JIS H 1069:2006 銅及び銅合金中のカドミウム定量方法 | ページ 3

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6.4.2及び6.5で得た吸光度と6.6のa) 及びb) で作成した検量線とから,それぞれカドミウム量を求め,
試料中のカドミウム含有率を次の式によって算出する。
A1 A2
Cd 100
m
ここに, Cd : 試料中のカドミウム含有率[%(質量分率)]
1A : 試料溶液中のカドミウム検出量(g)
A :
2 空試験液中のカドミウム検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

7 トリオクチルアミン抽出原子吸光法

7.1 要旨

  試料を硝酸で分解し,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させて硝酸を除去する。塩酸を加え,生
成するカドミウムの塩化物錯体をトリオクチルアミンを含む4-メチル-2-ペンタノン又はトリオクチルア
ミンを含む酢酸ブチルで抽出し,有機相を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その
吸光度を測定する。

7.2 試薬

  試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1)
b) 硝酸(1+1)
c) 硫酸(1+1)
d) 抽出溶媒A トリオクチルアミン2 mLに4-メチル-2-ペンタノンを加えて液量を100 mLとする。
e) 抽出溶媒B トリオクチルアミン2 mLに酢酸ブチルを加えて100 mLとする。
f) 4-メチル-2-ペンタノン
g) 酢酸ブチル
h) 標準カドミウム溶液(Cd : 1 μg/mL) カドミウム[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gをはかりとっ
て,ビーカー(100 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)5 mLを加え,穏やかに加熱して分
解した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く。硫酸(1+1)10 mLを
加え,加熱して硫酸の白煙を発生させた後,室温まで放冷する。水約40 mLを少量ずつ加え,常温ま
で冷却した後,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(Cd :
100 最一 とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に100倍に薄めて標準カドミウム溶
液とする。

7.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,2.00 gとする。

7.4 操作

7.4.1  試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとって,ビーカー(200 mL)に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,硝酸(1+1)10 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。少量の水で時計皿の下面及び
ビーカーの内壁を洗って時計皿を取り除き,硫酸(1+1)20 mLを加え,加熱して蒸発し,硫酸の白
煙を十分に発生させる。室温まで放冷した後,塩酸(1+1)40 mLを少量ずつ加えて塩類を溶解する。

――――― [JIS H 1069 pdf 11] ―――――

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7.4.2 カドミウムの抽出
カドミウムの抽出は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1 b) で得た溶液を室温まで冷却し,分液漏斗(200 mL)に水を用いて移し入れ,水で液量を100 mL
とする。
なお,液量は,それぞれの分液漏斗間でできるだけ差がないようにする。
b) 抽出溶媒A[7.2 d)]5 mL又は抽出溶媒B[7.2 e)]5 mLを加え,約5分間激しく振り混ぜる。静置し
て二層に分離した後,下層の水相を別の分液漏斗(200 mL)に移し入れる。上層の有機相は,そのま
ま保存しておく。
c) 水相に抽出溶媒A[7.2 d)]5 mL又は抽出溶媒B[7.2 e)]5 mLを加え,約5分間激しく振り混ぜる。
静置して二層に分離した後,下層の水相を捨てる。上層の有機相を,b) で保存しておいた有機相が入
っている分液漏斗に移し入れて二つの有機相を合わせた後,分液漏斗の脚部に詰めた脱脂綿又は乾い
たろ紙を通して共栓付試験管(1520 mL)に移し入れ,4-メチル-2-ペンタノン又は酢酸ブチルを加
えて液量を1015 mLの間で一定量とする。
なお,抽出溶媒Aを適用した場合は,4-メチル-2-ペンタノンを,抽出溶媒Bを適用した場合には,
酢酸ブチルを用いる。
7.4.3 吸光度の測定
7.4.2 c) で得た有機相の一部を,4-メチル-2-ペンタノン又は酢酸ブチルを用いてゼロ点を調整した原子吸
光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長228.8 nmにおける吸光度を測定する。なお,抽出
溶媒Aを適用した場合は,4-メチル-2-ペンタノンを,抽出溶媒Bを適用した場合には,酢酸ブチルを用い
て調整する。

7.5 空試験

  試料を用いないで,7.4.17.4.3の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

7.6 検量線の作成

  標準カドミウム溶液[7.2 h)]06.0 mL(カドミウムとして06     柿     を,あらかじめ硫酸(1+1)20 mL
及び塩酸(1+1)40 mLを加えた分液漏斗(200 mL)に段階的に取り,水で液量を100 mLとする。以下,
7.4.2 b)7.4.3の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度とカドミウム量との関
係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

7.7 計算

  7.4.3及び7.5で得た吸光度と7.6で作成した検量線とからカドミウム量を求め,試料中のカドミウム含
有率を,次の式によって算出する。
A1−A2
Cd 100
m
ここに, Cd : 試料中のカドミウム含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中のカドミウム検出量(g)
A2 : 空試験液中のカドミウム検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

