JIS H 1055:2003 銅及び銅合金中のマンガン定量方法 | ページ 2

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H 1055 : 2003
表 1 定量方法及び適用対象合金番号又は記号(続き)
合金番号 対応規格番号 定量方法
又は記号 (参考) ペルオキソ二硫酸ア 過マンガン酸吸光 原子吸光法 ICP発光
ンモニウム酸化硫酸 光度法 分光法
アンモニウム鉄
(II)・過マンガン酸
カリウム逆滴定法
CAC703C JIS H 5121 ○(1) ○ ○ ○
CAC704 JIS H 5120 ○ ○
CAC803 JIS H 5120 ○(2) ○(3) ○(3)
注(1) マンガン含有率0.2 %(m/m)未満の試料には用いない。
(2) マンガン含有率0.02 %(m/m)未満の試料には用いない。
(3) マンガン含有率0.01 %(m/m)未満の試料には用いない。
5. ペルオキソニ硫酸アンモニウム酸化硫酸アンモニウム鉄(II)・過マンガン酸カリウム逆滴定法
5.1 要旨 試料を硝酸と硫酸とりん酸との混酸で分解し,硝酸銀とペルオキソ二硫酸アンモニウムとで
マンガンをマンガン(VII)に酸化した後,硫酸アンモニウム鉄(II)の一定量を加えてマンガン(VII)を
マンガン(II)に還元し,過マンガン酸カリウム標準溶液で過剰の硫酸アンモニウム鉄(II)を滴定する。

5.2 試薬

 試薬は,次による。
a) 混酸 水500 ml中に硫酸200 mlを少量ずつかき混ぜながら加え,室温まで冷却した後,硝酸200 ml
及びりん酸100 mlを加える。
b) 硝酸銀溶液(30 g/l) 褐色瓶に保存する。
c) ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液(250 g/l) 使用の都度調製する。
d) 0.02 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液 硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物39.3 gをはかり取
ってビーカー(1 000 ml)に移し入れ,水約500 ml及び硫酸(1+1)100 mlを加えて溶解した後,溶液
を1 000 mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液の標定は,使用の
都度,次のように行う。
e) この溶液25.0 mlをビーカー(300 ml)に取り,水約25 ml,硫酸(1+1)10 ml及びりん酸5 ml
を加え,0.02 mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[ e)]で滴定し,微紅色を呈する点を終点とし,
0.02 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液のファクターを,次の式によって算出する。
F2 V
F1
25
ここに, F1 : 0.02 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液のファクター
F2 : 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[ e)]のファクター
V : 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[ e)]の使用量(ml)
f) 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液(3.16 gKMnO4/l) 調製,標定及び保存方法は,JIS K 8001
の4.5(滴定用溶液)の(7)による。

5.3 試料はかり取り量

 試料はかり取り量は,表2による。

――――― [JIS H 1055 pdf 6] ―――――

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表 2 試料はかり取り量
料中のマンガン含有率 試料はかり取り量
%(m/m) g
0.2以上 3.0未満 1.00
3.0以上 6.0未満 0.50
6.0以上 15.0以下 0.20

5.4 操作

5.4.1  試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取ってビーカー(500 ml)に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,混酸[5.2 a)]30 mlを加え,加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を
水で洗った後,穏やかに加熱して窒素酸化物を追い出す。
5.4.2 マンガンの酸化 マンガンの酸化は,次の手順によって行う。
a) 5.4.1のb)で得た溶液を熱水で約200 mlに薄めた後,硝酸銀溶液[5.2 b)]10 mlを加え,加熱して沸
騰し始めたら加熱を止める。
b) ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液[5.2 c)]10 mlを少量ずつ加え,加熱して煮沸し,小さな気泡が
大きな気泡に変わってから3060秒間煮沸を続ける。
5.4.3 滴定 滴定は,次の手順によって行う。
a) 5.4.2のb)で得た溶液を冷水中で30 ℃以下に冷却後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って
時計皿を取り除く。
b) 0.02 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液[5.2 d)]を試料溶液の赤紫色が消えるまで加えた後,
更に510 mlを正確に加え,直ちに0.02 mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[5.2 e)]で滴定し,溶
液が微紅色を呈した点を終点とする。

5.5 空試験

 空試験は,行わない。

5.6 計算

 試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出する。
(V1 F1 V2 F2 )0.001 099
Mn 100
m
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率[%(m/m)]
V1 : 0.02 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液[5.2 d)]
の使用量(ml)
F1 : 0.02 mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液[5.2 d)]
のファクター
V2 : 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[5.2 e)]
の使用量(ml)
F2 : 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[5.2 e)]
のファクター
m : 試料はかり取り量(g)

