JIS G 5705:2018 可鍛鋳鉄品 | ページ 2

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3.6
主要肉厚
白心可鍛鋳鉄品において,その主要な性能に影響を与える部位の厚さ寸法。
3.7
残留炭素
白心可鍛鋳鉄品の脱炭処理後の製品に含まれる炭素。
3.8
残留炭素率
白心可鍛鋳鉄品の脱炭処理後の製品の残留炭素含有率。

4 種類

  可鍛鋳鉄品を,白心可鍛鋳鉄品,黒心可鍛鋳鉄品及びパーライト可鍛鋳鉄品に分類する。ただし,可鍛
鋳鉄品の顕微鏡組織には,片状黒鉛を含んではならない。
可鍛鋳鉄品の分類及び種類の記号を表1に示す。種類の記号は,可鍛鋳鉄品の分類を表す文字記号,最
小引張強さ(N/mm2),“-(半角ハイフン)”及び最小伸び(%)で表す。
なお,日本工業規格(日本産業規格)(JIS),国際規格(ISO規格)及び外国規格における種類の記号の対応比較を,附
属書JAに示す。
a) 可鍛鋳鉄品の分類は,文字記号によって,次のように表す。
FCMW 白心可鍛鋳鉄品
FCMB 黒心可鍛鋳鉄品
FCMP パーライト可鍛鋳鉄品
b) 最小引張強さは,表2表4による直径12 mmの試験片の最小引張強さを,三桁の整数を用いて表す。
この数字記号の後には,“-”を付ける。
c) 最小伸びは,表2表4による直径12 mmの試験片の最小伸びを,一桁又は二桁の整数で表示する。
d) 白心可鍛鋳鉄品で直径12 mm以外の試験片を用いた場合,直径12 mmの試験片の最小引張強さ及び
最小伸びを用いて表す(表2参照)。
例 白心可鍛鋳鉄品で直径15 mmの試験片の規定値が,最小引張強さ420 N/mm2以上及び最小伸び
4 %以上の場合の種類の記号 : FCMW400-5
注記1 表2の白心可鍛鋳鉄品は,適正な溶接方法を用いる限り,全て溶接可能である。強度が必
要で,かつ,溶接後の熱処理を特に避けたい部品には,FCMW360-12又はFCMW380-12
が望ましい(FCMW360-12において,肉厚が8 mmを超える場合,溶接後に熱処理するこ
とが望ましい。)。
注記2 FCMB275-5及びFCMB300-6は,強度,延性又は耐衝撃性よりも,耐密性を重要とする用
途に適している。FCMB350-10Sは,耐衝撃性を重要とする用途に適している。

――――― [JIS G 5705 pdf 6] ―――――

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表1−可鍛鋳鉄品の分類及び種類の記号
分類 種類の記号
FCMW350-4
FCMW360-12
FCMW380-7
白心可鍛鋳鉄品 FCMW380-12
FCMW400-5
FCMW450-7
FCMW550-4
FCMB275-5
FCMB300-6
FCMB310-8
黒心可鍛鋳鉄品
FCMB340-10
FCMB350-10
FCMB350-10S
FCMP450-6
FCMP490-4
FCMP500-5
FCMP540-3
FCMP550-4
パーライト可鍛鋳鉄品
FCMP590-3
FCMP600-3
FCMP650-2
FCMP700-2
FCMP800-1

5 製造

  可鍛鋳鉄品の製造方法,化学成分及び熱処理方法は,製造業者の自由選択とするが,注文書に指定され
る可鍛鋳鉄品の種類について,この規格の要求事項に適合することを保証しなければならない。ただし,
可鍛鋳鉄品を特殊用途に用いる場合,化学成分及び熱処理方法は,注文時に受渡当事者間で協定してもよ
い。

