JIS H 1111:2014 亜鉛地金分析方法 | ページ 3

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b) 硝酸と酒石酸との混酸による調製を行った場合 6.3.4 b) 及び6.3.5で得た発光強度と,6.3.6で作成し
た検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。
A7 (A8 A9 )
Pb 100
m
ここに, Pb : 試料中の鉛含有率[%(質量分率)]
A7 : 試料溶液中の鉛検出量(g)
A8 : 空試験液中の鉛検出量(g)
A9 : 6.3.6 a) 2.1) でとった亜鉛溶液中に含まれる鉛の量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

6.4 水酸化鉄共沈分離原子吸光分析法

6.4.1  要旨
試料に硫酸アンモニウム鉄(III)を加え,塩酸と硝酸との混酸で分解した後,アンモニア水及び炭酸ア
ンモニウムを加え,鉛を水酸化鉄と共沈させ,こし分ける。沈殿を塩酸に溶解した後,溶液を原子吸光光
度計のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,その吸光度を測定し,検量線から鉛量を求める。
6.4.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1,1+50)
b) 混酸(塩酸45,硝酸1)
c) アンモニア水
d) アンモニア洗浄溶液 アンモニア水(2+25) 500 mLに炭酸アンモニウム 15 gを加えて溶解する。
e) 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水 10 gを硝酸(1+100)100 mLに
溶解する。この溶液 1 mLは,鉄約12 mgを含む。
f) 炭酸アンモニウム
g) 鉛標準液(Pb : 20 g/mL) 6.2.2 f)による。
6.4.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,10.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
6.4.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順による。
1) 試料をはかりとって,ビーカー(500 mL)に移し入れ,硫酸アンモニウム鉄(III)溶液[6.4.2 e)]
5 mLを加える。
2) 時計皿で覆い,混酸[6.4.2 b)]60 mLを加えて分解する。激しい反応が終わったら,穏やかに加熱
して完全に分解する。室温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,水を
加えて液量を約200 mLとする。
b) 鉛の分離 鉛の分離は,次の手順による。
1) ) 2)で得た溶液をかき混ぜながらアンモニア水を加えて,水酸化亜鉛の沈殿を溶解した後,更に過
剰に50 mLを加える。次に,炭酸アンモニウム約15 gを加えて加熱し,穏やかに5分間沸騰させた
後,6080 ℃の温所に12時間放置する。
2) 沈殿はろ紙(5種A)を用いてこし分け,温めたアンモニア洗浄溶液[6.4.2 d)]で元のビーカー及
びろ紙上の沈殿を数回洗浄する。ろ液及び洗液は,捨てる。
3) ろ紙上の沈殿を,温水で元のビーカーに洗い移し,漏斗下に元のビーカーを置き,ろ紙上に塩酸(1

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+1)10 mLを滴加して,ろ紙上及びビーカー中に残存する沈殿を溶解する。ろ紙は温めた塩酸(1
+50)で十分に洗浄する。
4) ろ液及び洗液を加熱して濃縮し,液量を1020 mLとする。常温まで冷却した後,水を用いて50 mL
の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。ただし,この溶液の鉛量が500 g以上の場合に
は,鉛量が50500 gになるように50 mLの全量フラスコに一定量を分取する。この分取した溶液
中の鉄量がa) 1)と同じになるように硫酸アンモニウム鉄(III)溶液[6.4.2 e)]を加え,更に塩酸量
が3) と同じになるように塩酸(1+1)を加えた後,水で標線まで薄める。
c) 吸光度の測定 b) 4) で得た溶液の一部を原子吸光光度計のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,波
長217.0 nm又は283.3 nmにおける吸光度を測定する。
6.4.5 空試験
試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行い,空試験液を調製し,吸光度を測定する。
6.4.6 検量線の作成
検量線の作成は,次の手順による。
a) 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液[6.4.2 e)]の鉄(III)の添加量が6.4.4 b)と同じになるように数個の
50 mLの全量フラスコにとり,塩酸(1+1)10 mLを加える。
b) 鉛標準液[6.4.2 g)]025.0 mL(鉛として0500 g)を段階的に加え,水で標線まで薄める。
c) 得た溶液の一部を原子吸光光度計のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,波長217.0 nm又は283.3 nm
における吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と鉛量との関係線を作成し,検量線とする。
6.4.7 計算
計算は,次のいずれかによる。
a) 6.4.4 b) 4)で分取をしない場合 6.4.4 c)及び6.4.5で得た吸光度と,6.4.6で作成した検量線とから鉛量
を求め,試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。
A1 A2
Pb 100
m
ここに, Pb : 試料中の鉛含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中の鉛検出量(g)
A2 : 空試験液中の鉛検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
b) 6.4.4 b) 4)で分取をした場合 6.4.4 c)及び6.4.5で得た吸光度と,6.4.6で作成した検量線とから鉛量を
求め,試料中の鉛含有率を,次の式によって算出する。
A3 A4
Pb 100
m B
ここに, Pb : 試料中の鉛含有率[%(質量分率)]
A3 : 試料溶液中の鉛検出量(g)
A4 : 空試験液中の鉛検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
B : 試料溶液及び空試験液の分取比

