JIS H 1059:2015 銅及び銅合金中のひ素定量方法 | ページ 2

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6.2.4 臭化水素酸
6.2.5 銅 99.96 %(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低いもの。
6.2.6 過酸化水素
6.2.7 過マンガン酸カリウム溶液(3.2 g/L)
6.2.8 モリブデン酸アンモニウム溶液 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.95 gを硫酸(1+20)
200 mLに溶解する。この溶液は,使用の都度調製する。
6.2.9 L(+)-アスコルビン酸溶液(20 g/L) この溶液は,使用の都度調製する。
6.2.10 ベンゼン
6.2.11 ひ素標準液(20 μg/mL) 三酸化二ひ素0.132 gをはかりとって樹脂製ビーカー(100 mL)に移し
入れ,水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)10 mLを加えて溶解する。塩酸(1+11)12.5 mLを加えて微酸性
とする。常温まで冷却した後,溶液を250 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうす
めて原液(As : 400 μg/mL)とする。この原液を使用の都度,500 mLの全量フラスコに全量ピペットを用
いて25.0 mLとり,塩酸(1+1)20 mLを加え,水で標線までうすめてひ素標準液とする。
なお,市販のひ素標準液を用いてもよい。

6.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,表1による。
表1−試料はかりとり量
試料中のひ素含有率 試料はかりとり量
%(質量分率) g
0.002以上 0.02未満 1.00
0.02以上 0.04未満 0.50
0.04以上 0.08未満 0.25
0.08以上 0.2未満 0.50
0.2以上 0.8以下 0.25

6.4 操作

6.4.1  試料の分解
試料を表1に従いはかりとってビーカー(100 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mLを
加え,更に過酸化水素10 mLを数回に分けて加え分解する。この際に反応が激しい場合には,ビーカーを
水に浸して冷却する。加熱して試料を完全に分解した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,
時計皿を取り除く。
6.4.2 試料溶液の処理
試料溶液の処理は,次のいずれかによる。
a) ひ素含有率0.002 %(質量分率)以上0.02 %(質量分率)未満の試料の場合 6.4.1で得た溶液を穏や
かに加熱して,液量が約3 mLになるまで濃縮する。
b) ひ素含有率0.02 %(質量分率)以上0.08 %(質量分率)未満の試料の場合 6.4.1で得た溶液を穏や
かに加熱して,液量が約5 mLになるまで濃縮する。
c) ひ素含有率0.08 %(質量分率)以上0.4 %(質量分率)未満の試料の場合 6.4.1で得た溶液を常温ま
で冷却した後,50 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液をビ
ーカー(100 mL)に全量ピペットを用いて10.0 mL分取し,過酸化水素1 mLを加え,穏やかに加熱
して,液量が約3 mLになるまで濃縮する。

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d) ひ素含有率0.4 %(質量分率)以上0.8 %(質量分率)以下の試料の場合 6.4.1で得た溶液を常温ま
で冷却した後,50 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶液をビ
ーカー(100 mL)に全量ピペットを用いて5.0 mL分取し,過酸化水素1 mLを加え,穏やかに加熱し
て,液量が約3 mLになるまで濃縮する。
6.4.3 ひ素の抽出分離
ひ素の抽出分離は,次の手順によって行う。
a) 6.4.2のa),b),c)又はd)で得た溶液に塩酸5 mLを加え,加熱して塩類を溶解し,直ちに塩酸17 mL
を用いてあらかじめ臭化水素酸5 mLを入れた分液漏斗(100 mL)に移し入れる。
b) 過塩素酸[70 %(質量分率)]10 mLを加えた後,ベンゼン25 mLを加え,激しく約1分間振り混ぜ
る。静置して2相に分離した後,下層の水相を捨てる。
c) 有機相に塩酸10 mLを加え,約30秒間振り混ぜる。静置して2相に分離した後,下層の水相を捨て
る。
d) 有機相に水25 mLを加え,約2分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離した後,下層の水相をビ
ーカー(100 mL)に移し入れる。時計皿で覆い,過マンガン酸カリウム溶液1 mLを加え,約60 ℃
に加熱した後,常温まで冷却する。
6.4.4 呈色
6.4.3 d)で得た溶液にモリブデン酸アンモニウム溶液(6.2.8)10 mLを加えて振り混ぜ,次にL(+)-アス
コルビン酸溶液(6.2.9)10 mLを加えて振り混ぜる。加熱して沸騰させる。さらに,120±15秒間沸騰さ
せた後,約20 ℃に冷却する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を
100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
6.4.5 吸光度の測定
6.4.4で得た呈色した溶液の一部を,光度計の20 mm吸収セルにとり,水を対照液として,波長840 nm
付近の吸光度を測定する。並行して測定した検量線溶液のひ素量150 μgより吸光度が大きい場合には,10
mmの吸収セルに変えて再度吸光度を測定する。

6.5 空試験

  試料を用いないで,6.4.16.4.5の操作を試料と並行して行い,空試験とする。6.4.2のc)及びd)で試料
溶液を分取する場合には,空試験液も試料溶液と同量分取する。