6 機械的性質

6.1 引張強さ,0.2 %耐力及び伸び

  引張強さ(Rm),0.2 %耐力(Rp0.2)及び破断後の伸び(A3.4)2) は,12.1によって試験を行い,表2表
4の規定に適合しなければならない。ただし,0.2 %耐力(Rp0.2)は,注文者が要求した場合に適用する。
注2) 3.4の定義は,JIS Z 2241の3.4.2(破断伸び,A)参照。

6.2 ブリネル硬さ

  ブリネル硬さ(HBW)は,注文者が要求した場合に適用し,12.2によって試験を行い,合否判定基準は,
受渡当事者間の協定による。表2表4にブリネル硬さの参考値を示す。

6.3 耐衝撃性

  耐衝撃性は,注文者が要求した場合に適用し,12.3によって試験を行い,合否判定基準は,受渡当事者
間の協定による。
注記 可鍛鋳鉄品の耐衝撃性を向上するために,りん(P)含有率は,0.10 %を超えないことが望まし

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い。
表2−白心可鍛鋳鉄品の機械的性質
種類の記号 試験片の直径 引張強さ 伸び 0.2 %耐力a) ブリネル硬さ
Rm A3.4 Rp0.2 (参考値)
mm N/mm2 % N/mm2 HBW
9 310以上 5以上 −
FCMW350-4 12 350以上 4以上 − 230以下
15 360以上 3以上 −
9 320以上 15以上 170以上
FCMW360-12 12 360以上 12以上 190以上 200以下
15 370以上 7以上 200以上
6(5未満)b) 350以上 14以上 −
FCMW380-7 10(5以上9未満)b) 370以上 8以上 185以上 192以下
12(9以上)b) 380以上 7以上 200以上
9 320以上 15以上 170以上
FCMW380-12 12 380以上 12以上 200以上 200以下
15 400以上 8以上 210以上
9 360以上 8以上 200以上
FCMW400-5 12 400以上 5以上 220以上 220以下
15 420以上 4以上 230以上
9 400以上 10以上 230以上
FCMW450-7 12 450以上 7以上 260以上 220以下
15 480以上 4以上 280以上
9 490以上 5以上 310以上
FCMW550-4 12 550以上 4以上 340以上 250以下
15 570以上 3以上 350以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 0.2 %耐力は,JIS Z 2241で規定の全伸び(弾性伸びと塑性伸びとを合わせたもの)が0.5 %のときの応力Rt0.5
としてもよい。Rt0.5の規定値は,Rp0.2の規定値と同じとする。
b) ( )内は,白心可鍛鋳鉄品の主要肉厚(mm)を示す。引張試験片の選定は,11.4 a) による。