6. 過マンガン酸吸光光度法

――――― [JIS H 1055 pdf 7] ―――――

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6.1 要旨

 試料を硝酸とふっ化水素酸とほう酸との混酸で分解し,過よう素酸カリウムを加え,煮沸し
てマンガンをマンガン(VII)に酸化して呈色させ,光度計を用いて,その吸光度を測定する。次に,呈色
溶液に亜硝酸ナトリウムを加えてマンガン(VII)をマンガン(II)に還元して呈色を消失させた後,再び
吸光度を測定する。

6.2 試薬

 試薬は,次による。
a) 混酸 ポリエチレンビーカーにほう酸溶液(40 g/l)300 ml,ふっ化水素酸30 ml,硝酸500 ml及び水
150 mlを取り,混合する。この混酸は,使用の都度調製する。
b) 希釈液 ほう酸40 gを硫酸(1+99)に溶解し,硫酸(1+99)で液量を1 000 mlとする。
c) 過よう素酸カリウム溶液 過よう素酸カリウム5 gを硝酸(1+3)に溶解し,硝酸(1+3)で液量を100
mlとする。
d) 亜硝酸ナトリウム溶液(20 g/l) 使用の都度調製する。
e) 標準マンガン溶液(100 最 一 マンガン[99.9 %(m/m)以上]1.00 gをはかり取ってビーカー(200
ml)に移し入れ,時計皿で覆い,硫酸(1+3)40 ml及び水80 mlを加え,加熱して分解する。常温ま
で冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を1 000 mlの
全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(1 mgMn/ml)とする。この原液を使
用の都度,必要量だけ水で正確に10倍に薄めて標準マンガン溶液とする。

6.3 試料はかり取り量

 試料はかり取り量は,0.40 gとする。

6.4 操作

6.4.1  試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) マンガン含有率0.02 %(m/m)以上0.5 %(m/m)未満の試料の場合
1) 試料をはかり取って,コニカルビーカー(300 ml)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸[6.2 a)]50 mlを加え,穏やかに加熱して分解した後,水20 mlを加え,5分間
煮沸して窒素酸化物を追い出す。
b) マンガン含有率0.5 %(m/m)以上2.5 %(m/m)未満の試料の場合
1) 試料をはかり取って,コニカルビーカー(300 ml)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸[6.2 a)]50 mlを加え,穏やかに加熱して分解した後,5分間煮沸して窒素酸
化物を追い出す。
3) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を100 ml
の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液20.0 mlをコニカルビーカー(300
ml)に分取し,時計皿で覆い,混酸[6.2 a)]40 ml及び水10 mlを加えた後,5分間煮沸する。
c) マンガン含有率2.5 %(m/m)以上6.0 %(m/m)以下の試料の場合
1) 試料をはかり取って,コニカルビーカー(300 ml)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸[6.2 a)]50 mlを加え,穏やかに加熱して分解した後,5分間煮沸して窒素酸
化物を追い出す。
3) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を250
mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
4) この溶液20.0 mlをコニカルビーカー(300 ml)に分取し,時計皿で覆い,混酸[6.2 a)]46 mlを加
えた後,5分間煮沸する。
6.4.2 呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 6.4.1の a) 2),b) 3)又は c) 4)で得た溶液に過よう素酸カリウム溶液[6.2 c)]5 mlを加え,5分間煮沸

――――― [JIS H 1055 pdf 8] ―――――

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した後,沸騰水浴中に30分間浸す。
b) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を100 ml
の全量フラスコに希釈液[6.2 b)]を用いて移し入れ,希釈液[6.2 b)]で標線まで薄める。
6.4.3 吸光度の測定 吸光度の測定は,次の手順によって行う。
a) 6.4.2 b)で得た溶液の一部を光度計の吸収セル(10 mm)に取り,水を対照液として,波長525 nm付近
の吸光度を測定する(4)。
b) 全量フラスコ中の呈色残液に,振り混ぜながら,亜硝酸ナトリウム溶液[6.2 d)]を溶液の赤紫色が消失
するまで滴加した後,溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,a)と同じ条件で吸光度を測定する(4)。
c) )で得た吸光度からb)で得た吸光度を差し引く。
注(4) 測定終了後,直ちに吸収セル中の溶液を捨て,セルを水で洗浄しておく。

