JIS H 0400:1998 電気めっき及び関連処理用語 | ページ 4

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H 0400 : 1998
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6021 エッチング etch,
金属又は非金属表面を化学的若しくは電気化学的に腐食
する方法。 etching
参考 樹脂上にめっきする場合には,酸化剤を含む液
に樹脂を浸せきし,表面粗化と化学的変化を同
時に行うこと。
6022 エッチング液 エッチングで用いられる溶液。 etchant
6023 レジスト resist
化学又は電気化学反応を防ぐため,品物,電極などの表面
の一部を被覆する物質。
6024 電解加工 electrochemical
希望どおり金属を加工するため,電流を集中できるような
machining (ECM),
形をした道具及び(カソード)品物のすき間に電解液を入
れ,直流によって品物を加工する方法。 electrochemical milling
6025 ケミカルミリング chemical milling,
酸又はアルカリ溶液の金属溶解能を利用して金属の成形
加工を行う方法。 chemical contouring
6026 メカニカルプレイテ mechanical plating,
被覆しようとする金属粉末を投入し,ガラスビードのよう
ィング, な球状粒子を表面にぶつけて金属層を作る方法。 peening,
ピーニング, peen plating
ピーンプレイティン
グ,
衝撃めっき
6027 気相めっき, dry process,
気相状態を用いて材料表面をめっきする方法。ドライプロ
ドライプロセス セスともいう。 vapor deposition
参考 PVD(物理蒸着法)とCVD(化学蒸着法)とが
ある。
6028 物理蒸着 physical vapor
高温加熱,スパッタリングなどの物理的方法で物質を蒸発
し,基板に凝縮させ,薄膜を形成する方法。略称PVD。 deposition
参考 真空蒸着,イオンプレーティング,スパッタリ
ングなどの総称。
6029 真空蒸着 vacuum evaporation
真空中で物質を加熱蒸発し,基板上に薄膜を形成する成膜
法。
6030 イオンプレーティン ion plating
電界を印加して発生したプラズマを利用し,蒸発原子をイ
グ オン化又は励起させ,基板上に薄膜を形成する成膜法。
6031 スパッタリング sputtering
加速された粒子が固体表面に衝突したとき,運動量の交換
によって固体を構成する原子が空間へ放出される現象,及
びこの現象を用いた成膜法。
6032 化学蒸着 chemical vapor
気相化学反応によって,基板上に膜を形成させる方法。略
称CVD。 deposition
6033 ブルーイング blueing
適切な温度,空気,水蒸気又は化学薬品にさらして,鋼表
面に鉄の酸化物皮膜を形成させる処理。
参考 鋼の外観及び耐食性を改善するために行い,表
面は,加熱温度によって黄色又は青色を呈す
る。
6034 ショットピーニング shot peening
球状微物(ショット)を鋼材の表面に噴射し,表面層に残
留圧縮応力を生じさせ,かつ,加工硬化させながらある程
度の仕上げ度を保持させる方法。
6035 仕上げ a) 皮膜又は素地金属の外観。 finish
b) この外観を得るための処理法。
6036 光沢仕上げ bright finish
高い反射率をもった均一で方向性のない平滑な表面仕上
げ。
6037 半光沢仕上げ 光沢の乏しいめっきを作る方法。 semibright finish,
semi-bright finishing