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表3−黒心可鍛鋳鉄品の機械的性質
種類の記号 試験片の直径 引張強さ 伸び 0.2 %耐力a) ブリネル硬さ
Rm A3.4 Rp0.2 (参考値)
mm N/mm2 % N/mm2 HBW
FCMB275-5 12又は15 275以上 5以上 165以上 150以下
FCMB300-6 12又は15 300以上 6以上 − 150以下
FCMB310-8 12又は15 310以上 8以上 185以上 163以下
FCMB340-10 12又は15 340以上 10以上 205以上 163以下
FCMB350-10 12又は15 350以上 10以上 200以上 150以下
FCMB350-10S b) 12又は15 350以上 10以上 200以上 150以下
この表の機械的性質は,受渡当事者間の協定によって,引張試験片の直径が6 mm又は9 mmで試験を行った場合
にも適用する。引張試験片の選定は,11.4 b) による。
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 0.2 %耐力は,JIS Z 2241で規定の全伸び(弾性伸びと塑性伸びとを合わせたもの)が0.5 %のときの応力Rt0.5
としてもよい。Rt0.5の規定値は,Rp0.2の規定値と同じとする。
b) CMB350-10Sの衝撃値は,12.3によって試験を行い,シャルピー吸収エネルギーは,3個の平均値が15 J以
上,かつ,個々の値は13 J以上でなければならない。
表4−パーライト可鍛鋳鉄品の機械的性質
種類の記号 試験片の直径 引張強さ 伸び 0.2 %耐力a) ブリネル硬さ
Rm A3.4 Rp0.2 (参考値)
mm N/mm2 % N/mm2 HBW
FCMP450-6 12又は15 450以上 6以上 270以上 150200
FCMP490-4 12又は15 490以上 4以上 305以上 167229
FCMP500-5 12又は15 500以上 5以上 300以上 165215
FCMP540-3 12又は15 540以上 3以上 345以上 183241
FCMP550-4 12又は15 550以上 4以上 340以上 180230
FCMP590-3 12又は15 590以上 3以上 390以上 207269
FCMP600-3 12又は15 600以上 3以上 390以上 195245
FCMP650-2 12又は15 650以上 2以上 430以上 210260
FCMP700-2 b) ) 12又は15 700以上 2以上 530以上 240290
FCMP800-1 b) 12又は15 800以上 1以上 600以上 270320
この表の機械的性質は,受渡当事者間の協定によって,引張試験片の直径が6 mm又は9 mmで試験を行った場合
にも適用する。引張試験片の選定は,11.4 b) による。
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 0.2 %耐力は,JIS Z 2241で規定の全伸び(弾性伸びと塑性伸びとを合わせたもの)が0.5 %のときの応力Rt0.5
としてもよい。Rt0.5の規定値は,Rp0.2の規定値と同じとする。
b) CMP700-2及びFCMP800-1は,焼入れ後,焼戻しする。焼入れ温度及び焼戻し温度は,受渡当事者間の協定
による。
c) CMP700-2を空気焼入れし,焼き戻した場合は,0.2 %耐力が430 N/mm2以上でなければならない。

7 形状,寸法及びその許容差

  形状,寸法及びその許容差は,JIS B 2051,JIS B 2239又はJIS B 2301が対象とする製品については,
それぞれのJISの規定による。その他の可鍛鋳鉄品については,JISが存在する場合には当該JISの規定
に従い,JISが存在しない場合は,受渡当事者間の協定による。
なお,受渡当事者間の協定において,JIS B 0403の規定を参考にすることができる。

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8 外観

  外観は,使用上有害なきず,鋳巣などがあってはならない。
なお,きず又は鋳巣で使用上影響が軽微なものは,注文者の承認を得て,溶接など適切な方法によって
これを補修することができる。

9 残留炭素率

  注文者から指定がある場合,FCMW380-7の残留炭素率は,12.4によって試験を行い,表5による。
表5−残留炭素率
主要肉厚 mm 5未満 5以上9未満 9以上15未満
残留炭素率 % 0.6以下 0.8以下 1.6以下
主要肉厚15 mm以上の場合の残留炭素率は,受渡当事者間の協定による。

10 内部の健全性

  使用上有害な鋳巣があってはならない。有害性の有無は,製造業者が判断する。ただし,受渡当事者間
の協定で判断してもよい。

11 試験片の採取

11.1 一般事項

  試験片は,製造業者が製品と同一の種類の記号,かつ,同一期間に製造されたと判断した材料から作製
しなければならない。試験片は,砂型で別途鋳造しなければならない。また,試験片は,製造業者が製品
と同一と判断した工程で熱処理しなければならない。

11.2 試験片の数

  試験片の数は,可鍛鋳鉄品の生産量及び種類を考慮し,製造業者が決定する。ただし,注文時に受渡当
事者間の協定で決定してもよい。箇条13によって再試験の必要が認められる場合,試験片を追加する。試
験片は,再試験用に余分に2個以上準備しておくことが望ましい。

11.3 引張試験片

  引張試験片は,表6に示す形状及び寸法によって作製し,機械加工してはならない。ただし,試験片の
ばりは,取り除くことができる。

――――― [JIS G 5705 pdf 10] ―――――

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  • ISO 5922:2005(MOD)

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