8 ICP発光分光法

8.1 要旨

  試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発

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光強度を測定する。

8.2 試薬

  試薬は,次による。
a) ふっ化水素酸
b) 硫酸(1+3)
c) 混酸(塩酸2,硝酸1,水2) 使用の都度,調製する。
d) 銅 銅含有率99.96 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカドミウム含有率が低く
既知のもの。
e) 鉛 鉛含有率99.9 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカドミウム含有率が低く既
知のもの。
f) すず すず含有率99.9 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカドミウム含有率が低
く既知のもの。
g) アルミニウム アルミニウム含有率99.9 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカド
ミウム含有率が低く既知のもの。
h) 鉄 鉄含有率99.9 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカドミウム含有率が低く既
知のもの。
i) ニッケル ニッケル含有率99.9 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカドミウム含
有率が低く既知のもの。
j) マンガン マンガン含有率99.9 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカドミウム含
有率が低く既知のもの。
k) 亜鉛 亜鉛含有率99.99 %(質量分率)以上でカドミウムを含有しないもの又はカドミウム含有率が
低く既知のもの。
l) 標準カドミウム溶液(Cd : 10 μg/mL) カドミウム[99.9 %(質量分率)以上]0.500 gをはかりと
り,ビーカー(100 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸(1+1)15 mLを加え,穏やかに加熱して
分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,
溶液を500 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液(Cd : 1 mg/mL)とす
る。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に100倍に薄めて標準カドミウム溶液とする。

8.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,1.00 gとする。

8.4 操作

8.4.1  試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとって,ビーカー(200 mL)に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,混酸[8.2 c)]30 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計
皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く。
c) けい酸などの沈殿が析出した場合は,溶液をろ紙(5種A)でろ過した後,水でろ紙及び沈殿を洗浄
し,ろ液と洗液とを合わせる。さらに沈殿をろ紙とともに白金るつぼ(25番)に移し入れ,乾燥した
後,ろ紙を灰化する。硫酸(1+3)数滴及びふっ化水素酸[8.2 a)]約1 mLを加え,穏やかに加熱し
て硫酸の白煙を発生させ,得られた溶液をろ液と合わせる。
なお,沈殿が認められない場合は,c) の操作を省略できる。

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d) ) で得た溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
8.4.2 発光強度の測定
8.4.1のd) で得た溶液の一部をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長214.438 nm,
226.502 nm又は228.802 nmにおけるカドミウムの発光強度を測定する1)。
注1) 精度及び真度を確認してあれば高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正機
構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。

8.5 空試験

  空試験は,8.6の検量線の作成操作において得られる標準カドミウム溶液を添加しない溶液の発光強度
を,空試験の発光強度とする。

8.6 検量線の作成

  検量線の作成は,次による。
a) 銅[8.2 d)],鉛[8.2 e)],すず[8.2 f)],アルミニウム[8.2 g)],鉄[8.2 h)],ニッケル[8.2 i)],マン
ガン[8.2 j)]及び亜鉛[8.2 k)]を,その銅,鉛,すず,アルミニウム,鉄,ニッケル,マンガン及
び亜鉛の量が8.4.1 a) ではかりとった試料中の銅,鉛,すず,アルミニウム,鉄,ニッケル,マンガン
及び亜鉛の量と10 mgのけたまで等しくなるように,それぞれ数個はかりとり,数個のビーカー(200
mL)にそれぞれ移し入れる。
b) 8.4.1 b) の操作を行った後,標準カドミウム溶液[8.2 l)]の各種液量010.0 mL(カドミウムとして0
100 柿 を段階的に加える溶液を100 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
c) 溶液の一部をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長214.438 nm,226.502 nm又は
228.802 nmにおけるカドミウムの発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度とカドミウム量と
の関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

8.7 計算

  計算は,次による。
8.4.2及び8.5で得た発光強度と8.6で作成した検量線とからカドミウム量を求め,試料中のカドミウム
含有率を,次の式によって算出する。
A1 (A2 A3 )
Cd 100
m
ここに, Cd : 試料中のカドミウム含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中のカドミウム検出量(g)
A2 : 空試験液中のカドミウム検出量(g)
A3 : 8.6 a) ではかりとった銅[8.2 d)],鉛[8.2 e)],すず[8.2 f)],
アルミニウム[8.2 g)],鉄[8.2 h)],ニッケル[8.2 i)],マ
ンガン[8.2 j)]及び亜鉛[8.2 k)]中に含まれるカドミウム
の合量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

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附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS H 1069:2006 銅及び銅合金中のカドミウム定量方法 ISO 5960:1984,Copper alloys−Determination of cadmium content−Flame atomic
absorption spectrometric method
(I) ISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) ISと国際規格との技術的差
(IV) ISと国際規格との技術的差異の箇条
国際規 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
格番号
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び名称 番号 の評価
1 適用範囲 銅及び銅合金(伸銅品, 1 銅及び銅合金(伸銅品)追加 銅含有率99.90 %(質量分率)ISO規格を包含した四つの定量方
鋳物用銅地金及び銅鋳 中のカドミウム定量方法 以上の銅試料だけに適用できる法を規定しており,状況に応じて
物)中のカドミウム定 を規定。 定量方法を追加した。また, いずれかを選択して使用できる。
量方法を規定。 RoHS,ELV規制に対応できる ISO規格は20年以上経過し,見直
定量方法も追加した。 しがされていない。見直しを行う
2 引用規格 JIS H 1012 − ISO規格には,規定され 追加 JISとして必要な引用規格を規 際は,変更を提案する。
ていない。 定。
3 一般事項 JIS H 1012による。 − ISO規格には,規定され 追加 JISとして必要な引用規格を規
ていない。 定。
4 定量方法の a) 原子吸光法(ブラケ 1 原子吸光法(ブラケット変更 ISO規格では,規定していない
区分 ット検量法) 検量法) 定量方法をJISとして採用した。
b) 原子吸光法(塩酸・
硝酸分解法)
c) トリオクチルアミン
抽出原子吸光法
d) CP発光分光法
のカドミウム含有率の
測定範囲を規定。
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――――― [JIS H 1069 pdf 15] ―――――

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JIS H 1069:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5960:1984(MOD)

JIS H 1069:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 1069:2006の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH1012:2001
銅及び銅合金の分析方法通則