6.6 検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) 銅(6.2.5)5.0 gをはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)50 mL
を加え,更に過酸化水素25 mLを数回に分けて加えて分解する。この際に反応が激しい場合には,ビ
ーカーを水に浸して冷却する。加熱して完全に分解した後,常温まで冷却する。
b) 時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く。溶液を100 mLの全量フラスコ
に水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
c) この溶液を全量ピペットを用いて5.0 mLずつ6個のビーカー(100 mL)にとり,ひ素標準液(6.2.11)
010.0 mL(ひ素として0200 μg)を段階的に加える。それぞれに過酸化水素1 mLを加え,穏やか
に加熱して液量が3 mLになるまで濃縮する。
d) 塩酸5 mLを加え,加熱して塩類を溶解した後,直ちに,あらかじめ臭化水素酸5 mLを入れた分液漏
斗(100 mL)に塩酸17 mLを用いて移し入れる。
e) 6.4.3 b)6.4.5の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度とひ素量との関係線

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を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。吸光度の測定は,試料の吸光
度測定と同じ光路長の吸収セルを用いて行う。

6.7 計算

  計算は,次のいずれかによる。
a) 試料溶液の処理を6.4.2のa)又はb)によって行った場合 6.4.5及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した
検量線とからひ素量を求め,試料中のひ素含有率を次の式によって算出する。
A1 A2
As 100
m
ここに, As : 試料中のひ素含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中のひ素検出量(g)
A2 : 空試験液中のひ素検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
b) 試料溶液の処理を6.4.2のc)又はd)によって行った場合 6.4.5及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した
検量線とからひ素量を求め,試料中のひ素含有率を次の式によって算出する。
A1 A2
As 100
B
m
50
ここに, As : 試料中のひ素含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中のひ素検出量(g)
A2 : 空試験液中のひ素検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
B : 試料溶液の分取量(mL)

7 ICP発光分光分析法

7.1 要旨

  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,そ
の発光強度を測定する。

7.2 試薬

  試薬は,次による。
7.2.1 混酸(塩酸2,硝酸1,水2) 使用の都度,調製する。
7.2.2 銅 99.96 %(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低く既知のもの。
7.2.3 すず すず含有率99.9 %(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低く既知の
もの。
7.2.4 亜鉛 亜鉛含有率99.9 %(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低く既知の
もの。
7.2.5 ニッケル ニッケル含有率99.9 %(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含有率が低
く既知のもの。
7.2.6 アルミニウム アルミニウム含有率99.9 %(質量分率)以上で,ひ素を含有しないもの又はひ素含
有率が低く既知のもの。
7.2.7 ひ素標準液(As : 1 mg/mL) 三酸化二ひ素0.132 gをはかりとって樹脂製ビーカー(100 mL)に
移し入れ,水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)10 mLを加えて溶解する。水で約50 mLにうすめ,塩酸(1+
11)12.5 mLを加えて微酸性とする。常温まで冷却した後,100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,

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水で標線までうすめる。
なお,市販のひ素標準液を用いてもよい。

7.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,1.00 gとする。

7.4 操作

7.4.1  試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,混酸30 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を
水で洗った後,穏やかに煮沸して酸化窒素などを追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面及び
ビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。
c) 溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
7.4.2 発光強度の測定
7.4.1 c)で得た溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長189.042 nm,
193.696 nm又は197.197 nmの発光強度を測定する。
なお,精度及び真度を確認してあれば,高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正機
構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

7.5 空試験

  空試験は7.6の検量線の作成操作において得られるひ素標準液を添加しない溶液の発光強度を,空試験
液の発光強度とする。

7.6 検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) 銅(7.2.2),すず(7.2.3),亜鉛(7.2.4),ニッケル(7.2.5)及びアルミニウム(7.2.6)をその銅,すず,
亜鉛,ニッケル及びアルミニウムの量が7.4.1 a)ではかりとった試料中の銅,すず,亜鉛,ニッケル及
びアルミニウムの量と10 mgの桁まで等しくなるように数個はかりとり,数個のビーカー(200 mL)
にそれぞれ移し入れる。
b) 7.4.1 b)の操作を行った後,ひ素標準液(7.2.7)016 mL(ひ素として016 mg)を段階的に加える。
溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
c) 溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,試料溶液の発光強度測定と同じ
波長の発光強度を測定する。得られた発光強度とひ素量との関係線を作成し,その関係線を原点を通
るように平行移動して検量線とする。
なお,精度及び真度を確認してあれば,高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補
正機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

7.7 計算

  計算は,次による。
7.4.2及び7.5で得た発光強度と7.6で作成した検量線とからひ素量を求め,試料中のひ素含有率を次の
式によって算出する。
A1 A2 A3
As
m
ここに, As : 試料中のひ素含有率[%(質量分率)]

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H 1059 : 2015
A1 : 試料溶液中のひ素検出量(g)
A2 : 空試験液中のひ素検出量(g)
A3 : 7.6ではかりとった銅(7.2.2),すず(7.2.3),亜鉛(7.2.4),
ニッケル(7.2.5)及びアルミニウム(7.2.6)中に含まれるひ
素の合量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
参考文献 JIS H 3300 銅及び銅合金の継目無管

――――― [JIS H 1059 pdf 10] ―――――

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JIS H 1059:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3220:1975(MOD)

JIS H 1059:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 1059:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH1012:2001
銅及び銅合金の分析方法通則