JIS H 1352:2007 アルミニウム及びアルミニウム合金中のけい素定量方法 | ページ 2

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H 1352 : 2007
a) 二酸化けい素重量法(A法) この方法は,けい素含有率0.2 %(質量分率)以上25.0 %(質量分率)
以下で,すず及びアンチモンの含有率の合計が1.0 %(質量分率)未満の試料に適用する。
b) 二酸化けい素重量法(B法) この方法は,けい素含有率0.2 %(質量分率)以上25.0 %(質量分率)
以下で,すず及びアンチモンの含有率の合計が1.0 %(質量分率)以上の試料に適用する。
c) モリブドけい酸吸光光度法 この方法は,けい素含有率0.03 %(質量分率)以上0.5 %(質量分率)
以下の試料に適用する。
d) モリブドけい酸青吸光光度法(アルカリ分解法) この方法は,けい素含有率0.005 %(質量分率)
以上0.05 %(質量分率)以下の試料に適用する。
e) モリブドけい酸青吸光光度法(酸分解法) この方法は,けい素含有率0.001 %(質量分率)以上0.01 %
(質量分率)以下の試料に適用する。
f) ICP発光分光法(A法) この方法は,けい素含有率0.01 %(質量分率)以上0.2 %(質量分率)未
満の試料に適用する。
g) CP発光分光法(B法) この方法は,けい素含有率0.2 %(質量分率)以上2.0 %(質量分率)未
満の試料に適用する。
h) CP発光分光法(C法) この方法は,けい素含有率2.0 %(質量分率)以上12.0 %(質量分率)以
下の試料に適用する。

5 二酸化けい素重量法(A法)

5.1 要旨

  試料を水酸化ナトリウム及び過酸化水素を用いて分解し,硝酸及び過塩素酸を加え,加熱蒸発して過塩
素酸の白煙を発生させ,けい素を不溶性二酸化けい素とする。放冷した後,温水を加えて可溶性塩類を溶
解する。沈殿をこし分け,強熱した後,その質量をはかる。次に,硫酸及びふっ化水素酸を加え,加熱し
て二酸化けい素をふっ化けい素として揮散させ,強熱した後,その質量をはかる。

5.2 試薬

  試薬は,次による。
5.2.1 塩酸(1+1,1+19)
5.2.2 硝酸
5.2.3 過塩素酸
5.2.4 ふっ化水素酸
5.2.5 硫酸(1+1)
5.2.6 水酸化ナトリウム(粒状)
5.2.7 水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム250 gを水で溶解して冷却した後,水で液量を1 000 mL
とする。
なお,この溶液は,ポリエチレン瓶に保存し,その上澄み液を使用する。
5.2.8 過酸化水素(1+9)
5.2.9 硝酸銀溶液 硝酸銀5 gを水100 mLに溶解する。
なお,この溶液は,褐色瓶に保存する。

5.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,表1による。
なお,試料は1 mgのけたまではかる。

――――― [JIS H 1352 pdf 6] ―――――

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表1−試料はかりとり量
試料中のけい素含有率 試料はかりとり量
%(質量分率) g
0.2以上 1.0未満 3.0
1.0以上 3.0未満 1.0
3.0以上 7.0未満 0.50
7.0以上 25.0以下 0.30

5.4 操作

5.4.1  試料の分解及び二酸化けい素の脱水処理
試料の分解及び二酸化けい素の脱水処理は,次のいずれかの手順によって行う。
a) けい素含有率0.2 %(質量分率)以上1.0 %(質量分率)未満の試料
1) 試料をはかりとってニッケルビーカー(300 mL)に移し入れ,ニッケル製ふたで覆い,水酸化ナト
リウム溶液(5.2.7)40 mLを少量ずつ加えて分解する。
なお,反応が激しいときは,容器を流水中で冷却して,反応を静めながら行う。
2) 反応が穏やかになったら,過酸化水素(1+9)10 mLを加え,加熱して試料を完全に分解する。
3) 放冷した後,溶液を,あらかじめ硝酸5 mL及び過塩素酸90 mLを入れたビーカー(500 mL)中に
注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,初めは少量の水で洗い,次いで
少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
4) 溶液を砂浴上で加熱して過塩素酸の白煙を発生させた後,時計皿で覆い,砂浴上で強熱して過塩素
酸の蒸気がビーカーの内壁を伝わって還流する状態になってから,更に,1520分間加熱を続ける。
放冷した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除く。
b) けい素含有率1.0 %(質量分率)以上3.0 %(質量分率)未満の試料
1) 試料をはかりとってニッケルビーカー(300 mL)に移し入れ,ニッケル製ふたで覆い,水酸化ナト
リウム(粒状)6 gを加えた後,水10 mLを少量ずつ加えて分解する。
なお,反応が激しいときは,容器を流水中で冷却して,反応を静めながら行う。
2) ) 2) の操作を行った後,放冷する。溶液を,あらかじめ硝酸5 mL,過塩素酸50 mL及び水20 mL
を入れたビーカー(500 mL)中に注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,
初めは少量の水で洗い,次いで少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
3) ) 4) の操作を行う。
c) けい素含有率3.0 %(質量分率)以上7.0 %(質量分率)未満の試料
1) 試料をはかりとってニッケルビーカー(300 mL)に移し入れ,ニッケル製ふたで覆い,水酸化ナト
リウム(粒状)5 gを加えた後,水10 mLを少量ずつ加えて分解する。
なお,反応が激しいときは,容器を流水中で冷却して,反応を静めながら行う。
2) ) 2) の操作を行った後,放冷する。溶液を,あらかじめ硝酸5 mL,過塩素酸40 mL及び水15 mL
を入れたビーカー(500 mL)中に注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,
初めは少量の水で洗い,次いで少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
3) ) 4) の操作を行う。
d) けい素含有率7.0 %(質量分率)以上25.0 %(質量分率)以下の試料
1) 試料をはかりとってニッケルビーカー(300 mL)に移し入れ,ニッケル製ふたで覆い,水酸化ナト