6.5 空試験

 試薬だけを用いて,6.4.16.4.3の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.6 検量線の作成

 検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) 標準マンガン溶液[6.2 e)]020.0 ml(マンガンとして02 000 柿 を段階的にコニカルビーカー(300
ml)に取り,水を加えて液量を20 mlとする。
b) 時計皿で覆い,混酸[6.2 a)]50 mlを加え,5分間煮沸する。過よう素酸カリウム溶液[6.2 c)]5 ml
を加え,5分間煮沸した後,沸騰水浴中に30分間浸す。以下,6.4.2 b)6.4.3 c)の手順に従って試料と
同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度とマンガン量との関係線を作成し,その関係線を原点を
通るように平行移動して検量線とする。

6.7 計算

 計算は,次のいずれかによる。
a) 6.4.1 a)によって試料溶液の調製を行った場合 6.4.3 c)及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した検量線
とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出する。
A1 A2
Mn 100
m
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率[%(m/m)]
A1 : 試料溶液中のマンガン検出量(g)
A2 : 空試験液中のマンガン検出量(g)
m : 試料はかり取り量(g)
b) 6.4.1 b)によって試料溶液の調製を行った場合 6.4.3 c)及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した検量線
とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出する。
A1 A
202
Mn 100
m
100
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率[%(m/m)]
A1 : 分取した試料溶液中のマンガン検出量(g)
A2 : 分取した空試験液中のマンガン検出量(g)
m : 試料はかり取り量(g)
c) 6.4.1 c)によって試料溶液の調製を行った場合 6.4.3 c)及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した検量線
とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出する。

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H 1055 : 2003
A1 A
202
Mn 100
m
250
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率[%(m/m)]
A1 : 分取した試料溶液中のマンガン検出量(g)
A2 : 分取した空試験液中のマンガン検出量(g)
m : 試料はかり取り量(g)

7. 原子吸光法

7.1 要旨

 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー
ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

7.2 試薬

 試薬は,次による。
a) 塩酸(1+9)
b) 混酸(塩酸1,硝酸1,水2) 使用の都度,調製する。
c) 銅溶液(20 mgCu/ml) 銅[99.96 %(m/m)以上]10.0 gをはかり取ってビーカー(300 ml)に移し入
れ,時計皿で覆い,混酸[b)]200 mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時
計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500 mlの全量フラスコに水を
用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
d) 亜鉛溶液(20 mgZn/ml) 亜鉛[99.9 %(m/m)以上]10.0 gをはかり取ってビーカー(300 ml)に移し
入れ,時計皿で覆い,混酸[b)]200 mlを数回に分けて加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで
冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500 mlの全量
フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
e) ニッケル溶液(20 mgNi/ml) ニッケル[99.9 %(m/m)以上]10.0 gをはかり取ってビーカー(300 ml)
に移し入れ,時計皿で覆い,混酸[b)]200 mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し
た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500 mlの全量フラス
コに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
f) 鉛溶液(20 mgPb/ml) 鉛[99.9 %(m/m)以上]10.0 gをはかり取ってビーカー(500 ml)に移し入れ,
時計皿で覆い,硝酸(1+4)250 mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計
皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500 mlの全量フラスコに水を用
いて移し入れ,水で標線まで薄める。
g) すず溶液(20 mgSn/ml) すず[99.9 %(m/m)以上]10.0 gをはかり取ってビーカー(500 ml)に移し
入れ,時計皿で覆い,塩酸225 ml及び硝酸75 mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却
した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500 mlの全量フラ
スコに塩酸(1+1)を用いて移し入れ,塩酸(1+1)で標線まで薄める。
h) アルミニウム溶液(20 mgAl/ml) アルミニウム[99.9 %(m/m)以上]10.0 gをはかり取ってビーカー
(500 ml)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)200 ml及び銅溶液[c)]1 mlを加え,穏やかに加
熱して分解する。硝酸(1+1)2 mlを加え,加熱して完全に分解する。常温まで冷却した後,時計皿
の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500 mlの全量フラスコに水を用い
て移し入れ,水で標線まで薄める。
i) 鉄溶液(20 mgFe/ml) 鉄[99.9 %(m/m)以上]10.0 gをはかり取ってビーカー(300 ml)に移し入れ,

――――― [JIS H 1055 pdf 10] ―――――

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JIS H 1055:2003の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2543:1973(MOD)

JIS H 1055:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 1055:2003の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH1012:2001
銅及び銅合金の分析方法通則