鋼,同一線径,同一熱処理条件のロットから1コイルを抜き取り,
その片端から供試材を採り,試験片1個を採取する。

――――― [JIS G 4315 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
G 4315 : 2013
9.1.2 試験片
試験片は,JIS Z 2241の9A号試験片とする。
9.1.3 試験方法
試験方法は,JIS Z 2241による。ただし,試験温度は23±5 ℃とし,引張速度は,表6による。
表6−引張速度
調質の区分 引張速度(平均応力増加率)
N/(mm2・s)
A種及びB種 10以上 100以下

9.2 線径の測定

  線径の測定は,マイクロメータなどを用い,線の任意の箇所について行う。

9.3 きず検出試験

9.3.1  供試材及び試験片の採り方
供試材及び試験片の採り方は,同一溶鋼,同一線径,同一熱処理条件のロットから1コイルを抜き取り,
その両端から供試材を採り,それぞれ試験片1個を採取する。
9.3.2 試験方法
試験片を王水など適切な酸で腐食し,きずの有無を調べる。きずの深さは通常,きずがなくなるまで削
って,削り取られたきずの深さをマイクロメータで測定する。

10 検査

  検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 機械的性質は,箇条5に適合しなければならない。
c) 線径の許容差及び偏径差は,箇条6に適合しなければならない。
d) 外観及び形状は,箇条7に適合しなければならない。
e) きずは,箇条8に適合しなければならない。ただし,注文者から指定のあった場合に適用する。

11 表示

  検査に合格した線には,1コイルごとに,又は1結束ごとに次の事項を表示する。ただし,受渡当事者
間の協定によって,項目の一部を省略してもよい。
a) 種類の記号,及び調質の区分又はその記号
b) 線径
c) 被覆がある場合は,その名称又は略号
d) 製造番号又は検査番号
e) 製造業者名又はその略号

12 報告

  製造業者は,注文者の要求があれば,この規格に規定又は指定された試験の成績表,及び線径,数量,
納入状態などを記載した検査文書を提出しなければならない。検査文書には電送などの電子媒体も含める。

――――― [JIS G 4315 pdf 7] ―――――

6
G 4315 : 2013
附属書JA
(参考)
線材の化学成分
JA.1 化学成分
表JA.1表JA.3に化学成分を示す。
表JA.1−オーステナイト系の化学成分
単位 %
種類の記号 C Si Mn P S Ni Cr その他
SUS304 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下8.0010.50 18.0020.00 −
SUS304L 9.0013.00 18.0020.00
0.030以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 −
SUS304J3 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下8.0010.50 17.0019.00 Cu 1.003.00
SUS305 0.12以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 10.5013.00 17.0019.00 −
SUS305J1 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 11.0013.50 16.5019.00 −
SUS316 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 10.0014.00 16.0018.00Mo 2.003.00
SUS316L Mo 2.003.00
0.030以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 12.0015.00 16.0018.00
SUS384 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下 17.0019.00 15.0017.00 −
SUSXM7 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.045以下 0.030以下8.5010.50 17.0019.00 Cu 3.004.00
SUH660 0.08以下 1.00以下 2.00以下 0.040以下 0.030以下 24.0027.00 13.5016.00 V 0.100.50
Ti 1.902.35
Al 0.35以下
B 0.0010.010
Mo 1.001.50
表JA.2−フェライト系の化学成分
単位 %
種類の記号 C Si Mn P S Cr Mo
SUS430 0.12以下 0.75以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 16.0018.00 −
SUS434 0.12以下 1.00以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 16.0018.00 0.751.25
Niは,0.60 %を超えてはならない。
表JA.3−マルテンサイト系の化学成分
単位 %
種類の記号 C Si Mn P S Cr
SUS403 0.15以下 0.50以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 11.5013.00
SUS410 0.15以下 1.00以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 11.5013.50
Niは,0.60 %を超えてはならない。

――――― [JIS G 4315 pdf 8] ―――――

                                                                                                                                           7
G 4315 : 2013
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 4315:2013 冷間圧造用ステンレス鋼線 ISO 4954:1993 Steels for cold heading and cold extruding
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 冷間圧造用(温間圧 1.1 冷間圧造及び冷間押出し 変更 ISO規格は冷間圧造用及び冷 規格体系の違いであり,JISでは,
囲 造を含む。)ステン に用いられる線材,線又 間押出用の鋼全体について規 鋼材についてJIS G 3507などで
レス鋼線及び耐熱 は棒鋼で受け渡される非 定している。 規定している。
鋼線について規定。 合金及び合金の鋼材につ
いて規定。
2 引用規