――――― [JIS H 1352 pdf 7] ―――――

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リウム(粒状)8 gを加えた後,水5 mLを少量ずつ加えて分解する。
なお,反応が激しいときは,容器を流水中で冷却して,反応を静めながら行う。
2) 反応が穏やかになったら,砂浴上で加熱して脱水し,乾固する。
3) 放冷した後,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を少量の水で洗う。過酸化水素(1
+9)10 mLを加え,再び加熱して試料を完全に分解する。
4) 放冷した後,溶液を,あらかじめ硝酸5 mL,過塩素酸60 mL及び水20 mLを入れたビーカー(500
mL)中に注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,初めは少量の水で洗い,
次いで少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
5) ) 4) の操作を行う。
5.4.2 ろ過及び洗浄
ろ過及び洗浄は,次の手順によって行う。
a) 5.4.1のa) 4),b) 3),c) 3) 又はd) 5) で得た,塩類の入っているビーカー中に温水を加えて液量を約
400 mLとし,ガラス棒を用いてかき混ぜ,加熱して塩類を溶解する。
b) 静置して,沈殿物が沈降した後,速やかに沈殿をろ紙(5種B)を用いてこし分け,ビーカーの内壁
に付着した二酸化けい素は,ゴム管付きガラス棒を用いてこすり落とし,少量の温塩酸(1+19)を用
いてろ紙上に移す。
c) ろ紙及び沈殿物を,温塩酸(1+19)を用いて約10回洗浄した後,温水を用いて,少量の洗液に硝酸
銀溶液(5.2.9)を加えたときに洗液が白濁しなくなるまで,十分に洗浄する。
5.4.3 ひょう量
ひょう量は,次の手順によって行う。
a) 5.4.2 c) で得た二酸化けい素の沈殿を,ろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,加熱してろ紙
を乾燥した後,強熱して灰化する。
b) 1 1001 150 ℃で約1時間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷した後,その質量をはかる。恒量
となるまでこの操作を繰り返す。
c) 白金るつぼ中に,ふっ化水素酸約5 mL及び硫酸(1+1)1 mLを加え,穏やかに加熱して二酸化けい
素を揮散させ,引き続き硫酸白煙が発生しなくなるまで加熱する。
d) 1 1001 150 ℃で約30分間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷した後,その質量をはかる。恒量
となるまでこの操作を繰り返す。

5.5 空試験

  空試験は,試料を用いないで5.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.6 計算

  試料中のけい素含有率は,次の式によって算出する。
(m1 m2 m3 m4 ) 0.467 4
Si= 100 %
m
ここに, Si : 試料中のけい素含有率 (質量分率)
m1 : 5.4.3 b) で得た質量(g)
m2 : 5.4.3 d) で得た質量(g)
m3 : 5.5における5.4.3 b) で得た質量(g)
m4 : 5.5における5.4.3 d) で得た質量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

――――― [JIS H 1352 pdf 8] ―――――

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6 二酸化けい素重量法(B法)

6.1 要旨

  試料を水酸化ナトリウム及び過酸化水素を用いて分解し,過塩素酸,臭素水及び臭化水素酸を加え,加
熱して過塩素酸の白煙を発生させてすず及びアンチモンを臭化物として揮散除去し,引き続き加熱蒸発し
てけい素を不溶性二酸化けい素とする。放冷した後,温水を加えて可溶性塩類を溶解する。沈殿をこし分
け,強熱した後,その質量をはかる。次に,硫酸及びふっ化水素酸を加え,加熱して二酸化けい素をふっ
化けい素として揮散させ,強熱した後,その質量をはかる。