6.5 水酸化鉄共沈分離ICP発光分光分析法

6.5.1  要旨
試料に硫酸アンモニウム鉄(III)を加え,塩酸と硝酸との混酸で分解した後,アンモニア水及び炭酸ア
ンモニウムを加え,鉛を水酸化鉄と共沈させ,こし分ける。沈殿を塩酸に溶解した後,溶液をICP発光分
光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定し,検量線から鉛量を求める。

――――― [JIS H 1111 pdf 12] ―――――

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6.5.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1,1+50)
b) 混酸(塩酸45,硝酸1)
c) アンモニア水
d) アンモニア洗浄溶液 6.4.2 d)による。
e) 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液 6.4.2 e)による。
f) 炭酸アンモニウム
g) 鉛標準液A(Pb : 200 g/mL) 6.3.2 k)による。
h) 鉛標準液B(Pb : 20 g/mL) 6.2.2 f)による。
6.5.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,10.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
6.5.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,6.4.4 a)による。
b) 鉛の分離 鉛の分離は,次の手順による。
1) 6.4.4 b) 1)3)の手順に従って操作する。
2) ろ液及び洗液を加熱して濃縮し,液量を1020 mLとする。常温まで冷却した後,水を用いて50 mL
の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
c) 発光強度の測定 b) 2)で得た溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波
長220.353 nmにおける発光強度を測定する。
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用可能
な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付いている装
置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
6.5.5 空試験
試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行い,空試験液を調製し,発光強度を測定する。
6.5.6 検量線の作成
検量線の作成は,次の手順による。
a) 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液[6.5.2 e)]の鉄(III)の添加量が6.5.4 b)と同じになるように数個の
50 mLの全量フラスコにとり,塩酸(1+1)10 mLを加える。
b) 鉛標準液B[6.5.2 h)]020.0 mL(鉛として0400 μg)又は鉛標準液A[6.5.2 g)]2.010.0 mL(鉛
として400 μg2 mg)を段階的に加え,水で標線まで薄める。
c) 得た溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長220.353 nmにおける発
光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度と鉛量との関係線を作成し,検量線とする。
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用可能
な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付いている装
置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
6.5.7 計算
6.5.4 c)及び6.5.5で得た発光強度と,6.5.6で作成した検量線とから鉛量を求め,試料中の鉛含有率を,
次の式によって算出する。

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A1−A2
Pb 100
m
ここに, Pb : 試料中の鉛含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中の鉛検出量(g)
A2 : 空試験液中の鉛検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

7 鉄定量方法

7.1 定量方法の区分

  鉄の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 1,10-フェナントロリン吸光光度法 この方法は,鉄含有率0.001 %(質量分率)以上0.3 %(質量分率)
以下の試料に適用する。
b) スルホサリチル酸吸光光度法 この方法は,鉄含有率0.001 %(質量分率)以上0.1 %(質量分率)以
下の試料に適用する。
c) 原子吸光分析法 この方法は,鉄含有率0.000 2 %(質量分率)以上0.3 %(質量分率)以下の試料に
適用する。
d) CP発光分光分析法 この方法は,鉄含有率0.000 1 %(質量分率)以上0.3 %(質量分率)以下の試
料に適用する。