――――― [JIS H 0400 pdf 16] ―――――

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H 0400 : 1998
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6038 無光沢仕上げ 放散及び反射しない表面を作る方法。 dull finish
6039 サテン仕上げ, 方向性のあるつや消し面に仕上げる方法。 satin finish
なし地仕上げ 参考 ヘヤライン仕上げとマット仕上げとがある。
6040 ヘヤライン仕上げ hair line finish
方向性のある連続した細かいすじ模様に仕上げる方法。
6041 マット仕上げ 無方向性のつや消し面に仕上げる方法。 matte finish,
matt finish
6042 ビロード仕上げ 滑らかなつや消し面に仕上げる方法。 fine matte finish
6043 ゆず肌仕上げ, orange peel finish
表面に機械的又は化学処理によって,微細な凹凸を均一に
オレンジピール仕上 形成させたつや消し仕上げ。
げ 参考 小さなくぼみのあるゆず肌のような仕上げと
も表現する。
g) 排水処理
番号 用語 定義 対応英語(参考)
7001 排水処理 waste water treatment,
排水中の汚濁物質を除去し,排水基準に合った水質にして
排出するための処理。 effluent treatment
7002 溶存酸素 水や各種溶液中に分子状で溶解した酸素。略称DO。 dissolved oxygen
参考 水の汚染状態を示す項目の一つ。
7003 化学的酸素要求量 水中の有機物を酸化するために消費される酸化剤 chemical oxygen demand
(KMnO4) の量を酸素量に換算して表した量。略称COD。
7004 生物化学的酸素要求 biochemical oxygen
好気性微生物によって,水中の有機物を生物化学的に酸化
量 分離するときに消費される酸素量。略称BOD。 demand
7005 イオン電極 ion selective electrode
特定のイオンだけに感応してイオン濃度に応じた電位を
示す電極。
7006 中和処理 neutralization process
(排水処理においては)重金属を含むめっき排水を処理し
やすくするため,アルカリで中和する処理。
7007 活性汚泥, activated sludge
排水を好気性微生物に処理させた後,静置し,凝集沈殿し
活性スラッジ たもの。
7008 イオン交換樹脂 ion-exchange resin
水に溶解している陽イオン及び陰イオンを吸着し,これを
除去する性質をもった多孔性の合成樹脂。
7009 キレート樹脂 キレート結合で,特定のイオンを選択吸収する樹脂。chelate resin
7010 浮遊剤 flotation agent
排水処理の際,水中の各種固体粒子を泡を付けて水面に浮
かせるために用いられる物質。
参考 起泡剤,捕集剤,条件剤(凝集剤,pH調節剤)
などがある。
7011 凝集剤 agglomerate reagent,
排水処理の際,水中に浮遊する各種固体微粒子を凝集する
ために用いられる物質。 aggregate reagent
coagulant
7012 フロック flock
排水中の固体粒子(コロイド,その他の懸濁粒子)が,凝
集剤によって接着,凝集して粗大化したもの。
7013 重金属 比重が45以上の金属約60種の総称。 heavy metal
7014 スラッジ, 排水処理後に残る泥状のもの。 sludge
汚泥
7015 スラリ 液体中に泥状物質が懸濁しているもの。 slurry
7016 沈殿法 precipitation
排水中に懸濁している微粒子を重力によって沈降させて
処理する方法。
7017 沈降分離装置 precipitater
希薄なスラリを水平に流し,固形分を重力によって沈降さ
せ,分離させる装置。
7018 シックナ, thickener
沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈降させ,濃縮
濃縮装置 することを目的とした装置。

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H 0400 : 1998
番号 用語 定義 対応英語(参考)
7019 クラリファイヤ, clarifier
沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈殿させ,上部
清澄装置 の澄んだ水の回収を目的とした装置。
7020 アルカリ塩素法 alkaline chrorination
処理すべき排水を塩基性として,活性塩素によってシアン
イオンを酸化分解する方法。 process
7021 イオン交換法 イオン交換樹脂によって,塩類を除去する方法。 ion exchange method
7022 電解酸化法 electrolytic oxidation
排水を電気分解することによって,陽極でイオン化又は化
合物を酸化する方法。 method
7023 還元処理 reduction treatment
(排水処理において)重金属を含むめっき排水を処理しや
すくするため,還元剤を用いて処理する方法。
参考 例えば,クロム系排水処理法の一つとして,重
亜硫酸ソーダ (NaHSO2) で六価クロムを三価
に還元して処理する。還元後はアルカリ剤で水
酸化クロムとして除去する。
7024 濃縮回収 concentration recovery
希薄なイオン濃度の水溶液をイオン交換樹脂に吸着させ,
比較的高濃度で回収する方法。
h) 試験及び検査
番号 用語 定義 対応英語(参考)
8001 外観試験 めっき面の欠陥の有無を目視によって調べる方法。 visual test
8002 膜厚試験 めっき皮膜の厚さを調べる方法。 film thickness test
参考 JIS H 8501には,顕微鏡断面厚さ試験方法,渦
電流式厚さ試験方法,蛍光X線試験方法などの
膜厚試験方法が規定されている。
8003 密着性試験 皮膜の密着性を調べる方法。 adhesion test
参考 JIS H 8504には,熱試験方法,引きはがし試験
方法,引張試験方法,曲げ試験方法などの密着
性試験方法が規定されている。
8004 硬さ試験 皮膜の表面硬さを調べる方法。 surface hardness test
参考 硬さ試験方法として,ブリネル硬さ試験方法
(JIS Z 2243),ビッカース硬さ試験方法 (JIS Z
2244),ロックウェル硬さ試験方法 (JIS Z
2245),ショア硬さ試験方法 (JIS Z 2246) が規
定されている。
8005 耐摩耗試験 摩耗に対する抵抗性を調べる方法。 abrasion test,
wear resistance test
参考 JIS H 8503には,往復運動磨耗試験方法,平板
回転磨耗試験方法,両輪駆動磨耗試験方法な
ど,5種類の試験方法が規定されている。
8006 耐食性試験 corrosion resistance test,
屋外、人工的腐食環境などに試料を暴露し,その耐食性を
調べる方法。 corrosion test
参考 JIS H 8502には,屋外暴露試験方法,連続噴霧
試験方法,サイクル試験方法,コロードコート
試験方法,ガス腐食試験方法が規定されてい
る。
8007 有孔度試験 皮膜のピンホールの有無を調べる方法。 porosity test
参考 耐食性,電気絶縁性などの試験に用いる。
8008 変色 tarnish,
環境などによって,めっき面が本来の色調を失う現象。
tarnishing
8009 乳白めっき milky surface,
クロムめっきの場合に,電流密度が低すぎるか,又はめっ
dull stain,
き浴の温度が高すぎる場合に生じる光沢の乏しいめっき。
slighty milky