6.2 試薬

  試薬は,次による。
6.2.1 塩酸(1+1,1+19)
6.2.2 硝酸
6.2.3 過塩素酸
6.2.4 ふっ化水素酸
6.2.5 臭化水素酸
6.2.6 硫酸(1+1)
6.2.7 水酸化ナトリウム(粒状)
6.2.8 水酸化ナトリウム溶液 5.2.7による。
6.2.9 過酸化水素(1+9)
6.2.10 臭素水(飽和,約35 g/L)
6.2.11 硝酸銀溶液 5.2.9による。

6.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,表1による。
なお,試料は1 mgのけたまではかる。

6.4 操作

6.4.1  試料の分解及び二酸化けい素の脱水処理
試料の分解及び二酸化けい素の脱水処理は,次のいずれかの手順によって行う。
a) けい素含有率0.2 %(質量分率)以上1.0 %(質量分率)未満の試料
1) 5.4.1 a) の1) 及び2) の手順に従って操作した後,溶液を,あらかじめ過塩素酸120 mL及び水40 mL
を入れたビーカー(500 mL)中に注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,
初めは少量の水で洗い,次いで少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
2) 時計皿で覆い,溶液を加熱して数分間煮沸した後,臭素水(飽和)15 mLを少量ずつ加え,次いで,
臭化水素酸40 mLを加える。
3) 時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除き,引き続き加熱し,濃縮して過塩素酸の白煙を
約5分間発生させる。
4) 時計皿で覆い,砂浴上で強く加熱して過塩素酸の蒸気がビーカーの内壁を伝わって還流する状態に
なってから,更に,1520分間加熱を続ける。放冷した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計
皿を取り除く。
b) けい素含有率1.0 %(質量分率)以上3.0 %(質量分率)未満の試料
1) 5.4.1 b) の1) 及び2) の手順に従って操作した後,溶液を,あらかじめ過塩素酸80 mL及び水30 mL

――――― [JIS H 1352 pdf 9] ―――――

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を入れたビーカー(500 mL)中に注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,
初めは少量の水で洗い,次いで少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
2) 時計皿で覆い,溶液を加熱して数分間煮沸した後,臭素水(飽和)10 mLを少量ずつ加え,次いで,
臭化水素酸20 mLを加える。
3) ) の3) 及び4) の手順に従って操作する。
c) けい素含有率3.0 %(質量分率)以上7.0 %(質量分率)未満の試料
1) 5.4.1 c) の1) 及び2) の手順に従って操作した後,溶液を,あらかじめ過塩素酸80 mL及び水30 mL
を入れたビーカー(500 mL)中に注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,
初めは少量の水で洗い,次いで少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
2) 時計皿で覆い,溶液を加熱して数分間煮沸した後,臭素水(飽和)10 mLを少量ずつ加え,次いで,
臭化水素酸10 mLを加える。
3) ) の3) 及び4) の手順に従って操作する。
d) けい素含有率7.0 %(質量分率)以上25.0 %(質量分率)以下の試料
1) 5.4.1 d) の1)3) の手順に従って操作した後,溶液を,あらかじめ過塩素酸80 mL及び水30 mLを
入れたビーカー(500 mL)中に注ぎ入れ,ニッケル製ふたの下面及びニッケルビーカーの内壁を,
初めは少量の水で洗い,次いで少量の塩酸(1+1)で洗って洗液を主液に合わせる。
2) ) の2) 及び3) の手順に従って操作する。
6.4.2 ろ過及び洗浄
ろ過及び洗浄は,次の手順によって行う。
a) 6.4.1のa) 4),b) 3),c) 3) 又はd) 2) で得た,塩類の入っているビーカー中に温水を加えて液量を約
400 mLとし,ガラス棒を用いてかき混ぜ,加熱して塩類を溶解する。
b) 5.4.2のb) 及びc) の手順に従って操作する。
6.4.3 ひょう量
ひょう量は,次の手順によって行う。
a) 6.4.2 b) で得た二酸化けい素の沈殿を,ろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,加熱してろ紙
を乾燥した後,強熱して灰化する。
b) 1 1001 150 ℃で約1時間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷した後,その質量をはかる。恒量
となるまでこの操作を繰り返す。
c) 5.4.3のc) 及びd) の手順に従って操作する。

6.5 空試験

  空試験は,試料を用いないで6.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.6 計算

  試料中のけい素含有率は,次の式によって算出する。
(m1 m2 m3 m4 ) .04674
Si= 100 %
m
ここに, Si : 試料中のけい素含有率(質量分率)
m1 : 6.4.3 b) で得た質量(g)
m2 : 6.4.3 c) で得た質量(g)
m3 : 6.5における6.4.3 b) で得た質量(g)
m4 : 6.5における6.4.3 c) で得た質量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

――――― [JIS H 1352 pdf 10] ―――――

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JIS H 1352:2007の引用国際規格 ISO 一覧

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  • ISO 808:1973(MOD)

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