3 種類の 14種類の記号につ 5.2.2 オーステナイト系,フェ 変更 JISとISO規格とでは,記号表 次回,ISO規格見直し時,改正提
記号,調 いて,調質及び分類 ライト系,マルテンサイ 記が異なる。また,ISO規格で案の要否を検討する。
質,分類及(オーステナイト ト系の18種類の記号及び は,種類によらず適用線径は共
び適用線 系,フェライト系, 分類を規定。 通としている。記号体系が異な
径 マルテンサイト系) っているが,技術的な差異はな
を規定。 い。
調質記号ごとに適
用線径を規定。
4 材料及 調質記号を2種類に 5.2.3 受渡し時の熱処理状態を 変更 JISでは,熱処理条件よりも,次回,ISO規格見直し時,改正提
び製造方 分類し,それぞれの 規定。 引張強さのレベルを重視した 案の要否を検討する。
法 製造方法を規定。表 1.4.3.2 冷間圧造を容易にする表 分類としている。
面被覆については, 面処理を注文時に協定す
G4
注文者の指定が可 るものとする。
3
能と規定。
15 : 2013
6

――――― [JIS G 4315 pdf 9] ―――――

    8
G 4315 : 2013
G4
6
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
315
番号
: 2
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
0
及び題名 の評価
13
5 機械的 線径範囲に応じ,引 5.2.3 引張強さ,絞りを規定。 変更 引張強さについて,JISでは,市場ニーズの違いによる。次回,
性質 張強さの最大値,最 引張強さは,上限だけ規 最大値及び最小値を規定して ISO規格見直し時,改正提案の要
小値及び絞りの最 定。 いる。 否を検討する。
小値を規定。伸びは オーステナイト系につい JISでは,全ての分類に絞りを
参考値。受渡当事者 ては,絞りを規定してい 規定している。
間の協定によって, ない。
引張強さの下限及
び上限を高くする
ことができる。
6 線径の 線径の許容差及び 1.4.11 受渡当事者間の協定によ 変更 ISO規格では,線径の許容差及市場ニーズの違いによる。次回,
許容差及 偏径差を規定。 る。 び偏径差を協定としている。 ISO規格見直し時,改正提案の要
び偏径差 否を検討する。
7 外観及 線の外観,曲がり及 1.4.8 受渡当事者間の協定によ 変更 ISO規格では,外観及び形状を市場ニーズの違いによる。次回,
び形状 び波ぐせを規定。 る。 協定としている。 ISO規格見直し時,改正提案の要
否を検討する。
8 きず きずの深さの許容 1.4.8 受渡当事者間の協定によ 変更 ISO規格では,許容限度を協定市場ニーズの違いによる。次回,
限度について規定。 る。 としている。 ISO規格見直し時,改正提案の要
否を検討する。
9 試験 引張試験,線径の測 1.5 化学分析,焼入性試験, 変更 JISとISO規格とでは,規定し 次回,ISO規格見直し時,改正提
定及びきず検出試 引張試験,組織及び脱炭 ている試験項目が異なる。JIS案の要否を検討する。
験について規定。 について規定。 では,線の製品規格として必要
な項目を規定している。
10 検査 機械的性質,線径の 1.4 協定に従って検査を実 変更 ISO規格では,検査について 次回,ISO規格見直し時,改正提
許容差,偏径差,外 施。 案の要否を検討する。
は,協定としている。JISでは,
観及び形状,きずに 線の製品規格として必要な項
ついて,検査適合基 目を規定している。
準を規定。
11 表示 種類の記号など5項 − 表示の規定はなし。 追加 ISO規格では,表示については次回,ISO規格見直し時,改正提
目の表示項目及び 規定していない。JISでは,線案の要否を検討する。
表示方法を規定。 の製品規格として必要な項目
及び表示方法を規定している。

――――― [JIS G 4315 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS G 4315:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4954:1993(MOD)

JIS G 4315:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 4315:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG0404:2014
鋼材の一般受渡し条件
JISG4308:2013
ステンレス鋼線材
JISG4311:2019
耐熱鋼棒及び線材
JISZ2241:2011
金属材料引張試験方法