7.2 1,10-フェナントロリン吸光光度法

7.2.1  要旨
試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,L(+)-アスコルビン酸及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム(以下,EDTAという。)を加えて鉄を還元するとともに亜鉛などをマスキングした後,1,10-フェナン
トロリンを加え,酢酸アンモニウムを加えてpHを調節して1,10-フェナントロリン鉄錯体を生成させ,分
光光度計を用いて,その吸光度を測定し,検量線から鉄量を求める。
7.2.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1)
b) 硝酸(1+3,1+100)
c) 混酸(塩酸45,硝酸1)
d) (+)-アスコルビン酸溶液(10 g/L) この溶液は,使用の都度調製する。
e) 酢酸アンモニウム溶液(500 g/L)
f) EDTA溶液 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物40 gに水50 mL及びアンモニア水
10 mLを加えて溶解し,水で100 mLに薄める。
g) 1,10-フェナントロリン溶液(3 g/L) 塩化1,10-フェナントロリウム一水和物3.6 gを水1 000 mLに溶
解する。又は,1,10-フェナントロリン一水和物3.0 gをエタノール(95)100 mLに溶解し,水で1 000
mLとする。
h) 鉄標準液(Fe : 20 μg/mL) 鉄標準液は,次のいずれかを用いる。
1) 市販の鉄標準液 酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,濃度が20 μg/mLよ
り濃い場合は,硝酸(1+100)で正確に薄めて鉄標準液とする。
注記 JCSSに基づく鉄標準液がある。

――――― [JIS H 1111 pdf 14] ―――――

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2) 金属を用いて調製した鉄標準液 鉄[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gを硝酸(1+3)20 mLで分
解し,常温まで冷却した後,1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて
原液(Fe : 100 g/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に5倍に薄めて鉄標準
液とする。
7.2.3 試料はかりとり量
試料のはかりとり量は,5.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
7.2.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順による。
1) 試料をはかりとって,ビーカー(300 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸[7.2.2 c)]30 mLを加えて分解する。激しい反応が終わったら,穏やかに加熱
して完全に分解し,引き続き加熱しシロップ状となるまで濃縮する。
3) 水約50 mLを加えて穏やかに加熱して塩類を溶解する。ただし,溶解が不完全なときは,塩酸(1
+1)2 mLを添加して完全に溶解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿
を取り除き,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶
液から100 mLの全量フラスコに正確に10.0 mLを分取する。ただし,この溶液の鉄量が300 μg以
上の場合には,鉄量が50300 μgとなるように100 mLの全量フラスコに一定量を分取する。
b) 呈色 呈色は,次の手順による。
1) ) 3)で得た溶液に水を加えて液量を50 mLとした後,L(+)-アスコルビン酸溶液[7.2.2 d)]2 mLを
加えて振り混ぜる。
2) この溶液にEDTA溶液[7.2.2 f)]10 mL,1,10-フェナントロリン溶液[7.2.2 g)]15 mL及び酢酸ア
ンモニウム溶液[7.2.2 e)]5 mLを加え,水で標線まで薄めた後,約20分間放置する。
c) 吸光度の測定 b) 2)で得た溶液の一部を,分光光度計の吸収セル(10 mm)にとり,水を対照液とし
て波長510 nm付近の吸光度を測定する。
7.2.5 空試験
試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行い,空試験液を調製し,吸光度を測定する。
7.2.6 検量線の作成
鉄標準液[7.2.2 h)]015.0 mL(鉄として0300 μg)を段階的に数個の100 mLの全量フラスコにとり,
水を加えて,液量を約50 mLとした後,L(+)-アスコルビン酸溶液[7.2.2 d)]2 mLを加えて振り混ぜる。
以下,7.2.4 b) 2)及び7.2.4 c)の手順に従って操作し,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,検量線とす
る。
7.2.7 計算
7.2.4 c)及び7.2.5で得た吸光度と,7.2.6で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次
の式によって算出する。
A1 A2
Fe 100
m B
ここに, Fe : 試料中の鉄含有率[%(質量分率)]
A1 : 分取した試料溶液中の鉄検出量(g)
A2 : 分取した空試験液中の鉄検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
B : 試料溶液及び空試験液の分取比

――――― [JIS H 1111 pdf 15] ―――――

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JIS H 1111:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3815-2:2005(MOD)
  • ISO 714:1975(MOD)

JIS H 1111:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 1111:2014の関連規格と引用規格一覧