――――― [JIS H 0400 pdf 18] ―――――

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H 0400 : 1998
番号 用語 定義 対応英語(参考)
8010 しみ出し spotting out
めっき又はめっき後の仕上げた表面上にはん(斑)点や汚
点が,時間が経過してから遅れて出現する現象。
8011 焦げ burnt deposit
粗いめっきで,主に過大な電流密度の場合に生じる表面の
変質。やけともいう。
8012 ひび割れ crazing
腐食試験において,自然に発生した細かい網状模様の割
れ。
8013 割れ 皮膜表面で無秩序,無方向に割れる現象。 crack,
crazing
8014 ざらつき rough surface,
めっき浴中の固体浮遊物がめっき層の中に入り込んで生
じる小突起。 rough deposits
8015 樹枝状めっき 被めっき物に生じる枝状又は不規則な突起物。 trees dendrite,
trees
8016 こぶ状生成物 被めっき物に生じる丸みをおびた突起物。 nodule
8017 ピット めっき面に生成される巨視的な穴。 pit
8018 ピンホール 素地又は下地層まで達するめっきの細孔。 pore,
pinhole
8019 ふくれ, めっき層の一部が素地又は下地層と密着しない状態。blister
膨れ
8020 はく離 めっき層が素地又は下地からはがれる現象。 peeling
8021 バーンオフ burn-off
無電解めっきした後に電気めっきをするとき,過大な電流
密度の通電又は電気的接触面積の不足によって,非導電性
下地から無電解めっき皮膜がはく離,消失してしまう現
象。焼け抜けともいう。
8022 スポーリング spalling
特異な熱膨張又は収縮が原因で,皮膜が割れたり,欠けた
りする現象。
8023 水切れ 表面が汚れているために,水皮膜が不連続に現れる現象。 water break
8024 無めっき bare spot,
めっきが付いていない状態。低電流密度部分などに生じや
すい。 void,
uncovered
8025 レイティングナンバ rating number
腐食面積と有効面積との割合によって腐食の程度を示す
評点。100に区分されている。略称 RN。

――――― [JIS H 0400 pdf 19] ―――――

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H 0400 : 1998
電気めっき用語改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) ○ 松 本 誠 臣 武蔵工業大学
○ 青 江 徹 博 OEAガルバノ事務所
阿 部 芳 彦 北海道立工業試験場
天 野 徹 工業技術院標準部材料規格課
榎 本 英 彦 大阪市立工業研究所
○ 海老名 延 郎 エビナ電化工業株式会社
○ 大 高 徹 雄 上村工業株式会社
金 子 國 雄 社団法人表面技術協会
○ 神 戸 徳 蔵 東京都鍍金工業組合
○ 小 泉 宗 栄 日本パーカーライジング株式会社
小 浦 延 幸 東京理科大学理工学部
小 谷 勇 愛知県工業技術センター
古 賀 孝 昭 荏原ユージライト株式会社中央研究所
○ 斎 藤 いほえ 東京都城南地域中小企業振興センター
○ 須 賀 蓊 スガ試験機株式会社
星 野 重 夫 武蔵工業大学
○ 矢 部 賢 矢部技術士事務所
山 崎 龍 一 神奈川県産業技術総合研究所
山 下 嗣 人 関東学院大学工学部
○ 渡 辺 博 株式会社東芝重電技術研究所
(事務局) 及 川 耕 一 社団法人表面技術協会
備考 ○印をつけてある委員は,小委員会委員を兼ねる。

JIS H 0400:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2079:1981(MOD)
  • ISO 2080:1981(MOD)

JIS H 0400:1998の国際規格 ICS 分類一覧