JIS H 1292:2018 銅合金の蛍光X線分析方法 | ページ 2

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H 1292 : 2018
表2−分析線の例
定量成分 分析線
波長 nm 次数
銅 0.154 1(CuKα) 1
鉛 0.117 5(PbLα) 1
0.098 2(PbLβ) 1
鉄 0.193 6(FeKα) 1
すず 0.049 1(SnKα) 1
亜鉛 0.143 5(ZnKα) 1
0.129 5(ZnKβ) 1
アルミニウム 0.834 0(AlKα) 1
ひ素 0.105 7(AsKα) 1
0.099 2(AsKβ) 1
マンガン 0.210 3(MnKα) 1
ニッケル 0.165 9(NiKα) 1
けい素 0.712 5(SiKα) 1
りん 0.615 5(PKα) 1
コバルト 0.179 0(CoKα) 1
アンチモン 0.047 0(SbKα) 1
クロム 0.229 1(CrKα) 1
チタン 0.275 0(TiKα) 1
ビスマス 0.114 4(BiLα) 1
セレン 0.110 6(SeKα) 1
ジルコニウム 0.078 7(ZrKα) 1

10 検量線

10.1 検量線の作成

  箇条9 b) で得た検量線用試料中の定量成分の蛍光X線強度と,その含有率との関係を求め,検量線を
作成する。
なお,定量成分に対する共存元素の影響がある場合には,定量成分に対する共存元素の補正係数を求め
るとともに,10.2 a) に示す基準検量線を作成する。

10.2 共存元素の影響の補正

  共存元素の影響の補正は,次による。
a) 定量成分の定量時に共存元素の影響がある場合には,検量線用試料の各成分元素の各蛍光X線強度と
各含有率とを用いて,非線形回帰計算によって,定量成分iに対する共存元素jの補正係数(重なり
補正係数,吸収励起補正係数),及び定量成分iの基準検量線を同時に求める。次の式に共存元素の影
響補正を含む補正検量線式を示す。
Wi=(aIi2+bIi+c) (1+ΣAjWj)+ΣBjWj+Ea
ここに, Ii : 試料中の定量成分iのX線強度
a, b, c : 基準検量線の検量線定数
Aj : 共存元素jの定量成分iに対する吸収励起補正係数
Wj : 試料中の共存元素jの含有率[%(質量分率)]
Bj : 共存元素jの定量成分iに対する重なり補正係数
Ea : 試料の組織(経歴),散乱X線によるバックグラウンド強度
などを考慮して補正するための実測から得られる補正項

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b) 黄銅中の銅を定量する場合の銅に対する共存元素(鉛,鉄及びすず)の吸収励起補正係数の実験での
例を,表3に示す。
表3−銅に対する吸収励起補正係数(Aj)例
分析所 共存元素
Pb Fe Sn
L1 0.014 28 − 0.032 40
L2 0.011 69 0.020 61 0.013 09
L3 0.014 49 0.022 76 0.016 98
L4 0.013 81 − 0.018 61
c) 市販の蛍光X線分析装置には,通常,共存元素の影響の補正のための計算プログラムが読み込まれて
いるので,その補正計算プログラムを利用して共存元素の影響を補正することができる。
注記 共存元素の影響の補正に関しては,JIS G 1256:2013の解説を参照するとよい。

11 計算

  箇条9 b) で得た分析試料中の定量成分の蛍光X線強度及び箇条10で作成した検量線によって,分析試
料中の定量成分の含有率を求める。
なお,共存元素の影響の補正を適用した場合には,箇条9 b) で得た分析試料中の定量成分の蛍光X線
強度及び基準検量線によって定量成分だけ補正式の含有率Xiを求め,補正係数を用いて共存元素の影響を
補正し,分析試料中の定量成分の含有率(補正後の含有率)を求める。
Xi=aIi2+bIi+c
Wi=Xi(1+ΣAjWj)+ΣBjWj+Ea
ここに, Xi : 試料中の定量成分iの未補正の含有率[%(質量分率)]
参考文献 JIS G 1256:2013 鉄及び鋼−蛍光X線分析方法

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